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「ふふっ百面相をしてどうしたんですか?なんだかちょっとえっちな顔をしてましたよ?」
面白そうだという顔をしたアビゲイルさんが、そう言いながら顔を近づけてきました。え、ちょっと待ってまた?!
「んっんーー!ん、ふぅ!う、んんっ」
何度キスされても慣れなくて、自分以外の体温がそばにあるのもなんだか気持ちが悪い。どうして?アビゲイルさんは、なんで私にこんなことをするの?
そう思ったら、ついぽろっと涙があふれました。
でもその涙はすぐに引っ込んでしまいまったのです。泣いてるときに衝撃的なことがあると涙が引っ込むって、本当だったのね。
「や、やだ!なにを…!」
アビゲイルさんの右手が私のドレスの裾をめくり上げてきたかと思えば、そのまま太ももを撫でてきました。もちろん悪役令嬢である私は貴族で、身の回りのことはすべて他人がしてくれます。
その中にはお風呂上りに体を拭いてもらったり、肌をすべすべにするクリームを塗られたり、マッサージの時間があります。もちろん嫁入り前の体にはたとえ使用人だとしても、男性が触っていいはずがないのですべての作業はメイドのお仕事です。
つまり女性に体を見られたり触られたりは日常茶飯事で、特に意識するようなことではありません。それなのにアビゲイルさんに体を見られたり、触られたりするだけでこんなに意識してしまうなんて…!
「何をだなんて…決まってるじゃないですか。私のものになってもらうと言ったでしょう?だから、こうしてヴィクトリアさんを触って、私を意識してもらってるんです」
「意識してもらうだなんて…!あまりのことに先ほどは言いそびれましたが、私も貴女も女性なんですよ?!その…恋愛対象にするのはあまりにも異質だわ!」
キッと睨みつけるようにして彼女を見上げますが、それすらも予想の内なのか笑顔のままです。なんだかすべてが彼女の手の内のようで…いえ、アビゲイルさんはヒロインなのですから、この世界は彼女の思うがままです。ということは私のことも、彼女の手のひらの上と言っても過言ではないでしょう。敵わない、のでしょうか…。
「ふ、ははっ!ああ、そうでしたね。ふふっ」
少し諦め気味に見つめていると、アビゲイルさんはさも面白い物を見たと言わんばかりに声を上げて笑い始めました。先ほどから、というよりはベッドの上で押し倒されていると認識した時から、彼女は変です。
このアビゲイルさんは、いつものあの学園での自由奔放なアビゲイルさんとは、何かが違います。もしかして、キャラを作ってたとか…?
「あ、あなたもしかして…てんせえっ?きゃあああああ!!」
もしかしてと質問をぶつけようとしたところで、アビゲイルさんの体が勢いよく動きました。そして、先ほどまで彼女のお尻に敷かれていた私の両足。それが急に自由になったかと思えば、ガバッと音がするほど勢いよく開かれたのでした。
もちろん急なことだったので、防御もクソもありません。丸見えです…。いえ、下着ははいてますよ?それも現代のものと同じようなものを。
なんといっても乙女ゲーですからね。変に日本かぶれみたいなものがあったりするんですよこの世界には。詳しいことはわかりませんけどね。
とにかく私は所々レースで飾られた淡いピンク色のぱんつを、アビゲイルさんに披露してしまったのでした。
もういやぁ!!
面白そうだという顔をしたアビゲイルさんが、そう言いながら顔を近づけてきました。え、ちょっと待ってまた?!
「んっんーー!ん、ふぅ!う、んんっ」
何度キスされても慣れなくて、自分以外の体温がそばにあるのもなんだか気持ちが悪い。どうして?アビゲイルさんは、なんで私にこんなことをするの?
そう思ったら、ついぽろっと涙があふれました。
でもその涙はすぐに引っ込んでしまいまったのです。泣いてるときに衝撃的なことがあると涙が引っ込むって、本当だったのね。
「や、やだ!なにを…!」
アビゲイルさんの右手が私のドレスの裾をめくり上げてきたかと思えば、そのまま太ももを撫でてきました。もちろん悪役令嬢である私は貴族で、身の回りのことはすべて他人がしてくれます。
その中にはお風呂上りに体を拭いてもらったり、肌をすべすべにするクリームを塗られたり、マッサージの時間があります。もちろん嫁入り前の体にはたとえ使用人だとしても、男性が触っていいはずがないのですべての作業はメイドのお仕事です。
つまり女性に体を見られたり触られたりは日常茶飯事で、特に意識するようなことではありません。それなのにアビゲイルさんに体を見られたり、触られたりするだけでこんなに意識してしまうなんて…!
「何をだなんて…決まってるじゃないですか。私のものになってもらうと言ったでしょう?だから、こうしてヴィクトリアさんを触って、私を意識してもらってるんです」
「意識してもらうだなんて…!あまりのことに先ほどは言いそびれましたが、私も貴女も女性なんですよ?!その…恋愛対象にするのはあまりにも異質だわ!」
キッと睨みつけるようにして彼女を見上げますが、それすらも予想の内なのか笑顔のままです。なんだかすべてが彼女の手の内のようで…いえ、アビゲイルさんはヒロインなのですから、この世界は彼女の思うがままです。ということは私のことも、彼女の手のひらの上と言っても過言ではないでしょう。敵わない、のでしょうか…。
「ふ、ははっ!ああ、そうでしたね。ふふっ」
少し諦め気味に見つめていると、アビゲイルさんはさも面白い物を見たと言わんばかりに声を上げて笑い始めました。先ほどから、というよりはベッドの上で押し倒されていると認識した時から、彼女は変です。
このアビゲイルさんは、いつものあの学園での自由奔放なアビゲイルさんとは、何かが違います。もしかして、キャラを作ってたとか…?
「あ、あなたもしかして…てんせえっ?きゃあああああ!!」
もしかしてと質問をぶつけようとしたところで、アビゲイルさんの体が勢いよく動きました。そして、先ほどまで彼女のお尻に敷かれていた私の両足。それが急に自由になったかと思えば、ガバッと音がするほど勢いよく開かれたのでした。
もちろん急なことだったので、防御もクソもありません。丸見えです…。いえ、下着ははいてますよ?それも現代のものと同じようなものを。
なんといっても乙女ゲーですからね。変に日本かぶれみたいなものがあったりするんですよこの世界には。詳しいことはわかりませんけどね。
とにかく私は所々レースで飾られた淡いピンク色のぱんつを、アビゲイルさんに披露してしまったのでした。
もういやぁ!!
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