27 / 39
第三章 遺跡の発掘
ワールドレストラン
しおりを挟む
「さて、どうやって入るのか、今回も分からないな」
ドアのない建物の前で、ライルが独り言のようにつぶやいた。
動かすには恐らくまた魔力が必要だと思うのだが、魔力を提供するようなところはどこにも見当たらない。
「ん? ルシア、何かあるのか?」
ルシアがかがんで水の中に手を入れている。
「多分ここね」
レストランが白く輝き出したが、しばらくして輝かなくなった。キューブルームのときと同じだ。
「次はこっちね」
ルシアが反対側の水の中に左手を入れて、何かを触ったようだ。
正面にドアが現れた。
(これ、ルシアがいなかったら、入れたのか?)
ライルがそう思っていると、扉が横にスライドする。中には息をのむような素晴らしい空間が広がっていた。
正八角形の天井の高い部屋の中央に、豪奢な丸テーブルと六脚の椅子が備え付けられていた。壁は腰の高さより上が全面ガラス張りで、外の景色が見られるようになっている。
「綺麗な部屋」
ルシアが溜息をついている。
ライルとルシアはとりあえず、隣りあって椅子に座った。すると脳内に女性の声で話しかけられた。
『いらっしゃいませ。ワールドレストランのメイドのベーです。ご注文をお伺いします。本日はテンタウルス星のオラルリ料理をお出しします。コースとアラカルトがございます。メニューを展開させて頂きます』
メニューが頭の中に広げられた。どこの星の何の料理か全く分からないので、とりあえず二人はシェフのお薦めコースを頼んだ。
最初に食前酒が出て来た。テーブルの上にふっと現れるのだ。もちろん仕組みなど分からない。
「……」
正直、微妙な味だった。
非常に薄いお茶のような味だ。これでも酒なのだろうか。
次に出て来たのは前菜だろうか。よくわからない形のよくわからないものだ。これもふっと現れた。
ナイフとフォークではなく串が出てきた。刺して食べるようだ。
「うっ」
はっきり言おう。かなり不味い。
ジャリジャリして、しかも、味が濃いのだ。
「俺はオラルリ料理は苦手だ」
「私もよ」
『ルシア様、お口に合いませんでしたでしょうか』
ダンジョンの施設はなぜかいつもルシアびいきだ。ルシアの名前を知っているのも謎だ。魔力の提供者だからなのか?
「ええ、かなり味付けが濃いのね。食感もよろしくないわ」
こう見えて、ルシアは貴族育ちのため、お上品に食事をする。串刺しもお気に召さないようだった。
『大変失礼致しました。すぐに料理をお取り替えします。薄味がお好みでしょうか』
「そうなのかもね。味付けは先ほどの料理の、そうね、10分の1でいいと思うわよ」
『かしこまりました。アース星のジャパニーズ料理のカイセキコースをお出しします』
フォークとナイフの代わりに箸が出てきた。ライルとルシアは箸の使い方が分からなかったのだが、脳内で箸の使い方の映像が流れた。
下手くそな箸の使い方でなんとか料理を口にした。箸ってのは、串が一本増えただけだし、生のままで魚が出てきたりして、またもやワイルドな料理かとおもいきや、めちゃくちゃ美味しかった。
「俺、ジャパニーズ料理の虜になりそうだ」
「私もよ。見た目も美しくて、何て繊細で上品な味かしら!」
二人で大はしゃぎしていると、ベーが話しかけて来た。
『お気に召して頂いたようで何よりです。ところで、キューブルームとのゲートをお繋げしてよろしいでしょうか』
「ええ、お願いするわ」
ルシアが返事をすると、奥の壁にドアが現れた。
席を立ってドアを開けると、キューブルームのエントランスにつながっていた。
すごい、いつでもこの料理を食べることが出来るのだ。
「ルシア、ビクトリアを早く攻略したくならないか?」
「ええ、二人でお風呂に入りながら、次の作戦を練りましょう」
ドアのない建物の前で、ライルが独り言のようにつぶやいた。
動かすには恐らくまた魔力が必要だと思うのだが、魔力を提供するようなところはどこにも見当たらない。
「ん? ルシア、何かあるのか?」
ルシアがかがんで水の中に手を入れている。
「多分ここね」
レストランが白く輝き出したが、しばらくして輝かなくなった。キューブルームのときと同じだ。
「次はこっちね」
ルシアが反対側の水の中に左手を入れて、何かを触ったようだ。
正面にドアが現れた。
(これ、ルシアがいなかったら、入れたのか?)
ライルがそう思っていると、扉が横にスライドする。中には息をのむような素晴らしい空間が広がっていた。
正八角形の天井の高い部屋の中央に、豪奢な丸テーブルと六脚の椅子が備え付けられていた。壁は腰の高さより上が全面ガラス張りで、外の景色が見られるようになっている。
「綺麗な部屋」
ルシアが溜息をついている。
ライルとルシアはとりあえず、隣りあって椅子に座った。すると脳内に女性の声で話しかけられた。
『いらっしゃいませ。ワールドレストランのメイドのベーです。ご注文をお伺いします。本日はテンタウルス星のオラルリ料理をお出しします。コースとアラカルトがございます。メニューを展開させて頂きます』
メニューが頭の中に広げられた。どこの星の何の料理か全く分からないので、とりあえず二人はシェフのお薦めコースを頼んだ。
最初に食前酒が出て来た。テーブルの上にふっと現れるのだ。もちろん仕組みなど分からない。
「……」
正直、微妙な味だった。
非常に薄いお茶のような味だ。これでも酒なのだろうか。
次に出て来たのは前菜だろうか。よくわからない形のよくわからないものだ。これもふっと現れた。
ナイフとフォークではなく串が出てきた。刺して食べるようだ。
「うっ」
はっきり言おう。かなり不味い。
ジャリジャリして、しかも、味が濃いのだ。
「俺はオラルリ料理は苦手だ」
「私もよ」
『ルシア様、お口に合いませんでしたでしょうか』
ダンジョンの施設はなぜかいつもルシアびいきだ。ルシアの名前を知っているのも謎だ。魔力の提供者だからなのか?
「ええ、かなり味付けが濃いのね。食感もよろしくないわ」
こう見えて、ルシアは貴族育ちのため、お上品に食事をする。串刺しもお気に召さないようだった。
『大変失礼致しました。すぐに料理をお取り替えします。薄味がお好みでしょうか』
「そうなのかもね。味付けは先ほどの料理の、そうね、10分の1でいいと思うわよ」
『かしこまりました。アース星のジャパニーズ料理のカイセキコースをお出しします』
フォークとナイフの代わりに箸が出てきた。ライルとルシアは箸の使い方が分からなかったのだが、脳内で箸の使い方の映像が流れた。
下手くそな箸の使い方でなんとか料理を口にした。箸ってのは、串が一本増えただけだし、生のままで魚が出てきたりして、またもやワイルドな料理かとおもいきや、めちゃくちゃ美味しかった。
「俺、ジャパニーズ料理の虜になりそうだ」
「私もよ。見た目も美しくて、何て繊細で上品な味かしら!」
二人で大はしゃぎしていると、ベーが話しかけて来た。
『お気に召して頂いたようで何よりです。ところで、キューブルームとのゲートをお繋げしてよろしいでしょうか』
「ええ、お願いするわ」
ルシアが返事をすると、奥の壁にドアが現れた。
席を立ってドアを開けると、キューブルームのエントランスにつながっていた。
すごい、いつでもこの料理を食べることが出来るのだ。
「ルシア、ビクトリアを早く攻略したくならないか?」
「ええ、二人でお風呂に入りながら、次の作戦を練りましょう」
0
あなたにおすすめの小説
お前には才能が無いと言われて公爵家から追放された俺は、前世が最強職【奪盗術師】だったことを思い出す ~今さら謝られても、もう遅い~
志鷹 志紀
ファンタジー
「お前には才能がない」
この俺アルカは、父にそう言われて、公爵家から追放された。
父からは無能と蔑まれ、兄からは酷いいじめを受ける日々。
ようやくそんな日々と別れられ、少しばかり嬉しいが……これからどうしようか。
今後の不安に悩んでいると、突如として俺の脳内に記憶が流れた。
その時、前世が最強の【奪盗術師】だったことを思い出したのだ。
召喚失敗!?いや、私聖女みたいなんですけど・・・まぁいっか。
SaToo
ファンタジー
聖女を召喚しておいてお前は聖女じゃないって、それはなくない?
その魔道具、私の力量りきれてないよ?まぁ聖女じゃないっていうならそれでもいいけど。
ってなんで地下牢に閉じ込められてるんだろ…。
せっかく異世界に来たんだから、世界中を旅したいよ。
こんなところさっさと抜け出して、旅に出ますか。
幼馴染パーティーから追放された冒険者~所持していたユニークスキルは限界突破でした~レベル1から始まる成り上がりストーリー
すもも太郎
ファンタジー
この世界は個人ごとにレベルの上限が決まっていて、それが本人の資質として死ぬまで変えられません。(伝説の勇者でレベル65)
主人公テイジンは能力を封印されて生まれた。それはレベルキャップ1という特大のハンデだったが、それ故に幼馴染パーティーとの冒険によって莫大な経験値を積み上げる事が出来ていた。(ギャップボーナス最大化状態)
しかし、レベルは1から一切上がらないまま、免許の更新期限が過ぎてギルドを首になり絶望する。
命を投げ出す決意で訪れた死と再生の洞窟でテイジンの封印が解け、ユニークスキル”限界突破”を手にする。その後、自分の力を知らず知らずに発揮していき、周囲を驚かせながらも一人旅をつづけようとするが‥‥
※1話1500文字くらいで書いております
神に逆らった人間が生きていける訳ないだろう?大地も空気も神の意のままだぞ?<聖女は神の愛し子>
ラララキヲ
ファンタジー
フライアルド聖国は『聖女に護られた国』だ。『神が自分の愛し子の為に作った』のがこの国がある大地(島)である為に、聖女は王族よりも大切に扱われてきた。
それに不満を持ったのが当然『王侯貴族』だった。
彼らは遂に神に盾突き「人の尊厳を守る為に!」と神の信者たちを追い出そうとした。去らねば罪人として捕まえると言って。
そしてフライアルド聖国の歴史は動く。
『神の作り出した世界』で馬鹿な人間は現実を知る……
神「プンスコ(`3´)」
!!注!! この話に出てくる“神”は実態の無い超常的な存在です。万能神、創造神の部類です。刃物で刺したら死ぬ様な“自称神”ではありません。人間が神を名乗ってる様な謎の宗教の話ではありませんし、そんな口先だけの神(笑)を容認するものでもありませんので誤解無きよう宜しくお願いします。!!注!!
◇ふんわり世界観。ゆるふわ設定。
◇ご都合展開。矛盾もあるかも。
◇ちょっと【恋愛】もあるよ!
◇なろうにも上げてます。
タダ働きなので待遇改善を求めて抗議したら、精霊達から『破壊神』と怖れられています。
渡里あずま
ファンタジー
出来損ないの聖女・アガタ。
しかし、精霊の加護を持つ新たな聖女が現れて、王子から婚約破棄された時――彼女は、前世(現代)の記憶を取り戻した。
「それなら、今までの報酬を払って貰えますか?」
※※※
虐げられていた子が、モフモフしながらやりたいことを探す旅に出る話です。
※重複投稿作品※
表紙の使用画像は、AdobeStockのものです。
伯爵家の三男に転生しました。風属性と回復属性で成り上がります
竹桜
ファンタジー
武田健人は、消防士として、風力発電所の事故に駆けつけ、救助活動をしている途中に、上から瓦礫が降ってきて、それに踏み潰されてしまった。次に、目が覚めると真っ白な空間にいた。そして、神と名乗る男が出てきて、ほとんど説明がないまま異世界転生をしてしまう。
転生してから、ステータスを見てみると、風属性と回復属性だけ適性が10もあった。この世界では、5が最大と言われていた。俺の異世界転生は、どうなってしまうんだ。
転生したら最強種の竜人かよ~目立ちたくないので種族隠して学院へ通います~
ゆる弥
ファンタジー
強さをひた隠しにして学院の入学試験を受けるが、強すぎて隠し通せておらず、逆に目立ってしまう。
コイツは何かがおかしい。
本人は気が付かず隠しているが、周りは気付き始める。
目立ちたくないのに国の最高戦力に祭り上げられてしまう可哀想な男の話。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる