その日、女の子になった私。

奈津輝としか

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【第8部〜龍戦争〜】

第15話 黄帝の四賢臣

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 力牧リームゥは武勇だけでなく、兵の統率も見事で、今まで出会った中で1番の指揮力だ。だが、それよりも苦しめられたのは、敵の軍師である黄帝の四賢臣の1人、風后フォンホゥだ。
 彼は握奇陣と言う陣形を用いて、隙は無く、こちらの攻撃をことごとく防いで見せた。この握奇陣は別名、八陣兵図とも呼ばれ、あの三国時代、蜀の天才軍師・諸葛亮孔明が用いた八陣図は、これを改良させたものだ。
 諸葛孔明にも匹敵する天才軍師・風后フォンホゥを相手に、我が軍は切り崩された。敵は包囲殲滅の構えを見せ、このままでは全滅するのも時間の問題だと思われた。
陛下ビーシャア、このままでは我が軍は全滅です」
「敵の包囲の薄い箇所を1点突破して、脱出を図る!」
 比較的包囲の薄い箇所へ突撃を開始した。
「ふふふ、遅い、遅い。もうお前達は死地にいる」
 風后フォンホゥは勝利を確信して笑みを浮かべた。
 1点突破を図ったが、それは敵の術中であり、わざと兵を薄くされており、突入すると却って包囲された。
「お前達は軍師の策にハマった。降伏すれば良し、さもなくば皆殺しとする!」
 力牧リームゥの強さは、嫌と言うほど味わった。しかし、ここで投降する訳にはいかない。私が降れば、天界は終わりだ。
「待てよ…八陣図…う~ん、もう少しで思い出せそうだ…」
 すると突然閃いた。
「そうだ、確か司馬懿が諸葛亮の八陣図を見た時に、休・生 ・傷 ・杜・景・死 ・驚・開の八門で、そのうち開・休・生の三門は吉で、傷・杜・景・死・驚の五門は凶としてある。すなわち東の生門、西南の休門、北の開門。この三面より討って入れば、この陣は必ず敗れ、味方の大勝を顕すものとなる。と言っていたな。諸葛亮は、風后フォンホゥの八陣図を改良していたから、この弱点は無かったと言う事は…」
「皆んな良く聞いて!東の生門、西南の休門、北の開門から突撃すれば、必ずこの陣形を破れる!朕は東の生門より討ち入る。後に続け!」
 これは賭けだった。これで突破出来なければ、神魔は全滅する。この追い詰められた状況は、神魔兵を奮い立たせた。なんとしても討ち破る、出来なければ死ぬだけだ。この思いは1つとなり、実力以上の力を発揮させた。孫子の兵法にある、兵は死地に置けと。退路を絶たれ逃げる事が出来なくなった兵は、死に物狂いで敵と戦うと。弱卒も猛卒に変わると言う。今まさに神魔兵がその状況に置かれていた。
 アナトが命じた通りに三門から討ち入り突破すると、黄帝軍は混乱におちいり、形勢は完全に逆転した。恐慌状態の軍を立て直す事は、どんな名将でも不可能だとされる。
 風后フォンホゥは、被害がこれ以上広がる前に撤退命令を出した。
「流石ね。やはり風后フォンホゥは只者では無いわね。孫子は、戦は下策であると言う。やむを得ず戦う事になれば、絶対に負けない戦をする事を最重点におく。万が一負ける事があれば、最小限の被害で兵を退くとある。被害が少なければ、立て直して再び戦う事も出来る。惨敗だけはしてはならないと言っているわ」
 軍師としては、風后フォンホゥの方がルシエラよりも上だろう。今まで相手にした事がない強敵だ。これまでは、力攻めで何とかしてきた。だが、今度はそれが通じない相手だ。黄帝軍が去った方角をぼーっと見つめて、アナトは何やら思案していた。

「ふふふ、まさか敵に我が八陣兵図を破る事が出来る者がいたとは…面白い。相手に取って不足なしだ」
 破れはしたが、余裕を見せた。実際、被害は大した事ではない。むしろ、神魔軍の方が、全滅寸前まで追い込まれていたのだ。追撃してくれば、念の為に伏せていた伏兵で更に打撃を与えられたが、その様子は無い。大したものだ、と感心していた。

「敵の被害は少なく、勢いも敵にある。こう言う時は必ず夜襲をかけて来るものだ。兵の3分の1を守備に回し、残りは休憩しろ。その後交代して残りの兵を休める」
 ルシエラは的確に指示を出し、行動に移した。私は兵士らと共に食事を摂り、帝だからと言って贅沢な食事を摂ったりしなかった。
「はぁ~汗だくだよ。お風呂にだけは入りたい。贅沢でごめんなさい。お湯は半分で良いから」
 私は先ず足を湯に付けて足湯を楽しみ、それから半身浴をしながら、湯をすくって身体にかけた。再び湯船から上がると、足湯をしながら足の指を洗い、脹脛ふくらはぎをマッサージした。するといつの間にかに、隣にルシフェルが座っていた。
 ギョッとした。何せほとんど裸の状態だ。足湯用の白い肌着を着ていたが、胸元は開いているし、下半身は丸出しなので、覗き込まれるとアソコが丸見えだ。
 ルシフェルは私の肩に手を回して、抱き寄せて来た。胸が高鳴るのが分かる。ルシフェルは超絶イケメンだ。言い寄られて喜ばない女などいない。私も例外では無い。幼馴染で、哥哥グァグァ義兄あにぃ)と呼んで慕っていたのだ。当然、恋心だってあった。ただ、良い雰囲気になる度に、双子の妹のミカエルに邪魔された。
 私はルシフェルに告白された事もある。ルシフェルが、私に好意を寄せているのは間違いない。
 顔が近づくと、目を閉じた。唇を挟む様に甘いキスをされ、薄目を開けると、うっとりした眼差しでルシフェルを見つめた。再び唇を重ねられると、何度も口付けをし、舌を絡めた。ルシフェルの首に腕を回すと、殆ど肌けている胸に手を滑り込ませられ、ソフトタッチで胸の形を確認して楽しみながら、ゆっくりと胸を揉まれた。右手で左胸を揉まれながら、左手は私の秘部に這わされ、指を入れたり出したりを繰り返された。
「あぁん…はぁ、はぁん…。気持ちいい…」
 私はルシフェルのそそり勃ったモノを負けじと、右手で優しく包み込み、上下にゆっくりと擦ってあげた。
「うっ…はぁ、はぁ…」
 ルシフェルが気持ち良さそうにしている表情を見て、私もルシフェルの指でイった。
「ふふふ、イっただろう?きゅんきゅん締まったぞ?」
「バカァ、言わないで…恥ずかしいから…」
 ルシフェルと口付けをすると、そのモノの先に舌を這わせると、口に含んであげた。頭を上下に最初はゆっくりと、そして徐々に激しくすると、ルシフェルは私の頭を掴んで呻き声をあげた。
「うぅ…イク、うぁ…」
 その瞬間、口の中に勢いよく射精された。それでも私は止めずに口淫を続けると、徐々にふにゃふにゃになった。
「気持ち良かった?」
「最高だったよ、アナト…愛してる」
「うん、知ってる」
 私は口の中の精子を、ルシフェルの目の前で飲んで見せた。
「飲んだの?」
「ふふふ、好きな人のは飲めるよ」
 抱き寄せられて口付けをし、舌を絡めていると、怒声が飛んだ。
「何をしているのよ!」
 ミカエルがブチギレた様子で、震えながら拳を握っていた。
「ごめんねミカエル。私達、付き合う事にしたの。これからHするから邪魔しないで」
 カッとなったミカエルが私をグーぱんで殴って来た。左の頬を殴られて、口の中を切って血が出た。
「殺してやる!」
「待ちなさい、今の私は天道神君よ。不敬罪で貴女は死罪になるわね」
「上等よ。殺せるものなら、殺してみろ!」
 ミカエルは完全にブチギレて攻撃して来たが、ルシフェルが私を庇ってお腹を貫いた。
「うぐっ…止めろミカエル…アナトに…手を出したら、許さん…」
「お兄様!そんな…私…、私は…」
 ミカエルは号泣しながら、走り去った。
完全回復パーフェクトヒール
 略奪愛みたいで罪悪感があるけど、好きになっちゃったら仕方ないよね。
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