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第二部 美少女モンクと新たな魔王
第52話 進化の泉
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無事に転職を果たした俺達は飛空艇ミューズ号で東へと進む。
山岳地帯を越え、途中の海で迎えたご来光は、群青色から徐々に世界が色づいていき、金色に輝く水面が神々しかった。普通に旅をするだけでも、この世界は見どころ満載で面白いんだろうな。
大輝石の危機を乗り越えたら、悠々自適に旅行三昧というのも良いなぁ。前世ではそんな余裕が時間的にも金銭的にも無かったから、夢物語で終わっていたけれど、この世界では俺達は物凄い大金持ちだ。
お金は更に増えるだろうし、魔王軍さえなんとかすれば時間も沢山あるだろう。気心知れた仲間達との世界旅行。夢では終わらせないぜ!
楽しみになってきたな。
更に東へと飛空艇は進み、草原を過ぎると深い森へとやってきた。歩けば何日かかるかわからない距離を、わずか一日足らずで移動できるというのはとてもありがたい。
この森にチョコザを進化させる事のできる『進化の泉』がある。
森には直接降りられないので、森のはずれの草原でいつもの聖女パーティーとカサンドラを降ろしてもらい、チョコザに跨り森を駆ける。
今回はチョコザの進化を見てみたいという事でカサンドラも同行している。この森はザコモンスターしか出てこないので大丈夫だろう。
鬱蒼と茂った森の獣道を奥へ奥へと進んで行くと、突然ひらけた場所に出た。目的の『進化の泉』だ。
この泉にドボンと落ちると『あなたが落としたチョコザはこのチョコザですか?』と女神様の声がして、進化した姿になってチョコザが泉から上がってくる。
これってゲームだから成り立っていたけど、現実になった世界ではどうなるんだろう。興味があるな。
この『進化の泉』には恐ろしいトラップが仕掛けてある。
チョコザがドボンと泉に入った後、プレイヤーの望む進化先のチョコザでなかった場合は、「貴方が落としたのは○○チョコザですか?」という女神の問いかけに「違います」と答えると、チョコザが再びドボンと沈む。
そして再び別の進化先になってチョコザが顔を出してくるのだ
ああ、自分の望む進化先が出てくるまで何度でもやり直せるんだな、と思い何度でも「違います」と答えてやり直すと、四度目に悲劇がおこる。
繰り返す事3回以内にそのチョコザです。と言わなければ沈んだチョコザは二度と浮かび上がってこない。
永久離脱してしまうのだ。
うっかりその後に、すぐ近くにある悪意マシマシのセーブポイントで「あれ? チョコザはいつ帰ってくるのかな~」などと思いながら、のほほんと取り敢えずセーブなんかしてしまうと、苦労して育てたチョコザとはサラッとお別れしてしまうことになってしまう。
ファンサ5のシナリオ制作者は、欲張ってはいけないという寓話性でももたせたかったのか、当時の数多くの子供達にトラウマを植え付けていった極悪トラップだ。
かく言う俺も、初回は攻略本やサイトを見ないでプレーする派なので、この泉で育てたチョコザを失って泣いてしまった。
因みにこの森の名前は『かえらずの森』という。
名前からしてヤル気満々な森なのだ。
ちらりとチョコとザックの顔を見る。もしここで失ってしまったらと思うと、ぶるりと身震いがした。
どのチョコザに進化したら決定するかは、事前の話し合いで俺に一任されている。責任重大だな。
本能で察知しているのか、俺が何も言わずとも「ぷえ~!」と一声鳴いて、ザックがとことこと『進化の泉』まで歩いていき、ドボンと泉に飛び込んだ。みるみる沈んでいく。
しばらくの間待っていると、ぶくぶくと泉の水が盛り上がり、その真ん中から黒いチョコザがぬっと顔を出した。
おおっ!
黒チョコザだ!
一発目で黒チョコザとは運が良いな!
『お主が落としたチョコザはこのチョコザかの?』
俺の頭に突然女性の声がしてきた。泉の女神様の声なのだろうか。ゲームの時より声が幼い気がする。
パーティーの皆が驚いた顔をしているから皆同じ様に聞こえているのだろう。
「はい。私が落としたチョコザはそのチョコザです」
『うむよかろう。それでは黒のチョコザを受け取るがよい』
「ぷえ~!!」
黒チョコザが一際大きく鳴くと、泉から飛び出して俺の所へ一直線にやってきた。
「ザックだよな?」
「ぷえっ!」
鳴きながら俺に頭を擦り付けてきた。
ザック~! 良かった。
いなくなったらと思うと待ちの時間に心配になったぞ。あ~、色が変わってもザックは可愛いなぁ!
俺が抱きしめていた手を離すと、ザックは皆のところにもそれぞれ挨拶しに行っている。みてみて~っていう感じで、ご機嫌なのが伝わってくるよ。
「ぷえ~!!」
次は自分の番だとばかりに、張り切って一声鳴いたチョコが泉へと向かい、ドボンと飛び込んだ。みるみる沈んでいく。
しばらくの間待っていると、ぶくぶくと泉の水が盛り上がり、その真ん中から灰色チョコザがぬっと顔を出した。
あっ!
灰色かぁ。灰色チョコザは防御力が高いかわりに足が遅いから、チョコザの良さが消えちゃうんだよな。
『お主が落としたチョコザはこのチョコザかの?』
「いいえ、違います」
チョコだとわかっているのに違うと言うのは心が痛む。チョコも哀しげな顔をしている。ご、ごめんな。
ドボンとチョコが再び沈んでいってしまった。
しばらくの間待っていると、ぶくぶくと泉の水が盛り上がり、その真ん中から黃色チョコザがぬっと顔を出した。
あっ!
今度は黃色かぁ。黃色チョコザは鳴き声が「ぷえ~」から「くえ~」に変わるだけなんだよな。実質進化してないんだ。
『お主が落としたチョコザはこのチョコザかの?』
「いいえ、違います」
チョコだとわかっているのに何度も違うと言うのは心が痛む。チョコが怒ったような顔をしている。ご、ごめんな。
ドボンとチョコが再び沈んでいってしまった。
ラストチャンスだ。今度は何に進化しても「はい」と答えなくちゃいけない。空を飛べる黒か、潜水できる青、若しくは戦闘特化の赤こい!
こい! こい! こい!
しばらくの間待っていると、ぶくぶくと泉の水が盛り上がり、その真ん中から光輝く銀色チョコザがぬっと顔を出した。
あっ!
なんだこれ!?
銀色なんか知らないぞ!?
俺が知らないという事は、ひょっとしたら公式のデータブックに載っていた名前以外????になっていた『チョコ・ザ・クイーン』か!?
『お主が落としたチョコザはこのチョコザかの?』
「はい。私が落としたチョコザはそのチョコザです」
『うむよかろう。それでは銀のチョコザを受け取るがよい。真面目に生きるのじゃぞ』
「ぷえ~!!」
銀チョコザが一際大きく鳴くと、泉から飛び出して俺の所へ一直線にやってきた。
チョコ~!
お前も色が変わっても可愛いなぁ!
「いて! ごめんごめん、突っつくなって! ごめんって! 痛い痛い!」
ふんっ! という表情でエリーの元へ行ってしまった。
し、仕方無かったんだよ。ごめんな。
「あら~。チョコ可哀想に。ルイちゃんの事が嫌いになっちゃった? ルイちゃんもチョコだってちゃんとわかってたから許してあげてね?」
チョコがエリーにこれでもかと甘えている。
俺も悪気があった訳じゃないんだよ······
後でチヨコの実を沢山あげて仲直りしよう。仲直り、できるよね!?
それにしても泉の女神様の声はどこかで聞いたことがある気がするな。ゲームの中だっけ?
思い出せないから、まあいいや。
進化も終わったから次は一気にレベル上げしなきゃな!
ファンサ名物の○○○狩りだ!
山岳地帯を越え、途中の海で迎えたご来光は、群青色から徐々に世界が色づいていき、金色に輝く水面が神々しかった。普通に旅をするだけでも、この世界は見どころ満載で面白いんだろうな。
大輝石の危機を乗り越えたら、悠々自適に旅行三昧というのも良いなぁ。前世ではそんな余裕が時間的にも金銭的にも無かったから、夢物語で終わっていたけれど、この世界では俺達は物凄い大金持ちだ。
お金は更に増えるだろうし、魔王軍さえなんとかすれば時間も沢山あるだろう。気心知れた仲間達との世界旅行。夢では終わらせないぜ!
楽しみになってきたな。
更に東へと飛空艇は進み、草原を過ぎると深い森へとやってきた。歩けば何日かかるかわからない距離を、わずか一日足らずで移動できるというのはとてもありがたい。
この森にチョコザを進化させる事のできる『進化の泉』がある。
森には直接降りられないので、森のはずれの草原でいつもの聖女パーティーとカサンドラを降ろしてもらい、チョコザに跨り森を駆ける。
今回はチョコザの進化を見てみたいという事でカサンドラも同行している。この森はザコモンスターしか出てこないので大丈夫だろう。
鬱蒼と茂った森の獣道を奥へ奥へと進んで行くと、突然ひらけた場所に出た。目的の『進化の泉』だ。
この泉にドボンと落ちると『あなたが落としたチョコザはこのチョコザですか?』と女神様の声がして、進化した姿になってチョコザが泉から上がってくる。
これってゲームだから成り立っていたけど、現実になった世界ではどうなるんだろう。興味があるな。
この『進化の泉』には恐ろしいトラップが仕掛けてある。
チョコザがドボンと泉に入った後、プレイヤーの望む進化先のチョコザでなかった場合は、「貴方が落としたのは○○チョコザですか?」という女神の問いかけに「違います」と答えると、チョコザが再びドボンと沈む。
そして再び別の進化先になってチョコザが顔を出してくるのだ
ああ、自分の望む進化先が出てくるまで何度でもやり直せるんだな、と思い何度でも「違います」と答えてやり直すと、四度目に悲劇がおこる。
繰り返す事3回以内にそのチョコザです。と言わなければ沈んだチョコザは二度と浮かび上がってこない。
永久離脱してしまうのだ。
うっかりその後に、すぐ近くにある悪意マシマシのセーブポイントで「あれ? チョコザはいつ帰ってくるのかな~」などと思いながら、のほほんと取り敢えずセーブなんかしてしまうと、苦労して育てたチョコザとはサラッとお別れしてしまうことになってしまう。
ファンサ5のシナリオ制作者は、欲張ってはいけないという寓話性でももたせたかったのか、当時の数多くの子供達にトラウマを植え付けていった極悪トラップだ。
かく言う俺も、初回は攻略本やサイトを見ないでプレーする派なので、この泉で育てたチョコザを失って泣いてしまった。
因みにこの森の名前は『かえらずの森』という。
名前からしてヤル気満々な森なのだ。
ちらりとチョコとザックの顔を見る。もしここで失ってしまったらと思うと、ぶるりと身震いがした。
どのチョコザに進化したら決定するかは、事前の話し合いで俺に一任されている。責任重大だな。
本能で察知しているのか、俺が何も言わずとも「ぷえ~!」と一声鳴いて、ザックがとことこと『進化の泉』まで歩いていき、ドボンと泉に飛び込んだ。みるみる沈んでいく。
しばらくの間待っていると、ぶくぶくと泉の水が盛り上がり、その真ん中から黒いチョコザがぬっと顔を出した。
おおっ!
黒チョコザだ!
一発目で黒チョコザとは運が良いな!
『お主が落としたチョコザはこのチョコザかの?』
俺の頭に突然女性の声がしてきた。泉の女神様の声なのだろうか。ゲームの時より声が幼い気がする。
パーティーの皆が驚いた顔をしているから皆同じ様に聞こえているのだろう。
「はい。私が落としたチョコザはそのチョコザです」
『うむよかろう。それでは黒のチョコザを受け取るがよい』
「ぷえ~!!」
黒チョコザが一際大きく鳴くと、泉から飛び出して俺の所へ一直線にやってきた。
「ザックだよな?」
「ぷえっ!」
鳴きながら俺に頭を擦り付けてきた。
ザック~! 良かった。
いなくなったらと思うと待ちの時間に心配になったぞ。あ~、色が変わってもザックは可愛いなぁ!
俺が抱きしめていた手を離すと、ザックは皆のところにもそれぞれ挨拶しに行っている。みてみて~っていう感じで、ご機嫌なのが伝わってくるよ。
「ぷえ~!!」
次は自分の番だとばかりに、張り切って一声鳴いたチョコが泉へと向かい、ドボンと飛び込んだ。みるみる沈んでいく。
しばらくの間待っていると、ぶくぶくと泉の水が盛り上がり、その真ん中から灰色チョコザがぬっと顔を出した。
あっ!
灰色かぁ。灰色チョコザは防御力が高いかわりに足が遅いから、チョコザの良さが消えちゃうんだよな。
『お主が落としたチョコザはこのチョコザかの?』
「いいえ、違います」
チョコだとわかっているのに違うと言うのは心が痛む。チョコも哀しげな顔をしている。ご、ごめんな。
ドボンとチョコが再び沈んでいってしまった。
しばらくの間待っていると、ぶくぶくと泉の水が盛り上がり、その真ん中から黃色チョコザがぬっと顔を出した。
あっ!
今度は黃色かぁ。黃色チョコザは鳴き声が「ぷえ~」から「くえ~」に変わるだけなんだよな。実質進化してないんだ。
『お主が落としたチョコザはこのチョコザかの?』
「いいえ、違います」
チョコだとわかっているのに何度も違うと言うのは心が痛む。チョコが怒ったような顔をしている。ご、ごめんな。
ドボンとチョコが再び沈んでいってしまった。
ラストチャンスだ。今度は何に進化しても「はい」と答えなくちゃいけない。空を飛べる黒か、潜水できる青、若しくは戦闘特化の赤こい!
こい! こい! こい!
しばらくの間待っていると、ぶくぶくと泉の水が盛り上がり、その真ん中から光輝く銀色チョコザがぬっと顔を出した。
あっ!
なんだこれ!?
銀色なんか知らないぞ!?
俺が知らないという事は、ひょっとしたら公式のデータブックに載っていた名前以外????になっていた『チョコ・ザ・クイーン』か!?
『お主が落としたチョコザはこのチョコザかの?』
「はい。私が落としたチョコザはそのチョコザです」
『うむよかろう。それでは銀のチョコザを受け取るがよい。真面目に生きるのじゃぞ』
「ぷえ~!!」
銀チョコザが一際大きく鳴くと、泉から飛び出して俺の所へ一直線にやってきた。
チョコ~!
お前も色が変わっても可愛いなぁ!
「いて! ごめんごめん、突っつくなって! ごめんって! 痛い痛い!」
ふんっ! という表情でエリーの元へ行ってしまった。
し、仕方無かったんだよ。ごめんな。
「あら~。チョコ可哀想に。ルイちゃんの事が嫌いになっちゃった? ルイちゃんもチョコだってちゃんとわかってたから許してあげてね?」
チョコがエリーにこれでもかと甘えている。
俺も悪気があった訳じゃないんだよ······
後でチヨコの実を沢山あげて仲直りしよう。仲直り、できるよね!?
それにしても泉の女神様の声はどこかで聞いたことがある気がするな。ゲームの中だっけ?
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