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【第8部〜龍戦争〜】
第53話 大魔王サタンの脅威19
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大魔王サタンの生命は救えたが、それは身体だけ(ここは冥界だから霊体とでも言うのか)であり、心と言うか中身は空っぽだったらしい。その為、今のサタンはアインシュタインが命じるままにのみ動く。かつての大魔王が、今では見る影も無い。
「綾瀬を、信長達をサイボーグから戻せるの?」
「ん?肉体の欠損があるから難しいわぃ。じゃが、お前さんなら簡単じゃろう?1度殺して生き返らせりゃあえぇ」
「そんな!綾瀬を…信長を殺すなんて出来ない!」
「何言うとる、信長はサイボーグにしとらんわぃ。あ奴は拒んだんじゃ」
ホッとしてはいけなかったが、正直に安堵した。
「どうして彼らをサイボーグに?」
「言うたじゃろう、研究の為じゃ。その為に実験データが必要じゃった。多いに越した事は無いからのぉ。あ奴らは大いに役に立ったわぃ」
「何の研究をしているの?」
「これじゃよ。大魔王サタンを甦らせる。しかし、それと同時並行で行っている研究が、自らの手で大魔王サタンを創り出す事じゃ」
天才と馬鹿は紙一重とは良く言ったものだ。理解出来ない理屈を述べる。
「熱中出来るものがあるって、素晴らしいね?私には…何も無かったな…」
「なぁに、お前さんは不死じゃろう?先は長い、それこそ気が遠くなるほどにな。その中で、何か1つでも見つけられりゃあ、御の字だと思えばえぇ」
私にも見つけられるかしら?そう思った時、それは音も無く現れた。
(いつから?)
その瞬間に私をすり抜けて、アインシュタインに声を掛けた。
「全く懲りない奴だ。アレは処分させてもらおう」
アインシュタインは数歩後ろに下がると、ゆっくりと首が床に落ちた。いつ剣を抜いたのか全く見えなかった。
その侵入者がこちらに振り返った時、何処かで見た事があると思った。忘れかけている記憶が戻りそうで、戻らない。他人の気がせず、懐かしさすら感じた。
「由子?」
コイツが由子か?思わず名前を口に出すと、振り向いて一瞥された。瞬きをすると、目の前に詰め寄られていて、冷や汗が吹き出した。
「なっ!?」
「ふ~ん、少しは出来る奴かと思ったけど、動きは素人だな。攫われて来ただけか?」
「えぇ、自動機械人形に連れて来られたわ」
由子が何かを言おうとした時、地鳴りと共に城全体が揺れ始めた。城壁は振動でパラパラと崩れ始めると、大魔王サタンが上空へと昇り始めた。
「アインシュタインが死んで、制御装置も壊れたんだ。サタンが外に出たら終わりよ!」
私の声よりも速く駆け出した由子は、身軽にも石畳を片足で蹴って、文字通り飛ぶ様に駆けて行く。石畳を素早く駆け上がり、壁を蹴ってサタンの背に乗ると同時に首の1つを斬り落とした。
『飛翔』
私は上空に浮くと飛行して、大魔王サタンの背に乗った。制御を失くしたサタンは、残る6つの頭が口を開いて咆哮をすると、城が粉々に吹き飛んだ。
「凄まじいな、世界が滅びると言われる訳だわ」
由子はその間もサタンの首を斬り落としていたが、1つ斬っている間に斬られた他の首が再生していた。
「超再生能力があるみたいね」
アインシュタインが手を加えているのだ、普通な訳が無い。この分だと他にも、とんでもない能力が隠されているかも知れない。アインシュタインとはもっと話をしたかったけど、由子が現れるなり斬殺してしまったから。
こう言うのはパターンとして、同時に首を斬り落とさなければ死なないとか、頭以外に弱点があるとか。そうだ、サタンはサイボーグなんだ。動く為の動力源的な物があると考えるのが自然だ。
私は心臓部が有りそうな場所を探ってみる事にした。
『光之神槍!』
貫通効果のある光の槍が、サタンの身体を貫通した。変化が無いので、ランダムに手当たり次第に撃ち込んでみたが、サタンは平然としており、身体の穴も直ぐに塞がっていく。
「無駄だ。お前が試した事を私がやって無いとでも?そうでなければ、今日までサタンを生かしていたりはしない」
それもそうだ、アインシュタインは何度も襲撃を受けたと言っていた。簡単に殺せるなら、とっくに殺していたはずだ。
「うっ」
サタンは飛び回りながら暴れた。由子が攻撃している最中にも、複数の首が攻撃して来る。由子はこの足場の悪さを物ともせずに、余裕で避けてカウンターで斬り付けていた。
「凄い…どっちが化け物か分からないわね」
勿論それは由子だろう。私はこんなに強い人間を今まで見た事が無い。あれが、本当に人間の動きなのか?私はサタンの攻撃を避ける事さえ出来ず、諦めて攻撃を受け、回復する事にしたのに。
そうこうしているうちに、潤(信長)と閻魔が戦っている上空へ来た。双方の旗が見えるので戦場だと理解した。
大魔王サタンが地上に向けて咆哮すると、両軍は巻き添えを喰らって灼熱の炎を受けて焼け死んだ。
「潤~!コイツぅ!!」
頭に来てブチ切れた私は、消費魔力0の呪文を唱え続けた。
『魔力吸収!』
唯一神すら倒した、あの能力を発動させる。魔力がフルMAX状態で無ければ使用不可の最強スキル「Game Start」で大魔王サタンを倒す。
「綾瀬を、信長達をサイボーグから戻せるの?」
「ん?肉体の欠損があるから難しいわぃ。じゃが、お前さんなら簡単じゃろう?1度殺して生き返らせりゃあえぇ」
「そんな!綾瀬を…信長を殺すなんて出来ない!」
「何言うとる、信長はサイボーグにしとらんわぃ。あ奴は拒んだんじゃ」
ホッとしてはいけなかったが、正直に安堵した。
「どうして彼らをサイボーグに?」
「言うたじゃろう、研究の為じゃ。その為に実験データが必要じゃった。多いに越した事は無いからのぉ。あ奴らは大いに役に立ったわぃ」
「何の研究をしているの?」
「これじゃよ。大魔王サタンを甦らせる。しかし、それと同時並行で行っている研究が、自らの手で大魔王サタンを創り出す事じゃ」
天才と馬鹿は紙一重とは良く言ったものだ。理解出来ない理屈を述べる。
「熱中出来るものがあるって、素晴らしいね?私には…何も無かったな…」
「なぁに、お前さんは不死じゃろう?先は長い、それこそ気が遠くなるほどにな。その中で、何か1つでも見つけられりゃあ、御の字だと思えばえぇ」
私にも見つけられるかしら?そう思った時、それは音も無く現れた。
(いつから?)
その瞬間に私をすり抜けて、アインシュタインに声を掛けた。
「全く懲りない奴だ。アレは処分させてもらおう」
アインシュタインは数歩後ろに下がると、ゆっくりと首が床に落ちた。いつ剣を抜いたのか全く見えなかった。
その侵入者がこちらに振り返った時、何処かで見た事があると思った。忘れかけている記憶が戻りそうで、戻らない。他人の気がせず、懐かしさすら感じた。
「由子?」
コイツが由子か?思わず名前を口に出すと、振り向いて一瞥された。瞬きをすると、目の前に詰め寄られていて、冷や汗が吹き出した。
「なっ!?」
「ふ~ん、少しは出来る奴かと思ったけど、動きは素人だな。攫われて来ただけか?」
「えぇ、自動機械人形に連れて来られたわ」
由子が何かを言おうとした時、地鳴りと共に城全体が揺れ始めた。城壁は振動でパラパラと崩れ始めると、大魔王サタンが上空へと昇り始めた。
「アインシュタインが死んで、制御装置も壊れたんだ。サタンが外に出たら終わりよ!」
私の声よりも速く駆け出した由子は、身軽にも石畳を片足で蹴って、文字通り飛ぶ様に駆けて行く。石畳を素早く駆け上がり、壁を蹴ってサタンの背に乗ると同時に首の1つを斬り落とした。
『飛翔』
私は上空に浮くと飛行して、大魔王サタンの背に乗った。制御を失くしたサタンは、残る6つの頭が口を開いて咆哮をすると、城が粉々に吹き飛んだ。
「凄まじいな、世界が滅びると言われる訳だわ」
由子はその間もサタンの首を斬り落としていたが、1つ斬っている間に斬られた他の首が再生していた。
「超再生能力があるみたいね」
アインシュタインが手を加えているのだ、普通な訳が無い。この分だと他にも、とんでもない能力が隠されているかも知れない。アインシュタインとはもっと話をしたかったけど、由子が現れるなり斬殺してしまったから。
こう言うのはパターンとして、同時に首を斬り落とさなければ死なないとか、頭以外に弱点があるとか。そうだ、サタンはサイボーグなんだ。動く為の動力源的な物があると考えるのが自然だ。
私は心臓部が有りそうな場所を探ってみる事にした。
『光之神槍!』
貫通効果のある光の槍が、サタンの身体を貫通した。変化が無いので、ランダムに手当たり次第に撃ち込んでみたが、サタンは平然としており、身体の穴も直ぐに塞がっていく。
「無駄だ。お前が試した事を私がやって無いとでも?そうでなければ、今日までサタンを生かしていたりはしない」
それもそうだ、アインシュタインは何度も襲撃を受けたと言っていた。簡単に殺せるなら、とっくに殺していたはずだ。
「うっ」
サタンは飛び回りながら暴れた。由子が攻撃している最中にも、複数の首が攻撃して来る。由子はこの足場の悪さを物ともせずに、余裕で避けてカウンターで斬り付けていた。
「凄い…どっちが化け物か分からないわね」
勿論それは由子だろう。私はこんなに強い人間を今まで見た事が無い。あれが、本当に人間の動きなのか?私はサタンの攻撃を避ける事さえ出来ず、諦めて攻撃を受け、回復する事にしたのに。
そうこうしているうちに、潤(信長)と閻魔が戦っている上空へ来た。双方の旗が見えるので戦場だと理解した。
大魔王サタンが地上に向けて咆哮すると、両軍は巻き添えを喰らって灼熱の炎を受けて焼け死んだ。
「潤~!コイツぅ!!」
頭に来てブチ切れた私は、消費魔力0の呪文を唱え続けた。
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