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第8章 収束への道のり
253. 第二の『首』と第三の『首』
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お祖父様との話し合いによって、僕は『祈り』について色々と試していく事になった。
けれど一概に祈ると言っても中々思うようにはいかない。ただお祈りするだけではやはり発動はしないのだ。でもその事が改めて分かって僕はどこかでホッとしていた。
だって、僕がこうしたいって思った事がみんな叶ってしまったら怖いじゃない? 何も考えられなくなっちゃうよ。だからお祈りをした事が片っ端から叶う様な力じゃなくて本当に良かった。
それからお祈りが届く範囲? についても今後も検討していく事になったんだよ。
でもさすがにフィンレーと元ハーヴィンのように馬車で何日もかかるような所は今回の枝みたいに何か繋ぐようなものが必要なんじゃないかってジョシュアやアシュトンさんも言っていた。
アシュトンさんはどんどん大きくなっていく木を見て本当にびっくりしたって言っていたよ。そしてお祖父様がせっかく蓋をした形になっている噴水を壊して行く根っこにクスリを書けた時は、どうしようって思ったって聞いて皆で笑ってしまった。
僕はハーヴィンに行かない選択をしたけれど、いつか、僕が大きくしたと言う木と、お祖父様たちが作った神殿のような温室? を見に行けたらいいなって思った。
そんな感じで週末が終わって、僕はルーカスと一緒にフィンレーでの鍛錬を復活させた。何となくあの魔法をきちんと自分のものにするなら体力が必要だと思ったから。
学園から帰って、フィンレーに行って夕食の時間まで身体を動かして、タウンハウスに戻って来る。兄様が帰っていたら一緒に夕食を食べて、まだだったら先に学園の課題を片付ける。
兄様がそれに気づいて「何だか頑張っているけれど無理をしないでね」とハリーと同じような事を言っていた。
こんな風に鍛えていたら、もしかしたらジェイムズ君やクラウス君みたいになっちゃうかも、なんて思ったけれど、残念ながら体つきはあまり変わらなくて、勿論背が伸びる事もなかった。
「ルーカス、僕の背丈はもしかしてもう伸びないのかなぁ」
鍛錬の後、そう言ってみるとルーカスは「成人した後も伸びる人も居ますから」と言葉を濁した。学園に入ってからは一番最初に教わった体幹を鍛える運動位しかしなかったからなぁ。それにどうも僕は筋肉がムキムキになるタイプではないみたい。まぁ、前からそう思っていたけどね。でも……
「170、せめて170は越えたい」
この王国の15歳の平均身長は173ティンなんだ。僕は16歳。もうそこまでは望まない。だけどせめてあと2ティン。2ティン、この壁は結構大きい。
僕がそんな事を頑張っている頃、お城では父様たちがまた忙しくなり始めていた。
第二の『首』<死>と第三の『首』<絶望>の場所を特定するためだ。
賢者が封じたという一つ目の『首』が元ハーヴィンの中にあった。そこは昔は賢者であるハワード先生の先祖がいた場所だった。
『首』が封じられた時期は王国の始まりよりも古いと思われていて、今の王国とは一概に比べる事が出来ない。偶々今回はメイソン家の領地替え以前の場所と合致したけれど、二つ目も、三つ目もそれが当てはまるかどうかも分からない。
ハワード先生はレイモンド家の領地と王家の関りのある場所を重点的に調べているようで、すでに何か所かは候補地が出ているみたいだけど、決め手がないような事を言っていた。
今まで起きていたバランスの崩壊というものが全て第一の『首』がもたらしたものだとは考えにくいという事も言っていた。
だとすれば、他の『首』の封印も緩み始めているかもしれない。第一の『首』ほど解けかけてしまうと大変なので、何とか早く見つけてかけなおしたい。
「それにしても<死>と<絶望>ってどっちも本当に嫌だよね」
呪いは何となくだけど、魔素の変化が大きかったような気がする。そうなると少し毛色が違う感じがするのはエターナルレディと、天候不順なのかな。
でもどこからどこまでとは僕の加護のようにはっきり分けられないのかもしれないな。まぁ、加護と厄災を一緒にしたらいけないけどね。
あの枝が封印の手助けをしてくれたなら、また何かお手伝いができるようになったらいいな。
-*-*-*-
「それで、具体的にはどの辺りなんだい?」
グレアムが口を開いた。
「ですから、まだ決まったわけではないのです」
「うん。だけど第一の『首』のように封印が明らかに解けかけていて魔物がガンガン現れるような状況ではないなら、この際一つ一つ人海戦術みたいに調べていくのも手だろう?」
「『首』の事を公表していないので公に人海戦術は使えません」
「だが、調べて確定しない事には先に進めないだろう」
「そうですが。もたらしている禍がどのようなものなのかも分かっていないですからね。簡単に調べに行って巻き込まれるような事があるのは困ります」
「やはり、それぞれの『首』の禍は違うのだろうか」
「それも判りません。何しろ封じ込めたのは王国の始まりよりも前の事ですから」
「西の国にはこれ以上の文献は残っていないのだろうか」
これというのは五つ首の本の事だ。始まりはまごう事なく英雄譚のお伽話だった。一年ほどでそれをここまで解き明かして、厄災の一つを封じ込める事が出来たのは上々だと言ってもいい。
もっともその数年前から禍は起こっていて、それが何なのかも分からない状態だったのだが。
「第二の『首』の候補地が3か所。第三の『首』の候補地が3か所。勿論一つ一つ調べていく事は可能ですが、その時に何が起こるのか第一の『首』の時よりも分からないと言うのは問題です。調べに行って、封印を解いてしまう様な事があっては取り返しがつきません。慎重にならざる負えない状況です」
「そうだね。だが、何かが起き始めてから封印をし直すのは今回の事を考えるとやはり、とても厳しい状況である事が予想される。それに起き始めた事にも対応をしなければならない。とすれば、やはりその場に行って得られるような情報というのもあるのではないだろうか」
「…………もう少し、時間をいただきたくお願い申し上げます」
第一の『首』の封印の為の会議は年明けから第二、第三の『首』の確認の為の会議となった。
グレアムの言っている事ももっともだと思える部分もある。けれどそれだけでは動けない部分と、動くと面倒な事が起きる事が予想される。王室の声がかりで動けば、前回のように仲間内で動く事は叶わなくなる可能性もあるし、秘密裏に動く者も出てくるだろう。すでに『首』の事を調べている者も出始めている。
粛清によって管理領になった所が多い。という事は領地持ちになれる、または爵位が上がる可能性も出てくる。本当に面倒だとハワードをはじめここに居る臣下たちは全員そう思っていた。
「とりあえず、王室の声がかりというのは止めましょう。『首』の状態が分からないまま動くのは危険です」
マクスウェードが口を開いた。
「今ここで『首』の事を公表すれば、また王国中で自分の領にはこのような所があると押し寄せてくる可能性があります。それを捌く時間が無駄です」
ケネスも声を出す。
「うん。それも分かる。だが、面倒な事に、手柄を一部の人間が……というような者も一定数いるからね。その辺りを考えて、ある程度のところで公表は必要なるかもしれない。すまないね。私も出来る限りは抑えるよ」
「引いてもいいなら手柄はいらないので手を引きたいのは山々ですが」
「デイヴィット。そう言うな。私も抑える所はしっかり抑える。面倒なのはこれでもかなり粛清したんだ」
「陛下、いくら遮音があって、この面々の会議とはいえ、口にして良い事と悪い事がございます。フィンレー卿も」
ニールデン公爵にそう言われて、グレアムは口を噤み、デイヴィットは胸の中で大きな溜息を洩らした。
「二つずつまでに絞ります。四か所同時に調べるのは難しいですが、とりあえず王国内で起きている事をもう一度集め、禍を確認し、どちらを先にすればよいのかと、それぞれの『首』がもたらすであろう禍を予測します」
「分かった。賢者に従おう。足りないものがあれば知らせてほしい」
「ありがとうございます」
ハワードの返事を聞いて、グレアムは一番末席に座っている息子に向かって声をかけた。
「シルヴァン、何か感じた事は? 溜めずに口にしなさい」
「いえ、大丈夫です。皆様の考えに賛同いたします。私の所にも魔物などの状況が上がってきますので、何か変化がありましたらお知らせ致します」
シルヴァンのその言葉で、会議は一旦終了となった。
その数日後、西の国からの思いがけない知らせが届いた。
けれど一概に祈ると言っても中々思うようにはいかない。ただお祈りするだけではやはり発動はしないのだ。でもその事が改めて分かって僕はどこかでホッとしていた。
だって、僕がこうしたいって思った事がみんな叶ってしまったら怖いじゃない? 何も考えられなくなっちゃうよ。だからお祈りをした事が片っ端から叶う様な力じゃなくて本当に良かった。
それからお祈りが届く範囲? についても今後も検討していく事になったんだよ。
でもさすがにフィンレーと元ハーヴィンのように馬車で何日もかかるような所は今回の枝みたいに何か繋ぐようなものが必要なんじゃないかってジョシュアやアシュトンさんも言っていた。
アシュトンさんはどんどん大きくなっていく木を見て本当にびっくりしたって言っていたよ。そしてお祖父様がせっかく蓋をした形になっている噴水を壊して行く根っこにクスリを書けた時は、どうしようって思ったって聞いて皆で笑ってしまった。
僕はハーヴィンに行かない選択をしたけれど、いつか、僕が大きくしたと言う木と、お祖父様たちが作った神殿のような温室? を見に行けたらいいなって思った。
そんな感じで週末が終わって、僕はルーカスと一緒にフィンレーでの鍛錬を復活させた。何となくあの魔法をきちんと自分のものにするなら体力が必要だと思ったから。
学園から帰って、フィンレーに行って夕食の時間まで身体を動かして、タウンハウスに戻って来る。兄様が帰っていたら一緒に夕食を食べて、まだだったら先に学園の課題を片付ける。
兄様がそれに気づいて「何だか頑張っているけれど無理をしないでね」とハリーと同じような事を言っていた。
こんな風に鍛えていたら、もしかしたらジェイムズ君やクラウス君みたいになっちゃうかも、なんて思ったけれど、残念ながら体つきはあまり変わらなくて、勿論背が伸びる事もなかった。
「ルーカス、僕の背丈はもしかしてもう伸びないのかなぁ」
鍛錬の後、そう言ってみるとルーカスは「成人した後も伸びる人も居ますから」と言葉を濁した。学園に入ってからは一番最初に教わった体幹を鍛える運動位しかしなかったからなぁ。それにどうも僕は筋肉がムキムキになるタイプではないみたい。まぁ、前からそう思っていたけどね。でも……
「170、せめて170は越えたい」
この王国の15歳の平均身長は173ティンなんだ。僕は16歳。もうそこまでは望まない。だけどせめてあと2ティン。2ティン、この壁は結構大きい。
僕がそんな事を頑張っている頃、お城では父様たちがまた忙しくなり始めていた。
第二の『首』<死>と第三の『首』<絶望>の場所を特定するためだ。
賢者が封じたという一つ目の『首』が元ハーヴィンの中にあった。そこは昔は賢者であるハワード先生の先祖がいた場所だった。
『首』が封じられた時期は王国の始まりよりも古いと思われていて、今の王国とは一概に比べる事が出来ない。偶々今回はメイソン家の領地替え以前の場所と合致したけれど、二つ目も、三つ目もそれが当てはまるかどうかも分からない。
ハワード先生はレイモンド家の領地と王家の関りのある場所を重点的に調べているようで、すでに何か所かは候補地が出ているみたいだけど、決め手がないような事を言っていた。
今まで起きていたバランスの崩壊というものが全て第一の『首』がもたらしたものだとは考えにくいという事も言っていた。
だとすれば、他の『首』の封印も緩み始めているかもしれない。第一の『首』ほど解けかけてしまうと大変なので、何とか早く見つけてかけなおしたい。
「それにしても<死>と<絶望>ってどっちも本当に嫌だよね」
呪いは何となくだけど、魔素の変化が大きかったような気がする。そうなると少し毛色が違う感じがするのはエターナルレディと、天候不順なのかな。
でもどこからどこまでとは僕の加護のようにはっきり分けられないのかもしれないな。まぁ、加護と厄災を一緒にしたらいけないけどね。
あの枝が封印の手助けをしてくれたなら、また何かお手伝いができるようになったらいいな。
-*-*-*-
「それで、具体的にはどの辺りなんだい?」
グレアムが口を開いた。
「ですから、まだ決まったわけではないのです」
「うん。だけど第一の『首』のように封印が明らかに解けかけていて魔物がガンガン現れるような状況ではないなら、この際一つ一つ人海戦術みたいに調べていくのも手だろう?」
「『首』の事を公表していないので公に人海戦術は使えません」
「だが、調べて確定しない事には先に進めないだろう」
「そうですが。もたらしている禍がどのようなものなのかも分かっていないですからね。簡単に調べに行って巻き込まれるような事があるのは困ります」
「やはり、それぞれの『首』の禍は違うのだろうか」
「それも判りません。何しろ封じ込めたのは王国の始まりよりも前の事ですから」
「西の国にはこれ以上の文献は残っていないのだろうか」
これというのは五つ首の本の事だ。始まりはまごう事なく英雄譚のお伽話だった。一年ほどでそれをここまで解き明かして、厄災の一つを封じ込める事が出来たのは上々だと言ってもいい。
もっともその数年前から禍は起こっていて、それが何なのかも分からない状態だったのだが。
「第二の『首』の候補地が3か所。第三の『首』の候補地が3か所。勿論一つ一つ調べていく事は可能ですが、その時に何が起こるのか第一の『首』の時よりも分からないと言うのは問題です。調べに行って、封印を解いてしまう様な事があっては取り返しがつきません。慎重にならざる負えない状況です」
「そうだね。だが、何かが起き始めてから封印をし直すのは今回の事を考えるとやはり、とても厳しい状況である事が予想される。それに起き始めた事にも対応をしなければならない。とすれば、やはりその場に行って得られるような情報というのもあるのではないだろうか」
「…………もう少し、時間をいただきたくお願い申し上げます」
第一の『首』の封印の為の会議は年明けから第二、第三の『首』の確認の為の会議となった。
グレアムの言っている事ももっともだと思える部分もある。けれどそれだけでは動けない部分と、動くと面倒な事が起きる事が予想される。王室の声がかりで動けば、前回のように仲間内で動く事は叶わなくなる可能性もあるし、秘密裏に動く者も出てくるだろう。すでに『首』の事を調べている者も出始めている。
粛清によって管理領になった所が多い。という事は領地持ちになれる、または爵位が上がる可能性も出てくる。本当に面倒だとハワードをはじめここに居る臣下たちは全員そう思っていた。
「とりあえず、王室の声がかりというのは止めましょう。『首』の状態が分からないまま動くのは危険です」
マクスウェードが口を開いた。
「今ここで『首』の事を公表すれば、また王国中で自分の領にはこのような所があると押し寄せてくる可能性があります。それを捌く時間が無駄です」
ケネスも声を出す。
「うん。それも分かる。だが、面倒な事に、手柄を一部の人間が……というような者も一定数いるからね。その辺りを考えて、ある程度のところで公表は必要なるかもしれない。すまないね。私も出来る限りは抑えるよ」
「引いてもいいなら手柄はいらないので手を引きたいのは山々ですが」
「デイヴィット。そう言うな。私も抑える所はしっかり抑える。面倒なのはこれでもかなり粛清したんだ」
「陛下、いくら遮音があって、この面々の会議とはいえ、口にして良い事と悪い事がございます。フィンレー卿も」
ニールデン公爵にそう言われて、グレアムは口を噤み、デイヴィットは胸の中で大きな溜息を洩らした。
「二つずつまでに絞ります。四か所同時に調べるのは難しいですが、とりあえず王国内で起きている事をもう一度集め、禍を確認し、どちらを先にすればよいのかと、それぞれの『首』がもたらすであろう禍を予測します」
「分かった。賢者に従おう。足りないものがあれば知らせてほしい」
「ありがとうございます」
ハワードの返事を聞いて、グレアムは一番末席に座っている息子に向かって声をかけた。
「シルヴァン、何か感じた事は? 溜めずに口にしなさい」
「いえ、大丈夫です。皆様の考えに賛同いたします。私の所にも魔物などの状況が上がってきますので、何か変化がありましたらお知らせ致します」
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