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第二章 小屋
冒険者登録
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フローラさんとマリと町の冒険者組合の建物に入った。
ドアの開いていた入り口を通ると、天井の高いホールになっており、左右に待機用のベンチが数列並べられていて、多くの冒険者たちが座っていた。
入り口と反対側には、ガラスの仕切りのある受付ブースがいくつか並んでおり、受付の女性たちが冒険者たちの応対をしている。
ブースのお姉さんたちの髪型を確認していくと、右から3番目のお姉さんが、ラクタさんの言っていたリボンのポニーテールの人だ。
フローラさんにあの人に受付してもらうようお願いした。
3人が目標の受付ブースに向かって歩いていると、ベンチに座っている何人かが、フローラさんをみて驚いている。
「爆炎のフローラじゃねえか?」などと聞こえてくる。
フローラさんは妖艶な笑みを浮かべたまま、他人の視線は全く気にせず、俺の手をつないで、受付に歩いて行く。
ポニーテールの受付嬢が席を立って、お辞儀をした。
受付のガラス仕切りの向こう側が受付嬢、こちら側に、俺、フローラさん、マリの順で座る。
「ご用件をお伺いします」
受付嬢が席に座りながら口を開いた。
「こちらのリンリンの冒険者登録をお願いできますか。それから、こちらのマリは保護者が私で、見習い登録をお願いしたいです」
「はい、あのう、そちらのリンリンさんはおいくつでしょうか」
この質問には、俺が割り込んで自分で答えた。
「38歳です」
「え?」
フローラさんがフォローする。
「まあ、見てくれと実年齢はエルフなんかも違うでしょう。登録すればわかるから、カードを出していただける?」
「はい、わかりました」
もう少しスムーズにいくと思ったのだが、ラクタさん大丈夫かな。でも、フローラさんは俺のことを信じてるのかな。全く動じないぞ。
受付のお姉さんが金属製の冒険者カードを持ってきた。
ここに魔力をかざすと、名前、年齢、種族などが記載される。魔力に秘められている情報を使用するため、虚偽の記載ができないようになっている、と行きの馬車の中でフローラさんに聞いた。
俺は魔力をかざす。
名前:リンリン・ド・ファンツ・エーデンリッヒ
年齢:38
種族:ヒト
職種:
受付嬢の目が年齢に釘付けになる。
(この子が38歳!? 究極のとっちゃんぼうやなの!?)
フローラも本当に38歳と出るとは思っていなかったようで、びっくりしているが、その後、納得したような表情で、妖艶な流し目をしてきた。
(いや、フローラさん、まるでサキュバスみたいです)
マリからはよく見えていないので、大人の女性2人が何を驚いているのかと不思議な顔をしていた。
「あ、確かに、さ、38歳ということで、問題ございません。えー、職種は何で登録いたしましょうか。職種は後でも変えられますが、変えたときにレベルが1に戻ってしまいますので、慎重に選択してください」
「女使いでお願いします」
俺は受付のお姉さんに伝えた。
「え? もう一度お願いします」
「おんなつかいと書いて、め・つ・か・い です」
「確か、そんな職種はございませんが」
「神のお告げです。確認してください」
「はあ」
受付嬢は手持ちの職種リストを確認して、固まってしまった。確かに「神のお告げ」欄に「女使い」の職種があったのだ。
受付嬢は職種欄にリストの「女使い」の印影を魔術機でコピーし、冒険者カードに貼り付けた。
すると冒険者カードの職種欄に印影が浮かび上がる。
名前:リンリン・ド・ファンツ・エーデンリッヒ
年齢:38
種族:ヒト
職種:女使い Lv.9999
「えっ?」
受付嬢は声を出して驚いてしまった。受付嬢歴5年と8カ月、そろそろ行き遅れを心配し始めている彼女は、冒険者カードを登録した際にLvが1以外になったのを初めて見た。しかも、レベルが9999? レベルは年齢を超えないはずでは?
でも、大丈夫だ。5分後、彼女の記憶から、今の出来事は消えてなくなるのだから。
ドアの開いていた入り口を通ると、天井の高いホールになっており、左右に待機用のベンチが数列並べられていて、多くの冒険者たちが座っていた。
入り口と反対側には、ガラスの仕切りのある受付ブースがいくつか並んでおり、受付の女性たちが冒険者たちの応対をしている。
ブースのお姉さんたちの髪型を確認していくと、右から3番目のお姉さんが、ラクタさんの言っていたリボンのポニーテールの人だ。
フローラさんにあの人に受付してもらうようお願いした。
3人が目標の受付ブースに向かって歩いていると、ベンチに座っている何人かが、フローラさんをみて驚いている。
「爆炎のフローラじゃねえか?」などと聞こえてくる。
フローラさんは妖艶な笑みを浮かべたまま、他人の視線は全く気にせず、俺の手をつないで、受付に歩いて行く。
ポニーテールの受付嬢が席を立って、お辞儀をした。
受付のガラス仕切りの向こう側が受付嬢、こちら側に、俺、フローラさん、マリの順で座る。
「ご用件をお伺いします」
受付嬢が席に座りながら口を開いた。
「こちらのリンリンの冒険者登録をお願いできますか。それから、こちらのマリは保護者が私で、見習い登録をお願いしたいです」
「はい、あのう、そちらのリンリンさんはおいくつでしょうか」
この質問には、俺が割り込んで自分で答えた。
「38歳です」
「え?」
フローラさんがフォローする。
「まあ、見てくれと実年齢はエルフなんかも違うでしょう。登録すればわかるから、カードを出していただける?」
「はい、わかりました」
もう少しスムーズにいくと思ったのだが、ラクタさん大丈夫かな。でも、フローラさんは俺のことを信じてるのかな。全く動じないぞ。
受付のお姉さんが金属製の冒険者カードを持ってきた。
ここに魔力をかざすと、名前、年齢、種族などが記載される。魔力に秘められている情報を使用するため、虚偽の記載ができないようになっている、と行きの馬車の中でフローラさんに聞いた。
俺は魔力をかざす。
名前:リンリン・ド・ファンツ・エーデンリッヒ
年齢:38
種族:ヒト
職種:
受付嬢の目が年齢に釘付けになる。
(この子が38歳!? 究極のとっちゃんぼうやなの!?)
フローラも本当に38歳と出るとは思っていなかったようで、びっくりしているが、その後、納得したような表情で、妖艶な流し目をしてきた。
(いや、フローラさん、まるでサキュバスみたいです)
マリからはよく見えていないので、大人の女性2人が何を驚いているのかと不思議な顔をしていた。
「あ、確かに、さ、38歳ということで、問題ございません。えー、職種は何で登録いたしましょうか。職種は後でも変えられますが、変えたときにレベルが1に戻ってしまいますので、慎重に選択してください」
「女使いでお願いします」
俺は受付のお姉さんに伝えた。
「え? もう一度お願いします」
「おんなつかいと書いて、め・つ・か・い です」
「確か、そんな職種はございませんが」
「神のお告げです。確認してください」
「はあ」
受付嬢は手持ちの職種リストを確認して、固まってしまった。確かに「神のお告げ」欄に「女使い」の職種があったのだ。
受付嬢は職種欄にリストの「女使い」の印影を魔術機でコピーし、冒険者カードに貼り付けた。
すると冒険者カードの職種欄に印影が浮かび上がる。
名前:リンリン・ド・ファンツ・エーデンリッヒ
年齢:38
種族:ヒト
職種:女使い Lv.9999
「えっ?」
受付嬢は声を出して驚いてしまった。受付嬢歴5年と8カ月、そろそろ行き遅れを心配し始めている彼女は、冒険者カードを登録した際にLvが1以外になったのを初めて見た。しかも、レベルが9999? レベルは年齢を超えないはずでは?
でも、大丈夫だ。5分後、彼女の記憶から、今の出来事は消えてなくなるのだから。
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