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【第4部〜西洋の神々編〜】
第8章 須弥山の攻防⑩
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「良かったね。皆んなの罪は取り消されたみたいだよ?」
「罪…?罪とは…何でしょう?我らは皆、身に覚えの無い罪を着せられて、魔界に堕とされた者。我らの…これまでは何だったのでしょうか…」
皆、肩を震わせて泣いていた。
「冤罪だよ。皆、この冤罪を晴らす為に、今日ここまで苦労して来たのよね?」
「そうですね…ようやく無念を晴らす事が出来ました。陛下の、陛下のお陰です…」
皆んな喜んでくれて良かった。でも少し落ち着いたら、今度は復讐しようと言い出すかも知れない。西洋の神々が攻めて来るんだ。一つに纏まらなければ勝てる相手では無い。実際、前ループでは東洋天界の神々は、アダムに皆殺しにされて、私も連れ去られたのだ。アダムに犯された私は、何故かアダムの事を好きになってしまい、結婚した。その結婚報告で、唯一神によって消滅された私は、もう一度人生をやり直させられた。だけど、ようやくここまで来た。今度は、今度こそは倒してみせる。
「陛下、西洋の神々について伺いたい事が…」
ルシエラは、先を見据えて私に尋ねて来た。皆んな感涙に咽せてるのに、クールだね。まぁ、そこが良い所だわ。クール美人が。と心の中で叫んだ。
夜は、西王母の晩餐会に招待された。目玉として、噂に名高い「蟠桃」が出された。「蟠桃」とは、西王母の蟠桃園には3600本の桃の木があり、手前の1200本は3千年に一度熟し、食べた者は仙人になれ、中央の1200本は6千年に一度熟し、食べた者は不老長寿となり、奥の1200本は9千年に一度熟し、食べた者は天地がある限り生き永らえると言われる仙桃である。天地がある限りとは、「天界や地上の世界が続く限り」と言う意味で、事実上の不老不死と言う事である。
皆は酒を飲んで喜び合い、仙桃に齧り付いた。男達は、桃の皮ごと丸齧りにしていたので驚いた。私は勿論、皮を剥いて8当分にされた物を口に運んだ。甘い。桃の香りが鼻を抜け、口一杯に濃厚な桃の甘さが広がる。なんて美味しい桃なんだろう。こんな桃は食べた事が無い。西王母に、桃を褒めまくると嬉しそうにして、桃の管理をどれだけ気にかけて行っているか、延々と聞かされた。しまったな。ご機嫌になってくれたのは良いが、あんまり細かく掘り下げられて話されてもなぁ、と困った表情でルシエラを見たが、肩をすくめられて微笑まれた。大人しく聞くしかないみたいだ。
お酒を交えての宴会は良い。昨日まで敵だった者達が、蟠りを捨てて仲良くなるキッカケになる。
私はほろ酔い気分でフラフラと外を歩くと、釈迦がやって来て私を抱きしめながら空いている部屋に連れ込んだ。
「一目見た時から貴女とこうしたいと願っていたのです」
そう言うと、私をベッドに押し倒した。煩悩を捨てたはずの釈迦まで魅了してしまったのか私は?等と思っていると、抱き起こされた。
「すみません。もう大丈夫でしょう?」
「?」
私が何が起こったの?みたいな顔をして呆けていると、釈迦が理由を説明してくれた。帝釈天(インドラ)が私を狙って襲おうと、背後から付け狙っていたとの事で、不本意だったが、私を平和的に守る為に、自分のお手付きにしてしまう事にした。釈迦の女であれば、帝釈天(インドラ)でも手を出しにくくなる。勿論、実際に私に手を出すつもりは無く、そう思わせる事が目的で、扉の向こうで聴き耳を立てていた帝釈天(インドラ)が立ち去るのを待っていたのである。
「助けて頂いて、ありがとうございます」
「お礼は要りませんよ。私達は友達なのでしょう?」
「そうだね」
私は釈迦の腕に抱きついた。
(ふふふ、本当にされちゃっても、釈迦ならちょっと良いと思ったけどね…)
ダメダメと、頭を振って邪な思いを吹き飛ばした。
「罪…?罪とは…何でしょう?我らは皆、身に覚えの無い罪を着せられて、魔界に堕とされた者。我らの…これまでは何だったのでしょうか…」
皆、肩を震わせて泣いていた。
「冤罪だよ。皆、この冤罪を晴らす為に、今日ここまで苦労して来たのよね?」
「そうですね…ようやく無念を晴らす事が出来ました。陛下の、陛下のお陰です…」
皆んな喜んでくれて良かった。でも少し落ち着いたら、今度は復讐しようと言い出すかも知れない。西洋の神々が攻めて来るんだ。一つに纏まらなければ勝てる相手では無い。実際、前ループでは東洋天界の神々は、アダムに皆殺しにされて、私も連れ去られたのだ。アダムに犯された私は、何故かアダムの事を好きになってしまい、結婚した。その結婚報告で、唯一神によって消滅された私は、もう一度人生をやり直させられた。だけど、ようやくここまで来た。今度は、今度こそは倒してみせる。
「陛下、西洋の神々について伺いたい事が…」
ルシエラは、先を見据えて私に尋ねて来た。皆んな感涙に咽せてるのに、クールだね。まぁ、そこが良い所だわ。クール美人が。と心の中で叫んだ。
夜は、西王母の晩餐会に招待された。目玉として、噂に名高い「蟠桃」が出された。「蟠桃」とは、西王母の蟠桃園には3600本の桃の木があり、手前の1200本は3千年に一度熟し、食べた者は仙人になれ、中央の1200本は6千年に一度熟し、食べた者は不老長寿となり、奥の1200本は9千年に一度熟し、食べた者は天地がある限り生き永らえると言われる仙桃である。天地がある限りとは、「天界や地上の世界が続く限り」と言う意味で、事実上の不老不死と言う事である。
皆は酒を飲んで喜び合い、仙桃に齧り付いた。男達は、桃の皮ごと丸齧りにしていたので驚いた。私は勿論、皮を剥いて8当分にされた物を口に運んだ。甘い。桃の香りが鼻を抜け、口一杯に濃厚な桃の甘さが広がる。なんて美味しい桃なんだろう。こんな桃は食べた事が無い。西王母に、桃を褒めまくると嬉しそうにして、桃の管理をどれだけ気にかけて行っているか、延々と聞かされた。しまったな。ご機嫌になってくれたのは良いが、あんまり細かく掘り下げられて話されてもなぁ、と困った表情でルシエラを見たが、肩をすくめられて微笑まれた。大人しく聞くしかないみたいだ。
お酒を交えての宴会は良い。昨日まで敵だった者達が、蟠りを捨てて仲良くなるキッカケになる。
私はほろ酔い気分でフラフラと外を歩くと、釈迦がやって来て私を抱きしめながら空いている部屋に連れ込んだ。
「一目見た時から貴女とこうしたいと願っていたのです」
そう言うと、私をベッドに押し倒した。煩悩を捨てたはずの釈迦まで魅了してしまったのか私は?等と思っていると、抱き起こされた。
「すみません。もう大丈夫でしょう?」
「?」
私が何が起こったの?みたいな顔をして呆けていると、釈迦が理由を説明してくれた。帝釈天(インドラ)が私を狙って襲おうと、背後から付け狙っていたとの事で、不本意だったが、私を平和的に守る為に、自分のお手付きにしてしまう事にした。釈迦の女であれば、帝釈天(インドラ)でも手を出しにくくなる。勿論、実際に私に手を出すつもりは無く、そう思わせる事が目的で、扉の向こうで聴き耳を立てていた帝釈天(インドラ)が立ち去るのを待っていたのである。
「助けて頂いて、ありがとうございます」
「お礼は要りませんよ。私達は友達なのでしょう?」
「そうだね」
私は釈迦の腕に抱きついた。
(ふふふ、本当にされちゃっても、釈迦ならちょっと良いと思ったけどね…)
ダメダメと、頭を振って邪な思いを吹き飛ばした。
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