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魔導学院へ
老紳士
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ガタンガタンと荷馬車に揺られながら、ペースを合わせて走行する二台の荷馬車の上で、ルククさんと私たちの会話は続いていた。
「そうか、ちなみにあんたらはそのことを知って平原渡りを……ってそんなわけないか。だがその馬車はレンタルだろ? 警告はされなかったのか?」
「いえ、盗賊が出るとは聞いていたのですが、私たちは急いでいたので……」
「確かに、迂回するとなると場合によっては何倍も時間がかかりますからな。ですが年寄りから言わせてもらうと、次からは警告には従ったほうがいいですぞ。今回はたまたまうまく行ったようだがいつもうまくいくとは限らない……」
まあわたしの場合はそもそもお馬さんの道案内に従ってただけなんだけどね。でもシグレさんには実はそんな事情があったらしい。
シグレさんは「ご忠告痛み入ります」って答えてるけど、この顔はあまり痛み入ってなさそう。
「ところでお二人は魔導学院を目指しているそうで。ということは急いでいたのは今期の試験に間に合わせるためですかな?」
「はい、そのつもりでしたがそれがなにか?」
「いえいえ、ただ少し懐かしいと思いましてな。わたしも昔はあの学院のお世話になったものだ……」
「えっ、そうなんですか⁉︎ もしかしたら物凄い幸運かもしれませんよ、アカネさん!」
どうやらこの老紳士は元魔導学院の生徒であったらしい。というかシグレさんのこの反応はいったい?
「ルククさん。もしよかったら……なのですが。これも何かの縁と思って、私たちの推薦状に署名をいただけませんか?」
「それはまあ、構わないが……」
「シグレさん、推薦状ってなに?」
「シグレ殿、お主の相方は学院の規定も知らぬのに入学を目指しておるのか?」
「え、そんな言われよう⁉︎」
「アカネさん……説明しますね」
シグレさんに呆れながら補足の説明を聞くと、どうやら魔導学院の入学には「学力テスト」「実技テスト」の他に「学院卒業生からの推薦」が必要になるらしい。必要な署名は一人分でいいらしいけど、この仕組みがあるせいで学院の卒業生はそれだけで一定の権力を持つようになるし、学院によそ者が入学することのハードルも高くなる。まあそのおかげで学院の方はかなり安定した感じで運営できているみたいだけど。
ちなみにシグレさんの計画では街についてからどこかの道場に数日間だけ入門して、勉強もしながら推薦を勝ち取るつもりだったらしい。
「てなわけだ。その調子じゃ推薦状の原紙も用意してないんだろ? 次の街についたらついでにそれも買ってやる。その代わり俺が推薦するんだから、絶対に合格して入学しろよ!」
「さすがルククさん、太っ腹!」
「アカネさん、それでは失礼ですよ……。あ、ルククさん、わたしは原紙を持ってますので、署名をいただいてもいいですか?」
「おうよ、任せな!」
シグレさんの取り出した推薦状にサインを手を伸ばして受け取ったルククさんはさらさらっと署名を記載して、鞄から取り出した判子をペタンと押し付けた。判子からは強い魔力を感じたから多分あれ自体が一種の魔道具なんだと思う。偽造防止とかができるのかな。
というかわざわざ揺れる馬車の上でやらなくても、街についてからでもいい気がするんだけど……。
「そうか、ちなみにあんたらはそのことを知って平原渡りを……ってそんなわけないか。だがその馬車はレンタルだろ? 警告はされなかったのか?」
「いえ、盗賊が出るとは聞いていたのですが、私たちは急いでいたので……」
「確かに、迂回するとなると場合によっては何倍も時間がかかりますからな。ですが年寄りから言わせてもらうと、次からは警告には従ったほうがいいですぞ。今回はたまたまうまく行ったようだがいつもうまくいくとは限らない……」
まあわたしの場合はそもそもお馬さんの道案内に従ってただけなんだけどね。でもシグレさんには実はそんな事情があったらしい。
シグレさんは「ご忠告痛み入ります」って答えてるけど、この顔はあまり痛み入ってなさそう。
「ところでお二人は魔導学院を目指しているそうで。ということは急いでいたのは今期の試験に間に合わせるためですかな?」
「はい、そのつもりでしたがそれがなにか?」
「いえいえ、ただ少し懐かしいと思いましてな。わたしも昔はあの学院のお世話になったものだ……」
「えっ、そうなんですか⁉︎ もしかしたら物凄い幸運かもしれませんよ、アカネさん!」
どうやらこの老紳士は元魔導学院の生徒であったらしい。というかシグレさんのこの反応はいったい?
「ルククさん。もしよかったら……なのですが。これも何かの縁と思って、私たちの推薦状に署名をいただけませんか?」
「それはまあ、構わないが……」
「シグレさん、推薦状ってなに?」
「シグレ殿、お主の相方は学院の規定も知らぬのに入学を目指しておるのか?」
「え、そんな言われよう⁉︎」
「アカネさん……説明しますね」
シグレさんに呆れながら補足の説明を聞くと、どうやら魔導学院の入学には「学力テスト」「実技テスト」の他に「学院卒業生からの推薦」が必要になるらしい。必要な署名は一人分でいいらしいけど、この仕組みがあるせいで学院の卒業生はそれだけで一定の権力を持つようになるし、学院によそ者が入学することのハードルも高くなる。まあそのおかげで学院の方はかなり安定した感じで運営できているみたいだけど。
ちなみにシグレさんの計画では街についてからどこかの道場に数日間だけ入門して、勉強もしながら推薦を勝ち取るつもりだったらしい。
「てなわけだ。その調子じゃ推薦状の原紙も用意してないんだろ? 次の街についたらついでにそれも買ってやる。その代わり俺が推薦するんだから、絶対に合格して入学しろよ!」
「さすがルククさん、太っ腹!」
「アカネさん、それでは失礼ですよ……。あ、ルククさん、わたしは原紙を持ってますので、署名をいただいてもいいですか?」
「おうよ、任せな!」
シグレさんの取り出した推薦状にサインを手を伸ばして受け取ったルククさんはさらさらっと署名を記載して、鞄から取り出した判子をペタンと押し付けた。判子からは強い魔力を感じたから多分あれ自体が一種の魔道具なんだと思う。偽造防止とかができるのかな。
というかわざわざ揺れる馬車の上でやらなくても、街についてからでもいい気がするんだけど……。
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