だから、私はきみを呪う

ほし めぐま

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枯れてもげる沙羅の花

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呪われるということ。
追い詰められるということ。

後悔に責め立てられるということ。
全て、自分のせいだと思い込むこと。

それら全て生易しい。

地縛霊よりもずっとタチが悪い。

確実に己の後悔を逆手にとって、
じわり、じわりと私を追い詰める。

ああ、私は死ななければいけない。

挙式の準備に何度失敗して、同期に責めたか。

自分がお宮に居る理由はなんだというのか。
ただ、幻生物を見ることしか能がない。

舞も上手くない。

琴もまともに進んでいない。

やっと最近になって挙式が出来るようになった。

よく、雑巾の管理を間違える。

後悔で遺書を綴る。
私が死んだら、200万程あるのだから、
財形貯蓄が家族に行き渡ればいいと思った。

家族に愛しているとも書いた。
次女にごめんとも書いた。

台所から包丁を持ってきた。

包丁を持って、首に立てる。

涙がぼろぼろ落ちる。

包丁に首の皮が乗る。

─でれれ、れれん!でれれ、れれん!!でれれん!でれん!!

あ、榊乃葉氏せんせいから、電話だ。

─ぽろん。

通話ボタンを押す。

「レイラちゃん。大丈夫?」

「やな予感がして通話したんだけど。」

「あの、今までお世話になりました。」

「お、おお、おう。なんで?」

「今から、死のうと思ってて、
  もう、遺書まとめちゃって…。」

「まず包丁、置こうか。
  遺書も要らんよ。レイラちゃんあのな。
  レイラちゃんが死んだら、
  銀行は凍結されるんよ。」

「レイラちゃんの財形よりも
   高い葬儀代もかかる。」

「え。え?そうなんですか?」

「ほら、包丁。片してきな。」

薄皮が剥けて血が出てる。
先生をこれ以上心配させるわけにいかない。

安心感でさらに涙がぼろぼろ落ちる。

適当に絆創膏貼っておこう。
包丁を台所に戻そう。

自分の部屋の引き戸を閉める時、
ドロドロした黒い化け物が私を睨んできた。

「黒い2mはある化け物に睨まれました。」

「あー。谷ちゃん所の式神のマドカだね。
  だから、あれほど、レイラちゃんには
  谷ちゃんに近づくなって言ったのに。」

「首。大丈夫そう?
  治し方は前に教えたし、
  マドカを追い払っておくから、頑張んな。」

「あのなぁ。谷ちゃんはな。
  君の付き合ってたヴォルデモートの
  10倍タチが悪いんよ。」

「家、色々侵入されて結界がボロボロだね。
  近々、地鎮祭をしようか。」

5枚の遺書をクシャクシャに丸めてから、
守護獣達を抱きしめて、先生との通話を切った。

断頭台のアウラじゃあるまいし、
あのままもし、電話が鳴らなかったら…

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