魔女の弟子ー童貞を捨てた三歳児、異世界と日本を行ったり来たりー

盾乃あに

文字の大きさ
95 / 104

薩摩川内ダンジョン

しおりを挟む

 マリアが行ったダンジョンは鹿児島の薩摩川内ダンジョンと言うところだった。市の名産というかここは原発がまだ稼働している。
 ダンジョン産の魔生石から取れるエネルギーはまだ始まったばかりだ。
「んで?ギルドからは何も?」
「聖玉がまだないから冒険者も少ないって」
 そりゃそうか、十個しか渡してないもんな。
「そこにも置いていくか。また作ったのがあるし」
 これじゃまだまだ世界的にも必要だろう。材料も集めないとな。
 飛行機で鹿児島空港へ、そこから新幹線ですぐ着いた。

 ギルドに入ると閑散としていて冒険者が少ないのがわかる。これじゃあ上級ダンジョンだったらブレイクしてもおかしくないな。
「さて、さっさと終わらせて美味いもの買って帰ろう」
「そう簡単に終われば良いけど」
 俺たちは中に入っていく。
「半分くらいだから五十階層くらいまでは行ったのか?」
「はい!五十一階層まで行って、様子を見てから帰って来ました」
 三原さんが丁寧に応えてくれる。
「ありがとう、にしてもいつもそんな荷物多いのか?」
 マジックバックは渡したが、もう入らないのだろう。
「アイテムボックス持ちはいいですわねー」
「んー、マリアが全部運ぶなら渡すけど、それか三原さん」
 時空間じゃ無くても空間魔法で良いだろう。
「斎藤さんに渡して量産するのは?」
「それはやめといた方がいい、斎藤さんを信頼してないわけじゃ無くて心配してるからだ」
「それは何故?」
「捕まって作らされたら困るだろ?」
 それでなくても欲しい人は沢山いるのに量産できるならそれくらいのことはしてくるだろう。
「あぁ、そういうことね」
「なら私が荷物待ちやりますよ」
 三原さんがそう言うので三原さんに空間の魔法玉を渡す。
「あと一人くらい欲しいわね」
「ならマリアと神崎君が持ってるといい」
 マリアは欲しかったのだろう。喜んでもらっている。賢者の神崎君はびっくりしているが男も誰かが持っていた方がいいだろうし、魔力の高い賢者なら使いこなすだろう。
「僕が使っても?」
「神崎君なら後衛だし、いざという時にね」
「は、はい!」
 これでマリアチームも手ぶらで行動できるな。

「今度こそさっさと終わらせてしまおう」
「「「「「はい」」」」」
「行きますわよ!」
 やはり低階層はさすがに昨日掃除したので、モンスターはあまりいないようだが、少しづつ多くなってくる。
「マリア遅れてるぞ」
「分かってますわよ!」
「神崎君、援護」
「了解です!」
 チームワークはいいが、まだ上級にはマリア一人が特出してるな。
「マリア援護に回れ!久保田くんと川地君あと矢田君は前に出て!池田さんも怖がらずに援護」
 剣闘士の久保田くん。盾士の川地くん弓師の池田さん、拳闘士の矢田くんを優先して鍛えた方がいいな。

 ダンジョン六十階層、
 ここで一旦休憩だ。
「久保田君達もガンガン前に出て、マリアに任せてると弱いままだぞ?」
「「「「はい」」」」
「まぁ、マリアもスパルタで育てたからな」
「そうですわよ、あの時は生きた心地がしませんでしたわ」
「中級からでもよかったんだがもう上級だしな、最速で強くなってもらう」
 スクロールを渡して使ってもらう。
「改造してるみたいだな」
「もうとっくにその域ですね」
「あはは、自分がこれほどスキルがあるなんて」
「僕の気持ち分かった?」
 そう言えば神崎君と斎藤さんには沢山渡したな。神崎くんはどんな気持ちだったのだろうか?
「ははっ、ちょっとパニック?」
「だな。使いこなすのに時間がかかりそう」
「エースチームが何言ってんだよ」
 もっと自信持ってもらわなくちゃな。
「エースなんて、小太郎さんがいるじゃないですか」
「エースってよりジョーカーっぽいけど」
「「「あははは」」」

 薩摩川内ダンジョン 七十二階層

「おーい、遅れてるぞー」
「はい!」
 スパルタでやっている上級ダンジョン攻略になんとかついて来てる三原さん達。
 マリアも上手いこと立ち回って後ろにモンスターが行かないようにしている。
「よし、このまま進むぞ」
「「「はい!」」」

 百階層にやって来た。ボスはガラッパと言うカッパだった。体長は二十メートルはあるんじゃないか?
 でも弱点って言ったらあそこだよな?
「いけるか?」
「「「いけます!!」」」
 盾士の川地君が吹き飛ばされるけどマリアが後ろに回った。
 久保田君も左の攻撃を受け止め、水のブレスは神崎君が同じ水魔法で相殺している。
 その隙にマリアがガラッパの頭のサラを割り灰になっていく。

 俺は灰を集めて回っている。聖玉に使うんだもん。

「よくやったな!これでブレイクも心配ないな」
「やっと終わった」
「きっつ」
「へとへとですわ」
 後は転送陣で帰るだけだ。

 ギルドに聖玉を置いてもらって冒険者を増やしてもらうことも忘れない。

 受付のお姉さんに聞くと鹿児島って言ったら黒豚だよな?甘いもんはかすたどんってのがあるらしかった。
 あ、あと親父に芋焼酎だな。
 買って帰らないとうるさいだろうからな。

 買い物が終わると全員でさっと転移して帰る。今回は飛行機は普通だったし、新幹線だから乗り物の心配しなくていいのがいい。

「今帰ったぞー」
「ただいまー」
「「おっかえりー」」
「お帰りなさいませ」
 ちょうど料理ができたみたいだ。
 だが婆ズが倒れている。これは良くないことが起きたか。
「ささ婆たちはどうしたの?」
「味見したら倒れた」
 オー、これはだれが料理したかでこれからの料理当番が決まるぞ。
「さてと、どれも美味そうだが婆ズはどれを食べて倒れたのかな?」
「「「さぁ?」」」
 さて問題だ。これは体を張らなければならない。俺の全耐性よ!もってくれ!
「これが私でこれがルージュ、で、これがリア」
「よし、じゃあユフィのから食べるぞ!」
「そんな気合いいれる?」
「気合いが大事だからな!」
 俺、頑張れ!
「アンアン(僕の鼻でも分からないよ?」
「くっそ!南無三」
 あ、美味い。
「美味いな」
「でしょ!俺頑張ったからな!」
「じゃあ次はルージュのだな」
「私も頑張ってつくったぞ」
「南無三!」
「……これも美味い」
 じゃあ残りのリアのが、
「やったね!」
「私のも食べてください」
「あぁ、南無三!」
「あぁ、美味いな?」
 おかしいな、なんで婆ズが倒れたんだ?
「婆ズはなんで倒れてんだ?」
 婆ズは立ち上がると、
「なんじゃ全部食べおったか」
「つまらんのぉ、もっと葛藤すると思っておったのに」
 爺婆ズめ!
「騙されるわけないだろ!こんな可愛い子たちの手料理だぞ!」
「その割にゃ南無三いうとったじゃろ!」
「う、うるせぇ!飯がうまくてな!」
「あーそーかい!」
 騙されるところだったぜ。

「どれが一番美味かった?」
「どれもそれぞれ美味かったよ」
「まいっか!俺のがどーせ一番だし」
「聞き捨てなりませんわね」
「私のが一番愛情がこもってましたから」
 うおっ!飛び火した。
「この海老フライもシチューもオムライスも全部美味しいですわよ?」
「だ、だよねー!」
 マリアのナイスアシスト!
「そ、そう?」
「まあね」
「愛情が入ってますから」
「うん!美味い美味い!」
 全部食べ切った。
「満腹だぁ。美味しかったよ、ありがとう!」
「「「お粗末さまでした」」」
 ふぅ、危なかったわ。
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

勇者パーティのサポートをする代わりに姉の様なアラサーの粗雑な女闘士を貰いました。

石のやっさん
ファンタジー
年上の女性が好きな俺には勇者パーティの中に好みのタイプの女性は居ません 俺の名前はリヒト、ジムナ村に生まれ、15歳になった時にスキルを貰う儀式で上級剣士のジョブを貰った。 本来なら素晴らしいジョブなのだが、今年はジョブが豊作だったらしく、幼馴染はもっと凄いジョブばかりだった。 幼馴染のカイトは勇者、マリアは聖女、リタは剣聖、そしてリアは賢者だった。 そんな訳で充分に上位職の上級剣士だが、四職が出た事で影が薄れた。 彼等は色々と問題があるので、俺にサポーターとしてついて行って欲しいと頼まれたのだが…ハーレムパーティに俺は要らないし面倒くさいから断ったのだが…しつこく頼むので、条件を飲んでくれればと条件をつけた。 それは『27歳の女闘志レイラを借金の権利ごと無償で貰う事』 今度もまた年上ヒロインです。 セルフレイティングは、話しの中でそう言った描写を書いたら追加します。 カクヨムにも投稿中です

異世界だろうがソロキャンだろう!? one more camp!

ちゃりネコ
ファンタジー
ソロキャン命。そして異世界で手に入れた能力は…Awazonで買い物!? 夢の大学でキャンパスライフを送るはずだった主人公、四万十 葦拿。 しかし、運悪く世界的感染症によって殆ど大学に通えず、彼女にまでフラれて鬱屈とした日々を過ごす毎日。 うまくいかないプライベートによって押し潰されそうになっていた彼を救ったのはキャンプだった。 次第にキャンプ沼へのめり込んでいった彼は、全国のキャンプ場を制覇する程のヘビーユーザーとなり、着実に経験を積み重ねていく。 そして、知らん内に異世界にすっ飛ばされたが、どっぷりハマっていたアウトドア経験を駆使して、なんだかんだ未知のフィールドを楽しむようになっていく。 遭難をソロキャンと言い張る男、四万十 葦拿の異世界キャンプ物語。 別に要らんけど異世界なんでスマホからネットショッピングする能力をゲット。 Awazonの商品は3億5371万品目以上もあるんだって! すごいよね。 ――――――――― 以前公開していた小説のセルフリメイクです。 アルファポリス様で掲載していたのは同名のリメイク前の作品となります。 基本的には同じですが、リメイクするにあたって展開をかなり変えているので御注意を。 1話2000~3000文字で毎日更新してます。

40歳のおじさん 旅行に行ったら異世界でした どうやら私はスキル習得が早いようです

カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
部長に傷つけられ続けた私 とうとうキレてしまいました なんで旅行ということで大型連休を取ったのですが 飛行機に乗って寝て起きたら異世界でした…… スキルが簡単に得られるようなので頑張っていきます

世界一簡単にレベルアップ ~魔物を倒すだけでレベルが上がる能力を得た俺は、弱小の魔物を倒しまくって異世界でハーレム作る事にしました~

きよらかなこころ
ファンタジー
 シンゴはある日、事故で死んだ。  どうやら、神の手違いで間違って死んでしまったシンゴは異世界に転生することになる。  転生する際にオマケに『魔物を倒すだけでレベルが上がる』能力を貰ったシンゴ。  弱小の魔物を倒してレベルを上げ、異世界でハーレムを作る事を企むのだった。

42歳メジャーリーガー、異世界に転生。チートは無いけど、魔法と元日本最高級の豪速球で無双したいと思います。

町島航太
ファンタジー
 かつて日本最強投手と持て囃され、MLBでも大活躍した佐久間隼人。  しかし、老化による衰えと3度の靭帯損傷により、引退を余儀なくされてしまう。  失意の中、歩いていると球団の熱狂的ファンからポストシーズンに行けなかった理由と決めつけられ、刺し殺されてしまう。  だが、目を再び開くと、魔法が存在する世界『異世界』に転生していた。

異世界召喚に条件を付けたのに、女神様に呼ばれた

りゅう
ファンタジー
 異世界召喚。サラリーマンだって、そんな空想をする。  いや、さすがに大人なので空想する内容も大人だ。少年の心が残っていても、現実社会でもまれた人間はまた別の空想をするのだ。  その日の神岡龍二も、日々の生活から離れ異世界を想像して遊んでいるだけのハズだった。そこには何の問題もないハズだった。だが、そんなお気楽な日々は、この日が最後となってしまった。

アラフォーおっさんの週末ダンジョン探検記

ぽっちゃりおっさん
ファンタジー
 ある日、全世界の至る所にダンジョンと呼ばれる異空間が出現した。  そこには人外異形の生命体【魔物】が存在していた。  【魔物】を倒すと魔石を落とす。  魔石には膨大なエネルギーが秘められており、第五次産業革命が起こるほどの衝撃であった。  世は埋蔵金ならぬ、魔石を求めて日々各地のダンジョンを開発していった。

ステータス画面がバグったのでとりあえず叩きます!!

カタナヅキ
ファンタジー
ステータ画面は防御魔法?あらゆる攻撃を画面で防ぐ異色の魔術師の物語!! 祖父の遺言で魔女が暮らす森に訪れた少年「ナオ」は一冊の魔導書を渡される。その魔導書はかつて異界から訪れたという人間が書き記した代物であり、ナオは魔導書を読み解くと視界に「ステータス画面」なる物が現れた。だが、何故か画面に表示されている文字は無茶苦茶な羅列で解読ができず、折角覚えた魔法なのに使い道に悩んだナオはある方法を思いつく。 「よし、とりあえず叩いてみよう!!」 ステータス画面を掴んでナオは悪党や魔物を相手に叩き付け、時には攻撃を防ぐ防具として利用する。世界でただ一人の「ステータス画面」の誤った使い方で彼は成り上がる。 ※ステータスウィンドウで殴る、防ぐ、空を飛ぶ異色のファンタジー!!

処理中です...