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第2章 巫女、奔走する
3.蛇神の想い
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「……失敗、だったかな」
一人になったミズハは、百代を巫女にした事を後悔した。
まさか草田瀬の村人たちが、二百年たった今でも自分を目の敵にしているとは思わず、百代を危険な目に遭わせてしまった。
封印が解けてから百代が来る前までは、どうせ消えるのだからと怠惰に日々を過ごしていて、現在の草田瀬を知ろうともしなかった。これでは自分が傷つけたも同然だ。
「そんな状態なら、巫女を辞めさせるべきなんだろうね」
綺麗な服に着替えて戻ってきた百代に、やっぱり巫女になるのは辞めてくれと、冷たく突き放すべきなのだろう。巫女を辞めさせれば少なくとも、自分のせいであの少女が傷つくこともなくなるのだから。
それが正解なのはわかっている。だがミズハにはできそうになかった。
「だって百代を信じるって決めたし、ここで手の平を返すのも違うし……」
言い訳のように呟きながら、社殿の石段に腰掛ける。
もちろんそれも本音だった。堕ちかけとはいえ、自分は神なのだ。守るべき対象である人間と交わした約束を、裏切ることは本能に反する。
だがそれ以上に――百代という一人の人間を、手放せなくなっている自覚はあった。
「いや、あんなの欲しくならない方がおかしいでしょ……」
世の中の誰からも必要とされず、すべてに裏切られた邪神を、百代は唯一必要としてくれた。手を差し伸べて、神として信じてくれて、共にいると言ってくれた彼女を、突き放すなんてできなかった。孤独は慣れたと思っていたのに、誰かの温もりを知ってしまった今では、戻ることはできそうにもない。
地面を眺めながら一人もんもんと考えていると、がらりと遠くで扉の開く音がした。
「待たせたわね、ミズハ」
風呂を終えたらしい百代がやってきて、ミズハの方へ歩いてきた。汚れていた巫女装束から、薄紫の生地に花の刺繍が入った着物を着ている。朝にミズハが渡したものの一つだった。着物の落ち着いた色合いのせいか、普段の快活な彼女と比べて大人びて見える。けれど上品な顔立ちの彼女には、よく似合っていた。
百代はミズハの隣に座り、照れたように微笑む。ふわりと甘やかな女性の香りに、胸が奇妙な音を立てた。
「あまりこういう着物を着たことがないから照れるわね」
「そう……まあ、悪くはないよ」
本当は「綺麗だ」とか「似合っている」とか、気の利いたことを言えればいいのだろう。しかし人間嫌いをこじらせて、曲がりに曲がった性格では、上手く口が動いてくれなかった。
それでも百代は、満足そうに微笑んでくれる。強引なようで、どこか控えめな彼女は、育ってきた環境を表しているようで痛々しかった。
「……傷、大丈夫?」
「ええ、カガチとウズが手当してくれたわ」
ほら、と彼女は布を巻かれた腕を見せてくれた。布の端から薬草の葉が覗いている。あの眷属たちも、丁寧に治療してくれたのだろう。
ミズハは百代の腕にそっと触れた。
「……ごめんね、僕のせいで」
傷つけてしまったことも。それでも離してやれないことも。全て。
ミズハの態度に驚いたのか、百代は焦ったように声を跳ねさせる。
「ちょっと、深刻な顔しないでよ。あなたらしくないわ」
「僕だって、少しは情を注ぐこともあるんだよ。君は無茶ばかりするし」
「……そう。心配かけちゃったわね」
少しは思いが通じたのか、百代は静かに続けた。
「次から怪我しそうなことは、できるだけしないよう気をつけるわ」
「うん、そうして」
ミズハはそっと百代の腕を離し、彼女と視線を交わす。
百代の献身に答えたい。人の信じる心に答えるのが神なのだから。そのためには、百代が見てきたものを知る必要がある。
「村で何が起こってたの? 水不足とは聞いたけど、僕にできることはある?」
「そうね……なら一つ、聞きたいことがあるんだけど。封印が解けてから今日までで、草田瀬の村になにかしていない?」
「僕が? 別になにもしてないけど?」
なにせずっと、失った信仰と穢れの影響で、大半の力がない状態だったのだ。水柱を生み出したり、湧き水を一時的に出したり止めたりする程度ならともかく、草田瀬の村全体という広範囲に影響を及ぼすなどできるはずがない。
「じゃあ、封印が解けた影響でなにか起こったとかは?」
「ないと思うね。あの封印を作ったやつは、そんなのを許すはずないし」
ミズハを封印したのは、高天原にいる腐れ縁の神だった。完璧主義な上に強い力を持ち、人間を守ることを使命のように感じているその神が、欠陥のある封印など作るはずがない。恐らく二百年経ってミズハの封印が解けたのも、何か意味があってのことなのだろう。
「うーん……じゃあどうして村人たちは、あんなにミズハに怒ってたのかしら」
「順当に考えれば、水不足を僕のせいにしているんだろうけど」
人間は誰かを悪役にすることで楽になろうとする生き物だ。その性質のせいで封印されることになったミズハは嫌というほど知っている。
「でも実際はやってない、と。ならやっぱり、水不足を解決すれば、ミズハの汚名も返上できるわね」
「そうかもね」
言いつつ、実際にはなかなか上手くいかないことは知っている。体を蝕む穢れを簡単に浄化できないように、人間の感情が悪意から好意に変わるのには時間がかかるのだ。それでも、百代の言葉や選んだ道を否定したくはなかった。
「ありがとう、もう少し詳しく調べてみるわ」
ミズハの答えに百代は笑みを浮かべた後、一転して悲しそうに眉根を下げた。
「解決するまでは、村の人たちは困るのよね……」
あまりにもお人好しだとミズハは思った。村人たちは、先ほど百代を傷つけた人間たちだというのに。けれどそのお人好しに、自分も助けられていることを思い出す。
「なら、僕が雨を降らせてみるよ」
「えっ、できるの!?」
「どれだけ降らせられるかは、わからないけど」
信仰もほとんどない上に、穢れに深く蝕まれた体では、どれだけの力を出せるかは未知数だった。けれども百代ばかりに事態の解決を任せているわけにはいかない。困っている人間を助けるのは、本来神である自分の役目なのだから。
「なら、せめて少し清めの儀式をするわよ」
百代は立ち上がり、社殿から神楽鈴を取ってきた。負担になるからと断る隙は与えてくれない。
彼女の気持ちを無下にはできず、ミズハは申し出を受け入れ境内で彼女と向き合った。
「いくわよ」
澄んだ心地よい鈴の音が響く度、体が軽くなっていく。全身を清らかな水で注がれて、空っぽの心を温かいものが満たしていく感覚に、ミズハはそっと目を細めた。
神の穢れは体を蝕む病のようなもの。溜まればうまく力を発揮できないが、逆に少しでも浄化されればより自由に力を使えるようになるはずだ。
ミズハはすっと目を閉じ、天を仰いだ。体の底に眠っている力を引き出してくる。穢れがそれを阻もうと、体をきつく締め上げた。苦痛に奥歯をかみしめたが、それでも力を出そうとするのはやめなかった。
一粒、二粒。頬に滴が落ちてきた。
さあさあと囁くような音と共に、柔らかな雨が天から降り始める。
「降っ、た……」
「すごいじゃない、ミズハ!」
百代は鈴の音を止めて歓声を上げる。まるで自分のことのようだ。
ミズハはそっと手を伸ばし、雨粒を手に受け止めた。
自分もまだ、神として生きていけるらしい。そのことに、思いのほか喜んでいる。
(本当はずっと、人の役に立ちたかったのかもな)
それに気付けたのは、百代のお陰だ。彼女が来て、自分でも知らなかった思いに気付いていく。けれども不思議と、不快ではない。
(ありがとう……なんて、言うのは早いか)
言うのは穢れの全てを払い落とし、神として本来の姿を取り戻してからだ。
いまだ笑顔ではしゃいでいる百代を横目に見ながら、ミズハは表情を和らげる。
しかし喜んだのもつかの間、降らせた雨はすぐに上がってしまった。
「やっぱり、まだ力不足だったかな……」
畑の土を湿らせるくらいにはなっただろうが、水不足を解消するにはほど遠い。かつての自分なら簡単だったことが、思うようにできないのが歯痒かった。
そんなミズハの背に、ぽんと温かな手が添えられる。
「大丈夫よ。これから私がどんどん信仰を集めてあげるから。そうしたらすぐに、力もたくさん使えるようになるわ」
「……僕の巫女は頼もしいね」
力のない神を責めようともしない彼女の明るさに、ミズハは思わず苦笑した。
そのとき、遠くで茂みが揺れる音がした。鳥居の方から向かってくる小さな足音を聞き、ミズハと百代は振り返る。
無邪気な幼い声が、境内に響いた。
「神様って、本当にいたんだ!」
***
一人になったミズハは、百代を巫女にした事を後悔した。
まさか草田瀬の村人たちが、二百年たった今でも自分を目の敵にしているとは思わず、百代を危険な目に遭わせてしまった。
封印が解けてから百代が来る前までは、どうせ消えるのだからと怠惰に日々を過ごしていて、現在の草田瀬を知ろうともしなかった。これでは自分が傷つけたも同然だ。
「そんな状態なら、巫女を辞めさせるべきなんだろうね」
綺麗な服に着替えて戻ってきた百代に、やっぱり巫女になるのは辞めてくれと、冷たく突き放すべきなのだろう。巫女を辞めさせれば少なくとも、自分のせいであの少女が傷つくこともなくなるのだから。
それが正解なのはわかっている。だがミズハにはできそうになかった。
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もちろんそれも本音だった。堕ちかけとはいえ、自分は神なのだ。守るべき対象である人間と交わした約束を、裏切ることは本能に反する。
だがそれ以上に――百代という一人の人間を、手放せなくなっている自覚はあった。
「いや、あんなの欲しくならない方がおかしいでしょ……」
世の中の誰からも必要とされず、すべてに裏切られた邪神を、百代は唯一必要としてくれた。手を差し伸べて、神として信じてくれて、共にいると言ってくれた彼女を、突き放すなんてできなかった。孤独は慣れたと思っていたのに、誰かの温もりを知ってしまった今では、戻ることはできそうにもない。
地面を眺めながら一人もんもんと考えていると、がらりと遠くで扉の開く音がした。
「待たせたわね、ミズハ」
風呂を終えたらしい百代がやってきて、ミズハの方へ歩いてきた。汚れていた巫女装束から、薄紫の生地に花の刺繍が入った着物を着ている。朝にミズハが渡したものの一つだった。着物の落ち着いた色合いのせいか、普段の快活な彼女と比べて大人びて見える。けれど上品な顔立ちの彼女には、よく似合っていた。
百代はミズハの隣に座り、照れたように微笑む。ふわりと甘やかな女性の香りに、胸が奇妙な音を立てた。
「あまりこういう着物を着たことがないから照れるわね」
「そう……まあ、悪くはないよ」
本当は「綺麗だ」とか「似合っている」とか、気の利いたことを言えればいいのだろう。しかし人間嫌いをこじらせて、曲がりに曲がった性格では、上手く口が動いてくれなかった。
それでも百代は、満足そうに微笑んでくれる。強引なようで、どこか控えめな彼女は、育ってきた環境を表しているようで痛々しかった。
「……傷、大丈夫?」
「ええ、カガチとウズが手当してくれたわ」
ほら、と彼女は布を巻かれた腕を見せてくれた。布の端から薬草の葉が覗いている。あの眷属たちも、丁寧に治療してくれたのだろう。
ミズハは百代の腕にそっと触れた。
「……ごめんね、僕のせいで」
傷つけてしまったことも。それでも離してやれないことも。全て。
ミズハの態度に驚いたのか、百代は焦ったように声を跳ねさせる。
「ちょっと、深刻な顔しないでよ。あなたらしくないわ」
「僕だって、少しは情を注ぐこともあるんだよ。君は無茶ばかりするし」
「……そう。心配かけちゃったわね」
少しは思いが通じたのか、百代は静かに続けた。
「次から怪我しそうなことは、できるだけしないよう気をつけるわ」
「うん、そうして」
ミズハはそっと百代の腕を離し、彼女と視線を交わす。
百代の献身に答えたい。人の信じる心に答えるのが神なのだから。そのためには、百代が見てきたものを知る必要がある。
「村で何が起こってたの? 水不足とは聞いたけど、僕にできることはある?」
「そうね……なら一つ、聞きたいことがあるんだけど。封印が解けてから今日までで、草田瀬の村になにかしていない?」
「僕が? 別になにもしてないけど?」
なにせずっと、失った信仰と穢れの影響で、大半の力がない状態だったのだ。水柱を生み出したり、湧き水を一時的に出したり止めたりする程度ならともかく、草田瀬の村全体という広範囲に影響を及ぼすなどできるはずがない。
「じゃあ、封印が解けた影響でなにか起こったとかは?」
「ないと思うね。あの封印を作ったやつは、そんなのを許すはずないし」
ミズハを封印したのは、高天原にいる腐れ縁の神だった。完璧主義な上に強い力を持ち、人間を守ることを使命のように感じているその神が、欠陥のある封印など作るはずがない。恐らく二百年経ってミズハの封印が解けたのも、何か意味があってのことなのだろう。
「うーん……じゃあどうして村人たちは、あんなにミズハに怒ってたのかしら」
「順当に考えれば、水不足を僕のせいにしているんだろうけど」
人間は誰かを悪役にすることで楽になろうとする生き物だ。その性質のせいで封印されることになったミズハは嫌というほど知っている。
「でも実際はやってない、と。ならやっぱり、水不足を解決すれば、ミズハの汚名も返上できるわね」
「そうかもね」
言いつつ、実際にはなかなか上手くいかないことは知っている。体を蝕む穢れを簡単に浄化できないように、人間の感情が悪意から好意に変わるのには時間がかかるのだ。それでも、百代の言葉や選んだ道を否定したくはなかった。
「ありがとう、もう少し詳しく調べてみるわ」
ミズハの答えに百代は笑みを浮かべた後、一転して悲しそうに眉根を下げた。
「解決するまでは、村の人たちは困るのよね……」
あまりにもお人好しだとミズハは思った。村人たちは、先ほど百代を傷つけた人間たちだというのに。けれどそのお人好しに、自分も助けられていることを思い出す。
「なら、僕が雨を降らせてみるよ」
「えっ、できるの!?」
「どれだけ降らせられるかは、わからないけど」
信仰もほとんどない上に、穢れに深く蝕まれた体では、どれだけの力を出せるかは未知数だった。けれども百代ばかりに事態の解決を任せているわけにはいかない。困っている人間を助けるのは、本来神である自分の役目なのだから。
「なら、せめて少し清めの儀式をするわよ」
百代は立ち上がり、社殿から神楽鈴を取ってきた。負担になるからと断る隙は与えてくれない。
彼女の気持ちを無下にはできず、ミズハは申し出を受け入れ境内で彼女と向き合った。
「いくわよ」
澄んだ心地よい鈴の音が響く度、体が軽くなっていく。全身を清らかな水で注がれて、空っぽの心を温かいものが満たしていく感覚に、ミズハはそっと目を細めた。
神の穢れは体を蝕む病のようなもの。溜まればうまく力を発揮できないが、逆に少しでも浄化されればより自由に力を使えるようになるはずだ。
ミズハはすっと目を閉じ、天を仰いだ。体の底に眠っている力を引き出してくる。穢れがそれを阻もうと、体をきつく締め上げた。苦痛に奥歯をかみしめたが、それでも力を出そうとするのはやめなかった。
一粒、二粒。頬に滴が落ちてきた。
さあさあと囁くような音と共に、柔らかな雨が天から降り始める。
「降っ、た……」
「すごいじゃない、ミズハ!」
百代は鈴の音を止めて歓声を上げる。まるで自分のことのようだ。
ミズハはそっと手を伸ばし、雨粒を手に受け止めた。
自分もまだ、神として生きていけるらしい。そのことに、思いのほか喜んでいる。
(本当はずっと、人の役に立ちたかったのかもな)
それに気付けたのは、百代のお陰だ。彼女が来て、自分でも知らなかった思いに気付いていく。けれども不思議と、不快ではない。
(ありがとう……なんて、言うのは早いか)
言うのは穢れの全てを払い落とし、神として本来の姿を取り戻してからだ。
いまだ笑顔ではしゃいでいる百代を横目に見ながら、ミズハは表情を和らげる。
しかし喜んだのもつかの間、降らせた雨はすぐに上がってしまった。
「やっぱり、まだ力不足だったかな……」
畑の土を湿らせるくらいにはなっただろうが、水不足を解消するにはほど遠い。かつての自分なら簡単だったことが、思うようにできないのが歯痒かった。
そんなミズハの背に、ぽんと温かな手が添えられる。
「大丈夫よ。これから私がどんどん信仰を集めてあげるから。そうしたらすぐに、力もたくさん使えるようになるわ」
「……僕の巫女は頼もしいね」
力のない神を責めようともしない彼女の明るさに、ミズハは思わず苦笑した。
そのとき、遠くで茂みが揺れる音がした。鳥居の方から向かってくる小さな足音を聞き、ミズハと百代は振り返る。
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「神様って、本当にいたんだ!」
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