3 / 12
~3~
しおりを挟む
数日後。仕事を終え帰宅し、執務室のデスクに向かっていると執事のセバスチャンが現れ、いつもの近況を報告し始めた。
「ここ数日、グリーン伯爵令嬢はどこにも外出されず、夜会にも参加しておりません。来客もございませんでした」
「そうか」
「ご令嬢は、来週行われるスティン侯爵家での夜会に出席の返事を出されたようでございます」
「スティン家に? それはちょうど良い。宰相と一緒に参加させられることになっていた」
フロイドは少しばかり頬を緩め、わずかに喜んでみせた。
「それと、本日ご令嬢からこちらが届けられました」
セバスチャンはトレイに乗せた包みを丁寧にフロイドの目の前に置いた。
「彼女から?」
「はい。執事長殿が直々にお持ちになられ、お嬢様がお礼を申していたと、くれぐれもよろしくお伝えするようにとの事でございました」
「そうか」
「もう一つ、明後日は休日でございますが、いかがなさいますか?」
「ああ、いつものように頼む」
「かしこまりました」
セバスチャンがトレイを持ち部屋を辞した後、一人残ったフロイドは目の前に置かれた包みをじっと見つめる。
綺麗な青い包装紙に包まれ、銀色のリボンが巻き付けられたそれは、フロイドの好奇心を刺激するには十分だった。
フランチェスカの髪を思わせる銀色のリボンを指に取り、少しずつ形作られた結びを解いていく。包みを手に乗せてみると思いのほか軽い。
きっと、先日の夜会でのハンカチーフの礼だろうか?と、当たりを付けてみる。
そっと開いた中には、思った通りハンカチーフが綺麗に折りたたまれて入っていた。この前使った物と同じ白いハンカチーフ。だが、一つ違うことがある。
それは、フロイドの「F」の文字が刺繍してあったのだ。
フロイドの髪と瞳に近い、暗めの紺色の糸で刺してある自らの名。
それはとても精密に刺されたもので、飾り模様を組み込んだ物だった。
これを一針一針、自分を思い刺しているのかと思うと、フロイドは言い表すことの出来ない感情が込み上げてくるのだった。
一人きりになった部屋でフロイドはハンカチーフをそっと鼻にあて、その匂いを嗅ぐ。ふんわりと薔薇の香りが微かに鼻をくすぐる。この匂いは?いつもフロイドがフランチェスカに贈る薔薇の香りに似ている。
あの薔薇は彼女に贈る前、特注で作らせた香水を一滴垂らしてある。
フロイドがフランチェスカを想い、特別に作らせた一品。その技法は誰にも明かさないことを前提に、大枚をはたいて作らせた物だ。
この香りを嗅ぐことができるのはこの世でたったふたり。
フロイドとフランチェスカだけ。
その事実がどれだけフロイドの心を満たしていくことか。
ふたりだけが知っている。それだけで彼の独占欲は満たされ、言い表せない感情で満たされていくようだ。
誰にも知られてはいない、自分だけの秘密。
たとえそれをフランチェスカ自身、気が付いていなくても構わない。
フロイドがわかっていればそれでいい。
誰も知らないフランチェスカの一片を、自分だけが知っている。
偏執的なまでに想い、焦がれているフランチェスカのわずかでも知れることが、フロイドにとっての最大の喜びであり幸福。
フロイドは鍵付きの引き出しを開けると、中から宝石箱を取り出した。
少し大きめに出来たそれは、黒塗りで重厚感のある品。蓋の上面には銀で出来た精密な細工で飾り付けられている。
フランチェスカの瞳色である漆黒と、美しいまでに輝く銀髪を模して造らせた一点物だ。その蓋を開けると、中には手紙が数枚入っている。
この前の夜会のように、フランチェスカが他の令嬢達に攻め立てられているところを助けたのはこれが初めてではない。
その度に律義な彼女はお礼の手紙をしたため、送ってくれている。その手紙を大切に保存しているのだ。
そして、宝石箱に新たなコレクションが増えることになった。
フロイドはフランチェスカが送ってくれたハンカチーフを油紙に包むと、手紙の上にそっとのせた。そのままゆっくりと蓋を閉めると、再び鍵付きの引き出しに戻し入れられる。彼女との想いでの品が増えていく。フロイドは幸福感に満たされていた。
翌日、仕事を終えたフロイドは自邸に帰ることなく、まっすぐにある場所へと向かった。馬車が止められると、玄関の外にセバスチャンが待ち構えていた。
「お帰りなさいませ」
「ああ」
セバスチャンの案内で最上階、一番奥の部屋へと進んで行く。
ここは王都で一番の高級娼館。
少し外れに位置するこの場所は高台に位置し、王都が見渡せる。
蝋燭の炎で明るく照らされていた部屋は、セバスチャンが端から順に消していき、最後の一つを中央のテーブルの上に置いた。
テーブルの上にはいつものように軽い食事とワインが置かれ、フロイドの夜着は綺麗に畳まれて寝台の上に置いてある。
「それでは、明日の朝お迎えに参ります」
「ああ、頼む」
頭を下げながら、高級娼館らしい重厚で趣のある扉を閉めセバスチャンが去ると、フロイドは窓際に近づきベルベットで出来たカーテンをわずかに開け、遠くを見つめた。そこには王都の街並みが映り、家々の明かりがぼんやりと映し出されている。
窓のそばに置かれた椅子に腰かけると、隣国から大枚をはたいて取り寄せた、まだこの国では珍しい望遠鏡を覗き込んだ。
レンズ越しに映るフロイドの視線の先には、グリーン伯爵家の邸があった。
フロイドは望遠鏡のレンズの照準を微調整しながら、獲物を狙うようにゆっくりと焦点を合わせていく。
伯爵家の二階にフランチェスカの部屋がある。
薄いレースのカーテンが引かれた窓には明かりが灯されていない。今日は少し早い時間だった為に、彼女はまだ晩餐の時間かもしれないなと思い、彼もまた中央のテーブルまで戻ると軽食に手を伸ばした。
セバスチャンはいつも片手で食べられるよう、サンドイッチやフォークを刺すだけでいいような物を用意してくれている。
今日はサンドイッチの他に、若鳥の香草焼きをひと口大に切った物と、付け合わせの野菜。それに手で摘まめるチョコレートと焼き菓子が並べられていた。
フロイドはサンドイッチを皿ごと持つと、再び窓際の椅子に腰を落とした。
片手でサンドイッチを食べながら、視線はレンズを覗き続けている。
こんな生活が、もう一年近く続いている。
フロイド自身はフランチェスカの倍ほどの年齢を迎えようとしている。決して若いとは言えない年齢ではあるが、その容姿は衰えることを知らず、彼の姿は若い頃の端麗なままだ。本来なら若い令嬢達からその美しさゆえ受けも良く、縁談の話しもあっておかしくはないはずなのだが、彼に限っては浮いた噂ひとつ流れたことは無い。
彼にとって美しく着飾った令嬢達と、その辺の石ころは同義。
フランチェスカ以外は誰であろうと、全て同じなのだ。
そうして、フロイドの長い夜は更けていく。
「ここ数日、グリーン伯爵令嬢はどこにも外出されず、夜会にも参加しておりません。来客もございませんでした」
「そうか」
「ご令嬢は、来週行われるスティン侯爵家での夜会に出席の返事を出されたようでございます」
「スティン家に? それはちょうど良い。宰相と一緒に参加させられることになっていた」
フロイドは少しばかり頬を緩め、わずかに喜んでみせた。
「それと、本日ご令嬢からこちらが届けられました」
セバスチャンはトレイに乗せた包みを丁寧にフロイドの目の前に置いた。
「彼女から?」
「はい。執事長殿が直々にお持ちになられ、お嬢様がお礼を申していたと、くれぐれもよろしくお伝えするようにとの事でございました」
「そうか」
「もう一つ、明後日は休日でございますが、いかがなさいますか?」
「ああ、いつものように頼む」
「かしこまりました」
セバスチャンがトレイを持ち部屋を辞した後、一人残ったフロイドは目の前に置かれた包みをじっと見つめる。
綺麗な青い包装紙に包まれ、銀色のリボンが巻き付けられたそれは、フロイドの好奇心を刺激するには十分だった。
フランチェスカの髪を思わせる銀色のリボンを指に取り、少しずつ形作られた結びを解いていく。包みを手に乗せてみると思いのほか軽い。
きっと、先日の夜会でのハンカチーフの礼だろうか?と、当たりを付けてみる。
そっと開いた中には、思った通りハンカチーフが綺麗に折りたたまれて入っていた。この前使った物と同じ白いハンカチーフ。だが、一つ違うことがある。
それは、フロイドの「F」の文字が刺繍してあったのだ。
フロイドの髪と瞳に近い、暗めの紺色の糸で刺してある自らの名。
それはとても精密に刺されたもので、飾り模様を組み込んだ物だった。
これを一針一針、自分を思い刺しているのかと思うと、フロイドは言い表すことの出来ない感情が込み上げてくるのだった。
一人きりになった部屋でフロイドはハンカチーフをそっと鼻にあて、その匂いを嗅ぐ。ふんわりと薔薇の香りが微かに鼻をくすぐる。この匂いは?いつもフロイドがフランチェスカに贈る薔薇の香りに似ている。
あの薔薇は彼女に贈る前、特注で作らせた香水を一滴垂らしてある。
フロイドがフランチェスカを想い、特別に作らせた一品。その技法は誰にも明かさないことを前提に、大枚をはたいて作らせた物だ。
この香りを嗅ぐことができるのはこの世でたったふたり。
フロイドとフランチェスカだけ。
その事実がどれだけフロイドの心を満たしていくことか。
ふたりだけが知っている。それだけで彼の独占欲は満たされ、言い表せない感情で満たされていくようだ。
誰にも知られてはいない、自分だけの秘密。
たとえそれをフランチェスカ自身、気が付いていなくても構わない。
フロイドがわかっていればそれでいい。
誰も知らないフランチェスカの一片を、自分だけが知っている。
偏執的なまでに想い、焦がれているフランチェスカのわずかでも知れることが、フロイドにとっての最大の喜びであり幸福。
フロイドは鍵付きの引き出しを開けると、中から宝石箱を取り出した。
少し大きめに出来たそれは、黒塗りで重厚感のある品。蓋の上面には銀で出来た精密な細工で飾り付けられている。
フランチェスカの瞳色である漆黒と、美しいまでに輝く銀髪を模して造らせた一点物だ。その蓋を開けると、中には手紙が数枚入っている。
この前の夜会のように、フランチェスカが他の令嬢達に攻め立てられているところを助けたのはこれが初めてではない。
その度に律義な彼女はお礼の手紙をしたため、送ってくれている。その手紙を大切に保存しているのだ。
そして、宝石箱に新たなコレクションが増えることになった。
フロイドはフランチェスカが送ってくれたハンカチーフを油紙に包むと、手紙の上にそっとのせた。そのままゆっくりと蓋を閉めると、再び鍵付きの引き出しに戻し入れられる。彼女との想いでの品が増えていく。フロイドは幸福感に満たされていた。
翌日、仕事を終えたフロイドは自邸に帰ることなく、まっすぐにある場所へと向かった。馬車が止められると、玄関の外にセバスチャンが待ち構えていた。
「お帰りなさいませ」
「ああ」
セバスチャンの案内で最上階、一番奥の部屋へと進んで行く。
ここは王都で一番の高級娼館。
少し外れに位置するこの場所は高台に位置し、王都が見渡せる。
蝋燭の炎で明るく照らされていた部屋は、セバスチャンが端から順に消していき、最後の一つを中央のテーブルの上に置いた。
テーブルの上にはいつものように軽い食事とワインが置かれ、フロイドの夜着は綺麗に畳まれて寝台の上に置いてある。
「それでは、明日の朝お迎えに参ります」
「ああ、頼む」
頭を下げながら、高級娼館らしい重厚で趣のある扉を閉めセバスチャンが去ると、フロイドは窓際に近づきベルベットで出来たカーテンをわずかに開け、遠くを見つめた。そこには王都の街並みが映り、家々の明かりがぼんやりと映し出されている。
窓のそばに置かれた椅子に腰かけると、隣国から大枚をはたいて取り寄せた、まだこの国では珍しい望遠鏡を覗き込んだ。
レンズ越しに映るフロイドの視線の先には、グリーン伯爵家の邸があった。
フロイドは望遠鏡のレンズの照準を微調整しながら、獲物を狙うようにゆっくりと焦点を合わせていく。
伯爵家の二階にフランチェスカの部屋がある。
薄いレースのカーテンが引かれた窓には明かりが灯されていない。今日は少し早い時間だった為に、彼女はまだ晩餐の時間かもしれないなと思い、彼もまた中央のテーブルまで戻ると軽食に手を伸ばした。
セバスチャンはいつも片手で食べられるよう、サンドイッチやフォークを刺すだけでいいような物を用意してくれている。
今日はサンドイッチの他に、若鳥の香草焼きをひと口大に切った物と、付け合わせの野菜。それに手で摘まめるチョコレートと焼き菓子が並べられていた。
フロイドはサンドイッチを皿ごと持つと、再び窓際の椅子に腰を落とした。
片手でサンドイッチを食べながら、視線はレンズを覗き続けている。
こんな生活が、もう一年近く続いている。
フロイド自身はフランチェスカの倍ほどの年齢を迎えようとしている。決して若いとは言えない年齢ではあるが、その容姿は衰えることを知らず、彼の姿は若い頃の端麗なままだ。本来なら若い令嬢達からその美しさゆえ受けも良く、縁談の話しもあっておかしくはないはずなのだが、彼に限っては浮いた噂ひとつ流れたことは無い。
彼にとって美しく着飾った令嬢達と、その辺の石ころは同義。
フランチェスカ以外は誰であろうと、全て同じなのだ。
そうして、フロイドの長い夜は更けていく。
22
あなたにおすすめの小説
放蕩な血
イシュタル
恋愛
王の婚約者として、華やかな未来を約束されていたシンシア・エルノワール侯爵令嬢。
だが、婚約破棄、娼館への転落、そして愛妾としての復帰──彼女の人生は、王の陰謀と愛に翻弄され続けた。
冷徹と名高い若き王、クラウド・ヴァルレイン。
その胸に秘められていたのは、ただ1人の女性への執着と、誰にも明かせぬ深い孤独。
「君が僕を“愛してる”と一言くれれば、この世のすべてが手に入る」
過去の罪、失われた記憶、そして命を懸けた選択。
光る蝶が導く真実の先で、ふたりが選んだのは、傷を抱えたまま愛し合う未来だった。
⚠️この物語はフィクションです。やや強引なシーンがあります。本作はAIの生成した文章を一部使用しています。
答えられません、国家機密ですから
ととせ
恋愛
フェルディ男爵は「国家機密」を継承する特別な家だ。その後継であるジェシカは、伯爵邸のガゼボで令息セイルと向き合っていた。彼はジェシカを愛してると言うが、本当に欲しているのは「国家機密」であるのは明白。全てに疲れ果てていたジェシカは、一つの決断を彼に迫る。
敗戦国の元王子へ 〜私を追放したせいで貴国は我が帝国に負けました。私はもう「敵国の皇后」ですので、頭が高いのではないでしょうか?〜
六角
恋愛
「可愛げがないから婚約破棄だ」 王国の公爵令嬢コーデリアは、その有能さゆえに「鉄の女」と疎まれ、無邪気な聖女を選んだ王太子によって国外追放された。
極寒の国境で凍える彼女を拾ったのは、敵対する帝国の「氷の皇帝」ジークハルト。 「私が求めていたのは、その頭脳だ」 皇帝は彼女の才能を高く評価し、なんと皇后として迎え入れた!
コーデリアは得意の「物流管理」と「実務能力」で帝国を黄金時代へと導き、氷の皇帝から極上の溺愛を受けることに。 一方、彼女を失った王国はインフラが崩壊し、経済が破綻。焦った元婚約者は戦争を仕掛けてくるが、コーデリアの完璧な策の前に為す術なく敗北する。
和平交渉の席、泥まみれで土下座する元王子に対し、美しき皇后は冷ややかに言い放つ。 「頭が高いのではないでしょうか? 私はもう、貴国を支配する帝国の皇后ですので」
これは、捨てられた有能令嬢が、最強のパートナーと共に元祖国を「実務」で叩き潰し、世界一幸せになるまでの爽快な大逆転劇。
【完結】ひとつだけ、ご褒美いただけますか?――没落令嬢、氷の王子にお願いしたら溺愛されました。
猫屋敷 むぎ
恋愛
没落伯爵家の娘の私、ノエル・カスティーユにとっては少し眩しすぎる学院の舞踏会で――
私の願いは一瞬にして踏みにじられました。
母が苦労して買ってくれた唯一の白いドレスは赤ワインに染められ、
婚約者ジルベールは私を見下ろしてこう言ったのです。
「君は、僕に恥をかかせたいのかい?」
まさか――あの優しい彼が?
そんなはずはない。そう信じていた私に、現実は冷たく突きつけられました。
子爵令嬢カトリーヌの冷笑と取り巻きの嘲笑。
でも、私には、味方など誰もいませんでした。
ただ一人、“氷の王子”カスパル殿下だけが。
白いハンカチを差し出し――その瞬間、止まっていた時間が静かに動き出したのです。
「……ひとつだけ、ご褒美いただけますか?」
やがて、勇気を振り絞って願った、小さな言葉。
それは、水底に沈んでいた私の人生をすくい上げ、
冷たい王子の心をそっと溶かしていく――最初の奇跡でした。
没落令嬢ノエルと、孤独な氷の王子カスパル。
これは、そんなじれじれなふたりが“本当の幸せを掴むまで”のお話です。
※全10話+番外編・約2.5万字の短編。一気読みもどうぞ
※わんこが繋ぐ恋物語です
※因果応報ざまぁ。最後は甘く、後味スッキリ
転生した子供部屋悪役令嬢は、悠々快適溺愛ライフを満喫したい!
木風
恋愛
婚約者に裏切られ、成金伯爵令嬢の仕掛けに嵌められた私は、あっけなく「悪役令嬢」として婚約を破棄された。
胸に広がるのは、悔しさと戸惑いと、まるで物語の中に迷い込んだような不思議な感覚。
けれど、この身に宿るのは、かつて過労に倒れた29歳の女医の記憶。
勉強も社交も面倒で、ただ静かに部屋に籠もっていたかったのに……
『神に愛された強運チート』という名の不思議な加護が、私を思いもよらぬ未来へと連れ出していく。
子供部屋の安らぎを夢見たはずが、待っていたのは次期国王……王太子殿下のまなざし。
逃れられない運命と、抗いようのない溺愛に、私の物語は静かに色を変えていく。
時に笑い、時に泣き、時に振り回されながらも、私は今日を生きている。
これは、婚約破棄から始まる、転生令嬢のちぐはぐで胸の騒がしい物語。
※本作は「小説家になろう」「アルファポリス」にて同時掲載しております。
表紙イラストは、Wednesday (Xアカウント:@wednesday1029)さんに描いていただきました。
※イラストは描き下ろし作品です。無断転載・無断使用・AI学習等は一切禁止しております。
©︎子供部屋悪役令嬢 / 木風 Wednesday
【完結】捨てた女が高嶺の花になっていた〜『ジュエリーな君と甘い恋』の真実〜
ジュレヌク
恋愛
スファレライトは、婚約者を捨てた。
自分と結婚させる為に産み落とされた彼女は、全てにおいて彼より優秀だったからだ。
しかし、その後、彼女が、隣国の王太子妃になったと聞き、正に『高嶺の花』となってしまったのだと知る。
しかし、この物語の真相は、もっと別のところにあった。
それを彼が知ることは、一生ないだろう。
エレナは分かっていた
喜楽直人
恋愛
王太子の婚約者候補に選ばれた伯爵令嬢エレナ・ワトーは、届いた夜会の招待状を見てついに幼い恋に終わりを告げる日がきたのだと理解した。
本当は分かっていた。選ばれるのは自分ではないことくらい。エレナだって知っていた。それでも努力することをやめられなかったのだ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる