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5 商業都市パラキート

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   「ハク様と言うんですか。私はセザールと申します。これでも一応セザール商会の代表取締役をしております」

   「代表取締役ですか。すごいですね」

   「いえいえそれほどでも。今ではかなり大きな商会になったのですが、それにともなって様々な問題が出てきて頭が痛くなりますよ」

   「やっぱり商会をするのは大変なんですね」

   「まぁそれでもやりがいはありますよ。でも商人としてまた仕事ができるのは助けてくださったハク様のお陰ですよ。」

  商人のセザールさんと共に他愛もない会話をし、馬車に揺られながら町へと向かった。


「あっ、見えて来ましたよ」

   セザールさんにそう言われ外を見てみると、高い壁が見えた。

  「あれが商業都市パラキートです」

  パラキートと呼ばれる都市は、様々な商品が集まり欲しいものはパラキートに集まるとさえ言われるほど商業が盛んなんだとか。ちなみにこれはセザールさん情報である。
  町に入る前に兵士によって、検問が行われていた。しばらく待つと自分達の番がやって来た。

  「身分証の提示を」

  そう兵士に言われたが、…あれっ、俺身分証何か持ってなくね?

   《山奥で暮らしていた為、身分証の類いは持っていないと言えばいいでしょう。身分証は町の中の冒険者ギルドなどでで発行できます。》

  なるほど、ナビさんナイス!

   《お褒めに預り光栄です》

   「あの、俺最近山奥から出てきたばかりで身分証の類いは持って無いんですけど……」

   「そうか、じゃあこの水晶に手をかざすだけでいい」

  そういうと、兵士は水晶を持ってきた。俺はそれに手をかざすと、白く光った。

   「…問題ないな。じゃあ門を通るための通行税に銅貨5枚だ」

  ……俺金持ってないんだけど。てか、銅貨5枚っていくらぐらいなんだ?

   《解。この世界では鉄貨、銅貨、銀貨、金貨、大金貨、白金貨、黒貨があり、鉄貨1枚は100セルです。おおよそマスターの世界の100円と同じ価値です。そして鉄貨10枚で銅貨一枚となり、銅貨10枚で銀貨一枚です。一つ前の貨幣が10枚集まることで次の貨幣と同じ価値になります。》

   ということは、黒貨は1億セルになるってことか。てか、一枚で1億ってヤバいな。

   《解。その通りです。黒貨など価値の高い貨幣は、商会同士のやり取りや、国同士でのやり取りなどで用いられる貨幣なのであまり見ることはありません。》   

   じゃあ通行税の銅貨5枚は5000セルか。どうしようか?

   《捕らえている盗賊には賞金がかけられています。盗賊を引き渡せばそれなりのお金にはなるでしょう。》

   あ~そういえばつかまえてたな。

   「あの、盗賊を倒したんですけど引き渡せばいくら位になりますか?」

  「!!?ちょっと待っていてくれすぐに戻る」

   それからしばらくして何人かの兵士がやってきた。

   「ん~~、確かに盗賊だな。17人あわせて金貨2枚ってとこか」 

   おー20万いきなり大金ゲット!

   「この盗賊はどうしたんだ?」

   「そこにいるハク様がたおしてしまいました。」

   「あなたは?」

   「セザール商会代表取締役のセザールです。ハク様には盗賊達に襲われているとこを助けて頂き、ここまでの護衛をしてもらっていました」

   「あのセザール商会のセザール様でしたか。しかし盗賊は17人もいるというのによく倒せましたね?」

   「はい、あっという間にハク様が倒してしまいました」

   「人は見かけによらないと言うが………事情はわかりました。では金貨2枚はこちらの青年に、という事でよろしいですね」

   「はい、それで」

   そんなやり取りもあり金貨2枚を受けとりそのうち銅貨5枚を通行料として払い町に入って行った。


   「おぉ~~すげ~~」

   町並みはまさしく中世を思わせるものだった。何かタイムスリップしたみたいだな。

   「では、ハク様ここで。ここまでありがとうございました。ハク様へのお礼と護衛の報酬は後日商館に来ていただいたときにいたします。商館に来たら話を通して起きますので名前と私を呼んでいるとおっしゃっていただければすぐにでもいきますので」

   セザールさんはそう言い、俺に商館までの地図を渡した。

   「いえ、俺も色々な事が知れたのでありがたかったです。では、また後日」

   そこでセザールさんと別れ、身分証発行のため冒険者ギルドに向かった。
  しばらくすると、冒険者ギルドにたどり着いた。

   「…結構でかいな~」

   冒険者ギルドは、周りの建物よりも一回りも大きかった。
   何か小説とかだと冒険者登録しようとすると何か変な輩が絡んできたりするテンプレがあるが大丈夫だろうか。

   《実際あまり絡んでくるものは少ないですね。わざわざ絡んだときの利点も少ないですし。》

   そういうことなら大丈夫そうか。 





  …………なんて思った時もありました。
  
   「そんな服装して、お前どっかのボンボンか?あぁん」


   どうしてこうなった?
   

   

   
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