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前衛募集
しおりを挟むあの後社長に連れられ俺とツネは寿司屋に来ている。
「あっはっは!それでは、ゴブリンを倒したのをキッカケに覚醒が分かったのか?」
「そうですね、あの時は気付くと殴ってましたから」
と俺の覚醒の話を聞いて爆笑している社長。
ツネも少しほぐれたみたいで笑っている。
「はぁ、久しぶりに笑ったわい」
涙を拭いているので面白かったなら良かった。
「ふぅ、里見は結婚は?」
「あはは、まだですね」
「わしの曾孫なんかどうじゃ?」
「それはお断りします、女性を紹介されても困りますから」
「ん?なぜじゃ?」
「私は今、自分のことで精一杯ですので」
そう、女を紹介されても付き合って行く自信がない。
「そうか。榊原は結婚せんのか?」
「私も自分の好みの問題ですね」
「ふむ、草食系というやつか?」
「いえ、そんなわけではないですが」
とツネもその話は苦手らしい。
「ふぅー、わしの曾孫もそんな感じじゃ、早く引退して玄孫が見たいんじゃがのぉ」
と普通のお爺さんだな。
色々と話をして寿司屋を後にする。
「久しぶりの日本でわしもリフレッシュしたわい」
「そうですか、良かったです」
車に乗って『tortie』に向かっている。
「里見、榊原、日本は狭い、世界を見るのもまた良いもんじゃぞ?」
「そうですね、機会があれば」
「私も同じですね」
世界かぁ、でもやはり日本がいいな。
『tortie』に着くとまだ忙しいだろうから俺は帰る。
「それではまた!今日はありがとうございました」
「あぁ、こちらこそありがとう。またのぅ」
「はい!」
と言って車を発進させる。
「はぁ、社長が出てくるのは知ってたけどお爺さんとはな」
店長が孫って一体いくつなんだよ。
車を走らせ中野のマンションに到着。
部屋に入って、ビールを飲む。
「カハァ!美味い」
やっぱり緊張はしてた様で気が楽になった。
ツネも店長になるらしいからこれからもバンバン作って売る事にしよう!
しかし50億かぁ。いよいよ税理士に頼まないとな。
翌日からは平常運転で、朝から起きて飯を食ったら出かける。
ギルド派出所に車を駐めて中に入る。
更衣室で着替えて出て行くと、何か騒々しいな。
「だから、俺らが案内してやるから」
「そ、そうそう、任せてついてくればいいから」
見てみると、あぁ、前衛募集の子か。
「あ、あの」
と困っているようだが、あれくらい自分で対処出来ないと後が困るぞ?
受付を済ます、受付の人も見て見ぬふりだな。
横目に見ながらダンジョンの中に入って行く。
1階層を抜けて3階層まで行くとオークソルジャーを倒して行く。
ツネが店長になったんだから武器が必要だしな。
と4階層の階段を見つけ、確認したので昼くらいから降りようと3階層でオークソルジャー狩りを続ける。近くで声がしたので聞いていると、
「おいおい。本当に使えねぇじゃねーか」
「クゥッ!た、助けて」
「いやいや、パーティーじゃ無くて寄生虫は要らないんだけど」
と声が聞こえてくるので見てみる。
やはりあの時の前衛募集の子か。
「ガハァ!あ、た、助けて」
「仕方ねぇな。女だから声かけたんだ、まぁいい助けてやるよ」
「イタッ!あ、ありがとうございま、あぁ!」
オークソルジャーを倒した男達は木々の間にその子を引っ張って行く。
「い、いやぁ!た、助けて!誰かぁ!」
「こんなとこで助けなんて来るかよ!ほら脱げよ!」
お盛んだな。こんなダンジョンでレイプか?
さすがに人としてダメだろ。
「おい、その辺でやめとけ」
しょうがないから声をかけると、
「あ?オッサンなんだ?正義の味方か?」
「ん?違うが目の前でやられたら気分が悪いからな」
そのまま知らんぷりは出来ないだろ。
「おいおい、こっちは使えねぇ女をここまで連れてきたんだ、こっちの勝手だろ?」
男達の言うことが癪に障る。
「はぁ、悪いことは言わない。ギルドに連絡するぞ?」
「あ?おい、こいつソロのくせに何言ってんだ?」
「だな、この人数に勝てると思ってんのか?」
「ダンジョンの中だし、殺してもかまわねぇよな?」
と剣を抜く男、まぁいかにもモテなさそうな顔はしてるな。
おっと、それより、
「なぁ?話し合いで解決は出来ないのか?」
「はぁ、今度は説教か?いいからやるぞ!」
「おう!」
男達3人に囲まれてしまう。
取り敢えず風の指輪でも試すか。
“シュン”
と手を前に突き出すと風の刃が男の頬を掠めて血が流れる。
「お、おい!魔法使いかよ!」
「詠唱が聞こえなかったぞ!」
と俺から離れる男達、
「ふぅ、は!」
取り敢えず近付き剣を振ると鎧が簡単に斬れて中まで届いたらしく血が流れる。
「や、やめろ!分かった!もうやらねぇよ!」
「だよな、ほれ」
と血が流れて倒れている男にポーションをかけると呻き声をあげる。
「な、た、立てるか?逃げるぞ!」
仲間を無理やり立たせると逃げる男達。
ふぅ、実はちょっと嫌な汗をかいている。
さすがにあんな簡単に鎧が斬れるとは思わなかったからな。
「あ、ありがとうございます」
と木の影から女の子が出てくる。
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