神のしごきに耐え抜いて武神へと到りました

江守 桜

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28 聖獣トルータ

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 「うおっ、びっくりした」

 俺の急な転移に驚いて、そんなことを言うグランド将軍。

 「その感じだと、無事に終わったみたいだな」

 自分の国の事なのにそんな事を言う。

 「お前はこれからどうするんだ?」

 「ま、城に戻るかな。極刑は勘弁してほしいが」

 「それは多分大丈夫だろう。勇者が二度と呼べなくなったんだ。貴重な戦力は無闇に減らしたく無いだろう。あと、お前が極刑になるんだったら、王を守れなかった近衛兵も極刑になるだろうし、今回は俺が相手だったから、多分不問になるだろう。………多分」

 「そこははっきりしてほしいもんだが。………ん? ? お前まさかっ!」

 「じゃあな」

 俺はグランド将軍を、城に転移させる。ナビの演算結果からも、多分何の罪にもならないとでた。それどころか、今回の俺の侵入に対する全てはどうしようも無いものとして、誰も罪は負わないらしい。まぁ、実際、国宝を使っても、近衛兵全員相手しても無理だったし、しょうがないのかな?

 「あの!」

 俺に、声をかけてきたのは、勇者の逢坂 真である。

 「逢坂 真。長いな。真でいっか。災難だったな」

 急に勇者として召喚され、隷属の腕輪をつけられたのだ、災難だっただろう。

 「助けていただきありがとうございました」

 深々と頭を下げてくる真。

 「気にするな。俺が助けたかったから、助けただけだ」

 「それでもです。……そういえば、同郷なんですよね?」

 「あっそうか、仮面着けたまんまだった」

 仮面を外し、無限収納インベントリにしまう。

 「黒髪黒目……。顔立ちも日本人ぽい……」

 「そりゃあ、日本人だからな」

 多分、自分以外に日本人がいると思わなかったんだろうな。

 「まだ、名前言ってなかったよな? 俺はハクだ。よろしくな」

 「知ってるみたいですけど、逢坂 真です。よろしくお願いします、ハクさん。 ……ところで、ハクさんは勇者じゃ無いって言ってましたけど、じゃあなんで、この世界にいるんですか?」

 「そんなに固いしゃべりかたじゃなくてもいいぞ」

 「いえ、これが僕の普段通りのしゃべり方なんです」

 「そうだったのか。……んーこの世界になんでいるかかー。……向こうの世界で死んで、転生した。それだけだな」

 武神になったのは別に言わないでいいだろう。

 「死んだんですか?」

 「実感無いけど、死んだらしい。神様が言ってた」

 「神様にあったんですか~。すごいですね」

 「真は会わなかったのか?」

 「はい、気づいたら城の広間にいました」

 「じゃあ、いきなり呼ばれて驚いただろう」

 いきなり、知らないところに来て、驚かないやつはいない。

 「そうですね。呼ばれた時はびっくりしました。今はなんか慣れちゃいましたね」

 「これからどうするんだ?」

 「それは、決めてます。色々な所を渡り歩いて、人助けしたいと思ってます」

 「人助け? どうしてだ?」

 素朴な疑問である。

 「僕は、この世界に来て、どうしようもならないことがあるって知りました。何度も助けを求めました。僕の場合は、ハクさんが来てくれましたけど、誰も助けてくれない人がいると思うんです。だから、助けられる人は助けて生きたいと思ったんです」

 「……大変だとおもうぞ」

 「それでもやります!」

 意思は固そうだ。しかし、勇者とはいっても召喚されて間もない。まだ、真よりも強いやつはたくさんいるだろう。………仕方ない、ここまで手を出したんだし、手を貸すか。

 「《召喚魔法》」

 目の前に巨大な魔方陣が浮かび上がる。その中に、何が現れる。



 「…………亀?」

 「亀だな」

 中から出てきたのは、大きさ一メートル程の亀だった。

 「権限をお前に移してある。これから、お前の従魔だ」

 「亀ですよね。これ」

 確かに、見た目亀だが、能力値は非常に高い。

   名前:
   種族:聖獣
   LV.:1085
   年齢:458
   魔力:475800
   筋力:3800
   耐久:9648000
   知力:31240
   速さ:23460
   器用:3900
   精神:277600

[スキル]
   身体能力強化LV.8  高速治癒LV.9   魔力高速回復LV.7    魔力操作LV.9   生命探知LV.MAX   魔力探知LV.6    全状態異常無効   感覚強化LV.8  予測LV.MAX  聖獣   常時障壁展開LV.MAX

  [魔法]
 結界魔法LV.MAX   空間魔法LV.MAX

  [称号]
   聖獣  堅き者  


 「……新しい主?」

 真の方を見て亀(聖獣)がそう言う。

 「えっ、え~と」

 「そいつは、亀みたいに見えるが聖獣だ。攻撃はあまり得意じゃないが、守りはほぼ、完璧だ。絶対にお前の助けになってくれる」

 「そうなんですか、ありがとうございます。これから、よろしく。えっと……」

 「そいつに名前は無いぞ。真がつけてやってくれ」

 「はい。……亀みたいだし。タートルを文字って、トルータなんかどうだろう?」

 「………僕の名前はトルータ。…………嬉しい」

 名前をつけてくれて嬉しいみたいだ。

 これから、この世界で亀を引き連れた正義の味方が現れるようになったとか、現れなかったとか。それは、また別の話。

 




 

 



 
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