美少女モンクにTS転生した俺はとにかく殴る!たまに蹴る!〜底辺の脳筋ジョブと言われたが筋肉を極め知識チートで無双する〜

🔨大木げん

文字の大きさ
3 / 197
第一部 美少女モンクと死霊魔王

第3話 タケノコ刈り

しおりを挟む
 極悪な『チャモトラップ』を回避して手に入れた『チャイナリボン』のアイテム説明欄には「お婆さんの形見のリボン=物防+1・魔防+1」としか書かれていない。これではしょぼ過ぎるだろう。

 装備するとキャラクター外観の髪型が、お団子に変化するだけのネタ装備かと思われていたが、先人の検証の結果、即死を含むあらゆる状態異常無効の裏設定があることがわかったのだ。

 つまり、モンク最大の弱点である状態異常を完全に防ぐ事ができる。弱点を一つずつ消していく事こそが最強への道だ。

 せっかくなので、チャモ爺さんの前で装備しようと思ったが······どうやってやるんだろう。ステータス画面とアイテム画面で装備しようとしたがエラーになってしまう。これはひょっとして実際に身につけなければ装備できないのかな?

「あの、お爺さん、リボンをつけてみたいんですけどやり方が分からなくて······」

「おお、そうじゃったか。それならわしに任せなさい。婆さんの髪をわしがセットしてあげてた事もあるからのぉ」

 俺の前に鏡を用意してもらい、後ろからチャモ爺さんが髪をセットしてくれる。

 鏡に映った自分の姿を見た俺は、あまりの可愛らしさに息を止めてしまった。

 人形のようにバランスが整った顔立ちで、その漆黒の瞳はじっと見つめると吸い込まれるかのような輝きを放っている。すっと、とおった鼻筋の下にみずみずしい潤いをたたえた桃色の唇がある。磁器のようになめらかな白い肌との対比がすごく印象的だった。

 そして何と言っても、思わず庇護欲をかきたてるようなあどけなさと、エネルギーに満ち溢れた溌剌はつらつとした生命力の同居。

 鏡越しなのになんというか、オーラが凄い。のじゃロリ女神様、これはやり過ぎだろう。感謝したほうが良いのかな!? いや、あの女神の事だから、俺に男をあてがって性別上は男と女だけど、心のBL展開に俺がもだえるところを笑いたいのだと推測する。

 礼は言わんぞ。

 チャモ爺さんが慣れた手つきで、俺のつやつやの黒髪を上手にまとめて、左右二つのお団子にしリボンを結ぶ。やはりゲームどおり強制的にこの髪型にされてしまうんだな。

 お!? 装備できてる。やはりそうか。しかもゲームと違って、ステータスの状態異常アイコンが無効を示す緑色に全て変化している。これはわかりやすくていいな。

「お爺さん、本当にありがとうございました」

「いやいや、わしも久しぶりに話し相手に恵まれて楽しかったぞい。それにその髪型をしたルイさんは、婆さんの若い頃にうり二つじゃ。受け取ってもらえて本当に良かった」

 チャモ爺さんが涙ぐんでいらっしゃる。

「それじゃあ、はそろそろ行きます。また必ず遊びに来ますね」

「おお、また来ておくれ」




 チャモ爺さんと別れた俺は、村の食堂で名物だという串焼きを食べた。ジューシーな肉汁が一噛みごとに口の中にあふれだす絶品だった。名物になるのも納得の味だ。

 パンとスープが付いてきてこのお値段なら何度でも食べたくなる。この世界がメシマズの世界じゃなくて本当に良かった。

 弁当と水袋を買ってから道具屋に行きポーションを一つ買った。そして第三の村『ナイヤチ』のすぐそばにある『チクリン』ダンジョンをめざす。

 この世界はゲームそのままにインベントリでアイテム管理ができるようだ。アイテムを沢山持ち運びできるのですごく便利だ。

 ちなみに支払いは現金ではなく、現代の電子決済のような謎システムの魔道具決済だ。通貨単位は『シグ』。なぜか持ってた200シグが残り10シグになってしまったので、このままでは野宿確定だな。

 無事にダンジョンに到着した。『チクリン』ダンジョンは一度入ったら、二度と再入場できなくなる、一回限りのダンジョンだ。最強を目指すなら必ず低レベルの内にここをクリアしなければならない。レベル1は理想的だ。

 この世界で初めてダンジョンに入る。ドキドキがハンパない。興奮しすぎて鼻血が出そうだ。

 ダンジョンに入った! 

 その瞬間、独特の浮遊感をあじわった。ワープしているのだろうか?

 いよいよバトルだ。

 ここはさして広くないワンフロアの、竹林がモチーフのダンジョンだ。いた! 運竹魔うんちくまだ!  運竹魔はムキムキの見た目に反して魔法使いタイプのステータス構成になっている。

 サーチしたら即座に接近してデストロイだ!

 うおおぉぉぉ! 速攻で殴りに行く俺に対して運竹魔うんちくまが『マヒの葉』で攻撃してきた。俺には効かん! その為の『チャイナリボン』だ! よし! 肉薄した! ひたすら殴る!!

 ガンッ! ガッ! 

 レベル差が有りすぎて与えるダメージが2か3しかない! 今度は運竹魔が『毒の葉』で攻撃してきた! だが効かん! くらえ! ボグゥッ! ガンッ!

「毒には毒と猛毒がある」

 攻撃の合間に運竹魔うんちくまが毒の蘊蓄うんちくを語りだしてきた。バトルについての様々なうんちくを語り出すのは、こいつらのデフォルトだ。俺はゲーム時代に何度も聞いているからムシだ!

 ガッ! ドゴッ! 殴る! 殴る! 殴る!

 運竹魔が『死の葉』で攻撃してきた!
 
 うお! さすがに怖い! でも即死攻撃も無効だ!

 殴る!  殴る! オラオラオラオラおらぁ!!

 カシャーン!

 硬質なガラスが繊細に砕けるような澄んだ音をたてて、運竹魔が光のエフェクトと共に消えていった。

 勝った!  トドメは『オラオラ』だったな。まあ気分で言っているだけでそんな技は無いんだけど。

 予定通り運竹魔が確定ドロップしたので『運のタケノコ』を手に入れた。これこそがこのダンジョンに来た目的だ。

 それにしてもレベル差が10近くあったから、子どものケンカのような決め手を欠く戦いだったな。めっちゃ疲れた。どれステータスを見てみよう。

 お! レベルが一気に4も上がっている。

 ステータスも大分あがったな。女モンクだとレベルが1上がるごとに、力が3~5、体力が4~5、素早さが3~4、器用が2~3、知性が1、精神が1上がる。振れ幅があって、どの数字が出るかは完全にプレーヤーの運次第だ。

 だが、ステータスの運を上げると、1上げるごとに最低値が出る可能性が1割減る。1レベルアップ時に、例えば力の上げ幅が3~5の場合、運を10まで上げると3が出なくなり4か5しか出なくなる。更に運を20まで上げると5しか出なくなる。
 
 しかし、運は初期値よりレベルアップでは自動では上がらない。運を上げることができるのは、1レベル上がるごとに1もらえる、フリーの1ステータスポイントを自分で振り分けるしかない。

 そしてゲーム全体での総数は少ないが、アイテムでも上がる。『運の種』が運1アップ、ここでしかドロップしない、運のタケノコが運5アップだ。

 できるだけ低レベルで運を20まで引き上げ、以降のレベルアップ時にそれぞれのジョブのステータスアップ値の最高値が出続けるようにするのが最強育成の必須手順なのだ。

 というわけで運のタケノコの実食だ!

 このまま喰えるのか? 毒無効があるから多分大丈夫だろう。バリバリと野性的に食ってやったぜ。採れたて新鮮だからか、アクもなくけっこう美味いな。おっと、手に入れたステータスポイントも忘れずに運に4振らないとな。

 2体目以降はレベル差がどんどん縮まり戦闘が楽になっていった。運竹魔うんちくまは様々な状態異常攻撃とうんちくをばらまいてきたが、俺には効かんし、聞かん!

 ひたすら殴る! 殴る! 殴る!

 タケノコをもう一本食って、殴る!

「オラオラオラオラ!」



 こうして初めてのダンジョンでタケノコを刈り尽くした俺は、笑顔でナイヤチ村への帰路についた。 
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

神様から転生スキルとして鑑定能力とリペア能力を授けられた理由

瀬乃一空
ファンタジー
普通の闇バイトだと思って気軽に応募したところ俺は某国の傭兵部隊に入れられた。しかし、ちょっとした俺のミスから呆気なく仲間7人とともに爆死。気が付くと目の前に神様が……。 神様は俺を異世界転生させる代わりに「罪業の柩」なるものを探すよう命じる。鑑定スキルや修復スキル、イケメン、その他を与えられることを条件に取りあえず承諾したものの、どうしたらよいか分からず、転生した途端、途方にくれるエルン。

レベルアップは異世界がおすすめ!

まったりー
ファンタジー
レベルの上がらない世界にダンジョンが出現し、誰もが装備や技術を鍛えて攻略していました。 そんな中、異世界ではレベルが上がることを記憶で知っていた主人公は、手芸スキルと言う生産スキルで異世界に行ける手段を作り、自分たちだけレベルを上げてダンジョンに挑むお話です。

高校生の俺、異世界転移していきなり追放されるが、じつは最強魔法使い。可愛い看板娘がいる宿屋に拾われたのでもう戻りません

下昴しん
ファンタジー
高校生のタクトは部活帰りに突然異世界へ転移してしまう。 横柄な態度の王から、魔法使いはいらんわ、城から出ていけと言われ、いきなり無職になったタクト。 偶然会った宿屋の店長トロに仕事をもらい、看板娘のマロンと一緒に宿と食堂を手伝うことに。 すると突然、客の兵士が暴れだし宿はメチャクチャになる。 兵士に殴り飛ばされるトロとマロン。 この世界の魔法は、生活で利用する程度の威力しかなく、とても弱い。 しかし──タクトの魔法は人並み外れて、無法者も脳筋男もひれ伏すほど強かった。

趣味で人助けをしていたギルマス、気付いたら愛の重い最強メンバーに囲まれていた

歩く魚
ファンタジー
働きたくない元社畜、異世界で見つけた最適解は――「助成金で生きる」ことだった。 剣と魔法の世界に転生したシンは、冒険者として下積みを積み、ついに夢を叶える。 それは、国家公認の助成金付き制度――ギルド経営によって、働かずに暮らすこと。 そして、その傍で自らの歪んだ性癖を満たすため、誰に頼まれたわけでもない人助けを続けていたがーー 「ご命令と解釈しました、シン様」 「……あなたの命、私に預けてくれるんでしょ?」 次第にギルドには、主人公に執着するメンバーたちが集まり始め、気がつけばギルドは、愛の重い最強集団になっていた。

異世界あるある 転生物語  たった一つのスキルで無双する!え?【土魔法】じゃなくって【土】スキル?

よっしぃ
ファンタジー
農民が土魔法を使って何が悪い?異世界あるある?前世の謎知識で無双する! 土砂 剛史(どしゃ つよし)24歳、独身。自宅のパソコンでネットをしていた所、突然轟音がしたと思うと窓が破壊され何かがぶつかってきた。 自宅付近で高所作業車が電線付近を作業中、トラックが高所作業車に突っ込み運悪く剛史の部屋に高所作業車のアームの先端がぶつかり、そのまま窓から剛史に一直線。 『あ、やべ!』 そして・・・・ 【あれ?ここは何処だ?】 気が付けば真っ白な世界。 気を失ったのか?だがなんか聞こえた気がしたんだが何だったんだ? ・・・・ ・・・ ・・ ・ 【ふう・・・・何とか間に合ったか。たった一つのスキルか・・・・しかもあ奴の元の名からすれば土関連になりそうじゃが。済まぬが異世界あるあるのチートはない。】 こうして剛史は新た生を異世界で受けた。 そして何も思い出す事なく10歳に。 そしてこの世界は10歳でスキルを確認する。 スキルによって一生が決まるからだ。 最低1、最高でも10。平均すると概ね5。 そんな中剛史はたった1しかスキルがなかった。 しかも土木魔法と揶揄される【土魔法】のみ、と思い込んでいたが【土魔法】ですらない【土】スキルと言う謎スキルだった。 そんな中頑張って開拓を手伝っていたらどうやら領主の意に添わなかったようで ゴウツク領主によって領地を追放されてしまう。 追放先でも土魔法は土木魔法とバカにされる。 だがここで剛史は前世の記憶を徐々に取り戻す。 『土魔法を土木魔法ってバカにすんなよ?異世界あるあるな前世の謎知識で無双する!』 不屈の精神で土魔法を極めていく剛史。 そしてそんな剛史に同じような境遇の人々が集い、やがて大きなうねりとなってこの世界を席巻していく。 その中には同じく一つスキルしか得られず、公爵家や侯爵家を追放された令嬢も。 前世の記憶を活用しつつ、やがて土木魔法と揶揄されていた土魔法を世界一のスキルに押し上げていく。 但し剛史のスキルは【土魔法】ですらない【土】スキル。 転生時にチートはなかったと思われたが、努力の末にチートと言われるほどスキルを活用していく事になる。 これは所持スキルの少なさから世間から見放された人々が集い、ギルド『ワンチャンス』を結成、努力の末に世界一と言われる事となる物語・・・・だよな? 何故か追放された公爵令嬢や他の貴族の令嬢が集まってくるんだが? 俺は農家の4男だぞ?

転生したら領主の息子だったので快適な暮らしのために知識チートを実践しました

SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
不摂生が祟ったのか浴槽で溺死したブラック企業務めの社畜は、ステップド騎士家の長男エルに転生する。 不便な異世界で生活環境を改善するためにエルは知恵を絞る。 14万文字執筆済み。2025年8月25日~9月30日まで毎日7:10、12:10の一日二回更新。

迷宮に捨てられた俺、魔導ガチャを駆使して世界最強の大賢者へと至る〜

サイダーボウイ
ファンタジー
アスター王国ハワード伯爵家の次男ルイス・ハワードは、10歳の【魔力固定の儀】において魔法適性ゼロを言い渡され、実家を追放されてしまう。 父親の命令により、生還率が恐ろしく低い迷宮へと廃棄されたルイスは、そこで魔獣に襲われて絶体絶命のピンチに陥る。 そんなルイスの危機を救ってくれたのが、400年の時を生きる魔女エメラルドであった。 彼女が操るのは、ルイスがこれまでに目にしたことのない未発見の魔法。 その煌めく魔法の数々を目撃したルイスは、深い感動を覚える。 「今の自分が悔しいなら、生まれ変わるしかないよ」 そう告げるエメラルドのもとで、ルイスは努力によって人生を劇的に変化させていくことになる。 これは、未発見魔法の列挙に挑んだ少年が、仲間たちとの出会いを通じて成長し、やがて世界の命運を動かす最強の大賢者へと至る物語である。

外れスキルは、レベル1!~異世界転生したのに、外れスキルでした!

武蔵野純平
ファンタジー
異世界転生したユウトは、十三歳になり成人の儀式を受け神様からスキルを授かった。 しかし、授かったスキルは『レベル1』という聞いたこともないスキルだった。 『ハズレスキルだ!』 同世代の仲間からバカにされるが、ユウトが冒険者として活動を始めると『レベル1』はとんでもないチートスキルだった。ユウトは仲間と一緒にダンジョンを探索し成り上がっていく。 そんなユウトたちに一人の少女た頼み事をする。『お父さんを助けて!』

処理中です...