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第8章 収束への道のり
294. 蠢動
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口惜しい、口惜しい、口惜しい……
なぜ私がこのような惨めで、屈辱的な目に合わなければならないのか。
みすぼらしい服と屋敷。
痩せこけた身体、ギョロリと浮き出たような濁った瞳、伸びた髪と髭。
ほとんど喋らないので、声も出しづらくなってしまった。
それでも口を開けば呪詛のような言葉が漏れる。
「おの、れ……っ……このような……屈辱を……」
こめかみのあたりに青筋を立てて、オルドリッジ元公爵は拳を握りしめた。
私は何も悪くない。ただ王国の為に働いてきた。それなのに家から魔人を出してしまったと蟄居を申し渡されて、果てはこの様な孤島に流された。魔人になってしまった次男がどのような現れ方をするのか分からなかったからだ。
身体は浄化をして消えたが、分裂をして魔素の中を行き来できる事が判明した為、全て浄化出来たのか判断がつかなかった。神殿でその身体を寝かせておいた事が禍した。こんな事ならば魔素の中を行き来したり、分裂が出来たりする前に消してしまえば良かったとオルドリッジは何度も悔いた。
だが勿論、時間は元には戻らない。魔人を身内から出した公爵家として、罰はオルドリッジの直系の家のみに下された。妻は離縁を申し出たが、それは許されなかった。
仕える者たちも僅かに同行を許された。古くからの家令、執事は共に行くと申し出てくれたが、若い者達は嫌がった。
一族でここに連れて来られた時は絶望してほとんどの者が泣いていた。あまりにもひどいと。
この沙汰が決まった時も、どこまでの一族が含まれるのかと遠縁の家の者達は戦々恐々だったらしい。この罰を受ける事がいやで爵位を返上した者や、幼子を抱えていた者は離縁をして市井に落ちたと聞く。
刑が執行されたのは昨年の十一の月。もう何年も経ったように思うが、ここに来てまだ数カ月だ。
だがその数カ月でオルドリッジ達の環境は激変をしていた。
逃げ出せないように結界が施され、生活魔法くらいしか使用できないようになった島での生活は思っていたよりも過酷だった。
公爵家として生きてきた者とって、それはおよそ人間の生活とはかけ離れているような毎日だった。
一人、また一人と自から死を選ぶ者も増えて行った。
そう。自分たちは見捨てられた者なのだ。爵位だけではなく、これは事実上の死刑、否、死刑よりも更に悪い。勝手に生きて、勝手に死ねと打ち捨てられたのだ。
こんなに惨めで、何一つ思い通りにならない生活など送るくらいならばいっそ殺してくれた方がはるかにマシだった。だが、命を奪う事はせずにこんな孤島でただ朽ちていくのを待つだけだ。
妻はここに来て3日目に死んだ。隠し持っていた毒を飲んだのだ。
ひと月経たずに長男は狂ってどこかに消えてしまった。
お互いに罵り合って殺し合いをした者達もいる。
ここに来た時は五十名近くもいた一族は数えるほどにまで減った。仕えていた者達も一人、また一人と蠟燭の火が消えるように亡くなっていった。今は数名の者が最低限の事を賄っている。食材や日用品は週に一度転送されてくる。それを繋ぎながら生きていく。
海の波の音も始めのうちは気になって眠れなかった。今は繰り返す呪詛のようにも聞こえる。
口惜しい、口惜しい、口惜しい……
憎い、憎い、憎い……
どうして自分が
どうしてこんな目に
他の奴らも同じような思いをすればいいのだ。
大事なものがすべて壊れて、消えて、何の希望もない、絶望の中でのたうち回ればいい
そんな感情に呼応するかのように、島の中に魔素が湧き始めた。
魔素が湧けば、魔物が湧き始める。
魔物は次第に大きなものになっていく。
「旦那様、東側にオウルベアが現れたそうです。目撃した者がおります」
「…………そう、か。朽ちる前に、魔物に、食い、殺されるか……」
「建物には魔物除けが掛かっておりますので、どうぞ外には出られませんように」
「……ああ、わか……た」
家令はそう言って一礼をして部屋を出て行った。
いよいよこの建物から出られなくなるのか。そう思うと自然に笑いが込み上げた。
自分の生活が、この狭い空間だけになる。
オウルベアが湧き、その先には何が湧き出すのだろうか。最後まで残っているのは誰だろうか。
(ああ、そういえば、魔素は湧いても、魔人は出てこないのだな。これほどの人間が死んだというのに、べウィックやディンチを悩ませたアンデッドも湧かない。一体どういう仕組みなのだろう)
そんな事を考えながらオルドリッジはふと窓の外を見た。
「ああ……やっぱり、生きていたのか」
そう口にしながらも、オルドリッジは自分が夢を見ているのかもしれないと思った。
窓の外には魔人と化したかつての息子が居た。
魔人に見える黒いそれは、建物の周りに湧いた魔素の塊かもしれないし、本当に息子だったものなのかもしれない。
「お前のおかげでこんな所に流された」
そう言うと、それはおかしそうにゆらゆらと揺れた。やはり夢か、とオルドリッジは思った。
けれど、夢でも何でももういいと思った。それが話し相手になるならばそれでもいい。そしてこの先、この思いを抱えてあれと共に魔素の中を渡ってどこかへ行くのならば、それもまた一興だ。
「………………」
もしも……
もしも以前聞いた話のように、魔素の中に落ちてしまったら、本当に魔素の中を行き来出来るようになるのだろうか。
もしも魔素に捕らわれたら、息子のように魔人化をしてしまうのだろうか。
魔人になれば、魔素を渡れるようになれば、この窮屈な檻の中から出る事が出来るのだろうか。
そうして、自分をこんな目に合わせたもの達に復讐する事が出来るのだろうか。
「………………」
視界の端に東に居たというオウルベアが見えた気がした。そしてそれをすぐに黒い何かが飲み込んだ。そんな気がして楽しくなった。
『此処カラ、出タイカ』
見えない何かが話しかけてくる。
「ああ、勿論」
『出テ、何ヲシタイ』
「私をここに閉じ込めた者達に、私が味わった以上の絶望を味わわせてやりたい」
見えない何かは声を殺すようにして嗤った。
『……叶エテヤロウ』
-------
蠢動 外から見えないように行動する様
取るに足りない者、つまらない者、無知な者がうごめき騒ぐ事
なぜ私がこのような惨めで、屈辱的な目に合わなければならないのか。
みすぼらしい服と屋敷。
痩せこけた身体、ギョロリと浮き出たような濁った瞳、伸びた髪と髭。
ほとんど喋らないので、声も出しづらくなってしまった。
それでも口を開けば呪詛のような言葉が漏れる。
「おの、れ……っ……このような……屈辱を……」
こめかみのあたりに青筋を立てて、オルドリッジ元公爵は拳を握りしめた。
私は何も悪くない。ただ王国の為に働いてきた。それなのに家から魔人を出してしまったと蟄居を申し渡されて、果てはこの様な孤島に流された。魔人になってしまった次男がどのような現れ方をするのか分からなかったからだ。
身体は浄化をして消えたが、分裂をして魔素の中を行き来できる事が判明した為、全て浄化出来たのか判断がつかなかった。神殿でその身体を寝かせておいた事が禍した。こんな事ならば魔素の中を行き来したり、分裂が出来たりする前に消してしまえば良かったとオルドリッジは何度も悔いた。
だが勿論、時間は元には戻らない。魔人を身内から出した公爵家として、罰はオルドリッジの直系の家のみに下された。妻は離縁を申し出たが、それは許されなかった。
仕える者たちも僅かに同行を許された。古くからの家令、執事は共に行くと申し出てくれたが、若い者達は嫌がった。
一族でここに連れて来られた時は絶望してほとんどの者が泣いていた。あまりにもひどいと。
この沙汰が決まった時も、どこまでの一族が含まれるのかと遠縁の家の者達は戦々恐々だったらしい。この罰を受ける事がいやで爵位を返上した者や、幼子を抱えていた者は離縁をして市井に落ちたと聞く。
刑が執行されたのは昨年の十一の月。もう何年も経ったように思うが、ここに来てまだ数カ月だ。
だがその数カ月でオルドリッジ達の環境は激変をしていた。
逃げ出せないように結界が施され、生活魔法くらいしか使用できないようになった島での生活は思っていたよりも過酷だった。
公爵家として生きてきた者とって、それはおよそ人間の生活とはかけ離れているような毎日だった。
一人、また一人と自から死を選ぶ者も増えて行った。
そう。自分たちは見捨てられた者なのだ。爵位だけではなく、これは事実上の死刑、否、死刑よりも更に悪い。勝手に生きて、勝手に死ねと打ち捨てられたのだ。
こんなに惨めで、何一つ思い通りにならない生活など送るくらいならばいっそ殺してくれた方がはるかにマシだった。だが、命を奪う事はせずにこんな孤島でただ朽ちていくのを待つだけだ。
妻はここに来て3日目に死んだ。隠し持っていた毒を飲んだのだ。
ひと月経たずに長男は狂ってどこかに消えてしまった。
お互いに罵り合って殺し合いをした者達もいる。
ここに来た時は五十名近くもいた一族は数えるほどにまで減った。仕えていた者達も一人、また一人と蠟燭の火が消えるように亡くなっていった。今は数名の者が最低限の事を賄っている。食材や日用品は週に一度転送されてくる。それを繋ぎながら生きていく。
海の波の音も始めのうちは気になって眠れなかった。今は繰り返す呪詛のようにも聞こえる。
口惜しい、口惜しい、口惜しい……
憎い、憎い、憎い……
どうして自分が
どうしてこんな目に
他の奴らも同じような思いをすればいいのだ。
大事なものがすべて壊れて、消えて、何の希望もない、絶望の中でのたうち回ればいい
そんな感情に呼応するかのように、島の中に魔素が湧き始めた。
魔素が湧けば、魔物が湧き始める。
魔物は次第に大きなものになっていく。
「旦那様、東側にオウルベアが現れたそうです。目撃した者がおります」
「…………そう、か。朽ちる前に、魔物に、食い、殺されるか……」
「建物には魔物除けが掛かっておりますので、どうぞ外には出られませんように」
「……ああ、わか……た」
家令はそう言って一礼をして部屋を出て行った。
いよいよこの建物から出られなくなるのか。そう思うと自然に笑いが込み上げた。
自分の生活が、この狭い空間だけになる。
オウルベアが湧き、その先には何が湧き出すのだろうか。最後まで残っているのは誰だろうか。
(ああ、そういえば、魔素は湧いても、魔人は出てこないのだな。これほどの人間が死んだというのに、べウィックやディンチを悩ませたアンデッドも湧かない。一体どういう仕組みなのだろう)
そんな事を考えながらオルドリッジはふと窓の外を見た。
「ああ……やっぱり、生きていたのか」
そう口にしながらも、オルドリッジは自分が夢を見ているのかもしれないと思った。
窓の外には魔人と化したかつての息子が居た。
魔人に見える黒いそれは、建物の周りに湧いた魔素の塊かもしれないし、本当に息子だったものなのかもしれない。
「お前のおかげでこんな所に流された」
そう言うと、それはおかしそうにゆらゆらと揺れた。やはり夢か、とオルドリッジは思った。
けれど、夢でも何でももういいと思った。それが話し相手になるならばそれでもいい。そしてこの先、この思いを抱えてあれと共に魔素の中を渡ってどこかへ行くのならば、それもまた一興だ。
「………………」
もしも……
もしも以前聞いた話のように、魔素の中に落ちてしまったら、本当に魔素の中を行き来出来るようになるのだろうか。
もしも魔素に捕らわれたら、息子のように魔人化をしてしまうのだろうか。
魔人になれば、魔素を渡れるようになれば、この窮屈な檻の中から出る事が出来るのだろうか。
そうして、自分をこんな目に合わせたもの達に復讐する事が出来るのだろうか。
「………………」
視界の端に東に居たというオウルベアが見えた気がした。そしてそれをすぐに黒い何かが飲み込んだ。そんな気がして楽しくなった。
『此処カラ、出タイカ』
見えない何かが話しかけてくる。
「ああ、勿論」
『出テ、何ヲシタイ』
「私をここに閉じ込めた者達に、私が味わった以上の絶望を味わわせてやりたい」
見えない何かは声を殺すようにして嗤った。
『……叶エテヤロウ』
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取るに足りない者、つまらない者、無知な者がうごめき騒ぐ事
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