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「おいおい、お前何匹殺してんだよ」
「ん~100から数えてない!」
「俺のも残しとけよ……なっ! うっし! コレで最後か」
ザシュッと襲いかかってきた最後の1匹を切り捨てるダヤラ。
3珠士達は迫り来る魔物達をモノともせず、森の中を突き進んでいた。
「しっかし便利だよな。聖教会サマのお陰で見つけやすいぜ」
チラリとルルブが持っている道具に目をやるダラヤ。聖教会で使われている聖結界を感知する道具だ。去り際に土産として置いて行ったらしい。
「たしかにね~、早く教えてくれたらよかったのに」
「そこはまぁ何かしら事情があったのでしょうね」
いつものように不満そうに文句を言うナバラをルルブが嗜めた。
「はぁ、もう僕飽きた」
「そんな事を言わないでください。私だって飽きましたよ」
面倒くさそうに溜息を吐くルルブに「へぇ」とナバラが反応した。
と言うのも、ルルブは完璧主義な所があり、こうして弱音を吐くのは珍しいからである。
弱っちい魔物しかいねぇから飽きたのかな~なんて思いながらナバラは呑気にブンブンと大剣を振り回していた。
「おいおい、お二人サンヨォ。そんなだらけていいのか? 準備しろ、攻撃がくるぞ!」
「「え?」」
バッといきなり臨戦態勢を取ったリーダーのダヤラにキョトンとする2人。
何も感じられないからだ。
しかし、長年共に過ごしていた中で2人はダヤラの言う事が正しいのを知っていた。
「上級土精霊・防御!」
グルンとルルブを中心にダヤラとナバラを囲むようにして巨大な石の要塞が出現する。
「上を厳重に塞げ!」
「わかりました」
「それからナバラ、もう一つ防御を張れ」
「はーい。剣風」
ダヤラの指示に従い2人が動く。
ズズズ……と言う音を立てて、要塞の上が動き天井が出現した。
それに重ねて、ナラバが上に向かって大剣をグルグルと振り回す。
次第にナラバの手から離れ、ブゥゥンと唸るそれは、風の魔法が付与されており、上から近づくものを肉薄するモノとなっていた。
「まだだ、コレだけじゃ生き残れねぇ。結晶防御魔法!」
剣風の下に、ピキピキと音を立てて透明な結晶が広がる。その結晶の名前は日本で言うところのダイアモンドだった。それが3人を守るように厚さ1mほどまで膨張する。
「来た‼︎」
ゴゴゴゴゴゴッ!
「うわぁ、本当だったみたいだね」
「コレは……⁉︎」
「余波だけでコレだ。しかもご丁寧に俺達を狙ってきてやがる。着地点も折り込み済みみたいだな。気合い入れろーーーーーーー! あと3秒ほどでぶち当たるぞ!」
その直後、その何かは3人の展開した防御壁にぶち当たった。
ズガァンッ! ゴガガガガガガガガガ……
「うわぁ、私の要塞が壊されました!」
パキィーンッ‼︎
「僕の剣がぁー……壊れた……」
グスグスと泣き出すナバラと、呆然とした顔のルルブ。
「くそがぁぁぁぁぁぁ‼︎」
ガッガガガガガガガガガッ‼︎
2人の様子を見たダヤラが叫ぶ。
「持ち堪えろぉぉぉぉぉぉおーーーーーーー‼︎」
ガガガッ……バキンッ!
そんな願いも虚しく、ダヤラの障壁は崩された。
「ちぃっ!」
舌打ちをしたダヤラは剣を抜き去り、2人を守るように臨戦態勢を取る。が、
「あぁ?」
攻撃は止まっていた。ブワッと3人に風が当たる。
周囲には余波で吹き飛ばされた木々の残骸があるだけ。間一髪で命拾いをしたのだ。
「助かった?」
「みたいですね」
「ふざけてやがる。あの攻撃……何も残ってないってことは遠距離攻撃だ。最後の風からして……空気弾。舐めてんのかぁ⁉︎」
そろりと顔を上げてキョロキョロと見回す2人を置いて、ダヤラは怒り狂っていた。
「こんなんできる奴がいるんだったら俺らはバカにされただけだ‼︎ おもしれぇ、お前ら行くぞ‼︎」
「え、僕剣が無いんだけど……」
「しょうがありません。ダヤラがこうと決めたらテゴでも曲げませんから。ついて行きましょう? ついでに私達が何故生き残れたのかも知りたいですし……」
ズンズンと森の中に入るダヤラと、それを追いかけるナバラの姿を目で追いかけながら、ポツリとルルブは呟いた。
ーーあの魔法私達に届く寸前で消えましたからね……ーー
そして、聖教会からもらった聖結界を感知する魔道具は木っ端微塵になっていたのだった。
「ん~100から数えてない!」
「俺のも残しとけよ……なっ! うっし! コレで最後か」
ザシュッと襲いかかってきた最後の1匹を切り捨てるダヤラ。
3珠士達は迫り来る魔物達をモノともせず、森の中を突き進んでいた。
「しっかし便利だよな。聖教会サマのお陰で見つけやすいぜ」
チラリとルルブが持っている道具に目をやるダラヤ。聖教会で使われている聖結界を感知する道具だ。去り際に土産として置いて行ったらしい。
「たしかにね~、早く教えてくれたらよかったのに」
「そこはまぁ何かしら事情があったのでしょうね」
いつものように不満そうに文句を言うナバラをルルブが嗜めた。
「はぁ、もう僕飽きた」
「そんな事を言わないでください。私だって飽きましたよ」
面倒くさそうに溜息を吐くルルブに「へぇ」とナバラが反応した。
と言うのも、ルルブは完璧主義な所があり、こうして弱音を吐くのは珍しいからである。
弱っちい魔物しかいねぇから飽きたのかな~なんて思いながらナバラは呑気にブンブンと大剣を振り回していた。
「おいおい、お二人サンヨォ。そんなだらけていいのか? 準備しろ、攻撃がくるぞ!」
「「え?」」
バッといきなり臨戦態勢を取ったリーダーのダヤラにキョトンとする2人。
何も感じられないからだ。
しかし、長年共に過ごしていた中で2人はダヤラの言う事が正しいのを知っていた。
「上級土精霊・防御!」
グルンとルルブを中心にダヤラとナバラを囲むようにして巨大な石の要塞が出現する。
「上を厳重に塞げ!」
「わかりました」
「それからナバラ、もう一つ防御を張れ」
「はーい。剣風」
ダヤラの指示に従い2人が動く。
ズズズ……と言う音を立てて、要塞の上が動き天井が出現した。
それに重ねて、ナラバが上に向かって大剣をグルグルと振り回す。
次第にナラバの手から離れ、ブゥゥンと唸るそれは、風の魔法が付与されており、上から近づくものを肉薄するモノとなっていた。
「まだだ、コレだけじゃ生き残れねぇ。結晶防御魔法!」
剣風の下に、ピキピキと音を立てて透明な結晶が広がる。その結晶の名前は日本で言うところのダイアモンドだった。それが3人を守るように厚さ1mほどまで膨張する。
「来た‼︎」
ゴゴゴゴゴゴッ!
「うわぁ、本当だったみたいだね」
「コレは……⁉︎」
「余波だけでコレだ。しかもご丁寧に俺達を狙ってきてやがる。着地点も折り込み済みみたいだな。気合い入れろーーーーーーー! あと3秒ほどでぶち当たるぞ!」
その直後、その何かは3人の展開した防御壁にぶち当たった。
ズガァンッ! ゴガガガガガガガガガ……
「うわぁ、私の要塞が壊されました!」
パキィーンッ‼︎
「僕の剣がぁー……壊れた……」
グスグスと泣き出すナバラと、呆然とした顔のルルブ。
「くそがぁぁぁぁぁぁ‼︎」
ガッガガガガガガガガガッ‼︎
2人の様子を見たダヤラが叫ぶ。
「持ち堪えろぉぉぉぉぉぉおーーーーーーー‼︎」
ガガガッ……バキンッ!
そんな願いも虚しく、ダヤラの障壁は崩された。
「ちぃっ!」
舌打ちをしたダヤラは剣を抜き去り、2人を守るように臨戦態勢を取る。が、
「あぁ?」
攻撃は止まっていた。ブワッと3人に風が当たる。
周囲には余波で吹き飛ばされた木々の残骸があるだけ。間一髪で命拾いをしたのだ。
「助かった?」
「みたいですね」
「ふざけてやがる。あの攻撃……何も残ってないってことは遠距離攻撃だ。最後の風からして……空気弾。舐めてんのかぁ⁉︎」
そろりと顔を上げてキョロキョロと見回す2人を置いて、ダヤラは怒り狂っていた。
「こんなんできる奴がいるんだったら俺らはバカにされただけだ‼︎ おもしれぇ、お前ら行くぞ‼︎」
「え、僕剣が無いんだけど……」
「しょうがありません。ダヤラがこうと決めたらテゴでも曲げませんから。ついて行きましょう? ついでに私達が何故生き残れたのかも知りたいですし……」
ズンズンと森の中に入るダヤラと、それを追いかけるナバラの姿を目で追いかけながら、ポツリとルルブは呟いた。
ーーあの魔法私達に届く寸前で消えましたからね……ーー
そして、聖教会からもらった聖結界を感知する魔道具は木っ端微塵になっていたのだった。
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