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【第6部〜アイドル編〜】
第36話
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目が覚めると、来夢が見当たらないので、姿を探した。私の側から離れない来夢が、居ないなんて有り得ない。
「いつからだ。一体いつから居なくなった?」
そう思い返して青ざめた。1発目の核ミサイルは、ほぼ直撃だった。神兵達が私を守る為に盾となって、その影が焼き付いたほどの熱量だ。それなのに、何故私は生きていたのだ?2発目の核ミサイルを撃ち込まれた時には、既に来夢の姿は無かった。1発目の時、来夢は私を守って蒸発したのでは無いのか?
物理攻撃には無敵の古の不定型生物も、熱や寒さには弱い。来夢まで失ったと気付いた私は、涙が止まらずに泣きじゃくった。
神兵達はその様子を見て、多くの仲間を失った事で涙を流した主君である私に、もらい泣きして啜り泣いていた。
悲しみを怒りに、怒りを憎しみに、憎しみを力に変えて立ち上がった。
「ミカエルでなくとも、堕天しそうなほど苦しいよ…来夢…会いたいよ…」
会いたくても、愛する者に2度と会えない苦しみは、身を切る様な思いだ。
このまま影の世界を進む事にした。西進すると、エルサレムの地に巨大な宮殿が建設されているのを見つけた。
「恐らく、ここに麻里奈がいるのね?」
地上に出て進むと、全裸で磔にされた女性が見えた。まさか母かと思い、近づいて見ると愕然とした。
「ミカエル…」
足はわざと開かれて、後ろに交差する様に足を組まれて板に釘打ちにされていた為に、性器は丸見えで両手のひらも釘打ちにされて磔になっていた。一目見て生者では無いと分かるのは、胴より30㎝ほど上に設置された板の上に生首が乗せられていたからだ。
「なんと酷い…死者を辱しめる様な真似を…」
これを見て皆、怒り心頭となった。怒りで冷静さを失っていた為に、不用意に近づいてしまったのだ。冷静であれば、明らかに罠だと気付けたはずだ。
建物の壁に設置されていた自動小銃が火を吹き、神兵は貫通魔法が施された弾丸によって、次々と倒されていく。
「麻里奈あぁぁ!絶対に許さない!殺してやる!」
剣帝の剣技で、銃弾を全て打ち払いながら突撃し、要塞の90度の城壁を駆け上がって斬り込んだ。無数の弾丸が飛び交い、城壁を登った私に集中的に撃ち込まれたが、神速の斬撃でほぼ全てを打ち落としたが、数発喰らって顔や胸に数10発受け、死ぬ前に傷が回復していた。
「うぅらぁ!」
敵兵のど真ん中に入って、手当たり次第に斬り込んだ。敵兵の手や足が吹き飛び、肩から袈裟斬りにする。
練気剣は、練った氣の強さに比例して切れ味が増していく。怒り狂った私は、氣を常にMAXで練り続けて、気力も体力も魔力も消耗して行く。
相変わらず相手の戦術は、味方ごと私を殺すつもりで、味方をも巻き込んで銃撃していた。
たまらずに、近くの部屋に飛び込んだ。
「ふふふ、ボロボロじゃない?」
「麻里奈!」
練気剣を構えて斬りかかった。
「あははは、後先考えずに突っ込んで来るなんて、B型丸出しね?」
「お前もB型だろうが!」
麻里奈も練気剣を出して、剣を受け流した。右、左と剣を流れる様に放ち、受け、躱し、突き、薙ぎ払った。2人の技も速さも全くの互角で、唯一の違いは力だった。
麻里奈は半神半人となっている為、人間の身体の瑞稀では受ける事が出来ず、受け流す事しか出来ない。その為、次第に押され始めた。
「ふふふ、今の貴女を何て呼べば良いのかしら?アナト?瑞稀?それとも…お母さん、かしら?」
挑発されて憤り、神速頼みの斬撃を無駄に繰り出した。
「あははは、弱い、弱い、弱い、弱い。お前はここで終わりだ!」
全ての斬撃を払われ、返す刀で肩から腹まで袈裟斬りにされて床に転がった。
「ひゅ~、ひゅ~、ひゅ~…」
虫の息で指一本動かす事が出来ない。回復するはずの傷が修復しないのだ。
「何故?って、思っているでしょう?」
奥からゆっくり歩いて現れたのは、母だった。
「ふふふ、アシェラは強かったわよ?もう少しで私も死ぬ所だった。でもね?ここは私の城なのよ。張り巡らした罠で、ようやくチャンスが生まれた。ふふふ、それで今はこの様よ?今では私の操り人形。アシェラに勝てる者がいるの?私の奥の手のはアシェラよ。彼女が私の手にいる限り、誰も私を殺せない。あははは、あははは…」
麻里奈はゆっくりと近づくと、私の後ろ髪を引っ張って顔を上げた。
「最期に言いたい事はある?」
「綾瀬は?最期に一目会わせて…」
私の目の前で、綾瀬とイチャついて見せ付けてから、殺すのも面白いと思ったのか、従って部屋から去った。しかし私は、彼らが戻って来る前に力尽き、事切れた。
「あれ?何だ、もう死んじゃったのか?残念ねぇ…不老不死のあなたが、何故回復しないのか?不思議だったでしょう?私の目的は最初から、あなたをここに誘き出す事だったのよ?この部屋はね、時が止まっているの。傷が回復するのは時間が進んでいるからよ。時間が止まってると、ずっとそのまま。あなたを封印する唯一の方法がこれなのよ。ここの誘い出された時点であなたの負けが確定していたわ」
麻里奈は堪え切れずに、高笑いした。
「これで恐る者は何も無い。もう私を倒せる可能性がある者はいない。後は確実にあなたを封印し、私はあなたになるの。あははは…」
私は時が止まっているとは言え、不老不死だ。だから完全に死んだ訳ではない。その証拠に、心臓が止まっていても、今の会話は全て聴こえていた。だが、肉体的に死んだ状態である為に、指一本動かせない。
今回は完敗だ。麻里奈は私を倒す為だけに入念に計画を立てていた。仲間ごと私達を殺すと言う、なりふり構わない戦術など、想像も出来なかった。
段々と意識が薄れて来た。これが死ぬと言う事か…。
「いつからだ。一体いつから居なくなった?」
そう思い返して青ざめた。1発目の核ミサイルは、ほぼ直撃だった。神兵達が私を守る為に盾となって、その影が焼き付いたほどの熱量だ。それなのに、何故私は生きていたのだ?2発目の核ミサイルを撃ち込まれた時には、既に来夢の姿は無かった。1発目の時、来夢は私を守って蒸発したのでは無いのか?
物理攻撃には無敵の古の不定型生物も、熱や寒さには弱い。来夢まで失ったと気付いた私は、涙が止まらずに泣きじゃくった。
神兵達はその様子を見て、多くの仲間を失った事で涙を流した主君である私に、もらい泣きして啜り泣いていた。
悲しみを怒りに、怒りを憎しみに、憎しみを力に変えて立ち上がった。
「ミカエルでなくとも、堕天しそうなほど苦しいよ…来夢…会いたいよ…」
会いたくても、愛する者に2度と会えない苦しみは、身を切る様な思いだ。
このまま影の世界を進む事にした。西進すると、エルサレムの地に巨大な宮殿が建設されているのを見つけた。
「恐らく、ここに麻里奈がいるのね?」
地上に出て進むと、全裸で磔にされた女性が見えた。まさか母かと思い、近づいて見ると愕然とした。
「ミカエル…」
足はわざと開かれて、後ろに交差する様に足を組まれて板に釘打ちにされていた為に、性器は丸見えで両手のひらも釘打ちにされて磔になっていた。一目見て生者では無いと分かるのは、胴より30㎝ほど上に設置された板の上に生首が乗せられていたからだ。
「なんと酷い…死者を辱しめる様な真似を…」
これを見て皆、怒り心頭となった。怒りで冷静さを失っていた為に、不用意に近づいてしまったのだ。冷静であれば、明らかに罠だと気付けたはずだ。
建物の壁に設置されていた自動小銃が火を吹き、神兵は貫通魔法が施された弾丸によって、次々と倒されていく。
「麻里奈あぁぁ!絶対に許さない!殺してやる!」
剣帝の剣技で、銃弾を全て打ち払いながら突撃し、要塞の90度の城壁を駆け上がって斬り込んだ。無数の弾丸が飛び交い、城壁を登った私に集中的に撃ち込まれたが、神速の斬撃でほぼ全てを打ち落としたが、数発喰らって顔や胸に数10発受け、死ぬ前に傷が回復していた。
「うぅらぁ!」
敵兵のど真ん中に入って、手当たり次第に斬り込んだ。敵兵の手や足が吹き飛び、肩から袈裟斬りにする。
練気剣は、練った氣の強さに比例して切れ味が増していく。怒り狂った私は、氣を常にMAXで練り続けて、気力も体力も魔力も消耗して行く。
相変わらず相手の戦術は、味方ごと私を殺すつもりで、味方をも巻き込んで銃撃していた。
たまらずに、近くの部屋に飛び込んだ。
「ふふふ、ボロボロじゃない?」
「麻里奈!」
練気剣を構えて斬りかかった。
「あははは、後先考えずに突っ込んで来るなんて、B型丸出しね?」
「お前もB型だろうが!」
麻里奈も練気剣を出して、剣を受け流した。右、左と剣を流れる様に放ち、受け、躱し、突き、薙ぎ払った。2人の技も速さも全くの互角で、唯一の違いは力だった。
麻里奈は半神半人となっている為、人間の身体の瑞稀では受ける事が出来ず、受け流す事しか出来ない。その為、次第に押され始めた。
「ふふふ、今の貴女を何て呼べば良いのかしら?アナト?瑞稀?それとも…お母さん、かしら?」
挑発されて憤り、神速頼みの斬撃を無駄に繰り出した。
「あははは、弱い、弱い、弱い、弱い。お前はここで終わりだ!」
全ての斬撃を払われ、返す刀で肩から腹まで袈裟斬りにされて床に転がった。
「ひゅ~、ひゅ~、ひゅ~…」
虫の息で指一本動かす事が出来ない。回復するはずの傷が修復しないのだ。
「何故?って、思っているでしょう?」
奥からゆっくり歩いて現れたのは、母だった。
「ふふふ、アシェラは強かったわよ?もう少しで私も死ぬ所だった。でもね?ここは私の城なのよ。張り巡らした罠で、ようやくチャンスが生まれた。ふふふ、それで今はこの様よ?今では私の操り人形。アシェラに勝てる者がいるの?私の奥の手のはアシェラよ。彼女が私の手にいる限り、誰も私を殺せない。あははは、あははは…」
麻里奈はゆっくりと近づくと、私の後ろ髪を引っ張って顔を上げた。
「最期に言いたい事はある?」
「綾瀬は?最期に一目会わせて…」
私の目の前で、綾瀬とイチャついて見せ付けてから、殺すのも面白いと思ったのか、従って部屋から去った。しかし私は、彼らが戻って来る前に力尽き、事切れた。
「あれ?何だ、もう死んじゃったのか?残念ねぇ…不老不死のあなたが、何故回復しないのか?不思議だったでしょう?私の目的は最初から、あなたをここに誘き出す事だったのよ?この部屋はね、時が止まっているの。傷が回復するのは時間が進んでいるからよ。時間が止まってると、ずっとそのまま。あなたを封印する唯一の方法がこれなのよ。ここの誘い出された時点であなたの負けが確定していたわ」
麻里奈は堪え切れずに、高笑いした。
「これで恐る者は何も無い。もう私を倒せる可能性がある者はいない。後は確実にあなたを封印し、私はあなたになるの。あははは…」
私は時が止まっているとは言え、不老不死だ。だから完全に死んだ訳ではない。その証拠に、心臓が止まっていても、今の会話は全て聴こえていた。だが、肉体的に死んだ状態である為に、指一本動かせない。
今回は完敗だ。麻里奈は私を倒す為だけに入念に計画を立てていた。仲間ごと私達を殺すと言う、なりふり構わない戦術など、想像も出来なかった。
段々と意識が薄れて来た。これが死ぬと言う事か…。
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