ぼくらのファーストキスは錆の味がした

あびこわく

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友達ごっこ

02

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 四限目のチャイムがなり昼休みに入った。
 寝ていた上杉は肩を叩かれて顔を上げると目を疑った。
 そこには武田がいて上杉を覗き込むようにして立っていた。
「昼休みだよ。行こう」
「……え」
 いつもは声も掛けずに先に行ってしまう武田がこの日は、上杉を起こして待ってくれていた。
「何? 何で? やっとデレてくれたん?」
「デレないから」
 面倒くさそうに武田は答えたが微かに笑っていた。
 胸が跳ねるようでざわつく。 
 武田からは内心嫌われているはずた。
 嫌いな奴にこんな風に笑ってくれるものだろうか。
 上杉は違和感を感じながらも追求することはしなかった。
 武田が少しずつ心を開いてくれていると思うとくすぐったい気持ちになった。

 
 季節は衣替えでブレザーの着用が禁止になった頃。
 相変わらず上杉と武田は昼休みを非常階段で過ごしていた。
 変わったのは武田が上杉を置いて行く事が無くなり、武田からも喋るようになった事だった。
 態度は相変わらず素っ気ないが武田は柔らかい表情をする様になった。
 上杉も眠たい時以外は起きて武田と話した。
 武田から嫌われていると思っていたが思い過ごしだったのかもしれない。
 そう思うくらいに武田と話せる様になった。 

「そう言えば上杉くん、勉強大丈夫なの? 一度も見てないけど」
 この日の昼休み、武田は思い出したように口にした。
 勉強を教えてもらうと言う口実をつけて上杉は武田と昼休みを過ごしていたが今まで一度もそんな流れにはならなかった。
「勉強なぁ……」
「もうすぐ期末だよ。各教科から課題も出てるけど君、やってるの?」
「俺がやってると思う?」
「思わない」
 武田がバッサリ切り捨てると上杉は当たりと笑った。
「提出物は絶対だからそれだけでも真面目にやんないと。君、授業態度も良くないし」
「武田くんオカンみたいなこと言うやん……うちの親、何も言わんけど」
「心配してあげてるんだけど?」
 武田は呆れながら紙パックのジュースを口にした。一口ふくむと手を差し出してきた上杉に渡す。

「おーい上杉ー! 武田ー! いる?」
 ホールの方から聞こえた三好の声に上杉は非常階段から顔を出して手を振った。
 三好は気付いてこちらに足を運ぶ。
「どしたん三好くん? 何か用事?」
「もうすぐ期末じゃん? 上杉、武田から昼休みに勉強教えてもらってんだろ?」
「え……ああ、うん……そうやなぁ」
 武田は冷ややかな目を上杉に向けた。一度も勉強なんか教えていない。
「だったらオレも混ぜてくれない? 課題やろうと思っても分かんないから全然進まないしさー。武田いい?」
「……構わないけど。ぼくも教えられるところは限られるよ?」
「いい、いい! 数学と英語さえ教えて貰えれば助かる」
「うわ、マジか……」
 話の流れて勉強する事になり上杉は面倒くさそうにため息をついた。
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