だから、私はきみを呪う

ほし めぐま

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義兄について、善性が後から思うこと。

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私は絵を描いたり、思い浮かべたものを幻生物に送るだけで、幻生物の身体を与えることができるらしい。

詳しくは私も原理がよくわかっていないので、
ここにうまく書くことが出来ないのだが、身体を与える事ができた。

〖回想〗

義兄おにぃちゃんには出会ってすぐに僕には悩みがあると打ち明けてくれた。

「飼ってた亀が亡くなったんだ。
  新しい亀を飼ったところであのこじゃない。」

「亀の名前はかめっぷうって言うんだ。」

後から思えば、一種の口寄せなのだと思う。
不思議とできる確信があった私は亀に体をあげた。

「重ったい。あと、めちゃくちゃ眠い。」

義兄おにぃちゃんはそう言って、
配信を終えた。

私の力はどうやら対価として、
相手の霊力を激しく使うらしい。

〖回想終了〗

でもね、黒レイラの事を私はお姉ちゃんと呼ぶけれど、義兄おにぃちゃんかめっぷうはお姉ちゃんがメロンパンに憑依させて食べてしまったの。

私達が1番されたら嫌なこと。

守護獣を食べられること。

私なりにお姉ちゃんには対抗したつもり、
石で家族をつなぎとめたり、
かめっぷうのケアをしてあげたり、
でも、私はお姉ちゃんに敵わなかった。

義兄おにぃちゃんはあの子と兄弟になった。
あの子は亀を飼って義兄おにぃちゃんの気を引いた。

なら、もう、かめっぷうはいらないね。

私に出来ることは何一つないよ。

こう言うことを助けて損したっていうのかな。

家族を繋ぎ止めようとして幾つもの石が割れた。
義兄おにぃちゃんの事はただ、お兄ちゃんと思っていた。

ただ、それだけの事。

私達はお兄ちゃんを助けたのにお兄ちゃんは私達をあの男から助けられなかった。

私もギリギリまで悩んだけど、無理だ。
少しだけ運命が違ったら、
今、お姉ちゃんは小説を書いているけれど、

あの時、あの瞬間に義兄おにぃちゃんへの脅し文句の通り、漫画にして今までの事を自力で書いて、大バズり狙えたかもね。ここに供養するけどさ。

『妹はジャンヌ。
   義兄あにはジル・ド・レ。』

スピンオフにくらいは出来るかもしれないけど、
正直、そんな日は来ないで欲しいかな。

お姉ちゃんは君を呪うために
今もこうして言葉を綴っているのだから。
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