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第三章 旅
正妻宣言
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フローラは4人を前に爆弾宣言をする。
「私はリンリン君の正妻よ」
当然、全員が「は?」となった。
だが、それは5歳児に対してどうだという話ではなく、それぞれに思惑があったのだ。4人全員が一斉に反論してきたため、フローラは、1人ずつ個別に対処することにした。
以下は要約である。
<カトリーヌの反論 毒舌編>
「おれだってリンリンさまの妻になるんだよ。フローラはいつ正妻になったんだよ」
「私はリンリン君と毎日ベッドをともにしているわ」
「ぐぬぬ、一緒に住んでいたからだろう。これからはおれも一緒に寝るぜ」
「人ではリンリン君の相手は務まらないわ。死んでしまうわよ」
「けっ、どうしてそんなウソを。それとも、お前は人ではないというのか?」
「そうよ。サキュバスよ」
「は? なんだそりゃ!? ・・・じゃあ、おれもサキュバスになる。なり方を教えろ」
「え?」
<ユカリの反論>
「お姉さま、ひどい。私の気持ちを知っていながら、勝手に嫁ぐなんて許さないっ」
「ユカリ、その話はずいぶん前に断っているじゃない」
「でも、私がお姉さまを好きでいるのは構わないって、許してくれたわ」
「そうだけど、私だって好きな人に添い遂げたいのよ」
「じゃあ、私も添い遂げる」
「え? だれに?」
「リンリンさんに添い遂げるお姉さまに添い遂げる」
「何を訳の分からないことを」
「私はお姉さまのお役に立てればそれでいいの。リンリンさんとの仲を邪魔したり、嫉妬したりはしないわ」
「ユカリ、実はね。私、リンリン君が成長するまでに若さを失いたくないから、悪魔と契約してサキュバスになったの。もう人ではないのよ」
「そんなの関係ないわ。いや、関係あるわ。私はお姉さまの永遠の妹でいたいから、私もサキュバスにして」
「え?」
<ルミの反論>
「私、リンリン様のお嫁さんになるって決めているんです。フローラさんが正妻なら、私は妾でも大丈夫です」
「そう。でも、リンリン君とベッドをともにすることはできないわよ」
「え? なぜですか? 妾はそういうのをしちゃいけないんですか?」
「そういうわけではないの。リンリン君は特殊なスキルを持っていて、人だと彼の相手は務まらないのよ」
「フローラさんは大丈夫で、なぜ私は務まらないんですか?」
「私は悪魔なのよ」
「そんなウソをついてまでリンリン様を独占したいんですか!?」
「嘘じゃないわよ。いずれにしても、リンリン君とそういうことになったら、あなたは死んでしまうから、そうならないように気を付けてね。あなたのために言っているのよ」
「じゃあ、私も悪魔になります。悪魔にしてください」
「え?」
<マリとの話>
「マリ、お母さんはほかの人と話をして疲れ果てたわ」
「お母さん、お母さんだけ夜お兄ちゃんと一緒に寝てずるいよ」
「え? 何の話かしら」
「とぼけないでよ。毎日お兄ちゃんと一緒に寝てるじゃない。マリも一緒に寝たいよ」
「えーとね、マリ、よく聞いてね。 お兄ちゃんとお母さんは好きあっているのよ。マリには黙っていて悪かったけど、結婚しているのよ。結婚した人同士は一緒に寝るものなのよ」
「じゃあ、マリもお兄ちゃんと結婚する」
「何を言ってるのよ。マリはまだ7歳じゃない」
「お兄ちゃんはまだ5歳じゃない」
「え、えーとね、どうしようかしら。そ、そう、お兄ちゃんはちょっと怖いスキルを持っていて、大人の人じゃないと死んじゃうのよ」
「本当?」
「うん、本当のことよ」
「じゃあ、いつになったら、一緒に寝られる?」
「そ、そうね、16歳かな?」
「うん、じゃあ、マリはそれまで我慢する」
(なんとか説得できたのはマリだけか・・・)
「私はリンリン君の正妻よ」
当然、全員が「は?」となった。
だが、それは5歳児に対してどうだという話ではなく、それぞれに思惑があったのだ。4人全員が一斉に反論してきたため、フローラは、1人ずつ個別に対処することにした。
以下は要約である。
<カトリーヌの反論 毒舌編>
「おれだってリンリンさまの妻になるんだよ。フローラはいつ正妻になったんだよ」
「私はリンリン君と毎日ベッドをともにしているわ」
「ぐぬぬ、一緒に住んでいたからだろう。これからはおれも一緒に寝るぜ」
「人ではリンリン君の相手は務まらないわ。死んでしまうわよ」
「けっ、どうしてそんなウソを。それとも、お前は人ではないというのか?」
「そうよ。サキュバスよ」
「は? なんだそりゃ!? ・・・じゃあ、おれもサキュバスになる。なり方を教えろ」
「え?」
<ユカリの反論>
「お姉さま、ひどい。私の気持ちを知っていながら、勝手に嫁ぐなんて許さないっ」
「ユカリ、その話はずいぶん前に断っているじゃない」
「でも、私がお姉さまを好きでいるのは構わないって、許してくれたわ」
「そうだけど、私だって好きな人に添い遂げたいのよ」
「じゃあ、私も添い遂げる」
「え? だれに?」
「リンリンさんに添い遂げるお姉さまに添い遂げる」
「何を訳の分からないことを」
「私はお姉さまのお役に立てればそれでいいの。リンリンさんとの仲を邪魔したり、嫉妬したりはしないわ」
「ユカリ、実はね。私、リンリン君が成長するまでに若さを失いたくないから、悪魔と契約してサキュバスになったの。もう人ではないのよ」
「そんなの関係ないわ。いや、関係あるわ。私はお姉さまの永遠の妹でいたいから、私もサキュバスにして」
「え?」
<ルミの反論>
「私、リンリン様のお嫁さんになるって決めているんです。フローラさんが正妻なら、私は妾でも大丈夫です」
「そう。でも、リンリン君とベッドをともにすることはできないわよ」
「え? なぜですか? 妾はそういうのをしちゃいけないんですか?」
「そういうわけではないの。リンリン君は特殊なスキルを持っていて、人だと彼の相手は務まらないのよ」
「フローラさんは大丈夫で、なぜ私は務まらないんですか?」
「私は悪魔なのよ」
「そんなウソをついてまでリンリン様を独占したいんですか!?」
「嘘じゃないわよ。いずれにしても、リンリン君とそういうことになったら、あなたは死んでしまうから、そうならないように気を付けてね。あなたのために言っているのよ」
「じゃあ、私も悪魔になります。悪魔にしてください」
「え?」
<マリとの話>
「マリ、お母さんはほかの人と話をして疲れ果てたわ」
「お母さん、お母さんだけ夜お兄ちゃんと一緒に寝てずるいよ」
「え? 何の話かしら」
「とぼけないでよ。毎日お兄ちゃんと一緒に寝てるじゃない。マリも一緒に寝たいよ」
「えーとね、マリ、よく聞いてね。 お兄ちゃんとお母さんは好きあっているのよ。マリには黙っていて悪かったけど、結婚しているのよ。結婚した人同士は一緒に寝るものなのよ」
「じゃあ、マリもお兄ちゃんと結婚する」
「何を言ってるのよ。マリはまだ7歳じゃない」
「お兄ちゃんはまだ5歳じゃない」
「え、えーとね、どうしようかしら。そ、そう、お兄ちゃんはちょっと怖いスキルを持っていて、大人の人じゃないと死んじゃうのよ」
「本当?」
「うん、本当のことよ」
「じゃあ、いつになったら、一緒に寝られる?」
「そ、そうね、16歳かな?」
「うん、じゃあ、マリはそれまで我慢する」
(なんとか説得できたのはマリだけか・・・)
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