魔女の弟子ー童貞を捨てた三歳児、異世界と日本を行ったり来たりー

盾乃あに

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継がれる

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「天歩」

「やるじゃねぇかコタロー!」
「あぁ、極楽鳥を傷付けなくて済んだ」
 最後の一歩は空中で一回だけ跳べる『天歩』のお陰だった。
「これで指名依頼完了だな」
「あぁ、これで俺も報酬が貰えるぜ!」
 
 ポケットさんのところに二人で向かう。
「おぉ!これぞまさしく極楽鳥の羽根!これで取引先にも顔が立つ!ありがとうございます!」
「ユフィに言ってやってください。極楽鳥を見つけたのはユフィですから」
「ユフィ君、ありがとうございます」
 ユフィは照れてモジモジしている。
「あ、あれは二人で取れたんだからな!」
「おう、いい相棒だったよ」
「……ぉぅ」
 顔が真っ赤なんだよ。
「それでは指名依頼はこれで達成と言うことでどうぞ」
 依頼達成の紙を貰い、ユフィはそのまま現金を貰ったようだ。

「じゃーなって、ん?」
 ポケットさんの商店から着いてくるユフィ。
「どうしたんだ?」
「コタローの食ってたあれ、売ってくれよ」
「ん?ハハハッ!バーガーか?あれでいいならやるよ」
 俺らは空き地でハンバーガーを食べる。
「うっめぇー!こんなん食べてたのかよ!」
「あんときゃクソガキだと思ってたからな、やんなかったんだよ」
「なんだとこのヤロゥ!」
 叩く力も加減しているのでなんかむず痒い。
「おかわりはいるか?」
「おう!いる!」
 
「コタローはいつも指名依頼で動いてるのか?」
 ユフィが聞いてくる。
「いや、いつもはダンジョンだな」
「へぇ!ダンジョンってどんな感じだ?モンスターは?」
 ユフィはフンフンしながらダンジョンのことを聞いてくる。やっぱりこの年頃の子はダンジョンに興味があるんだな。
「はぁ。やっぱり俺にはまだ無理そうだな」
「ユフィはいまいくつなんだ?」
「俺はいま十四でもうすぐ十五になるんだ」
 んじゃギルド登録はもう済んでるのか?ん?
「俺はまだギルドに登録してないからなぁ」
「なんでだ?」
「親ナシの子供はいろいろな。ギルドも保証人が必要になってくるんだよ」
「は?そんな話聞いたことないぞ?」
 王都では保証人なんて要らなかったからな。
「コタローはどこから来たんだ?帝国では十歳から登録できるが保証人が必要で、十五歳からは必要ナシで登録出来る」

 そうか、親がいれば危険な仕事は受けさせないからな。死なせない為の一番の方法かもな。
「じゃあユフィももうすぐ登録できるんだな」
「あぁ!ようやく金も貯まったし、武器が買える。防具は今着てるこれだけど、金稼いだらいいの買うんだ!」
 とびきりの笑顔をみせるユフィに何かしてやりたくなり、
「コレやるよ」
「な、施しは受けないぞ」
「いや、これは俺が昔使ってた防具だよ」
 それはまだ俺が十歳の頃、ルーが買ってくれた初めての防具だ。
「い、いいのか?」
「もう着れないしな、ユフィならピッタリだろ?」
 小柄なユフィにはちょうど良さそうだ。流石にルーが作ってくれた八歳ごろの防具は小さすぎるからな。
「おぉ、ピッタリだぜ!似合うか?」
「んー、どうだか?」
「そこは似合うでいいんだよ!!」
「似合う似合う、あははは」

「武器はどんなのを使うんだ?」
「俺は非力だから弓だな、あと短剣」
「あぁ、そっちの方がいいだろうな」
 素早さを活かした斥候のような職を選べば結構いい線行くと思う。

「ふぅ、食った食った!」
「よく食べたなぁ、三つも食ったぞ」
「美味いものは食える時に食っとかないとな」
 ニシシと笑うユフィは妹のようで可愛かった。妹なんていないけどな!
「んじゃまたどこかでな!」
「おう!防具あんがとな!コタロー!」
 
 ユフィと別れギルドに達成報告をして報酬を貰う。
「あ、コタローさん。ギルドマスターがお呼びですので時間よろしいでしょうか?」
「は?ギルマス?俺は用はないんだがなぁ」
「そう言わずにちょっと来い」
 俺の後ろの大男がギルマスだったらしい。
なんでギルマスってこんなゴツいのしかいないんだよ?
「はいはい、行けばいいんでしょ」
「はぁ、生意気だがしょうがない」
 ギルマスの部屋に入って、ソファーにもたれ掛かる。
 
「さっそくだが、お前が前に買取に出した地龍の鱗はどこでとってきたんだ?」
 あぁ、あれってここで売ったんだっけ。
「ダンジョンに決まってるだろ?」
「どこのダンジョンだ?」
「王都」
「そうか、やはりコタローダンジョンはお前の名前か」
 有名になったもんだぜ。
「いまはどのダンジョンに行っているんだ?」
「ガノンダンジョン だけど?」
 ギルマスの目が光った気がした。
「じゃあ俺から指名依頼だ。ガノンダンジョン六十階層の赤竜の宝玉を頼む」
 赤竜だって?倒せるけど、
「ドロップ品の依頼は流石に断りたいんだが?」
「分かっている。だが、それが必要なんだ。頼むからこの依頼を受けて欲しい」
 ドロップ品はランダムだ。欲しいドロップ品を取るのに何度も挑戦しないといけない。
「宝玉なんていつ出るかわからないだろ!」
「そうだよな。だが、もし手に入れたら」
「分かったよ。手に入れたら持ってくる。だが、指名依頼なんか受けないぞ?」
「それでいい、ありがとう」
 ギルマスの部屋を出て大きなため息をつく。

「よりによって一番出にくい宝玉かよ」
 ダンジョンのモンスターは倒すと消えてドロップ品だけを残す。その中でも出にくいドロップ品を、レアドロップと言いそれを狙って出せるやつなんかいない。


「はぁ、ダンジョン攻略やめようかなぁ」
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