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9 驚きの連続

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  【~ソフィアside~】 

 なんで、こんなことになったんだろう?わかってる。Eランクに上がって調子にのったんだ。ゴブリンなら余裕だと思って。でも、こうしてゴブリンに囲まれて、足首を捻って逃げることもできなくなってる。

   「「「グギャグギャギャ」」」

 私の人生は、ここまでなのかな。短い人生だったな。お母さん、お父さんごめんなさい。親孝行してあげられなくて…。

  「おーい  助けは必要か?」

 誰?そんなことよりも私は助けて貰えるかもしれないという希望によって、急いで助けをもとめた。

  「!!?助けてっっ」

 すると、目の前に黒髪黒目の同い年くらいであろう男の子が木からおりてきた。次の瞬間、何かを言ったと思ったら、ゴブリンの首が一斉に落ちた。彼の手には剣が握られており、斬ったのだと考えられた。その後、生き残りのゴブリンが逃げ出したが、彼の姿が消えたと思ったらまたも、ゴブリンの頭が落ちた。
 何て強いんだろう。何てカッコいい人なんだろう。単純かも知れないが、私の命を救ってくれた彼に私は惚れてしまった。

  「大丈夫か?」

 モンスターを倒してすぐに、私の心配をしてくれるなんて、優しい人なんだな。これによって、私の中の彼への思いは更に大きくなった。

  「………へぇっっ、あっえ~と 大丈夫です」

 何か、間抜けそうな返事になってしまったのが、少し恥ずかしい。
 変な子って、思われたりしてないよね?大丈夫だよね?
 
 「あの~助けてくださりありがとうございました。私と同じ冒険者の方ですか?」

  「ああ、そうだ。まだFランク冒険者だがな」

 Fランク!!こんなに強いのに。まぁ冒険者登録したてと、言うことだからしょうがないのかな?昔見たBランク冒険者ですら彼のような動きはできていなかった気がする。と言うことは、この人とパーティーを組めば上のランクに行く事ができるかもしれない。……決して、この人と離ればなれになりたくないとかそんな理由でパーティーを組みたい訳じゃない。まぁないことはないけど……。

  「あの、………私とパーティーを組んでください!!」

 ……言ってしまった。どうだろう?少し考えてるようだけど…

  「あぁ、いいぞ。その代わり俺には秘密が多いからな、俺に関する情報は周りにもらすなよ」

 やった!オーケーもらえた。叫んで喜びたい気持ちを押さえた。
 でも、秘密か~。まぁあんなに強いんだしいろいろあるんだろうな~。まぁ命の恩人で、……好きな人のことだから拷問されても漏らす気はないけどね。

 「絶対に漏らしません!!安心してください!」

 ちょっとテンション上がりすぎてがっつき過ぎたかも。
 そんなことも向こうは気にした様子はなく、名前を教えてくれた。ハクさんと言う名前だった。もう名前すらかっこよく思えてしまう。

「私の名前はソフィアです。こちらこそ、よろしくお願いしますハクさん」

 そして、私はハクさんとパーティーを組んだ。正式にパーティーを組んだことになるのはギルドにパーティー申請してからだからまだ一応借りですけど。

 「まずは倒したゴブリンの魔石を集めるか」

 ハクさんがそう言ったので、私達はゴブリンの胸の辺りにある魔石を集めた。

  「よっと」

 ハクさんがそう言うと、空間に穴のようなものが開き、そこに魔石を閉まっていった。あれってもしかして……

  「ハクさん物品収納アイテムボックススキル持ちだったんですね?」

  「うん、まぁ~そうだな」

  「そのスキル持ちって商人とかになること多いのに、冒険者でそれが使えるのってすごいですね。それがあれば持ち物が少なくなるからかなり便利ですね」

 ハクさんは、やっぱり凄いな~。このスキルってかなりレアで商人とかすれば引く手あまただろうに、冒険者としてもすごく強い。ハクさんに、できないこと無いのかもしれない。さすがに、それは言い過ぎかな。

  「……来てるな」

 何が来てるんだろう。
 すると、何かこちらに走ってきているような音が聞こえた。次第にその音が大きくなりその姿が見えた。

  「……何でこんなとこにゴブリンジェネラルが………」

 ゴブリンジェネラルは、Cランクパーティーでも、倒せるかわからないぐらい強いモンスターだ。Bランク冒険者でも、一人では倒すことはできないだろう。
 これは、流石にハクさんでも…。

 「……剣技 飛刃」

  「へっ、…」

 ハクさんが何か行ったと思ったら、ゴブリンジェネラルは、真っ二つになっていた。また、何をしたか、わからなかった。信じられない、あのゴブリンジェネラルがこんなあっさり……。ハクさんを見るとゴブリンジェネラルの魔石をとっていた。
 私は、ハクさんの強さをわかってなかったのかもしれない。ハクさんにとってただのゴブリンも、ゴブリンジェネラルもかわらないのだろう。

  「じゃあ、町に戻るか」

 ハクさんは、何も無かったかのようにそう言った。


  ……私はとんでもない人を好きになってしまったのかもしれない。
 
 







  
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