風の見た夢

スケスケケブカガニ

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出会いー折り返しー

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ドアの先にいたのは、中学生のケイ。そのころには、都内の高校へ進学することが決まっていた。卒業式が間近に迫ったその日、彼はじめじめとした体育館でピアノの鍵盤の蓋を開けた。

「僕は幼い頃からピアノを習っていた。」
「どうやら僕のピアノは上手かったみたいだ。周りの大人たちをその気にさせてしまうくらいにはね。」

ピアノコンクールで演奏し、次々にトロフィーを手にする彗のハイライトが映る。拍手する顔のない大人達の数が増えるだけ、ケイの顔は次第に無味乾燥なものになっていく。

「周りの大人達が僕に期待すればするほど、僕はピアノにうんざりするようになっていった。」

場面は学校の体育館に戻る。ケイが曲を弾こうとしたその時、外から雨音が急に鳴り出した。

「なんとなく、この曲が弾きたくなったんだ。誰もいない音のこもったこの体育館で、ただ、なんとなく。」

ケイの指が鍵盤の上を走り出し、演奏が始まる。「愛の夢」が体育館に鳴り響く。

「雨音に混じって、大きな足音がしたんだ。そしてその音は僕の後ろの扉の近くで止まった。」

曲が終わり、ケイは後ろを振り返る。雨は止み、そこに人の姿は既になかった。

「気まぐれで弾いた曲といつも忘れられる傘のおかげだ。」
「どういう意味?」
「偶然と必然が重なって僕らは出会ったんだよ。これは運命だ。」
「運命なんて言葉、そう易々と使わない方がいいよ」
「なぜ?」
「次にその言葉を使うとき、私を思い出すから。」

ケイは不敵に微笑み、ドアを出現させた。

「じゃあ尚更使っていかないとな。質問だ。僕たちが出会ったのは、運命か?」
「・・・」
「答えないと、『』ができない。」
「運命かもね。」

ドアが開く。少し不貞腐れた顔のカミコの手をケイが取り、2人は次の景色へと進んでゆく。
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