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序章
プロローグ
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私は走っていた…… この誰もいない異様な街の中を……。
目の前に広がる異様な空間…… 赤黒い空は夕暮れなのか、異世界なのか判断できず、本来なら騒がしいはずの都市の騒音も、季節特有の蝉の声も聞こえてこない。
普段ならたくさんの人が歩いているはずの道。車すら一台も走っておらず、大都会のど真ん中にいるにも関わらず、生命を感じることができない……。
まだ日は暮れていない筈なのに、急激に気温が下がったような異様な感覚。寒さによる震えなのか、恐怖による震えなのか、背筋が凍るように寒い……。
(何が、何が起きたの……)
もうどれくらい走り続けているのか分からない。
エレベーターを降りて、フロントから外に出た…… 今思えばそこから既におかしかったような気がする。視界に広がっていたのは、見たようで見たことのない景色だった。突然異世界に迷い込んでしまったかのような恐怖。吸い込む息が重く、苦しい。
形容しがたい不気味な赤黒い空に、心がジワジワと侵食されるような一切の静寂。たくさんのビルはまるで蛻の殻のように、大都市の墓標のように並んでいるだけ……。
そして、明らかに得体の知れない何かが、私を追ってきている……。
振り返ることはしなかった。振り返った瞬間に恐怖で体が動かなくなる。『振り返るな』と本能が告げている。
全身が汗だくになり、呼吸が苦しい。足も限界に痛くなっている。汗で下着やキャミソールが肌に張り付き、不快感が激しい。もう何処を走っているのか見当もつかない。
永遠と続くような見慣れない景色。いつもの道のようで、明らかに違う景色……
やがて走ることが出来なくなり細い脇道に入ると、入り組んだ脇道の先にあった大きなビルの外階段を登り始める。
(苦しい…… もうダメ……)
足を引きずるように、階段を登っていく……。
必死の思いで階段を上りきり、やがて屋上に辿り着いた。息が苦しく、その場に崩れるように座り込んでしまう。コンクリートの地面が何ともいえぬ温かさで気持ち悪い……。
(!?)
ふと俯いた顔を上げたその時だった。
私は空中に浮かぶソレを見て、恐怖で体が動かなくなる……。
赤黒い空。いつの間にかに出ていた大きな月……。
不気味にこちらを見下ろすソレは、神々しくも禍々しい絶対的なオーラを放っていた……。
「――ゴキゲンヨウ」
空中に優雅に浮かぶソレが発したと思われる言葉が、直接脳裏に響いてくる…… その低く冷たい声が心臓を鷲掴みするような恐怖に、声すらまともに発することが出来ない……。
「――お前はその指輪を使い、他人の恋人を奪い、他者を傷つけ、幾多の人間を危険に晒した」
凄まじい恐怖で身震いが止まらなくなる……。
右手の中指に嵌められた赤黒い指輪が、まるで生きているかのように輝き鼓動し始める。まるで心臓とリンクするように、その鼓動が徐々に速くなっていく。
「許して…… ユメミ…… サマ…… わたし…… わた…… しは……」
必死の思いで振り絞った声。次の瞬間、空中に浮かぶソレが一瞬まばゆく光ったかのように思えると、その手には大きな銀色の大鎌が握られていた。
「――払え。その願いの代償を」
目の前に広がる異様な空間…… 赤黒い空は夕暮れなのか、異世界なのか判断できず、本来なら騒がしいはずの都市の騒音も、季節特有の蝉の声も聞こえてこない。
普段ならたくさんの人が歩いているはずの道。車すら一台も走っておらず、大都会のど真ん中にいるにも関わらず、生命を感じることができない……。
まだ日は暮れていない筈なのに、急激に気温が下がったような異様な感覚。寒さによる震えなのか、恐怖による震えなのか、背筋が凍るように寒い……。
(何が、何が起きたの……)
もうどれくらい走り続けているのか分からない。
エレベーターを降りて、フロントから外に出た…… 今思えばそこから既におかしかったような気がする。視界に広がっていたのは、見たようで見たことのない景色だった。突然異世界に迷い込んでしまったかのような恐怖。吸い込む息が重く、苦しい。
形容しがたい不気味な赤黒い空に、心がジワジワと侵食されるような一切の静寂。たくさんのビルはまるで蛻の殻のように、大都市の墓標のように並んでいるだけ……。
そして、明らかに得体の知れない何かが、私を追ってきている……。
振り返ることはしなかった。振り返った瞬間に恐怖で体が動かなくなる。『振り返るな』と本能が告げている。
全身が汗だくになり、呼吸が苦しい。足も限界に痛くなっている。汗で下着やキャミソールが肌に張り付き、不快感が激しい。もう何処を走っているのか見当もつかない。
永遠と続くような見慣れない景色。いつもの道のようで、明らかに違う景色……
やがて走ることが出来なくなり細い脇道に入ると、入り組んだ脇道の先にあった大きなビルの外階段を登り始める。
(苦しい…… もうダメ……)
足を引きずるように、階段を登っていく……。
必死の思いで階段を上りきり、やがて屋上に辿り着いた。息が苦しく、その場に崩れるように座り込んでしまう。コンクリートの地面が何ともいえぬ温かさで気持ち悪い……。
(!?)
ふと俯いた顔を上げたその時だった。
私は空中に浮かぶソレを見て、恐怖で体が動かなくなる……。
赤黒い空。いつの間にかに出ていた大きな月……。
不気味にこちらを見下ろすソレは、神々しくも禍々しい絶対的なオーラを放っていた……。
「――ゴキゲンヨウ」
空中に優雅に浮かぶソレが発したと思われる言葉が、直接脳裏に響いてくる…… その低く冷たい声が心臓を鷲掴みするような恐怖に、声すらまともに発することが出来ない……。
「――お前はその指輪を使い、他人の恋人を奪い、他者を傷つけ、幾多の人間を危険に晒した」
凄まじい恐怖で身震いが止まらなくなる……。
右手の中指に嵌められた赤黒い指輪が、まるで生きているかのように輝き鼓動し始める。まるで心臓とリンクするように、その鼓動が徐々に速くなっていく。
「許して…… ユメミ…… サマ…… わたし…… わた…… しは……」
必死の思いで振り絞った声。次の瞬間、空中に浮かぶソレが一瞬まばゆく光ったかのように思えると、その手には大きな銀色の大鎌が握られていた。
「――払え。その願いの代償を」
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