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第1章 能なしの巫女と堕ちかけの蛇神
2.出立
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日輪国の都は、天へとそびえる五重の塔を中心に、四方へ広がっている。北から南を流れる大河で東西に区画が分かたれており、東は工業地区、西は商業地区となっていた。
美輪家を出た百代が訪れたのは、西の商業地区のうち、平民たちが日用品を売り買いする区画だ。普段よりも多くの人で賑わう通りを縫うようにして歩きながら、目をつけていた万屋に入る。箒や縄、籠などが並ぶ店頭を物色し、小刀を手に取った。
「すみません、これください」
店の奥へと声を掛けると、店主らしき中年男性がひょこひょこと出てくる。
「はいはい、まいど。にしても今日みたいな日にうちに来るなんて変わってるね。みんな祭りに行っちまってるのに」
「そういえばそうだったわね。近くの花の神の社で、だったかしら?」
「ああ。ほら、ちょうどお姿を現された」
店主が指さした先で、一層高い歓声があがった。見ると社の中から、数人の人影が歩み出てくるところだった。
長い髪を一つにまとめた白衣に赤袴を着た巫女三人を引き連れ現れたのは、長身の男神。彼は集まっていた民たちの前で微笑むと、軽く腕を振った。途端に何もなかった空中へ桃色の小さな花がいくつも現れる。続けて巫女たちが天に向かって手を広げると、ふわりと風が生まれて、花を天高く舞い上げた。
人々は歓声を上げ、男神は緩やかに手を振って彼らの声援に応えている。万屋の店長もその様子を見ながら拍手していた。
「ありがたいもんだね。あの神様のおかげで、都のあちこちで綺麗な花が咲く。それに巫女さんたちもすげえよ。風を起こしたのは、巫女さんたちなんだろ?」
「ええ、きっと風の異能ね。あんな風に、異能を使える女じゃないと、巫女になれないのよ。神の補佐をするには、異能が必要と言われているから」
「へえ、よく知ってるな、嬢ちゃん」
「だって巫女の学校に通っていたもの」
日輪国は、神と人が共存する国だ。この国では神が人智を超えた力で人を守り、人は信じる心によって神に力を与えている。けれど互いに影響を及ぼし合っているにもかかわらず、長命であらゆる力を使える神と、短命で特別な力を持たない人間は、そのあり方の違い故に近くて遠い存在だった。
そこで神と人、両者の架け橋となる存在として、日輪国では「巫女」という職業が重要視されていた。この国において、巫女は人でありながら霊力を持ち、時に異能と呼ばれる特殊な力を使いこなせる女性だけがなれる職業。ゆえに巫女を目指す者たちは、巫女学校へ入学し、神の身の回りの世話から儀式の際の霊力の扱い方など、あらゆることを学ぶのだ。百代も少し前までは、その学校に通っていた。
「えっ、本当か? あそこって金持ちしか通えないんだろ? それに髪の毛だって、短いし……」
店主は百代の姿を上から下まで眺めて眉をひそめた。
肩口までのざんばらの髪に、色あせた着物と黒袴。腰には木刀、手には大きな風呂敷包みを持った百代は、およそ金持ちの令嬢には見えない。加えて長い髪は日輪国では巫女の誇りとされており、巫女は長髪であるのが普通だ。故に櫻子に髪を切られて短くなってしまった百代が、巫女学校にいた者と言って疑われるのは当然である。
「今は違うわ。色々あって出てきたから」
「色々ねぇ。それって女のあんたが腰に木刀差して風呂敷背負ってるのと関係あるか?」
「まあね。能なしだから巫女の資格をもらう試験に落ちちゃったのよ」
日輪国において、巫女をやるには資格が必要だ。正式な巫女になるには、学校に通った後、卒業時に巫女の資格試験を受け、合格しなければならない。そして合格するためには、自らの霊力を使って起こす特別な能力――異能を人前で披露しなければならないのだ。
百代は異能を披露することができず、巫女の試験に落第してしまった。そのため巫女学校は強制退学。家族や家族が懇意にしている神には無能と罵られた。あのまま家にいれば役立たずとしてこき使われてしまっていただろう。
だが百代は人前で異能を使えないだけで、決して無能などではなかった。
「そういえば店主、今の時刻は?」
「ん? もうすぐお昼どきくらいだったかな」
「あら、じゃあもうそろそろね。ちょっと荷物、置かせてもらうわ」
百代は風呂敷を店先に置くと、木刀を抜いて通りへ出る。
「おい、小刀はどうするんだい?」
「買うから、終わるまで待っててちょうだい」
店主に返事をした直後、祭りの人混みの中から甲高い悲鳴が上がった。
「泥棒! 私の荷物を返して!」
声の方を振り返ると、通りの向こうから包みを抱えた男が走ってきた。その後ろを平民の女が茶色い髪を乱しながら追いかけている。状況からして、男が女の荷物を盗んだのだろう。
「たっ、大変だ!」
「誰か捕まえろ!」
道行く人たちは、突然の泥棒騒ぎに混乱している。捕まえようとした者もいたが、足の速い泥棒には追い付けない。このままでは、泥棒が逃げて姿を眩ませてしまう。
けれども百代には、泥棒が現れることも、彼がどこへ逃げるかも、すべて分かっていた。
「どけ、そこの女!」
泥棒は荷物を抱えたまま、待ち伏せしていた百代に突進してくる。けれど百代は逃げる代わりに、木刀を固く握りしめた。
「どかないわよっ!」
泥棒の足を狙って木刀を振り抜く。木刀は正確に彼の膝を捉えていた。かぁんという音と共に、泥棒が「ぎゃあ!」と蛙を潰したような悲鳴を上げる。
百代は地面に倒れた泥棒から荷物を奪い、後ろから追ってきた茶髪の女に渡した。
「はい、次は気をつけてね」
「あっ、ありがとうございます!」
茶髪の女は何度も頭を下げながら、道の向こうへ歩いて行った。やってきた警察に泥棒を引き渡すと、万屋の店主がひゅうと口笛を吹く。
「やるなぁ、嬢ちゃん。剣捌きもそうだが、まるで泥棒が出るのが分かってたみたいだ」
「ふふ、本当に分かってたかもよ?」
店主の予想は間違っていない。百代は今日、この場所で泥棒が出ると知っていた。そしてそれを放置すれば、警官に追われた男がとある飲食店に逃げ込み、店の包丁で客や店員を刺し殺すことも。繰り返してきた人生の中で、それを知っていた百代は、都を後にする前に事件を防いでおきたかった。悲しいことは、できれば少ない方がいい。
「ま、悪者が捕まったんだしいいでしょ。はい、小刀の代金」
「まいど、ほんっとに不思議な嬢ちゃんだ」
店主は小刀を百代に渡しながら首をかしげた。
「それにしてもあんた、家を出て行くあてはあるのかい?」
「ええ、ひとまず草田瀬って村に行こうと思って」
「草田瀬!? あそこはやめといたほうがいいぜ?」
店主は焦ったようにぶんぶん首を横に振った。
「都から草田瀬へ行く道には、荒くれ者が出る。さすがの嬢ちゃんでも、一人じゃ危険だ。それにひと月前、邪神の封印が解けたなんて噂まで聞いてるぞ」
「知ってるわよ。私はその邪神に用があるんだもの」
なんでもないように答えた百代に、店主の顔は真っ青になる。
「はぁ!? あの邪神は、二百年前に暴れて高天原の連中に封印された危ない神なんだぞ? 悪いことは言わねぇ、別の行き先を考えな」
高天原とは、力のある神々によって構成される日輪国の最高機関だ。国を守り、導く役割を持つが、些細な事件、事故などの解決は個々の神々や人に任せている。普段は直接的に動くことのない彼らが動いたとなれば、その邪神は相当強い力を持っていたのだろう。
それでも百代には、引けない理由があった。
「心配してくれてありがと。でも大丈夫よ、全部準備はしてるから」
さらに止めようとしてくる店主に手を振って、百代は万屋を後にした。
(確か都の北西の山道を進めばよかったのよね)
祭りの人混みの間を縫って、過去の記憶を頼りに草田瀬を目指して歩いて行く。都を出て山道にさしかかった時には、辺りは茜色に染まっていた。
「この先、草田瀬」と書かれた立て札を踏み越え、百代は暗い山道へと入る。ざわめく木の葉に、不気味な鳥の声。黄昏時の山道はあの世にでも繋がっているかのようだった。けれど百代にとっては、懐かしささえ感じる。
(前も、こんな感じだったわね)
山道を進む度に蘇る、前回までの人生の記憶。脳裏に浮かぶ光景に、百代は静かに浸っていった。
美輪家を出た百代が訪れたのは、西の商業地区のうち、平民たちが日用品を売り買いする区画だ。普段よりも多くの人で賑わう通りを縫うようにして歩きながら、目をつけていた万屋に入る。箒や縄、籠などが並ぶ店頭を物色し、小刀を手に取った。
「すみません、これください」
店の奥へと声を掛けると、店主らしき中年男性がひょこひょこと出てくる。
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長い髪を一つにまとめた白衣に赤袴を着た巫女三人を引き連れ現れたのは、長身の男神。彼は集まっていた民たちの前で微笑むと、軽く腕を振った。途端に何もなかった空中へ桃色の小さな花がいくつも現れる。続けて巫女たちが天に向かって手を広げると、ふわりと風が生まれて、花を天高く舞い上げた。
人々は歓声を上げ、男神は緩やかに手を振って彼らの声援に応えている。万屋の店長もその様子を見ながら拍手していた。
「ありがたいもんだね。あの神様のおかげで、都のあちこちで綺麗な花が咲く。それに巫女さんたちもすげえよ。風を起こしたのは、巫女さんたちなんだろ?」
「ええ、きっと風の異能ね。あんな風に、異能を使える女じゃないと、巫女になれないのよ。神の補佐をするには、異能が必要と言われているから」
「へえ、よく知ってるな、嬢ちゃん」
「だって巫女の学校に通っていたもの」
日輪国は、神と人が共存する国だ。この国では神が人智を超えた力で人を守り、人は信じる心によって神に力を与えている。けれど互いに影響を及ぼし合っているにもかかわらず、長命であらゆる力を使える神と、短命で特別な力を持たない人間は、そのあり方の違い故に近くて遠い存在だった。
そこで神と人、両者の架け橋となる存在として、日輪国では「巫女」という職業が重要視されていた。この国において、巫女は人でありながら霊力を持ち、時に異能と呼ばれる特殊な力を使いこなせる女性だけがなれる職業。ゆえに巫女を目指す者たちは、巫女学校へ入学し、神の身の回りの世話から儀式の際の霊力の扱い方など、あらゆることを学ぶのだ。百代も少し前までは、その学校に通っていた。
「えっ、本当か? あそこって金持ちしか通えないんだろ? それに髪の毛だって、短いし……」
店主は百代の姿を上から下まで眺めて眉をひそめた。
肩口までのざんばらの髪に、色あせた着物と黒袴。腰には木刀、手には大きな風呂敷包みを持った百代は、およそ金持ちの令嬢には見えない。加えて長い髪は日輪国では巫女の誇りとされており、巫女は長髪であるのが普通だ。故に櫻子に髪を切られて短くなってしまった百代が、巫女学校にいた者と言って疑われるのは当然である。
「今は違うわ。色々あって出てきたから」
「色々ねぇ。それって女のあんたが腰に木刀差して風呂敷背負ってるのと関係あるか?」
「まあね。能なしだから巫女の資格をもらう試験に落ちちゃったのよ」
日輪国において、巫女をやるには資格が必要だ。正式な巫女になるには、学校に通った後、卒業時に巫女の資格試験を受け、合格しなければならない。そして合格するためには、自らの霊力を使って起こす特別な能力――異能を人前で披露しなければならないのだ。
百代は異能を披露することができず、巫女の試験に落第してしまった。そのため巫女学校は強制退学。家族や家族が懇意にしている神には無能と罵られた。あのまま家にいれば役立たずとしてこき使われてしまっていただろう。
だが百代は人前で異能を使えないだけで、決して無能などではなかった。
「そういえば店主、今の時刻は?」
「ん? もうすぐお昼どきくらいだったかな」
「あら、じゃあもうそろそろね。ちょっと荷物、置かせてもらうわ」
百代は風呂敷を店先に置くと、木刀を抜いて通りへ出る。
「おい、小刀はどうするんだい?」
「買うから、終わるまで待っててちょうだい」
店主に返事をした直後、祭りの人混みの中から甲高い悲鳴が上がった。
「泥棒! 私の荷物を返して!」
声の方を振り返ると、通りの向こうから包みを抱えた男が走ってきた。その後ろを平民の女が茶色い髪を乱しながら追いかけている。状況からして、男が女の荷物を盗んだのだろう。
「たっ、大変だ!」
「誰か捕まえろ!」
道行く人たちは、突然の泥棒騒ぎに混乱している。捕まえようとした者もいたが、足の速い泥棒には追い付けない。このままでは、泥棒が逃げて姿を眩ませてしまう。
けれども百代には、泥棒が現れることも、彼がどこへ逃げるかも、すべて分かっていた。
「どけ、そこの女!」
泥棒は荷物を抱えたまま、待ち伏せしていた百代に突進してくる。けれど百代は逃げる代わりに、木刀を固く握りしめた。
「どかないわよっ!」
泥棒の足を狙って木刀を振り抜く。木刀は正確に彼の膝を捉えていた。かぁんという音と共に、泥棒が「ぎゃあ!」と蛙を潰したような悲鳴を上げる。
百代は地面に倒れた泥棒から荷物を奪い、後ろから追ってきた茶髪の女に渡した。
「はい、次は気をつけてね」
「あっ、ありがとうございます!」
茶髪の女は何度も頭を下げながら、道の向こうへ歩いて行った。やってきた警察に泥棒を引き渡すと、万屋の店主がひゅうと口笛を吹く。
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「ま、悪者が捕まったんだしいいでしょ。はい、小刀の代金」
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店主は小刀を百代に渡しながら首をかしげた。
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「ええ、ひとまず草田瀬って村に行こうと思って」
「草田瀬!? あそこはやめといたほうがいいぜ?」
店主は焦ったようにぶんぶん首を横に振った。
「都から草田瀬へ行く道には、荒くれ者が出る。さすがの嬢ちゃんでも、一人じゃ危険だ。それにひと月前、邪神の封印が解けたなんて噂まで聞いてるぞ」
「知ってるわよ。私はその邪神に用があるんだもの」
なんでもないように答えた百代に、店主の顔は真っ青になる。
「はぁ!? あの邪神は、二百年前に暴れて高天原の連中に封印された危ない神なんだぞ? 悪いことは言わねぇ、別の行き先を考えな」
高天原とは、力のある神々によって構成される日輪国の最高機関だ。国を守り、導く役割を持つが、些細な事件、事故などの解決は個々の神々や人に任せている。普段は直接的に動くことのない彼らが動いたとなれば、その邪神は相当強い力を持っていたのだろう。
それでも百代には、引けない理由があった。
「心配してくれてありがと。でも大丈夫よ、全部準備はしてるから」
さらに止めようとしてくる店主に手を振って、百代は万屋を後にした。
(確か都の北西の山道を進めばよかったのよね)
祭りの人混みの間を縫って、過去の記憶を頼りに草田瀬を目指して歩いて行く。都を出て山道にさしかかった時には、辺りは茜色に染まっていた。
「この先、草田瀬」と書かれた立て札を踏み越え、百代は暗い山道へと入る。ざわめく木の葉に、不気味な鳥の声。黄昏時の山道はあの世にでも繋がっているかのようだった。けれど百代にとっては、懐かしささえ感じる。
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