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第三章 旅
女神との一夜
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「これで大丈夫よ。ヒトの状態の姉にはこの結界は破れないわ。でも、中から外には出られるわよ」
(俺たちはどうすればいいんですか?)
「ちょっと待っててね。姉を説得してくるから」
ラクタさんの気配が脳内から消えるのを感じた。
みんなを見てみると、フローラさん、カトリーヌさん、ルミさんの様子が少しおかしい。なんというか、しおらしい感じになって、3人とも女座りで、地面にのの字を書いている。
「えーと、どうしちゃったんですか? 3人とも」
「わからないの。さっきまでは普通だったのに」
ユカリさんもマリも戸惑っている。
「よっ、少年、話付けてきたわよ」
(あ、ラクタさん、その前にこの3人どうしちゃったんでしょうか)
「女使いの指示待ちよ。はやく解放してあげなさいよ」
(え? そうなんですか。わりと命令は自然に出せたんですが、解除の仕方とか、あっ、思い浮かんできました)
「任務完了、お疲れさま」
3人が正気に戻った。命令のときのように、特に決まり文句はなく、労いの言葉をかけるだけでいいみたいだ。
(ラクタさん、お姉さんとの話はどうなりました?)
「あきらめるつもりが全くないみたいだったので、時間もないし、あなたと一晩で手を打っておいたわ。あと腐れない一夜の関係ってやつね」
(え? 女神様とするんですか?)
「下品な言い方しないでよ。一晩をともにするだけよ。あなたの妻たちの説得はまかせたわよ。ほかの4人のチャームも解くと言ってたから、もう攻撃はしてこないわ。私が見張っていることも説明したし、ちゃんと神々の契約書を交わしたので、約束を違えることはないわ。安心していいわよ」
(ラクタさん、そっくりなんですよね?)
「私を想像してしたいの? もう、スケベな、ひ、と」
(いや、なんか気まずくないですか?)
「そう思っているのはあなただけよ。私はまったく気にしないわよ。性に興味ないから。姉もどんなのか一度試してみたいだけで、依存症にはならないわよ。あっ、もういかなくちゃ。頑張ってね~」
(ちょっと、ラクタさ~ん)
あ、みんなが俺を見ている・・・
「えっと、神の詔がおりました。前にも言いましたが、ボクは女神ラクタ様の加護持ちでして、シックスダイスのタンク役と一晩過ごせば丸く収まると言われました」
「・・・」
みんなの視線が痛い・・・
「ほかの4人のシックスダイスの人たちはチャームの魔法で操られていたようです。それは解除してくれるそうです」
「リンリン君。あなたのことは少なくとも妻である私たち3人は信じてるわ。ちょっと妻同士で相談させてもらえるかしら」
「はい」
いつの間にか俺は3人の妻帯者なのね・・・
あ、マリの視線が痛い・・・
「リンリン君。一晩だけよね?」
「はい、そういう神託でした」
「わかったわ。許可します」
フローラさんはため息をついたが、許してくれた。
「あ、では早速話をしてきます」
「ちょっと待って。リンリン君が話していいのはタンク役の人だけよ。ほかの4人とは話さないように。いいわね?」
「はい、わかりました」
(うわ~、俺、尻に敷かれてるなあ)
俺たち6人は洞窟を出た。俺の前にフローラさん、右にカトリーヌさん、左にルミさん、後ろにユカリさんとマリでがっちりガードされていた。凶悪犯の護送のようだ。
洞窟の入り口にシックスダイスの5人が、各々好きな格好で待機していた。チャームはすでに解かれているようだ。
リーダーのオスカルは俺を見るともじもじし始めた。同じ顔をした3人の子は、カトリーヌさんに頭を下げた後、興味深そうに俺をみている。
ピンクのツインテールが走ってきた。
「よっ、少年。あなたがリン君ね。私はインストよ。よろしくねっ」
(うわっ、顔がめっちゃ似ている。話し方もそっくりじゃないか。あっ、でも胸が小さいかな)
「はい、そうです」
「インストさん、ちょっとよろしいでしょうか」
「おっ、出たわね。ザ・妻たち」
「はい、私、フローラとカトリーヌとルミはリンリン君の妻です。そこで、夫のリンリン君を一晩だけお貸ししますが、耐性は大丈夫でしょうか?」
「あはは、君たちと種族は違うけど同じようなものよ。死んじゃったりしないので、安心してね。いやあ、それにしても、楽しみだなあ。なんなら、今からしちゃう?」
「え? いえ、今晩でお願いします」
「そう。じゃあ、目的地あるんでしょ? 私たちは邪魔にならないようについて行くよ。ねっ、リーダー、まずは私の用事を済ませてからでいいわね。明日の朝、私は町に帰るから、リーダーたちの用事はそれからにしてね」
「わかった。ところで、リンリン」
オスカルが俺に話しかけようとすると、妻の3人が俺をオスカルの視線から遮るようにガードした。
ここでもフローラが代表して説明する。
「オスカル、リンリン君に直接話さないでくれる? 私たち妻を通してほしいの。これ、あなたのために言っているのよ」
要するに、マネージャを通してくれ、ということだ
「う、うん、わかった。明日まとめて質問させてもらう」
あれ? オスカルさん、やけに素直だな。フローラさんも肩透かしを食らった感じだし、同じ顔の3人の魔法使い少女たちも驚いている。
***
そしてその夜、インストさんが俺の布団に飛び込んできた。
「いや~、待ちくたびれちゃったよ。そうね、さっそくだけど、まずはちょっとおっぱい触ってみて」
「はあ、こうでしょうか?」
「・・・・。ぷっはー!!! なにこれ!? すっごく気持ちいいじゃない! すごいね、あなた! いやー、今夜は離さないゾ!」
結局、俺は一睡もさせてもらえなかった・・・・
(俺たちはどうすればいいんですか?)
「ちょっと待っててね。姉を説得してくるから」
ラクタさんの気配が脳内から消えるのを感じた。
みんなを見てみると、フローラさん、カトリーヌさん、ルミさんの様子が少しおかしい。なんというか、しおらしい感じになって、3人とも女座りで、地面にのの字を書いている。
「えーと、どうしちゃったんですか? 3人とも」
「わからないの。さっきまでは普通だったのに」
ユカリさんもマリも戸惑っている。
「よっ、少年、話付けてきたわよ」
(あ、ラクタさん、その前にこの3人どうしちゃったんでしょうか)
「女使いの指示待ちよ。はやく解放してあげなさいよ」
(え? そうなんですか。わりと命令は自然に出せたんですが、解除の仕方とか、あっ、思い浮かんできました)
「任務完了、お疲れさま」
3人が正気に戻った。命令のときのように、特に決まり文句はなく、労いの言葉をかけるだけでいいみたいだ。
(ラクタさん、お姉さんとの話はどうなりました?)
「あきらめるつもりが全くないみたいだったので、時間もないし、あなたと一晩で手を打っておいたわ。あと腐れない一夜の関係ってやつね」
(え? 女神様とするんですか?)
「下品な言い方しないでよ。一晩をともにするだけよ。あなたの妻たちの説得はまかせたわよ。ほかの4人のチャームも解くと言ってたから、もう攻撃はしてこないわ。私が見張っていることも説明したし、ちゃんと神々の契約書を交わしたので、約束を違えることはないわ。安心していいわよ」
(ラクタさん、そっくりなんですよね?)
「私を想像してしたいの? もう、スケベな、ひ、と」
(いや、なんか気まずくないですか?)
「そう思っているのはあなただけよ。私はまったく気にしないわよ。性に興味ないから。姉もどんなのか一度試してみたいだけで、依存症にはならないわよ。あっ、もういかなくちゃ。頑張ってね~」
(ちょっと、ラクタさ~ん)
あ、みんなが俺を見ている・・・
「えっと、神の詔がおりました。前にも言いましたが、ボクは女神ラクタ様の加護持ちでして、シックスダイスのタンク役と一晩過ごせば丸く収まると言われました」
「・・・」
みんなの視線が痛い・・・
「ほかの4人のシックスダイスの人たちはチャームの魔法で操られていたようです。それは解除してくれるそうです」
「リンリン君。あなたのことは少なくとも妻である私たち3人は信じてるわ。ちょっと妻同士で相談させてもらえるかしら」
「はい」
いつの間にか俺は3人の妻帯者なのね・・・
あ、マリの視線が痛い・・・
「リンリン君。一晩だけよね?」
「はい、そういう神託でした」
「わかったわ。許可します」
フローラさんはため息をついたが、許してくれた。
「あ、では早速話をしてきます」
「ちょっと待って。リンリン君が話していいのはタンク役の人だけよ。ほかの4人とは話さないように。いいわね?」
「はい、わかりました」
(うわ~、俺、尻に敷かれてるなあ)
俺たち6人は洞窟を出た。俺の前にフローラさん、右にカトリーヌさん、左にルミさん、後ろにユカリさんとマリでがっちりガードされていた。凶悪犯の護送のようだ。
洞窟の入り口にシックスダイスの5人が、各々好きな格好で待機していた。チャームはすでに解かれているようだ。
リーダーのオスカルは俺を見るともじもじし始めた。同じ顔をした3人の子は、カトリーヌさんに頭を下げた後、興味深そうに俺をみている。
ピンクのツインテールが走ってきた。
「よっ、少年。あなたがリン君ね。私はインストよ。よろしくねっ」
(うわっ、顔がめっちゃ似ている。話し方もそっくりじゃないか。あっ、でも胸が小さいかな)
「はい、そうです」
「インストさん、ちょっとよろしいでしょうか」
「おっ、出たわね。ザ・妻たち」
「はい、私、フローラとカトリーヌとルミはリンリン君の妻です。そこで、夫のリンリン君を一晩だけお貸ししますが、耐性は大丈夫でしょうか?」
「あはは、君たちと種族は違うけど同じようなものよ。死んじゃったりしないので、安心してね。いやあ、それにしても、楽しみだなあ。なんなら、今からしちゃう?」
「え? いえ、今晩でお願いします」
「そう。じゃあ、目的地あるんでしょ? 私たちは邪魔にならないようについて行くよ。ねっ、リーダー、まずは私の用事を済ませてからでいいわね。明日の朝、私は町に帰るから、リーダーたちの用事はそれからにしてね」
「わかった。ところで、リンリン」
オスカルが俺に話しかけようとすると、妻の3人が俺をオスカルの視線から遮るようにガードした。
ここでもフローラが代表して説明する。
「オスカル、リンリン君に直接話さないでくれる? 私たち妻を通してほしいの。これ、あなたのために言っているのよ」
要するに、マネージャを通してくれ、ということだ
「う、うん、わかった。明日まとめて質問させてもらう」
あれ? オスカルさん、やけに素直だな。フローラさんも肩透かしを食らった感じだし、同じ顔の3人の魔法使い少女たちも驚いている。
***
そしてその夜、インストさんが俺の布団に飛び込んできた。
「いや~、待ちくたびれちゃったよ。そうね、さっそくだけど、まずはちょっとおっぱい触ってみて」
「はあ、こうでしょうか?」
「・・・・。ぷっはー!!! なにこれ!? すっごく気持ちいいじゃない! すごいね、あなた! いやー、今夜は離さないゾ!」
結局、俺は一睡もさせてもらえなかった・・・・
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