魔女の弟子ー童貞を捨てた三歳児、異世界と日本を行ったり来たりー

盾乃あに

文字の大きさ
103 / 104

最終

しおりを挟む

 バベルは上に登るほどモンスターが強くなっていく。
「はぁ、はぁ、今何階だ?ほんとやってられないぜ」
 此処にくるまでユフィに泣きつかれ、ルージュに叩かれ、リアには死ぬと言われたが、俺が一度言い出したら聞かないのがわかっているからマリアがみんなを説得して最後には許してくれたっけ。

「おらぁ、まだまだこいやぁ!」
『グオオォォォォォ』
 赤い狼が群れで襲ってくる。
「動きが遅いぜ」
 小太郎は時魔法を習熟していた。
 言葉に出さなくてもそれは発動する。
 ドロップ品を集め、また上へ登っていく。

 飯はアイテムボックスにあるものは全て食べた。あとはモンスターの肉を焼いて食うだけ。

 何年経った?何万階登っただろうか?
 死ぬ気で死ぬかと思ったほど頑張った。
 
 ようやく光が見える。

 塔の頂上にはオーブがあり、それを触る。
『登録完了しました』
「バベルを止めろ」
『完了しました』
「そして平穏を」
『了解しました』
 ダンジョンは無くさない。バベルを止めるだけにするべきだろ。ルナディアと同じように。

「だーれが死ぬもんか!俺はまだ童貞だー!」

 大声で叫んでスッキリした。

 さぁて、髪でも切ってアイツらに会いに行くか?その前に風呂だな。
 その風貌は歴戦の戦士だった。

「ただいま」


 数年後、

「小次郎!おむつかえるぞ!」
 ドタドタと走り回る。
 結局は親父に捕まって爺婆ズがオムツ替えをしている。
 小次郎は俺とユフィの子供だ。
「妊婦もいるんだからちょっとは静かにしなさいよ」
 ルージュとリアも妊婦だ。
「小太郎が考えなしにするからじゃ」
 親父は怒っているのか笑っているのか。
「しょーがねぇだろ?禁欲生活(童貞)が長かったんだから」
「にしても節操がないですわよ!身体が持ちません」
 マリアはまだ妊娠はしていない。
 
「コラ太郎!まちなさい!」
「ヤダヤダヤダ」
 俺の後ろに隠れる太郎。俺とルーの子供だ。年は取られてない。
「ほんとお父さん子なんだから」
「ほーれ太郎、抱っこしてやる」
「やったー」
 抱きついて離れない。
 甘えただな。
 リビングは最近大騒ぎだ。
 爺婆ズもてんてこ舞いのようだが、やけに嬉しそうなのが俺も嬉しい。
「アンアン」
「お前はデカくならねぇな?」
「アンアン(大きさは変えられるよ?」
「なんだ、自分でその大きさなのかよ」
「アンアン(こっちのほうがこの家にはあってるからね)」

「兄貴!またどっかの馬鹿がダンジョンをランクアップさせました!」
 勇者の大谷は俺のことをアニキと言いはじめている。いい迷惑だ。
「はぁ!お前達でなんとかしろよ!」
「それが、もう極めまで行ってて」
「そろそろお前達も極めてこいよ」
「まだまだっす!ついて来てくださいよ」
 大谷がゴネるが俺も大変なんだよ。
「だめだったら俺がいくから、行けるとこまで行ってこい」
「絶対ですよ?んじゃいって来ます」
「死ぬなよー」
「縁起でもねぇ!」
 勇者組は走って車に乗り込む。
「三原さんは行かないのか?」
「兄貴と一緒でお腹の子に悪いんですよ!」
「そっか。お互い大変だな」
 三原さんと勇者の大谷はいつの間にか結婚していた。
「んじゃいってくるっす」

「くぅー!いい天気だな!」
 太郎を抱えて外を見るといい快晴だ。
「小太郎!さっさと次郎も抱っこしてやんなよ」
 爺婆ズがうるさいな。
「はいよ」
「ぱーぱ」
 手を広げる次郎を片手に抱っこして外を眺める。悪くないな。

 ダンジョンは無くならない。でも人間はそれでもどうにか生きている。新しい生命と共に。

 平穏を…
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

勇者パーティのサポートをする代わりに姉の様なアラサーの粗雑な女闘士を貰いました。

石のやっさん
ファンタジー
年上の女性が好きな俺には勇者パーティの中に好みのタイプの女性は居ません 俺の名前はリヒト、ジムナ村に生まれ、15歳になった時にスキルを貰う儀式で上級剣士のジョブを貰った。 本来なら素晴らしいジョブなのだが、今年はジョブが豊作だったらしく、幼馴染はもっと凄いジョブばかりだった。 幼馴染のカイトは勇者、マリアは聖女、リタは剣聖、そしてリアは賢者だった。 そんな訳で充分に上位職の上級剣士だが、四職が出た事で影が薄れた。 彼等は色々と問題があるので、俺にサポーターとしてついて行って欲しいと頼まれたのだが…ハーレムパーティに俺は要らないし面倒くさいから断ったのだが…しつこく頼むので、条件を飲んでくれればと条件をつけた。 それは『27歳の女闘志レイラを借金の権利ごと無償で貰う事』 今度もまた年上ヒロインです。 セルフレイティングは、話しの中でそう言った描写を書いたら追加します。 カクヨムにも投稿中です

異世界だろうがソロキャンだろう!? one more camp!

ちゃりネコ
ファンタジー
ソロキャン命。そして異世界で手に入れた能力は…Awazonで買い物!? 夢の大学でキャンパスライフを送るはずだった主人公、四万十 葦拿。 しかし、運悪く世界的感染症によって殆ど大学に通えず、彼女にまでフラれて鬱屈とした日々を過ごす毎日。 うまくいかないプライベートによって押し潰されそうになっていた彼を救ったのはキャンプだった。 次第にキャンプ沼へのめり込んでいった彼は、全国のキャンプ場を制覇する程のヘビーユーザーとなり、着実に経験を積み重ねていく。 そして、知らん内に異世界にすっ飛ばされたが、どっぷりハマっていたアウトドア経験を駆使して、なんだかんだ未知のフィールドを楽しむようになっていく。 遭難をソロキャンと言い張る男、四万十 葦拿の異世界キャンプ物語。 別に要らんけど異世界なんでスマホからネットショッピングする能力をゲット。 Awazonの商品は3億5371万品目以上もあるんだって! すごいよね。 ――――――――― 以前公開していた小説のセルフリメイクです。 アルファポリス様で掲載していたのは同名のリメイク前の作品となります。 基本的には同じですが、リメイクするにあたって展開をかなり変えているので御注意を。 1話2000~3000文字で毎日更新してます。

40歳のおじさん 旅行に行ったら異世界でした どうやら私はスキル習得が早いようです

カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
部長に傷つけられ続けた私 とうとうキレてしまいました なんで旅行ということで大型連休を取ったのですが 飛行機に乗って寝て起きたら異世界でした…… スキルが簡単に得られるようなので頑張っていきます

世界一簡単にレベルアップ ~魔物を倒すだけでレベルが上がる能力を得た俺は、弱小の魔物を倒しまくって異世界でハーレム作る事にしました~

きよらかなこころ
ファンタジー
 シンゴはある日、事故で死んだ。  どうやら、神の手違いで間違って死んでしまったシンゴは異世界に転生することになる。  転生する際にオマケに『魔物を倒すだけでレベルが上がる』能力を貰ったシンゴ。  弱小の魔物を倒してレベルを上げ、異世界でハーレムを作る事を企むのだった。

42歳メジャーリーガー、異世界に転生。チートは無いけど、魔法と元日本最高級の豪速球で無双したいと思います。

町島航太
ファンタジー
 かつて日本最強投手と持て囃され、MLBでも大活躍した佐久間隼人。  しかし、老化による衰えと3度の靭帯損傷により、引退を余儀なくされてしまう。  失意の中、歩いていると球団の熱狂的ファンからポストシーズンに行けなかった理由と決めつけられ、刺し殺されてしまう。  だが、目を再び開くと、魔法が存在する世界『異世界』に転生していた。

異世界召喚に条件を付けたのに、女神様に呼ばれた

りゅう
ファンタジー
 異世界召喚。サラリーマンだって、そんな空想をする。  いや、さすがに大人なので空想する内容も大人だ。少年の心が残っていても、現実社会でもまれた人間はまた別の空想をするのだ。  その日の神岡龍二も、日々の生活から離れ異世界を想像して遊んでいるだけのハズだった。そこには何の問題もないハズだった。だが、そんなお気楽な日々は、この日が最後となってしまった。

アラフォーおっさんの週末ダンジョン探検記

ぽっちゃりおっさん
ファンタジー
 ある日、全世界の至る所にダンジョンと呼ばれる異空間が出現した。  そこには人外異形の生命体【魔物】が存在していた。  【魔物】を倒すと魔石を落とす。  魔石には膨大なエネルギーが秘められており、第五次産業革命が起こるほどの衝撃であった。  世は埋蔵金ならぬ、魔石を求めて日々各地のダンジョンを開発していった。

ステータス画面がバグったのでとりあえず叩きます!!

カタナヅキ
ファンタジー
ステータ画面は防御魔法?あらゆる攻撃を画面で防ぐ異色の魔術師の物語!! 祖父の遺言で魔女が暮らす森に訪れた少年「ナオ」は一冊の魔導書を渡される。その魔導書はかつて異界から訪れたという人間が書き記した代物であり、ナオは魔導書を読み解くと視界に「ステータス画面」なる物が現れた。だが、何故か画面に表示されている文字は無茶苦茶な羅列で解読ができず、折角覚えた魔法なのに使い道に悩んだナオはある方法を思いつく。 「よし、とりあえず叩いてみよう!!」 ステータス画面を掴んでナオは悪党や魔物を相手に叩き付け、時には攻撃を防ぐ防具として利用する。世界でただ一人の「ステータス画面」の誤った使い方で彼は成り上がる。 ※ステータスウィンドウで殴る、防ぐ、空を飛ぶ異色のファンタジー!!

処理中です...