マリアンヌは、今日も元気です。

桃次郎

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今日の淑女教育は、刺繍を習う日だ。

「前回の授業では、名前を刺繍したので、今日はマリアンヌさんの好きな物を刺繍してください。」

真っ白のハンカチを渡された。

さっそく、マリアンヌは刺繍糸を選び、チクチクと刺していく。

黙々と作業を進めるマリアンヌ。

キャロラインは、マリアンヌが糸の色を1色しか使用していない事に気づいた。

他の色は、使わないのかしら?

不思議に思ったが、今日は、マリアンヌの好きな物を刺繍する事にしているので、マリアンヌの好きなようにさせる事にした。


「出来ました!」

マリアンヌが、刺繍したハンカチを広げる。

なんろう?これは。

イモムシかしら?

キャロラインは、マリアンヌの刺繍をみて、首を傾げる。


「お嬢様、これは何でしょう?」

「キャロライン先生、これはソーセージですよ。」

えっ!まさかのソーセージ。

なぜ、それを刺繍しようと思ったのだろう?

いや、好きな物を。とは、言ったけれども。

赤い糸で、刺繍されたソーセージ。

「このハンカチは、お父様にプレゼントします。」

上手に出来た。と喜んでいるマリアンヌ。

「えぇ、きっと、お喜びになりますよ。」

たぶん。

頷く、キャロライン。

「えへへ。」





「お父様。お父様へ、私からプレゼントです。」

さっそく、授業が終わった後に、マリアンヌは、クリスが仕事をしている執務室を訪ねた。

「なんだい、マリアンヌ。」

メイドにラッピングを手伝って貰った、プレゼントをクリスへ渡す。

「お父様、開けてみて。」

クリスにラッピングを開けるように、せかす。

「ふふふ、ちょっと待っていて。」

クリスは、嬉しそうに、丁寧にラッピングを開く。

「ハンカチだね。」

「今日の刺繍の授業で、ハンカチに刺繍を刺したのです。上手に出来たのですよ。」

マリアンヌが得意げに話す。

クリスは、ハンカチを広げる。

「ん?」

なんだ?これは、イモムシか?

「マリアンヌ。これは、イモムシかい?」

マリアンヌがプゥー、と頬を膨らませる。

「イモムシじゃないですよ。ソーセージです。」

プンスカと怒っている。


「ソーセージかー。」

ちょっと、微妙な顔をするクリスだった。


「ありがとう、嬉しいよ。マリアンヌ。」


マリアンヌから、初めて貰ったプレゼント。

刺繍がソーセージでも、このハンカチはクリスにとって宝物だ。

クリスは大切に引き出しにしまった。



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