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第二部 美少女モンクと新たな魔王
第40話 風の大輝石
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――第一章 浮遊大陸――
「······ま、まさかこの死霊魔王ゴルゴンダがここまで一方的にやられるとは······だが我を相手に苦戦するようでは、お前達に未来などない!」
俺達にボコボコにされて、瀕死の死霊魔王ゴルゴンダが語りかけて来た。
「我は大魔王デスジード様の死天王の一人に過ぎん! ファファファ! 絶望したであろう! しかも! 我は死天王の中でも最弱! ファファファ! この残酷な事実に絶望せよ!」
お前がな。
話は終わりか?
「大魔王デスジード様に栄光あれ!」
急に死霊魔王の身体が黒く光りだしたので、慌ててトドメの一撃をいれる!
「オラぁ!!!」
オーラパンチで光る拳に全力をこめて殴った。
カシャーン!
硬質なガラスが繊細に砕けるような澄んだ音をたてて、死霊魔王が光のエフェクトと共に消えていった。
静寂が地下空間に訪れる。
大輝石の周りの魔法陣と鎖も、いつの間にか死霊魔王と共に消えていた。
『光の戦士達よ』
俺達が互いの健闘を讃えながら喜んでいると、突然頭に声が響いてきた。
破邪の剣とはまったく違う、とても優しい声だ。
『良くぞ死霊魔王を倒してくれました。あの魔法陣によって、世界の源の一つたる私の力が吸い取られ、この浮遊大陸、そして世界は危機に瀕していました』
どうやら大輝石から直接俺達の心に声が届いているようだ。
エリーが驚いた顔で俺を見ている。
うん、ごめん。知ってた。
『風の力を宿す、風の大輝石を解放してくれたあなた達の名前を教えてください。』
風の大輝石に問われて俺達は名乗っていく。
「俺はモンクのルイ!」
「吟遊詩人のエリーです」
「暗黒騎士イーリアス」
「ぷぇ~!」
「ぷぇ!」
「チョコザのチョコとザックね」
『ルイ、エリー、イーリアス、チョコ、ザック。改めて感謝をします。ありがとうございました』
『しかし世界の危機はまだ続いています。何者かがこの世界の根源的な力を宿す、残り三つの大輝石を封じその力を吸い取っているのです』
『水の大輝石は広大な海の底にある海底神殿に。
火の大輝石は火の国のマグマ溢れる火山の中に。
土の大輝石は世界の中心にある洞窟の奥深くに。
それぞれが世界の安定に力を尽していましたが、今はその活動がほとんど止まっています』
『風の大輝石は世界のマナの循環と浄化の役割を果たしています。千年前の邪気の氾濫により、それまで以上の浄化が必要になった為、土の大輝石と協力してズイーブト大陸を浮き上がらせ大陸全体をも使って浄化していました』
『しかし土の大輝石の力が減衰している以上、いずれこの浮遊大陸は地表へと落下してしまいます』
『現状では最も危機に瀕しているのが水の大輝石です。先程までの私以上に浸食され、あまり猶予がありません』
『光の戦士達よ。どうか残り三つの大輝石も救ってください。まだ余力が少ない為わずかですが、風の大輝石の力をあなた達に分け与えます』
暁の光に似た温かな輝きが風の大輝石から発せられた。
『幸運と導きの加護です。この力も使って、どうか世界を崩壊から救ってください』
『この後は地下祭壇に守護結界をはり、力の回復をはかります。光の戦士の道行きに幸あらん事を』
光がやみ、風の大輝石からの声も聴こえなくなった。どうやら話は終わったようだ。
「ルイちゃん! ズイーブト大陸が浮いてるって! それなのに墜落しかけていて、まだまだ危ないって······本当なの!?」
エリーが驚きのままに、俺に大輝石の話の真偽を聞いてきた。
「本当だと思う。俺の空想世界での体験した記憶とも一致している」
「魔王の上に大魔王がいたし······知っていたなら、そういう大事な事は前もって教えて欲しかったな······」
俺が知っている範囲で返答すると、残念そうな声でエリーが呟いた。
「ごめんエリー。突然世界が崩壊するなんて言い出しても中々信じてもらえないだろうし、自分達の肩に世界の命運がかかってるなんて言われたら、プレッシャーで上手く力が発揮できなくなるかと思ってさ」
ネタバレしてしまったら、エリーの『光の戦士物語』のお楽しみが減ってしまうんじゃないか、という思いがあって黙っていたという側面もあったんだけど、これは内緒にしておこう。
怒られそうだ。
なんとなくエリーを丸め込めたようなので、これからの話をしよう。
「皆······それぞれ考えや言いたいことが色々と有るかもしれないけど、ひとまずゴジョオンの街まで帰ろう。流石に疲れた。お風呂に入って早く寝たい」
「む、そうだな。アンデッド共を一万体も倒したのだからな。私も疲れたぞ。帰ろう」
「そうですね。死霊魔王ゴルゴンダを倒した報告をした方が良いでしょうし、ゴジョオンに戻りましょう」
俺の提案にイーリアス、エリーが賛成してくれたので早く戻ろう。
「チョコ、ザック疲れているところ悪いけど、帰り道も乗せて行ってもらえるか?」
「「ぷぇ~!!」」
チョコもザックもまだまだ元気いっぱいみたいだ。野生のチョコザのタフさは素晴らしいな。
問題なく前線基地の街ゴジョオンまで帰り着いた俺達は、城壁内に入るとゴジョオンの兵士、冒険者達から大歓迎を受けた。
「聖女エリー様! 空飛ぶチョコザに乗っての天空からの光輝く奇蹟! 我々一同は、しかとこの目に焼き付けました! アンデッドの討伐お疲れ様でした! ところでアンデッドが全て消えた後に、聖女パーティーの皆さんのお姿が見えませんでしたが、どうかなさいましたか?」
守備兵の隊長が労いの言葉をかけてくれた。それに対して、エリーが苦い顔をしつつ答える。
「皆さんも城壁の守備お疲れ様でした。私達のパーティーはロングブリッジのアンデッド討伐の後、魔王城へと突入しました。そして死霊魔王ゴルゴンダの討伐に成功しました」
「おおっ! なんと!」
「魔王まで討伐してくださっていたとは······」
守備隊長をはじめ、そこに居合わせた皆さんが感動で咽び泣いている。だが無情にもエリーの報告は続いた。
「しかし······死霊魔王ゴルゴンダは大魔王デスジードの死天王の一人にすぎませんでした。しかも死天王の中では最弱、と自ら言っておりましたので、少なくとも後四人は死霊魔王以上の存在がいるという事になります」
「なんという事だ······」
「魔王軍の脅威は未だ健在です。マリンバード王国への報告をお願いします。それでは私達はこれで失礼します」
エリーの報告が終わり、宿の方へ進もうとするとカサンドラが声をかけてきた。
「リア! 皆さん! 無事で良かった······」
「母上! 母上こそご無事で何よりです! 返す刀で憎き死霊魔王まで討ち取ってまいりました! 一万体のアンデッドのドロップ品も大量です。後で整理して皆で分けましょう!」
カサンドラとも再会し、皆で昨日泊まった宿屋へと向かった。早く風呂に入って寝たい。
――――――――――――――――――――――――――――
手に入れたアイテム(一万体のアンデッドのドロップ+死霊魔王城の宝箱)
古代の歯車、アルテミスのたてごと、ビキニアーマー、アブナイ水着、風雷神の胸当て、各種聖銀装備、ルーンの鐘、精神注入棒、各種手裏剣、各種巻物、ミラーリング、素早さの腕輪、力の腕輪、各種大量のステータスの種、極北の風、ボムムの右腕、雷神の怒り、地神の怒り、オーロラカーテン、ブラックホール、エリクシル、エクストラポーション、エクストラマナポーション、不死鳥の尾、万能薬、竜のキバ、亀の甲羅、ダークマター、他多数)
第二部もよろしくお願いいたしますm(_ _)m
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「オラぁ!!!」
オーラパンチで光る拳に全力をこめて殴った。
カシャーン!
硬質なガラスが繊細に砕けるような澄んだ音をたてて、死霊魔王が光のエフェクトと共に消えていった。
静寂が地下空間に訪れる。
大輝石の周りの魔法陣と鎖も、いつの間にか死霊魔王と共に消えていた。
『光の戦士達よ』
俺達が互いの健闘を讃えながら喜んでいると、突然頭に声が響いてきた。
破邪の剣とはまったく違う、とても優しい声だ。
『良くぞ死霊魔王を倒してくれました。あの魔法陣によって、世界の源の一つたる私の力が吸い取られ、この浮遊大陸、そして世界は危機に瀕していました』
どうやら大輝石から直接俺達の心に声が届いているようだ。
エリーが驚いた顔で俺を見ている。
うん、ごめん。知ってた。
『風の力を宿す、風の大輝石を解放してくれたあなた達の名前を教えてください。』
風の大輝石に問われて俺達は名乗っていく。
「俺はモンクのルイ!」
「吟遊詩人のエリーです」
「暗黒騎士イーリアス」
「ぷぇ~!」
「ぷぇ!」
「チョコザのチョコとザックね」
『ルイ、エリー、イーリアス、チョコ、ザック。改めて感謝をします。ありがとうございました』
『しかし世界の危機はまだ続いています。何者かがこの世界の根源的な力を宿す、残り三つの大輝石を封じその力を吸い取っているのです』
『水の大輝石は広大な海の底にある海底神殿に。
火の大輝石は火の国のマグマ溢れる火山の中に。
土の大輝石は世界の中心にある洞窟の奥深くに。
それぞれが世界の安定に力を尽していましたが、今はその活動がほとんど止まっています』
『風の大輝石は世界のマナの循環と浄化の役割を果たしています。千年前の邪気の氾濫により、それまで以上の浄化が必要になった為、土の大輝石と協力してズイーブト大陸を浮き上がらせ大陸全体をも使って浄化していました』
『しかし土の大輝石の力が減衰している以上、いずれこの浮遊大陸は地表へと落下してしまいます』
『現状では最も危機に瀕しているのが水の大輝石です。先程までの私以上に浸食され、あまり猶予がありません』
『光の戦士達よ。どうか残り三つの大輝石も救ってください。まだ余力が少ない為わずかですが、風の大輝石の力をあなた達に分け与えます』
暁の光に似た温かな輝きが風の大輝石から発せられた。
『幸運と導きの加護です。この力も使って、どうか世界を崩壊から救ってください』
『この後は地下祭壇に守護結界をはり、力の回復をはかります。光の戦士の道行きに幸あらん事を』
光がやみ、風の大輝石からの声も聴こえなくなった。どうやら話は終わったようだ。
「ルイちゃん! ズイーブト大陸が浮いてるって! それなのに墜落しかけていて、まだまだ危ないって······本当なの!?」
エリーが驚きのままに、俺に大輝石の話の真偽を聞いてきた。
「本当だと思う。俺の空想世界での体験した記憶とも一致している」
「魔王の上に大魔王がいたし······知っていたなら、そういう大事な事は前もって教えて欲しかったな······」
俺が知っている範囲で返答すると、残念そうな声でエリーが呟いた。
「ごめんエリー。突然世界が崩壊するなんて言い出しても中々信じてもらえないだろうし、自分達の肩に世界の命運がかかってるなんて言われたら、プレッシャーで上手く力が発揮できなくなるかと思ってさ」
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守備兵の隊長が労いの言葉をかけてくれた。それに対して、エリーが苦い顔をしつつ答える。
「皆さんも城壁の守備お疲れ様でした。私達のパーティーはロングブリッジのアンデッド討伐の後、魔王城へと突入しました。そして死霊魔王ゴルゴンダの討伐に成功しました」
「おおっ! なんと!」
「魔王まで討伐してくださっていたとは······」
守備隊長をはじめ、そこに居合わせた皆さんが感動で咽び泣いている。だが無情にもエリーの報告は続いた。
「しかし······死霊魔王ゴルゴンダは大魔王デスジードの死天王の一人にすぎませんでした。しかも死天王の中では最弱、と自ら言っておりましたので、少なくとも後四人は死霊魔王以上の存在がいるという事になります」
「なんという事だ······」
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エリーの報告が終わり、宿の方へ進もうとするとカサンドラが声をかけてきた。
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カサンドラとも再会し、皆で昨日泊まった宿屋へと向かった。早く風呂に入って寝たい。
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