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第一部 美少女モンクと死霊魔王
第11話 救世主伝説
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前回ホウツイの街に向かった時と同じく、荷馬車の持ち主の商人夫婦と護衛の冒険者のおっさん二人組、そして村からの護送依頼を請け負った俺とエリーは、積荷であるカエルへと変化した野盗団と、麻痺した首領ザーコイを乗せて、街に向かって進んでゆく。
「いや~! それにしてもルイちゃんとエリーちゃんは、めちゃくちゃ強かったんだな。俺とこいつの二人きりじゃ太刀打ち出来ない、あの赤蛇団をあっという間に制圧したんだからなぁ」
おっ! 俺達の事が褒められている!
ここはエリーを最大限に持ち上げておこう!
エリーは前のパーティーでの扱いが悪かったせいで、自己評価がめっちゃ低いからな。俺はパーティーメンバーの事は褒めてのばす方針でいくぞ!
「いや、おじさん達、本当に凄いのはエリーだよ! 見てたでしょ? エリーがあの魅惑の美声で歌うと、凶悪な野盗団の連中が次々とカエルに変わっていく様子を!」
「おおっ!! そうだったな。あれは凄かったぜ、まるでお伽話に出てくる魔女様のようだったぜ!」
そう、実際にエリーは凄いのである。このイベントの推奨レベルは4人パーティーで、全員のレベルが20以上。あの野盗共は4~5人でグループを作り、連続戦闘8回にも及ぶ激闘イベントなのだ。本来なら。
それがエリーの歌で、ゲコゲコとカエルを量産していき、全く危なげなく勝利できた。前世では誰も使ったという動画が流れていない為、公式のデータにのみ存在するであろう『かえるの歌』は、序盤で手に入るにもかかわらず、破格のスキルだったようだ。
「でしょ~!? おじさん達、もっともっとエリーを褒めてあげてよ」
「そうだな! エリーちゃんは凄い! 信じられないような事をやってのけたんだ! よっし、これからはエリーちゃんの事を『魅惑の魔女』と呼ぼう!」
「や、やめてください! 魅惑の魔女だなんて······」
「ん~? 気に入らなかったか? じゃあ俺達の村を救ってくれた救世主だ! ナイヤチ村の救世主エリー!」
「も、もっとだめです! やめてください! 救世主だなんて······」
「いいじゃないか! かっこいいぞ! 救世主エリー!」
俺がからかい気味に言うと、エリーがむくれて反撃してきた。
「ルイちゃん、そういう事を言うんだったら私にも考えがあります。······天使、そう、私の、守護天使ルイ!」
げぇ!
なんだその二つ名は!
恥ずいぞ!
「ごめんエリー、お互いにやめよう」
「そうでしょ? やめましょうね。こういう呼び名は恥ずかしいです」
「······守護天使。可愛らしくて、力強いルイちゃんにピッタリじゃないか」
「それな! 俺、二人のファンになっちまったよ」
「だな。俺はルイちゃん推しだな」
「俺はエリーちゃんだな。あの声がたまらん」
冒険者のおっさん達がぼそぼそと話し合ってるのが聞こえてきた。やめてよね、ほんと。
そんな事がありつつも、無事にホウツイの街に着いた俺達は、冒険者ギルドへと向かう。ギルドのカウンターでおっさん二人組が力説し始めた。
「こいつを見てくれ! ナイヤチ村を襲ってきた赤蛇団の首領ザーコイだ! こいつを含め野盗団の全員をそこにいるモンクのルイと吟遊詩人エリーが全員捕縛した! ギルドとしての査定を頼む」
「そ、それは凄いですね。あの厄介な赤蛇団を捕縛するなんて······残りの団員はどこにいるんですか?」
受付のお姉さんがキョロキョロと周囲を探し始めたので、俺はカエル入りの虫かごをカウンターの上に置いた。
「ひぃ! 大量のカエル!······こほん、失礼しました。これは?」
「エリーのスキルでカエルになった野盗達だよ。『乙女のチッス』を使えば元の人間に戻るから、逃げ出さないように、牢屋の中で復活させる事をお勧めします」
「なるほど。一応、先に一人だけ確かめさせて下さい」
そう言って受付のお姉さんがチリンチリンとベルを鳴らすと男性職員がやってきて、お姉さんから指示を受けた後、カエルを一匹つまんで奥へと消えて行った。
しばらくしてから戻って来た男性職員は、本当だったと言って、虫かごを持ってもう一度奥へと消えていった。
「それでは33人分の報奨金が出ますのでお受取りください。今回の野盗団の事でお二人のランクも上がります」
おお~!
ランクとお金!
良いね!
経験値にはならなかったけど、十分な見返りがあったね。
「あいつらってこの間のモンクと吟遊詩人の二人じゃないのか?」
「あんな奴らが本当にあの赤蛇のザーコイを捕らえたのか?」
周りがざわざわしてきた。
「この二人が赤蛇団を全員捕縛するところを俺達がこの目で見た! 我が村の救世主エリーと守護天使ルイに難癖をつける事は俺達が許さんぞ!」
「おい、あの二人組はナイヤチのマーとソコだぞ、あいつらが見たっていうんなら確かなんだろう······」
おっさん二人組の大喝を受けて、ひそひそと小声で話しているのが聞こえてきた。意外な事に、おっさん達は冒険者達から一目置かれているようだ。
それにしても、まさかここで救世主だの守護天使だのと言い出し始めるとは······それを言っちゃあおしまいよ。
恥ずかしいから、とことん無視してさっさとずらかろう。
――――――――――――――――――――――――――――
救世主エリー伝説 ・ 爆誕☆
お供その1 守護天使ルイ
「いや~! それにしてもルイちゃんとエリーちゃんは、めちゃくちゃ強かったんだな。俺とこいつの二人きりじゃ太刀打ち出来ない、あの赤蛇団をあっという間に制圧したんだからなぁ」
おっ! 俺達の事が褒められている!
ここはエリーを最大限に持ち上げておこう!
エリーは前のパーティーでの扱いが悪かったせいで、自己評価がめっちゃ低いからな。俺はパーティーメンバーの事は褒めてのばす方針でいくぞ!
「いや、おじさん達、本当に凄いのはエリーだよ! 見てたでしょ? エリーがあの魅惑の美声で歌うと、凶悪な野盗団の連中が次々とカエルに変わっていく様子を!」
「おおっ!! そうだったな。あれは凄かったぜ、まるでお伽話に出てくる魔女様のようだったぜ!」
そう、実際にエリーは凄いのである。このイベントの推奨レベルは4人パーティーで、全員のレベルが20以上。あの野盗共は4~5人でグループを作り、連続戦闘8回にも及ぶ激闘イベントなのだ。本来なら。
それがエリーの歌で、ゲコゲコとカエルを量産していき、全く危なげなく勝利できた。前世では誰も使ったという動画が流れていない為、公式のデータにのみ存在するであろう『かえるの歌』は、序盤で手に入るにもかかわらず、破格のスキルだったようだ。
「でしょ~!? おじさん達、もっともっとエリーを褒めてあげてよ」
「そうだな! エリーちゃんは凄い! 信じられないような事をやってのけたんだ! よっし、これからはエリーちゃんの事を『魅惑の魔女』と呼ぼう!」
「や、やめてください! 魅惑の魔女だなんて······」
「ん~? 気に入らなかったか? じゃあ俺達の村を救ってくれた救世主だ! ナイヤチ村の救世主エリー!」
「も、もっとだめです! やめてください! 救世主だなんて······」
「いいじゃないか! かっこいいぞ! 救世主エリー!」
俺がからかい気味に言うと、エリーがむくれて反撃してきた。
「ルイちゃん、そういう事を言うんだったら私にも考えがあります。······天使、そう、私の、守護天使ルイ!」
げぇ!
なんだその二つ名は!
恥ずいぞ!
「ごめんエリー、お互いにやめよう」
「そうでしょ? やめましょうね。こういう呼び名は恥ずかしいです」
「······守護天使。可愛らしくて、力強いルイちゃんにピッタリじゃないか」
「それな! 俺、二人のファンになっちまったよ」
「だな。俺はルイちゃん推しだな」
「俺はエリーちゃんだな。あの声がたまらん」
冒険者のおっさん達がぼそぼそと話し合ってるのが聞こえてきた。やめてよね、ほんと。
そんな事がありつつも、無事にホウツイの街に着いた俺達は、冒険者ギルドへと向かう。ギルドのカウンターでおっさん二人組が力説し始めた。
「こいつを見てくれ! ナイヤチ村を襲ってきた赤蛇団の首領ザーコイだ! こいつを含め野盗団の全員をそこにいるモンクのルイと吟遊詩人エリーが全員捕縛した! ギルドとしての査定を頼む」
「そ、それは凄いですね。あの厄介な赤蛇団を捕縛するなんて······残りの団員はどこにいるんですか?」
受付のお姉さんがキョロキョロと周囲を探し始めたので、俺はカエル入りの虫かごをカウンターの上に置いた。
「ひぃ! 大量のカエル!······こほん、失礼しました。これは?」
「エリーのスキルでカエルになった野盗達だよ。『乙女のチッス』を使えば元の人間に戻るから、逃げ出さないように、牢屋の中で復活させる事をお勧めします」
「なるほど。一応、先に一人だけ確かめさせて下さい」
そう言って受付のお姉さんがチリンチリンとベルを鳴らすと男性職員がやってきて、お姉さんから指示を受けた後、カエルを一匹つまんで奥へと消えて行った。
しばらくしてから戻って来た男性職員は、本当だったと言って、虫かごを持ってもう一度奥へと消えていった。
「それでは33人分の報奨金が出ますのでお受取りください。今回の野盗団の事でお二人のランクも上がります」
おお~!
ランクとお金!
良いね!
経験値にはならなかったけど、十分な見返りがあったね。
「あいつらってこの間のモンクと吟遊詩人の二人じゃないのか?」
「あんな奴らが本当にあの赤蛇のザーコイを捕らえたのか?」
周りがざわざわしてきた。
「この二人が赤蛇団を全員捕縛するところを俺達がこの目で見た! 我が村の救世主エリーと守護天使ルイに難癖をつける事は俺達が許さんぞ!」
「おい、あの二人組はナイヤチのマーとソコだぞ、あいつらが見たっていうんなら確かなんだろう······」
おっさん二人組の大喝を受けて、ひそひそと小声で話しているのが聞こえてきた。意外な事に、おっさん達は冒険者達から一目置かれているようだ。
それにしても、まさかここで救世主だの守護天使だのと言い出し始めるとは······それを言っちゃあおしまいよ。
恥ずかしいから、とことん無視してさっさとずらかろう。
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お供その1 守護天使ルイ
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