だから、私はきみを呪う

ほし めぐま

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雷帝 バール 対 夜刀神

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復活したばかりだと言うのに
榊乃葉氏はそれは元気そうに配信をしていた。

「みんな、俺、いっぺん死にました。」

と元気に発言したかと思えば、
急に雰囲気が変わる。

「レイラちゃん。」

   「小さいバールの群れがレイラちゃんの守護獣の依代よりしろを探してまくってる。早く結界張って守れ。
      壊されるとその子らが死ぬ。」

〖回想〗

いやぁ、
あれはレイラちゃんが早退した時の帰り道。

先頭を白虎、右と左が狐。
後方をライガとレフが護って、俺がとぐろ巻いて、みんなを包み込みながら歩いてたんだけど、バールが急に話しかけてきたのよ。

「─やぁ!やとちん。」

「あ、バールちゃん?どうしたのさ。」

「復活させた俺のご主人様が
   やとちんが欲しいって言ってるのよ。
   ねぇ、こっちに来ない?」

〖回想終了〗

「…ひっ。」

あらかじめ、ひとまとめにうちの子達の依代は大事に箱に入れてあったので、そこに結界を張って、私がさらに両手で包み込んだ。
うちの子たちは戦闘態勢だ。

「バールちゃん、相変わらず臭いわね。
  そして、レイラちゃんを舐めてるわね、
  本体から4パーしか力出してないじゃない。
  それが舐めてるって言うのよ。」

「─いやぁ、それほどでもぉ…。」

「褒めてないのよ。」

脇に箱を抱えて結界を右手で硬くしながら、
スマホで必死にコメントを打つ。

「この度も対価を払いますので、
   戦ってはいただけないでしょうか。」

「病み上がりで本調子じゃないんだけどなぁ。
  また、※世界に目をつけられたら困るし、
  3択ね、レイラちゃん。」

※世界…この世の理。等価交換を見守る大きな力。

A.4パーはレイラちゃん達がやって、
  俺がその間にバールちゃん本体を倒すか。

B.レイラちゃんがバールに挑むか。
    レイラちゃんもげんきになったばっかりだし     いちばん無い選択ね。

C.全部俺がはっ倒すか。

「選択する時間はありません!
  Cでお願いします!!」

「あら、ちょっと高いけど、
   バールちゃん本体も
   レイラちゃん所の4パーを集めて、
   こっちに来た事だし…。」

─ごぉおおお。

榊乃葉氏が人間の姿のままだが、
呪力や霊気をその身から溢れさせている。

「貴様、頭が高いぞ。名を名乗れ。」

「─我が名は雷帝 バール。」

─バチィン!

「遅い遅い遅い遅い遅い!!」

─ドロロロロ、ドカァン!!

「はい。勝負あり。」

「ああ。バールちゃん巫女さん達に
   そんなに手を出していたのね。」

「バールちゃんが俺の顔を忘れなれないように
  しっかり、顔に傷をつけてあげる…。」

「俺の目が黒いうちは
   二度と巫女に手出しはさせないからなぁ。」

「道頓堀の地獄門も閉めてあげようね。」

「ばいばい。バールちゃん。」

「レイラちゃん。 
  YouTubeにあるはずだから、
  しばらくお部屋に六根清浄かけときな。」

─すぅうう。

この気配は…!?

「だれ?ぱぱをおこらせたのは。」

「お前か。おとこ。」

唐突におひぃ様が現れた。

「輪廻の糸切ってあげる。
   もうおまえは前世にも来世にも
   死後の世界にもいけないよ。」

─パチン。

「ねぇ、きこえるなら、
  あれ焼き払って。」

私は目を背けることにした。
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