2 / 79
ギルド本部
しおりを挟む翌朝は肌寒いので上着を着て近くの足立区ギルドに歩いて向かう。
車なんて持ってないし、買う金なんか無い。
商店街を突っ切って大きなビルに足立区ギルドと小さな文字で彫ってある。
中に入ると役所のようになっていて、朝だからか人は少ない。
タッチパネルで番号を取ると、すぐに呼ばれる。
「はい、今日はどういったご用件でしょうか?」
と明るそうな女の子が喋りかける。ネームプレートには『児玉』と書いてある。
「はい、私は昨日覚醒したようなので登録に」
「そうなんですね、おめでとうございます。では用紙に記入していただけますか?」
「はい」
と、記入して行く。
「はい、ありがとうございます、こちらに今日の日付もお願いします」
「はい」
記入した用紙をパソコンに読み込ませ、内容を確認している児玉さん。
「合成師?と言うのはデータベースに載っていない職業になりますので、あちらのジョブ管理課にご案内しますね」
「はい」
立ち上がり児玉さんについて行く。
「少々お待ちください」
児玉さんは受付の中に入るとスーツを着たゴツい男に紙を渡して何かを喋り、男の人を連れてくる。
「それではこちらの御門さんがご案内します」
「御門と申します。よろしくお願いしますね」
と見た目に反して丁寧な口調話す御門さんについて行く。
エレベーターに乗り8階まで上がると、
「それではこちらでジョブの確認をしていきますね」
「はい」
誰もいないスポーツジムのようになっている8階で、基礎体力を計測する。動きやすい服装で良かった。
「はい、覚醒者によくある数値ですね。最後にこれを触っていただけますか?」
「はぁ、はぁ、ふぅー、は、はい」
息を整えて、水晶に触ると御門さんはそれを見てパソコンに打ち込んでいく。
「ありがとうございました。これで、最後になりますからもうちょっとだけお時間を下さい」
「はい」
椅子を勧められて座る。
「ありがとうございます。では、この合成師と言うジョブですが、生産職のようですけどスキルを使ったことは?」
「無いです。昨日の夜に覚醒したばかりですので」
「そうですか、では、ここにある鉄のインゴットを二つ、スキルを使って確認してみましょう」
「はい」
小さな鉄のインゴットが二つ置かれたので、
「『合成』」
と二つのインゴットに手を当てスキルを使用してみる。
光が生まれて二つのインゴットが消える。
すると一つのインゴットが出来上がった。
「それでは調べますね?『鑑定』」
『鑑定』をした御門さんは目を丸くすると、何かを書き出している。
「はい、合成のスキルは確認出来ました。このインゴットは鋼鉄のインゴットに変わって『力+3』が付与されています」
「はい、ん?それだけですか?」
別に大したことじゃ無いようだが?
「いや、凄いことですよ?物質が変わり付与されている『力+3』も大きな付与ですから」
「そうなんですか?」
「そうですよ、これを加工して剣などを作ると『力+3』の鋼鉄の剣になるんですから」
「はぁ、そうなんですね」
まぁ、そんなところだろうな。
「はい!それでは合成師としてのスキル確認も終わりましたので1階に戻りましょう」
「はい」
1階に戻り、番号札を貰って呼ばれるまで椅子に座ってスマホをいじる。
鋼鉄の剣『力+3』を検索する。
「な!」
思わず声が出てしまったが、鋼鉄の剣は100万で鋼鉄の剣『力+3』は180万で売られていた。
凄いな、80万も+になるのか。
自分の番号が呼ばれて受付に座る。
「はい、里見様のギルドカードが出来上がりましたのでお渡しします」
キャッシュカードのような物で裏面には名前が載っている。
「こちらは新規のギルドカードで星1になります」
ほぉ、星1かぁ。
「こちらはランクが上がると星2、星3と上がっていきますのでその度に更新ですね。ダンジョンは安全の為、そのランクに合ったダンジョンしか行けないので注意して下さい」
「はい、私もダンジョンに行けるんですか?」
生産職なのに?
「はい、生産職の方も沢山いらっしゃいますが、材料などを採取に行かれる方もいらっしゃいますし、レベルを上げてランクを上げる方もいますね」
「はぁ、そうなんですね」
「はい、合成師と言うジョブは初となりますが、基礎能力も問題ないので星1ダンジョンに出てくるモンスターは大丈夫だと思いますよ」
そうなんだな、生産職で少し落ち込んでいたが、なんとか探索者になれそうだな。
「では小冊子ですが、ここに書かれているのが規則や足立区ギルドが管理しているダンジョンになりますので目を通しておいてください」
「はい」
「これで以上となりますがなにかありますでしょうか?」
「いえ、大丈夫です」
「はい、それではこれで終わりとなります。ありがとうございました」
「いえ、ありがとうございます」
立ち上がりギルドの武器防具販売店へと足を向ける。
「たしか」
2階にあるんだよな。
エレベーターに乗って店へ入ると、鉄の剣や防具がズラリと並ぶ。
やはりどれも高いなぁ。
鉄の剣で30万、革の鎧で50万か。
とりあえずこれは初心者セットを買った方が得だな。
「いらっしゃい、初心者セットだね」
「はい」
「じゃあ革鎧を調整するから、ちょっと待ってくれよ」
と店主が出てきてサイズを測ると、Mサイズを持ってくる。
「これを着てみて、きつかったら少しなら調整できるから」
「は、はい」
上着を脱いで革鎧を着る。
「まぁ、腕なんかを動かしてみてくれ」
「はい、まぁこんなもんですかね?」
「そうだな、少し調整すれば良いな」
と調整してもらい、革鎧を脱いで上着を着る。
初心者セットは片手剣(武器は選択する)、革鎧、剣帯、小盾、額当て、片手剣用ケース、砥石が付いて税込80万だ。
カードで支払い、袋に入れてもらいギルドから外に出る。
「ふぅ、買ってしまったな。来月の引き落としが怖いなぁ」
129
あなたにおすすめの小説
ハーレムキング
チドリ正明@不労所得発売中!!
ファンタジー
っ転生特典——ハーレムキング。
効果:対女の子特攻強制発動。誰もが目を奪われる肉体美と容姿を獲得。それなりに優れた話術を獲得。※ただし、女性を堕とすには努力が必要。
日本で事故死した大学2年生の青年(彼女いない歴=年齢)は、未練を抱えすぎたあまり神様からの転生特典として【ハーレムキング】を手に入れた。
青年は今日も女の子を口説き回る。
「ふははははっ! 君は美しい! 名前を教えてくれ!」
「変な人!」
※2025/6/6 完結。
幼馴染達と一緒に異世界召喚、だけど僕だけ別な場所に飛ばされた先は異世界の不思議な無人島だった。
アノマロカリス
ファンタジー
よくある話の異世界召喚…
スマホのネット小説や漫画が好きな少年、洲河 愽(すが だん)。
いつもの様に幼馴染達と学校帰りの公園でくっちゃべっていると地面に突然魔法陣が現れて…
気付くと愽は1人だけ見渡す限り草原の中に突っ立っていた。
愽は幼馴染達を探す為に周囲を捜索してみたが、一緒に飛ばされていた筈の幼馴染達は居なかった。
生きていればいつかは幼馴染達とまた会える!
愽は希望を持って、この不思議な無人島でサバイバル生活を始めるのだった。
「幼馴染達と一緒に異世界召喚、だけど僕の授かったスキルは役に立つものなのかな?」
「幼馴染達と一緒に異世界召喚、だけど僕は幼馴染達よりも強いジョブを手に入れて無双する!」
「幼馴染達と一緒に異世界召喚、だけど僕は魔王から力を授かり人類に対して牙を剥く‼︎」
幼馴染達と一緒に異世界召喚の第四弾。
愽は幼馴染達と離れた場所でサバイバル生活を送るというパラレルストーリー。
はたして愽は、無事に幼馴染達と再会を果たせるのだろうか?
異世界ラーメン屋台~俺が作るラーメンを食べるとバフがかかるらしい~
橘まさと
ファンタジー
脱サラしてラーメンのキッチンカーをはじめたアラフォー、平和島剛士は夜の営業先に向けて移動していると霧につつまれて気づけばダンジョンの中に辿りついていた。
最下層攻略を目指していた女性だらけのAランク冒険者パーティ『夜鴉』にラーメンを奢る。
ラーメンを食べた夜鴉のメンバー達はいつも以上の力を発揮して、ダンジョンの最下層を攻略することができた。
このことが噂になり、異世界で空前絶後のラーメンブームが巻き起こるのだった。
ステータス画面がバグったのでとりあえず叩きます!!
カタナヅキ
ファンタジー
ステータ画面は防御魔法?あらゆる攻撃を画面で防ぐ異色の魔術師の物語!!
祖父の遺言で魔女が暮らす森に訪れた少年「ナオ」は一冊の魔導書を渡される。その魔導書はかつて異界から訪れたという人間が書き記した代物であり、ナオは魔導書を読み解くと視界に「ステータス画面」なる物が現れた。だが、何故か画面に表示されている文字は無茶苦茶な羅列で解読ができず、折角覚えた魔法なのに使い道に悩んだナオはある方法を思いつく。
「よし、とりあえず叩いてみよう!!」
ステータス画面を掴んでナオは悪党や魔物を相手に叩き付け、時には攻撃を防ぐ防具として利用する。世界でただ一人の「ステータス画面」の誤った使い方で彼は成り上がる。
※ステータスウィンドウで殴る、防ぐ、空を飛ぶ異色のファンタジー!!
外れスキルと言われたスキルツリーは地球の知識ではチートでした
盾乃あに
ファンタジー
人との関係に疲れ果てた主人公(31歳)が死んでしまうと輪廻の輪から外れると言われ、別の世界の別の人物に乗り替わると言う。
乗り替わった相手は公爵の息子、ルシェール(18歳)。外れスキルと言うことで弟に殺されたばかりの身体に乗り移った。まぁ、死んだことにして俺は自由に生きてみようと思う。
仮想戦記:蒼穹のレブナント ~ 如何にして空襲を免れるか
サクラ近衛将監
ファンタジー
レブナントとは、フランス語で「帰る」、「戻る」、「再び来る」という意味のレヴニール(Revenir)に由来し、ここでは「死から戻って来たりし者」のこと。
昭和11年、広島市内で瀬戸物店を営む中年のオヤジが、唐突に転生者の記憶を呼び覚ます。
記憶のひとつは、百年も未来の科学者であり、無謀な者が引き起こした自動車事故により唐突に三十代の半ばで死んだ男の記憶だが、今ひとつは、その未来の男が異世界屈指の錬金術師に転生して百有余年を生きた記憶だった。
二つの記憶は、中年男の中で覚醒し、自分の住む日本が、この町が、空襲に遭って焦土に変わる未来を知っってしまった。
男はその未来を変えるべく立ち上がる。
この物語は、戦前に生きたオヤジが自ら持つ知識と能力を最大限に駆使して、焦土と化す未来を変えようとする物語である。
この物語は飽くまで仮想戦記であり、登場する人物や団体・組織によく似た人物や団体が過去にあったにしても、当該実在の人物もしくは団体とは関りが無いことをご承知おきください。
投稿は不定期ですが、一応毎週火曜日午後8時を予定しており、「アルファポリス」様、「カクヨム」様、「小説を読もう」様に同時投稿します。
グロット・オー ~スナープ団をぶっ潰せ!~
雲乃琳雨
ファンタジー
第一期、体育会系ヒロイン、コズエ召喚! 「よろしく、コズエ」
ここは裏切りと欲望の世界。
戦争が終わって7年が経つグロット王国は、復興がなかなか進まなかった。盗賊や人身売買が横行する中、人々はグループを作って活動していた。シュナは冒険者グループ、フリオン団のメンバーだ。陰で人身売買撲滅のために国に協力している。シュナとリーダーのハシブおじさんは、人身売買組織に襲われたフリオン村の生き残りだ。団の目的は、人身売買組織スナープ団を壊滅させること。
コズエは部活に行く途中、人買いの倉庫に転移してしまった。その場に捕まっていたピンク頭の美少女に、身代わりされてしまう。
シュナは人買いから買い取ったコズエが、異世界人だと気がついた。この世界では異世界人が来ることがたまにある。異世界人は神殿で保護してもらえるので、コズエを神殿まで連れて行くことにした。二人の冒険の旅が始まった。
シュナはコズエの運動神経の良さに感心する。コズエも戦力になり、旅をしながら二人で町の人たちを助けていく。
シュナと冒険者たちの神の宝をめぐる三部作開幕。
一部で一旦終了します。
勇者パーティのサポートをする代わりに姉の様なアラサーの粗雑な女闘士を貰いました。
石のやっさん
ファンタジー
年上の女性が好きな俺には勇者パーティの中に好みのタイプの女性は居ません
俺の名前はリヒト、ジムナ村に生まれ、15歳になった時にスキルを貰う儀式で上級剣士のジョブを貰った。
本来なら素晴らしいジョブなのだが、今年はジョブが豊作だったらしく、幼馴染はもっと凄いジョブばかりだった。
幼馴染のカイトは勇者、マリアは聖女、リタは剣聖、そしてリアは賢者だった。
そんな訳で充分に上位職の上級剣士だが、四職が出た事で影が薄れた。
彼等は色々と問題があるので、俺にサポーターとしてついて行って欲しいと頼まれたのだが…ハーレムパーティに俺は要らないし面倒くさいから断ったのだが…しつこく頼むので、条件を飲んでくれればと条件をつけた。
それは『27歳の女闘志レイラを借金の権利ごと無償で貰う事』
今度もまた年上ヒロインです。
セルフレイティングは、話しの中でそう言った描写を書いたら追加します。
カクヨムにも投稿中です
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる