悪役令嬢の心変わり

ナナスケ

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青年編

第65話 過去の迎合

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神殿からの手紙が届き2週間が過ぎた頃、リアーナ・フォンティーヌがヒナの専属護衛騎士として任に就いた。
同じ風属性の魔法を司る者としてちょうど良いだろうとダリアが手配をした。
少し前にもヒナの護衛をリアーナがしていたが正当な騎士として任に就くのはこれが初めてであった。

それから1年後事件が起こった。

闇属性の暗殺者によってアルベルトの命が狙われた。
幸いその場にいたダリアによって暗殺は阻止され、暗殺者も控えていたアストルム騎士団のリアーナとキースによって捕らえられた。
これを機にアルベルトはアストルム騎士団に自らの護衛の任を命じた。

この事でクロウリー家がアルベルト側についたと王宮内がざわついた。
そして後にベルファ王太子のご寵愛を受けていると噂のアメリア・メルヴェイユ令嬢のクロウリー家の養女となったことで更に波乱を呼ぶこととなった。


3年前  事件当日

綺麗な水がはられた庭を歩きながらアルベルトとダリアは肩を並べて歩いていた。


「無事にヒナ嬢を聖女候補選抜にエントリーさせる手筈が出来たようだな。全く、トーナメントといい王国騎士団への宣戦布告といい。今度は何をするつもりだ?」

「いやいや、王国騎士団へ宣戦布告だなんて恐れ多い。それに私が神殿から宣戦布告を受けたんだ。全くどいつもこいつも女をいじめる趣味でもあるのかね?」

「神殿から?聖騎士団からではなく?」

「そんな彼女の敵に見えるのだろうな。この私が。」

「珍しいこともあるもんだな。」

ダリアはアルベルトの前に出た。

風に靡く夜のような髪の間から見える瞳は珍しくどこか儚げで、そして美しかった。
アルベルトの心臓を締め付けるには十分なほどに。

「なぁ、アルベルト。友として聞きたい。」

「なんだよ、藪から棒に。」

「君は、王様になりたいか?」

「っ!」

それは酷く真剣で、冗談など微塵も入っていない言葉だった。

「、、、、誰もが同じ質問を俺に問いかけた。王になりたいかと。だが俺は答えるのを辞めた。」

「、、、、」

「答える度に皆が俺を心の中で嘲笑していることが目に見えていたからだ。誰も俺に期待などしていない。だからっ」

「もう一度聞く。」

「なっ!おい、聞いていたか!?俺はっ!」

「王に、、、なりたいか?」

「、、、、なりたくない。」

アルベルトの言葉にダリアはふぅっと一息つくと安堵したかのように笑みを浮かべる。

「よかった、考え無しに王になりたいなんて口にするような人じゃなくて。」

「は?何を言って、、、」

「明日街に行こう。お忍びで。」

「はぁ?!」

「楽しいぞ?」

いたずらっ子のように笑うダリアはまるで年相応の子供だった。
何を考えているのか理解が出来なかったアルベルトは不思議とその案に乗ってみようと重いダリアの差し出された手をとった。


「君が生きる意味はこの世界にある、だからまずはこの世界について知ろう。」

とった手はとても暖かく、向けられた笑顔は何よりも心穏やかになるものだった。

そして次の瞬間、暗殺者の刃が彼らを襲った、、、、、



すかさずダリアは剣を抜き、暗殺者の短剣を弾き返した。
その間にレイヴンがダリアの影から飛び出し即座にアルベルトの護衛に入る。

「一体どこの誰だ?こんなお粗末な暗殺計画を立てたのは。でもまぁこれも一重に王国騎士が手を抜いてくれていた賜物かな?お陰でとても楽に対処できそうだ。」

「くっ、、、、」

「どうせ子供だから大丈夫とでも思ったのだろう。だが残念、、、いくら大人が子供に甘くとも、我々・・はまったく君たちに甘くなんて無いのさ。」

徐々にダリアの体から出てくる闇の魔法のオーラに暗殺者の顔が青ざめていく。

「クッソ!何だこの力!離せ!こんな惨いことをしてお前の評判に泥を塗ってもいいのか!」

喚く暗殺者の首元にふた振りの剣が後ろから充てられ、ダリアは一瞬で目の前に現れると光る瞳孔に月の弧を描くように浮かべる笑み、そこには恐怖と狂気しか無かった。
ダリアは人差し指を暗殺者の額に指すと狂気の笑みを浮かべたまま暗殺者へ話始める。

「何を勘違いしているんだ?私は正義の味方でもお優しい公爵令嬢でもない。貴様の目の前にいるのはアストルム騎士団 団長 ダリア・クロウリーだ。王子に刃を向けておいて無事で返すはずが無いだろう。」

そう言うと人差し指を離し、素早く下に向ける。
その瞬間首元に充てられていた剣が男の両手の甲を素早く突き刺した。

「ぐああああああああっ!」

「あらあら、暗殺者だというのにこんなことで声を上げていいのかい?」

「ぐっ、、あぁっ、、、」

「さて、と。後は君たちに任せるよ。


キース、リアーナ。」




「かしこまりました。公女。」





𝓉ℴ 𝒷ℯ 𝒸ℴ𝓃𝓉𝒾𝓃𝓊ℯ𝒹🌌
















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