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パアッと目の前の魔法陣が輝き、2人の女性が現れる。それを見て、神官服を纏ったグーハは歓喜した。
「これで我が王国の成功は約束された! あの小煩い周辺国も静かになる‼︎」
2人の女性は言い伝えにある通り、この国には無い不思議な素材とデザインの衣服を身につけている。
伝承通りのその姿に流行る気持ちを抑えながら、グーハは2人の意識が戻るのを今か今かと待ち続けていた。
「んん……ここは?」
しばらくして2人の女性の意識が戻ったようで、困惑したように辺りを見回している。聖女達の中には稀に気性が荒い者もいたようだが、今回の召喚では当たりを引いたらしい。ニコリと笑みを作り、2人の聖女に歩み寄る。
「おお、目を覚まされたようですね」
そうすれば、2人がグーハに目を奪われているのが手に取るようにわかった。あちらの世界の基準で言えばこちらの住人達は皆美形になるらしい。2人の様子を見る限り、今も判断基準は変わっていないようで安心した。
これは扱いやすそうだ。
内心ほくそ笑みながら、この世界の事を説明していく。あまり余裕たっぷりに接してしまうと警戒されることがあると書いてあったので、少し気弱な神官を演じた。
「どうぞこちらでお休みください」
事前に伝達魔法で用意させておいた部屋へと案内する。聖女達はグーハの予想通り言われるがままに部屋に入る。
「明日にでも魔王についての事柄と、現状を説明させていただきます」
そう言えば、聖女達はグーハを不安そうに瞳を揺らしながら頷いた。
ははは、魔王なんてこの国の住人でも信じない事なのにな。本当に扱いやすい……そう心の中で思いながらも表面には出さずに笑みを浮かべたまま「それではごゆっくり」と言って扉を閉め、部屋を後にする。
その足で王宮へ向かい今回の成果を報告した。
「聖女は2名召喚できました。少し脅しておいたのですが、それも必要がないぐらい大人しい性格のようです」
そう言って複写魔法で写しておいた聖女2人の姿見を壁に映し出すせば、そこら中で貴族達の「おお!」と言う歓声が聞こえた。
「ふん、よくやった。それで? 聖女達の持ち物は回収したのか?」
ゆっくりと満足気に頷いた王がグーハに今回の召喚で1番重要であろう事柄を聞いてくる。
何故なら聖女の持ち物は全てなんらかの加護がついており、国宝級に値するのだから。
「いえ、まだですが、入浴の際に回収するよう指示しておきました」
「うむ、それが良いだろう。回収したものは全て鑑定にまわしなさい。それから聖女達の能力の鑑定も忘れずにな」
「はい」
満足気な王の姿を視界にとどめながら一礼して部屋から退室する。
古代歴史に残っている聖女達は皆、素晴らしい加護を持っていたと記されている。1番多いのが癒しの加護。近くにいるだけで病が治り、一度加護を発動させればどんな怪我人でも一瞬で元通りになったらしい。
今回はどんな加護なのだろうか? そんな事を考えた後で1人の聖女が脳内に浮かび上がる。
茶色がかった髪色を持つ小柄で可愛らしい聖女。もう1人の黒髪の方は可愛らしいと言うよりは綺麗な顔立ちであったがグーハ的には茶髪の方が好みだった。
服の裾を掴み、涙目で怯えグーハに縋ってくる姿に何度今すぐ攫って自分のものにしようと思ったか……
「あの茶髪の子は役目が終わったら、私が貰うことにしよう」
どうせ聖女は元の世界には帰れない。聖女達の待っている神殿に帰る最中、馬車の中でグーハは満面の笑みを浮かべたのであった。
○○○
一方その頃、グーハに内緒で取り付けていた盗聴器により全てのことを聞いていた私達はニヤニヤと笑いを堪えていた。
「元の世界には帰れないってよ。遠慮しなくていいみたいね」
「だねぇ」
百合は抜け目ない。グーハの服に縋りついたときに、こっそり盗聴器を仕掛けていたのだ。
そして、盗聴器からグーハが百合を嫁にしようとしているのを聞いた瞬間私は大爆笑していた。
「『何度今すぐ攫って自分のものにしようと思ったか……』だって! あははははは‼︎ 百合、モテモテじゃん」
「うるさいわね、まさかあんな変態だとは思っても見なかったわよ」
ブスッとした顔で毒づく百合。ごめんごめんと謝りながら私は盗聴器から流れてくる音声の違和感に首を傾げていた。
何故違和感を感じたのか? それは、王らしき人物が話しているときに、グーハの声が聞こえてきたからだ。それはまるでグーハの心の中の声を聞いているようでーー
「まさか取り付けた相手の心も聞こえるようになったとか?」
思わず頭に浮かんだ可能性をポツリと呟くと、同じく百合もその事を考えていたらしい。ハッと顔を上げて私を見てきた。
そうだ、私達の持ち物には加護がかかっていると言っていたではないか。
「ねぇ、まだ予備の盗聴器あったよね?」
「ええ、あったわよ」
「ちょっと実験してみない?」
「わかったわ」
百合がゴソゴソとズボンのポケットから予備の盗聴器を取り出し私に渡してくる。
「え? これ、私が心読まれる系?」
「当たり前でしょ?」
ニコリと笑顔で凄んでくる百合にピャッとなった私は渋々自身に盗聴器を取り付けた。
「とりあえず、なんか喋りながら内心でグーハの第一印象を考えてみて」
「はーい」
百合がイヤホンを取り付けたのを確認して言われた通り、今私が食べたい物を言いながら心の中でグーハについて考えた。
うーん、イケメンだけど変態? 髪の毛は金髪だったけど私的には銀髪の方がウケがいいと思うなぁ。
「ハンバーグ、ナポリタン、きゅうりの漬物、カレー、百合の手作り料理……」
チラリと百合を見れば、笑いを堪えたような変な顔をしていた。
「……もういいわよ。実験は成功」
イヤホンを外し、静かにそう言った百合は次の瞬間爆笑し始めた。
「あははははは! なによ銀髪の方がウケがいいって! 考えるのそこ⁉︎」
ヒーヒーとお腹を抱えて笑う百合にちょっぴり恥ずかしくなる。どうやら本当に実験は成功のようだ。
百合の笑いが収まった頃合いを見計らって、話し合いを開始した。
「私たちの持ち物全部が国宝級って言ってたよね」
「つまり、あの人達の認識では、この持ち物は全てお宝。そして、すでに自分たちの物って言う認識だったわ」
「私達のものなのに……」
「盗られるのは遠慮したいわね」
他人の物を盗るのは大好きだが、自分たちのものを盗られるのは我慢ならない。それが私達だ。
そして、今回、晴れてこの国の王達は悪い奴らである事が判明した。ならーー
「遠慮はいらない」
「うん、がっぽり稼がせて貰いましょう」
世界は変われど仕事は変わらない。こうして今後の方針が決まったのだった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
【番外編】
「百合、百合の加護はなんだと思う?」
ゴロゴロとベットに寝転んでいた私はガバッと起き上がり、尋ねる。
「ん~? そんなの分かるわけないじゃない」
私のすぐ横にうつ伏せに寝転んでいた百合が面倒くさそうに答える。
「正解はね、"演技"と"ピッキング"と"格闘技"だよ! 後サブで"万能ポケット"がついてた」
「なんでそんな事分かるのよ」
ブスッとしたその声に少し得意気になりながら私は先ほど発見したことを百合に話した。
「私ね、どうやら加護で"鑑定"を貰えたみたいでね。なんか、じいっと自分の手のひら見てたら情報が出てきた」
「へぇ、たしかに柚李の宝石を見分ける腕はいいもんね。そのせいかもしれないわね」
ベットから起き上がり、先程の無気力さが消え興味津々の百合の目は早く私の加護を教えろと言っていた。
「後は"狙撃"と"格闘技"だったよ。サブで"治癒"? って言うのが付いてた」
何故"治癒"なのか疑問に思っていると、百合が納得したように頷いた。
「ああ、そう言うことね。柚李って前に看護師として病院に潜り込んだ時があったでしょ。それが関係してるんじゃない?」
それを言われて成程と手を打つ。たしかに、ある病院に保管されていた諭吉様を頂戴するときに看護師として潜り込んだ経験があったからだ。偽物とは言え、盗みが終わるまで看護師の仕事をしなければならないので、一応勉強をしたのだ。
「すっかり忘れてた」
「そうみたいね。それより鑑定で此処にある家具とかやってみてよ! お金になりそう物は貰っていくわ!」
「ラジャー」
目がギラギラし始めた百合に急かされ、異世界1日目は終わったのだった。
「これで我が王国の成功は約束された! あの小煩い周辺国も静かになる‼︎」
2人の女性は言い伝えにある通り、この国には無い不思議な素材とデザインの衣服を身につけている。
伝承通りのその姿に流行る気持ちを抑えながら、グーハは2人の意識が戻るのを今か今かと待ち続けていた。
「んん……ここは?」
しばらくして2人の女性の意識が戻ったようで、困惑したように辺りを見回している。聖女達の中には稀に気性が荒い者もいたようだが、今回の召喚では当たりを引いたらしい。ニコリと笑みを作り、2人の聖女に歩み寄る。
「おお、目を覚まされたようですね」
そうすれば、2人がグーハに目を奪われているのが手に取るようにわかった。あちらの世界の基準で言えばこちらの住人達は皆美形になるらしい。2人の様子を見る限り、今も判断基準は変わっていないようで安心した。
これは扱いやすそうだ。
内心ほくそ笑みながら、この世界の事を説明していく。あまり余裕たっぷりに接してしまうと警戒されることがあると書いてあったので、少し気弱な神官を演じた。
「どうぞこちらでお休みください」
事前に伝達魔法で用意させておいた部屋へと案内する。聖女達はグーハの予想通り言われるがままに部屋に入る。
「明日にでも魔王についての事柄と、現状を説明させていただきます」
そう言えば、聖女達はグーハを不安そうに瞳を揺らしながら頷いた。
ははは、魔王なんてこの国の住人でも信じない事なのにな。本当に扱いやすい……そう心の中で思いながらも表面には出さずに笑みを浮かべたまま「それではごゆっくり」と言って扉を閉め、部屋を後にする。
その足で王宮へ向かい今回の成果を報告した。
「聖女は2名召喚できました。少し脅しておいたのですが、それも必要がないぐらい大人しい性格のようです」
そう言って複写魔法で写しておいた聖女2人の姿見を壁に映し出すせば、そこら中で貴族達の「おお!」と言う歓声が聞こえた。
「ふん、よくやった。それで? 聖女達の持ち物は回収したのか?」
ゆっくりと満足気に頷いた王がグーハに今回の召喚で1番重要であろう事柄を聞いてくる。
何故なら聖女の持ち物は全てなんらかの加護がついており、国宝級に値するのだから。
「いえ、まだですが、入浴の際に回収するよう指示しておきました」
「うむ、それが良いだろう。回収したものは全て鑑定にまわしなさい。それから聖女達の能力の鑑定も忘れずにな」
「はい」
満足気な王の姿を視界にとどめながら一礼して部屋から退室する。
古代歴史に残っている聖女達は皆、素晴らしい加護を持っていたと記されている。1番多いのが癒しの加護。近くにいるだけで病が治り、一度加護を発動させればどんな怪我人でも一瞬で元通りになったらしい。
今回はどんな加護なのだろうか? そんな事を考えた後で1人の聖女が脳内に浮かび上がる。
茶色がかった髪色を持つ小柄で可愛らしい聖女。もう1人の黒髪の方は可愛らしいと言うよりは綺麗な顔立ちであったがグーハ的には茶髪の方が好みだった。
服の裾を掴み、涙目で怯えグーハに縋ってくる姿に何度今すぐ攫って自分のものにしようと思ったか……
「あの茶髪の子は役目が終わったら、私が貰うことにしよう」
どうせ聖女は元の世界には帰れない。聖女達の待っている神殿に帰る最中、馬車の中でグーハは満面の笑みを浮かべたのであった。
○○○
一方その頃、グーハに内緒で取り付けていた盗聴器により全てのことを聞いていた私達はニヤニヤと笑いを堪えていた。
「元の世界には帰れないってよ。遠慮しなくていいみたいね」
「だねぇ」
百合は抜け目ない。グーハの服に縋りついたときに、こっそり盗聴器を仕掛けていたのだ。
そして、盗聴器からグーハが百合を嫁にしようとしているのを聞いた瞬間私は大爆笑していた。
「『何度今すぐ攫って自分のものにしようと思ったか……』だって! あははははは‼︎ 百合、モテモテじゃん」
「うるさいわね、まさかあんな変態だとは思っても見なかったわよ」
ブスッとした顔で毒づく百合。ごめんごめんと謝りながら私は盗聴器から流れてくる音声の違和感に首を傾げていた。
何故違和感を感じたのか? それは、王らしき人物が話しているときに、グーハの声が聞こえてきたからだ。それはまるでグーハの心の中の声を聞いているようでーー
「まさか取り付けた相手の心も聞こえるようになったとか?」
思わず頭に浮かんだ可能性をポツリと呟くと、同じく百合もその事を考えていたらしい。ハッと顔を上げて私を見てきた。
そうだ、私達の持ち物には加護がかかっていると言っていたではないか。
「ねぇ、まだ予備の盗聴器あったよね?」
「ええ、あったわよ」
「ちょっと実験してみない?」
「わかったわ」
百合がゴソゴソとズボンのポケットから予備の盗聴器を取り出し私に渡してくる。
「え? これ、私が心読まれる系?」
「当たり前でしょ?」
ニコリと笑顔で凄んでくる百合にピャッとなった私は渋々自身に盗聴器を取り付けた。
「とりあえず、なんか喋りながら内心でグーハの第一印象を考えてみて」
「はーい」
百合がイヤホンを取り付けたのを確認して言われた通り、今私が食べたい物を言いながら心の中でグーハについて考えた。
うーん、イケメンだけど変態? 髪の毛は金髪だったけど私的には銀髪の方がウケがいいと思うなぁ。
「ハンバーグ、ナポリタン、きゅうりの漬物、カレー、百合の手作り料理……」
チラリと百合を見れば、笑いを堪えたような変な顔をしていた。
「……もういいわよ。実験は成功」
イヤホンを外し、静かにそう言った百合は次の瞬間爆笑し始めた。
「あははははは! なによ銀髪の方がウケがいいって! 考えるのそこ⁉︎」
ヒーヒーとお腹を抱えて笑う百合にちょっぴり恥ずかしくなる。どうやら本当に実験は成功のようだ。
百合の笑いが収まった頃合いを見計らって、話し合いを開始した。
「私たちの持ち物全部が国宝級って言ってたよね」
「つまり、あの人達の認識では、この持ち物は全てお宝。そして、すでに自分たちの物って言う認識だったわ」
「私達のものなのに……」
「盗られるのは遠慮したいわね」
他人の物を盗るのは大好きだが、自分たちのものを盗られるのは我慢ならない。それが私達だ。
そして、今回、晴れてこの国の王達は悪い奴らである事が判明した。ならーー
「遠慮はいらない」
「うん、がっぽり稼がせて貰いましょう」
世界は変われど仕事は変わらない。こうして今後の方針が決まったのだった。
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ゴロゴロとベットに寝転んでいた私はガバッと起き上がり、尋ねる。
「ん~? そんなの分かるわけないじゃない」
私のすぐ横にうつ伏せに寝転んでいた百合が面倒くさそうに答える。
「正解はね、"演技"と"ピッキング"と"格闘技"だよ! 後サブで"万能ポケット"がついてた」
「なんでそんな事分かるのよ」
ブスッとしたその声に少し得意気になりながら私は先ほど発見したことを百合に話した。
「私ね、どうやら加護で"鑑定"を貰えたみたいでね。なんか、じいっと自分の手のひら見てたら情報が出てきた」
「へぇ、たしかに柚李の宝石を見分ける腕はいいもんね。そのせいかもしれないわね」
ベットから起き上がり、先程の無気力さが消え興味津々の百合の目は早く私の加護を教えろと言っていた。
「後は"狙撃"と"格闘技"だったよ。サブで"治癒"? って言うのが付いてた」
何故"治癒"なのか疑問に思っていると、百合が納得したように頷いた。
「ああ、そう言うことね。柚李って前に看護師として病院に潜り込んだ時があったでしょ。それが関係してるんじゃない?」
それを言われて成程と手を打つ。たしかに、ある病院に保管されていた諭吉様を頂戴するときに看護師として潜り込んだ経験があったからだ。偽物とは言え、盗みが終わるまで看護師の仕事をしなければならないので、一応勉強をしたのだ。
「すっかり忘れてた」
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