神のしごきに耐え抜いて武神へと到りました

江守 桜

文字の大きさ
5 / 29

5 商業都市パラキート

しおりを挟む
   「ハク様と言うんですか。私はセザールと申します。これでも一応セザール商会の代表取締役をしております」

   「代表取締役ですか。すごいですね」

   「いえいえそれほどでも。今ではかなり大きな商会になったのですが、それにともなって様々な問題が出てきて頭が痛くなりますよ」

   「やっぱり商会をするのは大変なんですね」

   「まぁそれでもやりがいはありますよ。でも商人としてまた仕事ができるのは助けてくださったハク様のお陰ですよ。」

  商人のセザールさんと共に他愛もない会話をし、馬車に揺られながら町へと向かった。


「あっ、見えて来ましたよ」

   セザールさんにそう言われ外を見てみると、高い壁が見えた。

  「あれが商業都市パラキートです」

  パラキートと呼ばれる都市は、様々な商品が集まり欲しいものはパラキートに集まるとさえ言われるほど商業が盛んなんだとか。ちなみにこれはセザールさん情報である。
  町に入る前に兵士によって、検問が行われていた。しばらく待つと自分達の番がやって来た。

  「身分証の提示を」

  そう兵士に言われたが、…あれっ、俺身分証何か持ってなくね?

   《山奥で暮らしていた為、身分証の類いは持っていないと言えばいいでしょう。身分証は町の中の冒険者ギルドなどでで発行できます。》

  なるほど、ナビさんナイス!

   《お褒めに預り光栄です》

   「あの、俺最近山奥から出てきたばかりで身分証の類いは持って無いんですけど……」

   「そうか、じゃあこの水晶に手をかざすだけでいい」

  そういうと、兵士は水晶を持ってきた。俺はそれに手をかざすと、白く光った。

   「…問題ないな。じゃあ門を通るための通行税に銅貨5枚だ」

  ……俺金持ってないんだけど。てか、銅貨5枚っていくらぐらいなんだ?

   《解。この世界では鉄貨、銅貨、銀貨、金貨、大金貨、白金貨、黒貨があり、鉄貨1枚は100セルです。おおよそマスターの世界の100円と同じ価値です。そして鉄貨10枚で銅貨一枚となり、銅貨10枚で銀貨一枚です。一つ前の貨幣が10枚集まることで次の貨幣と同じ価値になります。》

   ということは、黒貨は1億セルになるってことか。てか、一枚で1億ってヤバいな。

   《解。その通りです。黒貨など価値の高い貨幣は、商会同士のやり取りや、国同士でのやり取りなどで用いられる貨幣なのであまり見ることはありません。》   

   じゃあ通行税の銅貨5枚は5000セルか。どうしようか?

   《捕らえている盗賊には賞金がかけられています。盗賊を引き渡せばそれなりのお金にはなるでしょう。》

   あ~そういえばつかまえてたな。

   「あの、盗賊を倒したんですけど引き渡せばいくら位になりますか?」

  「!!?ちょっと待っていてくれすぐに戻る」

   それからしばらくして何人かの兵士がやってきた。

   「ん~~、確かに盗賊だな。17人あわせて金貨2枚ってとこか」 

   おー20万いきなり大金ゲット!

   「この盗賊はどうしたんだ?」

   「そこにいるハク様がたおしてしまいました。」

   「あなたは?」

   「セザール商会代表取締役のセザールです。ハク様には盗賊達に襲われているとこを助けて頂き、ここまでの護衛をしてもらっていました」

   「あのセザール商会のセザール様でしたか。しかし盗賊は17人もいるというのによく倒せましたね?」

   「はい、あっという間にハク様が倒してしまいました」

   「人は見かけによらないと言うが………事情はわかりました。では金貨2枚はこちらの青年に、という事でよろしいですね」

   「はい、それで」

   そんなやり取りもあり金貨2枚を受けとりそのうち銅貨5枚を通行料として払い町に入って行った。


   「おぉ~~すげ~~」

   町並みはまさしく中世を思わせるものだった。何かタイムスリップしたみたいだな。

   「では、ハク様ここで。ここまでありがとうございました。ハク様へのお礼と護衛の報酬は後日商館に来ていただいたときにいたします。商館に来たら話を通して起きますので名前と私を呼んでいるとおっしゃっていただければすぐにでもいきますので」

   セザールさんはそう言い、俺に商館までの地図を渡した。

   「いえ、俺も色々な事が知れたのでありがたかったです。では、また後日」

   そこでセザールさんと別れ、身分証発行のため冒険者ギルドに向かった。
  しばらくすると、冒険者ギルドにたどり着いた。

   「…結構でかいな~」

   冒険者ギルドは、周りの建物よりも一回りも大きかった。
   何か小説とかだと冒険者登録しようとすると何か変な輩が絡んできたりするテンプレがあるが大丈夫だろうか。

   《実際あまり絡んでくるものは少ないですね。わざわざ絡んだときの利点も少ないですし。》

   そういうことなら大丈夫そうか。 





  …………なんて思った時もありました。
  
   「そんな服装して、お前どっかのボンボンか?あぁん」


   どうしてこうなった?
   

   

   
しおりを挟む
感想 65

あなたにおすすめの小説

妻からの手紙~18年の後悔を添えて~

Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。 妻が死んで18年目の今日。 息子の誕生日。 「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」 息子は…17年前に死んだ。 手紙はもう一通あった。 俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。 ------------------------------

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?

青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。 最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。 普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた? しかも弱いからと森に捨てられた。 いやちょっとまてよ? 皆さん勘違いしてません? これはあいの不思議な日常を書いた物語である。 本編完結しました! 相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです! 1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…

生贄にされた少年。故郷を離れてゆるりと暮らす。

水定ゆう
ファンタジー
 村の仕来りで生贄にされた少年、天月・オボロナ。魔物が蠢く危険な森で死を覚悟した天月は、三人の異形の者たちに命を救われる。  異形の者たちの弟子となった天月は、数年後故郷を離れ、魔物による被害と魔法の溢れる町でバイトをしながら冒険者活動を続けていた。  そこで待ち受けるのは数々の陰謀や危険な魔物たち。  生贄として魔物に捧げられた少年は、冒険者活動を続けながらゆるりと日常を満喫する!  ※とりあえず、一時完結いたしました。  今後は、短編や別タイトルで続けていくと思いますが、今回はここまで。  その際は、ぜひ読んでいただけると幸いです。

『急所』を突いてドロップ率100%。魔物から奪ったSSRスキルと最強装備で、俺だけが規格外の冒険者になる

仙道
ファンタジー
 気がつくと、俺は森の中に立っていた。目の前には実体化した女神がいて、ここがステータスやスキルの存在する異世界だと告げてくる。女神は俺に特典として【鑑定】と、魔物の『ドロップ急所』が見える眼を与えて消えた。  この世界では、魔物は倒した際に稀にアイテムやスキルを落とす。俺の眼には、魔物の体に赤い光の点が見えた。そこを攻撃して倒せば、【鑑定】で表示されたレアアイテムが確実に手に入るのだ。  俺は実験のために、森でオークに襲われているエルフの少女を見つける。オークのドロップリストには『剛力の腕輪(攻撃力+500)』があった。俺はエルフを助けるというよりも、その腕輪が欲しくてオークの急所を剣で貫く。  オークは光となって消え、俺の手には強力な腕輪が残った。  腰を抜かしていたエルフの少女、リーナは俺の圧倒的な一撃と、伝説級の装備を平然と手に入れる姿を見て、俺に同行を申し出る。  俺は効率よく強くなるために、彼女を前衛の盾役として採用した。  こうして、欲しいドロップ品を狙って魔物を狩り続ける、俺の異世界冒険が始まる。 12/23 HOT男性向け1位

貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。

黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。 この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます

菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。 嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。 「居なくていいなら、出ていこう」 この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし

悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる

竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。 評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。 身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。

異世界に転移したら、孤児院でごはん係になりました

雪月夜狐
ファンタジー
ある日突然、異世界に転移してしまったユウ。 気がつけば、そこは辺境にある小さな孤児院だった。 剣も魔法も使えないユウにできるのは、 子供たちのごはんを作り、洗濯をして、寝かしつけをすることだけ。 ……のはずが、なぜか料理や家事といった 日常のことだけが、やたらとうまくいく。 無口な男の子、甘えん坊の女の子、元気いっぱいな年長組。 個性豊かな子供たちに囲まれて、 ユウは孤児院の「ごはん係」として、毎日を過ごしていく。 やがて、かつてこの孤児院で育った冒険者や商人たちも顔を出し、 孤児院は少しずつ、人が集まる場所になっていく。 戦わない、争わない。 ただ、ごはんを作って、今日をちゃんと暮らすだけ。 ほんわか天然な世話係と子供たちの日常を描く、 やさしい異世界孤児院ファンタジー。

処理中です...