46 / 46
秘密
第1章 5-9
しおりを挟む中秋節。
朝から屋敷では使用人達がバタバタと作業をしている。
と言うか、街中が騒がしい雰囲気で溢れている。
祭りの本番は夜だが、昼からその準備で町中が浮ついている感じだ。
今日ばかりは私も楽しみだ。
小さな頃、灯鈴と黄泰の中秋節へ行ったらしいが、あまり記憶にない。
うろ覚えに何かの動物の仮面を買ってもらった様な気もする。
その仮面も、今はもう私の手にはない。きっと母の物と一緒に処分されてしまったのだろう。
今回は違う。
しっかり記憶にも残るし、一緒に楽しんでくれる人が沢山いる。だからこの際、しっかり楽しんでしまおう。
厨房では月餅を作る準備が始まっている。
炎珠に頼んで、護衛何人かと昼の街を少しだけ、楽しむことにした。
まだ屋台も準備中で、見る物はあまりないですよと言われたが、昼間の賑わいも見ておきたかった。
動きやすい服に着替えて、華羅を肩に乗せ、門を出る。
屋台を組み立てている人や、舞台の用意をしている人、すでに用意を終えて、売り物を並べている人など、多くの人の声や物音が、そこら中に広がっている。
それを見ながら歩いていると、華羅の姿が珍しいのか、色んな人から、華羅に声がかかる。
大体は綺麗な鳥だね、とか、随分なついているね。
とかそんな言葉だが、中には、売ってくれと言う人もいた。
その度に華羅は喜んだり、怒ったりしていたが、勿論、売る気はない。
まぁ護衛達に睨まれて、その人はさっさと逃げて行ったが。
この日は多くの人が近隣の街や村からも出てくるようで、綺麗に着飾ったお嬢様や、私のように護衛を付けた若様などの姿も多く見られる。
宿は満員状態で、飯屋も随分繁盛しているようだ。その様子を見ながら、華羅や炎珠と今日の夜はどうなるのか、楽しみだと話をしていた時だった。
「こんにちは、朱家のお嬢さん。」
そう言って誰かが声をかけてきた。一瞬、炎珠が私の前に立って、剣に手をかけるが、すぐにその手を収め、一礼すると、他の護衛達もそれに従い、礼をする。
私も慌てて礼をしようとしたが、その声の主に止められた。
「礼は要らないよ。同じ身分だから。」
そこには、白花色(しらはないろ)の衣を纏った武人のような若者がたっていた。宇航様が美しいなら、彼は凜々しいと言う言葉がよく似合う。これまた端正な顔立ちだが、目鼻立ちがはっきりとしている。
私がどうして良いか分からず固まっていると、
「あぁすまない。私は白家の者だ。名は仔空という。」
そう、自己紹介してくれた。私も何か返さなくてはと思い、
「私は朱・桜綾です。」
とお辞儀をすると、仔空様が豪快に笑う。何だか私の父のような笑い方だ。
「母から聞いてはいたが、本当に良い子なんだ。宇航のやつ、こんな可愛い子を俺に紹介しないとは。」
母?宇航様の知り合い?戸惑っている私に、
「白領主のご次男です。」
耳元でそっと炎珠が教えてくれる。
(白家の領主と言えば・・・翠美様・・・だったかな。)
「申し訳ありません。存じ上げなかったもので、失礼を致しました。」
「いや、まだ何もされてないけど?自己紹介しただけだ。知らなくて当然だし、そんなに畏まらなくてもいい。俺も中秋節の見物ついでに、久しぶりに宇航に会いに来ただけだからさ。じゃぁそういうことで!」
何だか嵐のようにやってきて、台風のように去って行った。
狐にでもつままれた気分だ。
「炎珠・・・今のは・・・何?」
「さぁ?何がしたかったのでしょう・・・私も顔を知らなければ、抜刀していました。」
よく分からない状況に、立ち往生したので、一旦、屋敷に戻ることにした。
その日の晩。街は明るく、淡く、輝いていた。
店や家の軒には、提灯がぶら下がり、昼間未完成だった屋台や舞台も完成して、賑わいを見せている。
宇航様と待ち合わせたのは、街の水路に架かる橋の袂。
思ったより、何倍も人が多いし、熱気がすごい。
護衛がいなければ、炎珠達とはぐれてしまいそうだ。
待ち合わせの場所に行きすがら、足を引きずっている私は、何度か人とぶつかり、それを心配した護衛達が私の周りを取り囲んだので、私はカゴの中の鳥状態になってしまった。
周りを見ている余裕もなく、雰囲気だけを楽しむしかなかった。
華羅は私の肩で食べ物の話ばかりしている。
お陰で私までお腹がすいてくる。
「後で、一杯食べようね!」
そういうと華羅は短い羽をパタパタさせながら喜んでいる。
護衛に囲まれながら、進むこと四半時。
足が遅いせいで随分かかってしまったが、どうにか待ち合わせ場所に着いた。
橋の上には多くの人が行き来し、立ち止まって川を流れる灯籠を眺める人達もいる。
川岸では多くの人が灯籠を手に、思いを乗せている。
色とりどりの蓮の形をした灯籠が川の流れに乗って、川下へと流れていく。
空には多くの天灯が風に乗って上へと登っていく。
その景色は幻想的で綺麗なのだけれど、どこか物悲しい気がする。
「桜綾、待たせたね。」
声をかけてきたのは、夏月さんを連れた宇航様と、あの白家の仔空様だった。
宇航様だけでも目立つのに、夏月さんと仔空様まで揃えば、悪目立ちだ。
美男美女に囲まれて、これはこれで生きた心地がしない。
「もう、見て回ったのかい?」
「いえ、まだ。それより、師匠と鈴明はご一緒ではないのですか?」
「あぁ、憂炎達には先に、目的地に行ってもらっている。桜綾は中秋節の祭りが見て回りたいだろうと思ったからね。」
(目的地?)
そこがどこなのかは分からないけれど、華羅もお腹をすかせているし、私も色々見て回りたい。
あまり多くの護衛がいると、見られないかもと思っていたら、宇航様、夏月さんと炎珠、仔空様を除いた護衛と、灯鈴は目的地へと向かっていった。
宇航様に敵意を向ける勇気がある者は、いないだろう。
これぞ、究極の護衛だ・・・宇航様を護衛扱いするなど失礼な考えだが・・・
ともかく、お祭りを堪能すべく歩き始める。
良くみると、提灯にも色んな形や色があって、面白い。
私も華羅もお腹がすいていたので、取りあえず1個、饅頭を買って、華羅と分けて食べる。色んな物を食べたいから、少しずつ買うことにした。
饅頭の次は、飾り飴。それから、謎解きをしたり演舞を見て、雲呑を食べる。
その頃にはもう、宇航様達の存在を忘れて楽しんでいた。
宇航様達は私が大騒ぎしながら、あちこち動き回るのを嫌な顔もせず、付いてくる。
気がついた時には、炎珠の手には多くの物が持たれている状態だった。
「うわ・・・炎珠、ごめんね。ついはしゃいじゃって・・・重いでしょ?私も・・・」
「桜綾は気にせず楽しめば良い。荷物が心配なら、私や夏月もいる。」
私の言葉を遮って、宇航様が微笑む。
その横の仔空様も笑っている。
今更ながら、恥ずかしい。
「桜綾、まだ食べる!あれが食べたい!」
華羅は私の肩で、まだ食べ物をねだっている。
その体のどこに入るのか、華羅は大食漢だ。
その食欲が羨ましい。
華羅がねだっているのは、中秋節で食べられる月餅だ。
「華羅、月餅は沢山、用意してある。桜綾、祭りは堪能できたかい?」
「はい!十分に。」
「そろそろ足もきついだろう。目的地に向かうとするか。」
あれだけ、はしゃげば、足が痛くなって当然だ。それにも気がつかず、楽しんでしまった・・・
確かに、両足はそろそろ、歩くのがきつくなっている。
「この先に馬車がある。それに乗って、目的地へ行こう。」
さすが宇航様。私の行動などお見通しだ。
ほとんど歩かずに馬車まで来ると、街からほんの僅か離れた川辺の東屋らしき場所に到着する。
街の灯りも見えるが、東屋もしっかり飾り付けられており、そこには師匠や鈴明、灯鈴もいる。
ここが目的地か。
大きな机には沢山のご馳走と、月餅が並んでいた。
川辺にあるせいか、先ほどの街中と違って風が清々しい。
階段をもたもた降りていると、仔空様がスッと手を差し伸べて、片手を支えてくれた。
「申し訳ありません。急ぎますね。」
私が往き道を邪魔しているように思って、そういうと、
「何も急がなくても。こういうのは役得というのかな?たまには女性の手を握るのも悪くない。普段は剣しか握らないからな。」
その言葉に、宇航様が眉間に皺を寄せて怪訝そうにしている。
今更、手を離すわけにも行かず、その手を支えに階段下まで降りたところで、やっと手を引っ込めた。
「ありがとうございました。助かりました。」
ここからは平坦で足場も悪くないし、広いので、私を追い越して進めるだろう。
鈴明が私に気がつくと、走って駆け寄ってくる。
「お祭り、楽しかった?」
第一声でそう聞いてきたので、見た物や食べた物を話ながら、席まで一緒に歩いた。
私の右隣には華羅用の席がちゃんとあって、左隣には宇航様が、その隣に仔空様が座る。
華羅の横に鈴明が座る。
どうやら今日は無礼講らしい。中秋節は家族で祝う祭りだ。
私にとって、師匠や鈴明、灯鈴や炎珠は家族も同然で、大切な人達だ。
それを宇航様も分かってくれていたのだろう。
ちゃんと各自に席が用意されていた。
その心遣いが嬉しい。
華羅は、ご馳走を前にはしゃぎながら、珍しく宇航様の肩に乗っている。
宇航様はそれを嫌がりもせず、華羅にもう少し待つように話し相手をしている。
それを見ていた仔空様も、始めは不思議そうにしていたが、宇航様から話を聞いたのか、宇航様を介しながら、華羅との会話を楽しんでいた。
3日前にご馳走を食べたばかりだというのに、今日もご馳走だ。普通ならもっと、太りそうな物だが、私の体は小さいまま。
以前よりもしっかり食べているのに。
皆の杯に酒が注がれると、いよいよ宴会の始まりだ。
まずは宇航様が飲み、その返杯で皆が飲むと、早速、好き放題に食べ始める。
華羅は自分の位置に戻って、山盛りの唐揚げと魚の煮付けを交互に食べている。
祭りであんなに食べたのに・・・
感心しながら、酒のつまみに魚をつつきながら、宴会の雰囲気を楽しんでいた。
川下に近いせいか、街から流れてきた灯籠が、川面に浮かび、空には大きなまん丸の月が浮かんでいる。
これが本来の中秋節なのだ。
皆が騒いでいる中、私は杯と酒壺を持って、少し離れた川辺の石に腰をかけて、靴を脱いで川に足を浸ける。
歩きすぎて火照った足には丁度良い冷たさだった。
灯鈴に見られたら、怒られそうだが、ここには誰もいないから、良いだろう。
日本では灯籠は、死者を弔い、願いを込めて流す物だった。
ここでは、灯籠を流すことで、亡くなった家族を迎え、家族団欒を先祖と共に行う為の儀式だ。
川面に浮かぶ灯籠、一つ一つに人々の亡くなった人への思いが込められているのかと思うと、私も生母の為に流すのも良かったかも知れないと思った。
が、肝心の灯籠を買い忘れている。
すっかりのぼせ上がっていた様だ。
一人で酒を飲みながら、川岸で感慨に浸っていると、当然のごとく、宇航様が現れた。
「一人でどうした?何か悩み事かい?」
もうこのシュチエーションにも慣れた。
宇航様は心配性なのか、常に私を注視している。
「いえ。ただ、生母の為に灯籠を流してあげるべきだったかなと、考えていたんです。肝心の灯籠を買い忘れたんですけど。」
浸した足を前後に動かしながら、そう答えると、宇航様が胸元から、蓮の灯籠を出してくれる。
「そう思って買っておいた。今からでも遅くはないと思うが?流してみるかい?」
宇航様が差し出してくれたのは、薄桃色の綺麗な蓮の灯籠。真ん中に小さな蝋燭が入っている。
何も言わずそれに火を付けてくれる。そして私の手に渡してくれたので、足をそのまま川底に着けて、そっと灯籠を流した。
顔も声も何も記憶にない母の為に。
この国に写真があれば、もう少し、母への思いをその灯籠に乗せられたかも知れない。
何も記憶がない私には、蓮を流す作業になっただけ。
それでも少しは母の弔いになればと思う。
母の家族と言える人間は、もう私しかいないだろうから。
街から流れてきた灯籠と同じように、私が流した灯籠も川下へ流れに乗って下っていく。
いつかは海にたどり着いて、きっと皆の思いごと底へと沈んで、何もなかったかのように時間をかけて、自然の中へ消えていく。まるで人の記憶と同じ様に。
私はまた石に腰を下ろして、その灯籠が流れていく様をじっと見ていた。
「君は、時々、私よりも年上の様な表情をするな・・・でもそれは、いつも悲しみを抑えている時のようにも見える。」
片膝を立てて私の隣に座っている宇航様が、私の顔を見ながらそんなことを言う。
「そんなにじっと見なくても・・・でも、もしそう見えるのなら、桜の記憶のせいかもしれませんね。なんせ桜は28歳だったから。死んだ時。」
「そうか・・・」
宇航様はもう一つ灯籠を出すと、それに火を付けて、川面へ流す。
「これは桜の分だ。」
そう言われて、少し複雑な気分になった。
なぜだか、自分を弔っている様な気分だった。
けど、嫌な気分ではない。
私の知っている悲しい記憶の桜は、この黄仁という国で、私達に大切に思われて、こうして灯籠を流してもらえる存在になったのだから。
母より桜の方がよっぽど私には身近で、思い入れも深い。
だから、宇航様が流したあの灯籠は、私にとっても、桜にとってもありがたく思えた。
「桜綾、もしも君の信用している誰かが、隠し事をしていたとしたら、君ならどうする?」
急に振られた話の意図が分からなくて、首をかしげる。
「いや。何でもない。気にするな。」
「もっもし、私の信用している人が隠し事をしているなら、それは、理由があってのことだと思いたい。卑屈に考えれば、私を信用してくれていないのだろう、とか、私はそこまで大切な人間では無いのだろうとか、悪い方に取る事も出来る。でも、私も、まだ本当の私を師匠達には話していないんです。大切だからこそ、話せなかった。失いたくなかったから。」
「でも、私には話したじゃないか。じゃあ私は失っても良かったのかい?」
「そういう意味ではなくて。いや、そうかも知れない。もし変な奴だと思われて、追い出されたとしても、いいと覚悟して話したから。信じてもらいたい気持ちの方が大きかったけど。でも、師匠達は・・・黄泰で唯一、私の味方で、師匠や鈴明がいない生活では、桜の記憶があったとしても、耐えられなかった。だから、怖かったんです。それと同じで、きっと話せない事情があったと思って、それを打ち明けてくれたときに、話をちゃんと聞こうと思います。」
そう思う方が自分も楽なのかも知れない。
私が師匠達に話をしていない事への言い訳にも思えてくる。
そして願望なのかも知れない。
「そうか。変な話をしてすまない。ちょっと聞いてみたかっただけだ。」
いつの間にか、まん丸お月様も空の一番高い所へ登っている。灯籠ばかり気にして、川面ばかり見ていてから、主役の月を見るのを忘れていた。
―ヒュゥゥウウウー
川向こうから大きな音が響く。
「これを君に一番、見せたかった。」
宇航様の言葉と同時に、空に大輪の花火が咲く。
「えっ?」
宇航様の声は花火にかき消された。宇航様を見ている私の首をグイッと花火の方へ向ける。
それから、何故かそっと私の左手に、自分の右手を重ねる。
別に嫌でもなかったので、そのまま花火を見ていた。
花火は次々上がり、大きな音を立てては夜空に消えていく。
大きな月の下に輝く花は、あんなにも美しい物だろうかと見入ってしまった。
「桜綾~どこ~」
そこへ突然気の抜ける声が響く。
華羅だ。
宇航様が私の手から手を離したので、私は立って声のする方へ体を向けると、華羅が飛び込んできた。
「気がついたら、桜綾いなかったの。華羅は淋しかった。」
私の平たい胸に頭をグリグリ押しつけながら、しがみつく。
「ごめんね。華羅。ちょっと涼みたかったの。ここで一緒に花火見る?」
「もう、置いていかないで。華羅は桜綾と一緒がいいの。華羅はここにいる。」
よほど淋しかったのか、しがみついた手を離そうとしない。
仕方なく、華羅の背中をポンポンと叩いて落ち着かせる。
「まるで、親子だな。」
宇航様は笑いながら、私達のやりとりを見ていた。
そこへ今度は仔空様が、月餅を片手にやってきた。
「鳥が急に暴れ出して、こっちに飛んでいったから、追いかけてきた。せっかくの中秋節だ。これを喰わなきゃ終れんだろ?」
そう言って私達に月餅を手渡す。
「ありがとうございます。華羅、月餅食べよ?もう置いていかないから、ね?」
そう言って月餅を半分に割って華羅の前に差し出すと、華羅は足で上手に月餅を受け取る。
石に再び腰をかけた私達は、膝に乗って月餅を食べる華羅と花火を見ながら、中秋節の最後を締めくくった。
0
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
【完結】20年後の真実
ゴールデンフィッシュメダル
恋愛
公爵令息のマリウスがが婚約者タチアナに婚約破棄を言い渡した。
マリウスは子爵令嬢のゾフィーとの恋に溺れ、婚約者を蔑ろにしていた。
それから20年。
マリウスはゾフィーと結婚し、タチアナは伯爵夫人となっていた。
そして、娘の恋愛を機にマリウスは婚約破棄騒動の真実を知る。
おじさんが昔を思い出しながらもだもだするだけのお話です。
全4話書き上げ済み。
【完結】乙女ゲーム開始前に消える病弱モブ令嬢に転生しました
佐倉穂波
恋愛
転生したルイシャは、自分が若くして死んでしまう乙女ゲームのモブ令嬢で事を知る。
確かに、まともに起き上がることすら困難なこの体は、いつ死んでもおかしくない状態だった。
(そんな……死にたくないっ!)
乙女ゲームの記憶が正しければ、あと数年で死んでしまうルイシャは、「生きる」ために努力することにした。
2023.9.3 投稿分の改稿終了。
2023.9.4 表紙を作ってみました。
2023.9.15 完結。
2023.9.23 後日談を投稿しました。
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
転生してモブだったから安心してたら最恐王太子に溺愛されました。
琥珀
恋愛
ある日突然小説の世界に転生した事に気づいた主人公、スレイ。
ただのモブだと安心しきって人生を満喫しようとしたら…最恐の王太子が離してくれません!!
スレイの兄は重度のシスコンで、スレイに執着するルルドは兄の友人でもあり、王太子でもある。
ヒロインを取り合う筈の物語が何故かモブの私がヒロインポジに!?
氷の様に無表情で周囲に怖がられている王太子ルルドと親しくなってきた時、小説の物語の中である事件が起こる事を思い出す。ルルドの為に必死にフラグを折りに行く主人公スレイ。
このお話は目立ちたくないモブがヒロインになるまでの物語ーーーー。
一級魔法使いになれなかったので特級厨師になりました
しおしお
恋愛
魔法学院次席卒業のシャーリー・ドットは、
「一級魔法使いになれなかった」という理由だけで婚約破棄された。
――だが本当の理由は、ただの“うっかり”。
試験会場を間違え、隣の建物で行われていた
特級厨師試験に合格してしまったのだ。
気づけばシャーリーは、王宮からスカウトされるほどの
“超一流料理人”となり、国王の胃袋をがっちり掴む存在に。
一方、学院首席で一級魔法使いとなった
ナターシャ・キンスキーは、大活躍しているはずなのに――
「なんで料理で一番になってるのよ!?
あの女、魔法より料理の方が強くない!?」
すれ違い、逃げ回り、勘違いし続けるナターシャと、
天然すぎて誤解が絶えないシャーリー。
そんな二人が、魔王軍の襲撃、国家危機、王宮騒動を通じて、
少しずつ距離を縮めていく。
魔法で国を守る最強魔術師。
料理で国を救う特級厨師。
――これは、“敵でもライバルでもない二人”が、
ようやく互いを認め、本当の友情を築いていく物語。
すれ違いコメディ×料理魔法×ダブルヒロイン友情譚!
笑って、癒されて、最後は心が温かくなる王宮ラノベ、開幕です。
公爵家の秘密の愛娘
ゆきむらさり
恋愛
〔あらすじ〕📝グラント公爵家は王家に仕える名門の家柄。
過去の事情により、今だに独身の当主ダリウス。国王から懇願され、ようやく伯爵未亡人との婚姻を決める。
そんな時、グラント公爵ダリウスの元へと現れたのは1人の少女アンジェラ。
「パパ……私はあなたの娘です」
名乗り出るアンジェラ。
◇
アンジェラが現れたことにより、グラント公爵家は一変。伯爵未亡人との再婚もあやふや。しかも、アンジェラが道中に出逢った人物はまさかの王族。
この時からアンジェラの世界も一変。華やかに色付き出す。
初めはよそよそしいグラント公爵ダリウス(パパ)だが、次第に娘アンジェラを気に掛けるように……。
母娘2代のハッピーライフ&淑女達と貴公子達の恋模様💞
🔶設定などは独自の世界観でご都合主義となります。ハピエン💞
🔶稚拙ながらもHOTランキング(最高20位)に入れて頂き(2025.5.9)、ありがとうございます🙇♀️
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる