ゆめのような世界での記録

カモミール

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物語の鑑賞会 その1

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僕の物語が完成したと聞いて車掌ちゃんやシャーフが来た。

チビネム達も集まってくれた。
ネム曰く
「観客は多い方がいいでしょ」
とのことだった。

車掌ちゃんに仕事は良いのかと聞くと

「しばらく皆仕事をしなくても大丈夫なようにしてきたから好きなだけ話して良いよー」
と答えてくれた。

そして飲み物と食事を持ってきてくれた。
何やらパーティみたいになっていきて緊張しまう。

ましてや大勢の前で話すのは苦手だというのに。

しかし、僕の話を聞いて
皆んなどんな反応をするんだろう
と考えると少しワクワクした。

不思議と皆の前でなら話せる気がした。

ここはゆめのような世界なのだから。

「まず最初に」

手をかざし僕は想像を創造する。

そこは話の最初の場面、
列車の中にプラネタリウムのようにきれいな宇宙の幻想が映し出された。

おおー、と皆が歓声を上げてくれた。

「成る程ね。このためにさっきから練習してたっけわけか」
「ふふふ。粋な事するじゃないかー」

二人が関心したように言う。

「ふふっ、まぁね」

そして僕は語り手として話を始めた。

***


地球から遠く遠く離れたある銀河の中に
人類が住む地球の様な惑星がありました。

ただその惑星は地球とは異なり、
ある特別な性質を持っていました。

それはその惑星が意思を持っている
という事です。
正確には輪廻を彷徨う魂を召喚し、
儀式によって星の依り代とするのです。

これにより星は活気を保ち、
豊かな自然が溢れる素晴らしい大地を維持する事が出来るのでした。

そしてこの儀式により惑星に住む全ての生命達は幸せに暮らしていました。


依り代となった、たった一つの孤独な魂を除いて。


皆この事実に気づいていながらも
その魂を救おうと考える者は一人もいませんでした。

星に魂が無くなるという事は星が力を失い荒廃した地になる、
つまり、星の崩壊をも引き起こす事態になりかねないからです。


********

僕は創造により、さらにシーンを転換して表現する。

次は星の依り代となった女の子が独白するシーンだ。

できるだけ彼女の魂を美しく、創造の宇宙を広大にしよう。

うまく孤独感を表現する為に。

********

「ああ、退屈だ。退屈だ」
惑星の意思、カペラは心の中で日課のように呟きました。

カペラというのは星の意思になった者の総称です。

彼女はどこにでもいるような女の子でした。
不幸にも地球で
事故で亡くなってしまっただけの

そして運悪くこの星の人柱としての適正を持っていただけの。

星の調整は人間が胃で食物を分解しているように無意識にこなせるものでした。

その為、彼女に日々の楽しいという感情はなく、
ただ星に住まう生態系の流れを観察するだけの毎日。

考える事を止める事も難しく、彼女は孤独と退屈に日々苦しんでいました。

そんな彼女が唯一楽しいと思える事が惑星の外の綺麗な星空を眺める事。

しかし、それもしばらくして飽きてしまいました。

そんなある日、ふと彼女の意識はとある教会の祭壇の間にて現れました。

どこかで
"おお、美しい"

と感嘆する声が聞こえた気がしました。
気のせいかしら?

「ここは?」

カペラは星の意思となって初めての経験に戸惑いながらも呟きます。

「目覚めましたか。我らが母、惑星の意思
カペラ。私はアルという者です。この度は召喚の為マナで器を作り貴女様の意思のみを呼び寄せさせていただいた次第でございます。星の崩壊は起こりません」

アルと名乗る青年はそう言った。成る程、このふわふわして妙に暖かい優しさを感じる感覚はマナのせいか。

「それで、何故そのようなことを?」

私の意思はこの星そのもの。

普段の行動は儀式により
誓約で制限されていますが、
マナを媒介として呼び出された今、
誓約はほぼ無いに等しいのです。

今なら莫大なマナを使いこの星に災厄をもたらすことすら可能。

もしかしてこいつら人間はその力でなにか私利私欲を満たそうというのでしょうか?

ここの人達は私を人柱にするだけでは飽き足らず体良く利用しようというの?

人間がそこまで愚かな存在だというのならば、いっそ…

「はい、その…私と共に星を見に行きませんか?」
「…はぃ?」

全く予想外の間抜けな事を言い出すのでつい頓狂な声を出してしまいました。

星の意思としての威厳が台無しだとカペラは思ったのでした。
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