ダンジョンで同棲生活始めました ひと回り年下の彼女と優雅に大豪邸でイチャイチャしてたら、勇者だの魔王だのと五月蝿い奴らが邪魔するんです

もぐすけ

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第一章 イグアスのダンジョン

キューブルーム

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小屋に歩いて行くときに気づいたのだが、森は本物ではない。植物の匂いがしないのだ。また、虫や鳥の鳴き声もしない。完全な人工物だ。

それから天井は夜空だが、室内は薄暗くはあるが、物はよく見える。

ルシアに声をかけて立ち止まり、しゃがんで土を触ってみた。これは土ではない、土に似た何かだ。

「ルシア、森も土も人工物だ」

「そうね。鳥や虫もいないみたいね」

「小屋に行こうか」

「ええ」

小屋の前に来て気づいた。入口が分からない。小屋の形をしているので、小屋だと思ったが、扉も窓もない。

ルシアがしゃがんで地面の土もどきを払っている。何をしているのだろうか。

「ライル、ここに何かあるみたい」

「何だ、これは?」

手形のような窪みが地面にあった。手を当てるのだろうか。ライルが手を当てたが何も起こらなかった。

もっと何かあるのだろうか。と思って別の何かを探そうとしていたら、小屋が輝き出した。

ふとルシアを見てみると、先程ライルが手を当てても何も起こらなかった手形の窪みにルシアが手を当てていた。

「魔力を与えているの」

ライルでは何も起きないはずだ。

「すごく吸収されるわ。復元が追いつかない。こんなこと初めてだわ」

小屋はどんどん輝きを増して行く。

「ライル、魔力が無くなるかも」

「いいぞ、続けてみよう」

「ああ、もうダメ」

ルシアの魔力が尽きたようだ。輝いていた小屋が元に戻った。

「あっ」

ルシアが叫んだ。

「どうした?」

「ここにも手形があったわ」

「本当だ。両手で魔力を送り込むのか?」

「やってみるわ」

「え? もう回復したのか?」

「少しね」

そう言って今度は両手で魔力を送り出した。

どうやら小屋の機能が動き出したようだ。偶然だが、片手で魔力を補充して、両手で発動のようだ。

小屋にドアが浮かび上がっている。ライルがドアに触れるとドアが横にスライドした。

ライルはルシアが駆け寄って来るのを待って、手を繋いで、2人で小屋に入った。

小屋の中には何もなかった。白く光るキューブ型の部屋だ。

突然ライルとルシアの頭の中に何者かが話しかけて来た。女性の声だ。

『当キューブルームのメイドのアーです。何なりとお申し付け下さいませ』

俺とルシアは顔を見合わせて、目で会話した。ルシアが答えることにした。

「アー、質問していい?」

『はい、何なりと』

「キューブルームって何?」

『魔力を与えることで成長する家でござます』

「そうなの? 今は小さいよね?」

『先ほど大量の魔力の供給がございましたので、拡張が可能です。どのようなお部屋をご希望でしょうか?』

「ちょっとパートナーと相談していいかしら」

『もちろんでございます』

「ライル、夢かしら? 私たちが今、一番欲しいお宝よね」

ルシアは信じられないといった表情だ。

「まさにその通りだ。最初の希望は?」

「もちろんお風呂よ。それでいい?」

「ルシア、お前の好きにするんだ。俺にはお前の喜ぶ姿が一番のご褒美なんだ」

俺もテンション上がっていて、臭いセリフがスラっと出て来る。

「ありがとう、ライル。大好きよ。アー、浴室を作ってくれるかしら」

ルシアも大好きとか言っちゃって、テンション上がりまくりだ。

『どちらのタイプに致しましょうか』

脳内にイメージが流れてくる。どれもこれも素晴らしい浴室だ。

「じゃあ、これにするわ」

おおっ、かなり大きめの露天風呂ではないか。

『かしこまりました。完了しました。まだ、拡張が可能です。いかが致しましょうか?』

「もう出来たの? 浴室にはどうやって行くのかしら?」

確かに、どこにも浴室に行くドアがない。

『浴室に行く通路が必要です』

「なるほど、ちゃんと間取りを考えないとダメなのね。ところで、さっきの魔力供給で、何室拡張が可能なの?」

『残り4部屋です』

「分かったわ。リビングと寝室とキッチンとトイレをお願いね」

イメージが大量に流れて来たが、ルシアは丹念に吟味している。そして、十分に時間をかけて、それぞれのタイプと間取りをアーに伝えた。

こうして、俺たちはかなり先進的な豪邸を手に入れた。
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