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3話 「行こうアリス。」
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第一章 第三節 「行こうアリス。」
「ほら行こうアリス!」
ガチャリとドアが開いて白兎の声がした。
「行こうって何処へ?」
咄嗟に私はそう返した。
「もー、ボク何度も言ってるよ。おーちゃーかーい!お茶会だよアリス。」
「あ、ああそうだったね。楽しみ過ぎて何度も確認したくなってしまって!」
笑顔を見繕った。
「…?どうかしたの?その鏡の前に立つだなんておかしなアリス。」
あ、私アリスさんのこと嫌っていたそうだったから……ここにいるのはおかしいのか。
「別になんでもないよ。」
「そっか!ボクてっきり鏡の国のアリスにでも会っているのかと思っちゃったよ。でも会っているはず無いよね、あんなに喧嘩してさー、その鏡割っちゃったんだものアリス。流石にあれはビックリしたよ。」
そ、そんなに激しい喧嘩だったのか…。
白兎…少し私のこと疑ってる?
いいや!気にしないでおこう。
冷静に冷静に。
「そんなことよりほら!お茶会に遅れちゃうよ白兎。早く行こうよ。」
「それなら道順を説明するね!」
「え、白兎は一緒に行ってくれないの?」
待って、私地理分からない……
「うん。先に行かなくちゃいけないの。」
あちゃー…
「そんなしょんぼりしないでアリス!可愛いアリスにそんな顔は似合わないよ!」
「え、あ、うん。」
また私は笑顔を作る。
「うん!それがいいや、アリスは笑顔が一番だ!」
「ありがとう!」
「よし笑顔が戻ったね、じゃあボクは道順教えてから向こうへ先に行くよ。」
あ、結局一人で行くのか……
「わかったよ。」
「えーっとね、森に入ってチシャ猫を右に曲がるんだ。」
……???
「え?」
いや目印が人(?)なの……?
「チシャ猫を右にまがるのさ。」
「チシャ猫は動くでしょ?」
「お茶会も動くよ。」
……??????
あー…うんきっと動くんだねそうだね、動く動く。
「あ、そうだったね。道わかったよありがとう白兎。」
…不思議な国だな。
「それじゃ先に行って待っているよ!」
「行ってらっしゃい。」
白兎は走っていった。
もう姿が見えない、速いなー。
白兎…さっき私のこと疑っていた、白兎はどっちなんだろう。
大好きか……
大嫌いか……
私を、
殺したがるか……
殺したがらないか……
アリスさんは…信用しても良い気がする、だって大喧嘩したのにわざわざ忠告してくれた、私のことを教えてくれた、私に嫌われていないか気にしていた。
うん、きっとアリスさんは信用出来る。
私はアリスさんを信用して、アリスさんに信頼してもらえる関係を築こう。
それがいい。
これから会うイカレ兎と帽子屋、それから目印のチシャ猫……私を好きでいてくれればいいな。
「よし!」
私は頬を叩いて気合を入れた。
さぁ、お茶会へ出掛けよう。
「ほら行こうアリス!」
ガチャリとドアが開いて白兎の声がした。
「行こうって何処へ?」
咄嗟に私はそう返した。
「もー、ボク何度も言ってるよ。おーちゃーかーい!お茶会だよアリス。」
「あ、ああそうだったね。楽しみ過ぎて何度も確認したくなってしまって!」
笑顔を見繕った。
「…?どうかしたの?その鏡の前に立つだなんておかしなアリス。」
あ、私アリスさんのこと嫌っていたそうだったから……ここにいるのはおかしいのか。
「別になんでもないよ。」
「そっか!ボクてっきり鏡の国のアリスにでも会っているのかと思っちゃったよ。でも会っているはず無いよね、あんなに喧嘩してさー、その鏡割っちゃったんだものアリス。流石にあれはビックリしたよ。」
そ、そんなに激しい喧嘩だったのか…。
白兎…少し私のこと疑ってる?
いいや!気にしないでおこう。
冷静に冷静に。
「そんなことよりほら!お茶会に遅れちゃうよ白兎。早く行こうよ。」
「それなら道順を説明するね!」
「え、白兎は一緒に行ってくれないの?」
待って、私地理分からない……
「うん。先に行かなくちゃいけないの。」
あちゃー…
「そんなしょんぼりしないでアリス!可愛いアリスにそんな顔は似合わないよ!」
「え、あ、うん。」
また私は笑顔を作る。
「うん!それがいいや、アリスは笑顔が一番だ!」
「ありがとう!」
「よし笑顔が戻ったね、じゃあボクは道順教えてから向こうへ先に行くよ。」
あ、結局一人で行くのか……
「わかったよ。」
「えーっとね、森に入ってチシャ猫を右に曲がるんだ。」
……???
「え?」
いや目印が人(?)なの……?
「チシャ猫を右にまがるのさ。」
「チシャ猫は動くでしょ?」
「お茶会も動くよ。」
……??????
あー…うんきっと動くんだねそうだね、動く動く。
「あ、そうだったね。道わかったよありがとう白兎。」
…不思議な国だな。
「それじゃ先に行って待っているよ!」
「行ってらっしゃい。」
白兎は走っていった。
もう姿が見えない、速いなー。
白兎…さっき私のこと疑っていた、白兎はどっちなんだろう。
大好きか……
大嫌いか……
私を、
殺したがるか……
殺したがらないか……
アリスさんは…信用しても良い気がする、だって大喧嘩したのにわざわざ忠告してくれた、私のことを教えてくれた、私に嫌われていないか気にしていた。
うん、きっとアリスさんは信用出来る。
私はアリスさんを信用して、アリスさんに信頼してもらえる関係を築こう。
それがいい。
これから会うイカレ兎と帽子屋、それから目印のチシャ猫……私を好きでいてくれればいいな。
「よし!」
私は頬を叩いて気合を入れた。
さぁ、お茶会へ出掛けよう。
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