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【第8部〜龍戦争〜】
第45話 大魔王サタンの脅威11
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いつまでも泣いていると、肩を叩かれて声を掛けられた。
「また会えただけで、良しとしなよ」
「何だ麻里奈か…」
「何だとは随分ね。もしかして綾瀬の気が変わって、追いかけて来てくれたとでも思った?」
「…」
「綾瀬は、冥界で幸せに暮らしていたんだよ。それが分かっただけでも良いでしょう?綾瀬の神格、もうじき貯まるのよ。神格を得て、会いに来るつもりだったんじゃない?ずっと忘れてないって、言ってたんでしょう?」
「…有難う」
「?」
「励ましに来てくれたんでしょう?」
「だ、誰が…たまたまよ。たまたま…」
「もしかしてアンデットの貴女は、いつでも冥界に来れるんじゃないの?潤の事、見に来ていたの?」
「…本当に…あの世の世界があって…あるとしたら幸せに暮らしているのかなぁって、気になっていたら冥界の門を開くスキルを覚えていたわ。私がアンデットだからかしらね?」
「ふ~ん、潤の事、気になってたのね?潤とHしてたもんねぇ?」
「な、何よ。今さら嫉妬しているの?昔の話しでしょう」
照れ隠しをする麻里奈が可愛らしい。抱き締めて、ほっぺにキスをした。
「ちょっ…」
腕を絡めると、麻里奈は諦めた様に溜息をついた。
「本当、調子狂うのよねぇ」
なんだかんだ言っても、仲が良い2人だった。
村をあとにして、閻魔王と同盟を結べないか訪れてみようかと考えた。
「そう、じゃ私はこれで」
麻里奈は素っ気無く立ち去ろうとしたので、手を握って呼び止めた。
「一緒に言ってくれないの?」
「嫌よ、何で私がついて行かなくちゃならないのよ?行くなら1人で行きなさいよ」
「だって心細いじゃない」
目を潤ませながらお願いすると、溜息をつきながら言った。
「はぁ。本当は行ってあげたいけどダメなのよ。閻魔王のスキルには、死者が逆らえない様にするものがあるらしいのよ。私がついて行ったら、操られて貴女と戦う事になるかも知れないじゃない?」
麻里奈が私の為に行きたくなかったと聞かされて、感動して好き度がMAXになって抱き締めた。
「こ、コラ。分かった、もう分かったから」
麻里奈と別れて、1人で閻魔王に会いに向かう事にした。
「それにしても、だったら何で大魔王サタンには効かないんだ?そのスキルが有効なら、死者であるサタンにも効くだろうに」
考えても答えは出ない。私は閻魔王に会えば、何か分かるかも知れないと淡い期待を寄せた。
閻魔王の居城は、この村からそう遠く無い場所にあった。山をくり抜いてそのまま城にされており、山の岸壁を利用して城壁になっており、横穴が門になっていた。その門には、亡者が列をなして並んでいた。
「ここは?」
「閻魔王様のお沙汰を待つ者達の列だ。お前も後ろに並べ!」
最後列と思われるのは、遥か後方で並んでいる亡者が豆粒の様に小さく見えた。
「あんな遠くから…。そんなには待てない。私は天道神君アナトと申します。閻魔王様にお眼通りをお願いしたく…」
「ダメだ、ダメだ。ちゃんと並べ!」
そう言いながら、なにやら思わせぶりな身振り手振りを行う。もしかして賄賂を求めているのか?と思い、袖の下を握らせた。
「うむ、うむ。天界の使者殿を無下にする訳にもいくまいて…」
顔が綻んだ門番は、特別だぞ?と言って、彼らが出入りする通用口に案内され、門番は立ち去った。ここでも賄賂を要求され、私がいくらか多目に渡すと、喜んで通してくれた。
「まったく…地獄の沙汰も金次第とはよく言ったものね?」
私は半ば呆れながら、閻魔王との謁見の間に進んだ。「ここで待て」と言われて、いくら待っても呼ばれない。部屋から出ると先程の案内人が立っていたので、賄賂を渡さなかったのが原因か?と思い、多く渡すと「最初からそうしていれば、待たずに済んだんだ」と吐き捨てる様に言われた。
私は魔法で何でも出来るし、欲しいものは出せる為なのか性格なのか物欲が薄かった。だから、こう言う金に汚い奴らを見ると、気持ちが悪くて生理的に受け付けない。蔑んだ目で見たが、意にも返さず直ぐに閻魔王の下に案内してくれた。
「お主が神魔の皇帝か?」
「はい、天道神君アナトと申します」
「捕らえよ!」
「な、何をする!?」
「自分のしでかして来た罪深さを理解しているか!?」
「私が一体、何をしたって言うのよ!?」
「けしからん!」
「何か怒らせる様な事を私がしたって言うの?」
「呆れてものも言えぬわ!己の所業を反省していればまだしも、しでかした罪状すら理解していないとは話にならん!酌量の余地など無いわ!!」
「だから私が何をしたのよ!」
「お主は輪廻転生の理を著しく逸脱し、死者が徳を積むのを待つ事なく死者を蘇らせた。反省していれば良し、酌量の余地もあったが、ここに至ってはその罪状、甚だ重し。本来なら極刑を申し付ける所なれど、お主は不死と聞く。よって無間地獄送りとする!」
無間地獄とは、最も重い罪を犯した者が行く地獄であり、絶え間なく地獄の苦しみを与え続けられると言うものだ。
私は交渉すら出来ずに、無間地獄に送られる事となった。
「また会えただけで、良しとしなよ」
「何だ麻里奈か…」
「何だとは随分ね。もしかして綾瀬の気が変わって、追いかけて来てくれたとでも思った?」
「…」
「綾瀬は、冥界で幸せに暮らしていたんだよ。それが分かっただけでも良いでしょう?綾瀬の神格、もうじき貯まるのよ。神格を得て、会いに来るつもりだったんじゃない?ずっと忘れてないって、言ってたんでしょう?」
「…有難う」
「?」
「励ましに来てくれたんでしょう?」
「だ、誰が…たまたまよ。たまたま…」
「もしかしてアンデットの貴女は、いつでも冥界に来れるんじゃないの?潤の事、見に来ていたの?」
「…本当に…あの世の世界があって…あるとしたら幸せに暮らしているのかなぁって、気になっていたら冥界の門を開くスキルを覚えていたわ。私がアンデットだからかしらね?」
「ふ~ん、潤の事、気になってたのね?潤とHしてたもんねぇ?」
「な、何よ。今さら嫉妬しているの?昔の話しでしょう」
照れ隠しをする麻里奈が可愛らしい。抱き締めて、ほっぺにキスをした。
「ちょっ…」
腕を絡めると、麻里奈は諦めた様に溜息をついた。
「本当、調子狂うのよねぇ」
なんだかんだ言っても、仲が良い2人だった。
村をあとにして、閻魔王と同盟を結べないか訪れてみようかと考えた。
「そう、じゃ私はこれで」
麻里奈は素っ気無く立ち去ろうとしたので、手を握って呼び止めた。
「一緒に言ってくれないの?」
「嫌よ、何で私がついて行かなくちゃならないのよ?行くなら1人で行きなさいよ」
「だって心細いじゃない」
目を潤ませながらお願いすると、溜息をつきながら言った。
「はぁ。本当は行ってあげたいけどダメなのよ。閻魔王のスキルには、死者が逆らえない様にするものがあるらしいのよ。私がついて行ったら、操られて貴女と戦う事になるかも知れないじゃない?」
麻里奈が私の為に行きたくなかったと聞かされて、感動して好き度がMAXになって抱き締めた。
「こ、コラ。分かった、もう分かったから」
麻里奈と別れて、1人で閻魔王に会いに向かう事にした。
「それにしても、だったら何で大魔王サタンには効かないんだ?そのスキルが有効なら、死者であるサタンにも効くだろうに」
考えても答えは出ない。私は閻魔王に会えば、何か分かるかも知れないと淡い期待を寄せた。
閻魔王の居城は、この村からそう遠く無い場所にあった。山をくり抜いてそのまま城にされており、山の岸壁を利用して城壁になっており、横穴が門になっていた。その門には、亡者が列をなして並んでいた。
「ここは?」
「閻魔王様のお沙汰を待つ者達の列だ。お前も後ろに並べ!」
最後列と思われるのは、遥か後方で並んでいる亡者が豆粒の様に小さく見えた。
「あんな遠くから…。そんなには待てない。私は天道神君アナトと申します。閻魔王様にお眼通りをお願いしたく…」
「ダメだ、ダメだ。ちゃんと並べ!」
そう言いながら、なにやら思わせぶりな身振り手振りを行う。もしかして賄賂を求めているのか?と思い、袖の下を握らせた。
「うむ、うむ。天界の使者殿を無下にする訳にもいくまいて…」
顔が綻んだ門番は、特別だぞ?と言って、彼らが出入りする通用口に案内され、門番は立ち去った。ここでも賄賂を要求され、私がいくらか多目に渡すと、喜んで通してくれた。
「まったく…地獄の沙汰も金次第とはよく言ったものね?」
私は半ば呆れながら、閻魔王との謁見の間に進んだ。「ここで待て」と言われて、いくら待っても呼ばれない。部屋から出ると先程の案内人が立っていたので、賄賂を渡さなかったのが原因か?と思い、多く渡すと「最初からそうしていれば、待たずに済んだんだ」と吐き捨てる様に言われた。
私は魔法で何でも出来るし、欲しいものは出せる為なのか性格なのか物欲が薄かった。だから、こう言う金に汚い奴らを見ると、気持ちが悪くて生理的に受け付けない。蔑んだ目で見たが、意にも返さず直ぐに閻魔王の下に案内してくれた。
「お主が神魔の皇帝か?」
「はい、天道神君アナトと申します」
「捕らえよ!」
「な、何をする!?」
「自分のしでかして来た罪深さを理解しているか!?」
「私が一体、何をしたって言うのよ!?」
「けしからん!」
「何か怒らせる様な事を私がしたって言うの?」
「呆れてものも言えぬわ!己の所業を反省していればまだしも、しでかした罪状すら理解していないとは話にならん!酌量の余地など無いわ!!」
「だから私が何をしたのよ!」
「お主は輪廻転生の理を著しく逸脱し、死者が徳を積むのを待つ事なく死者を蘇らせた。反省していれば良し、酌量の余地もあったが、ここに至ってはその罪状、甚だ重し。本来なら極刑を申し付ける所なれど、お主は不死と聞く。よって無間地獄送りとする!」
無間地獄とは、最も重い罪を犯した者が行く地獄であり、絶え間なく地獄の苦しみを与え続けられると言うものだ。
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