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デスサイズ
しおりを挟む車を走らせ新宿にある『tortie』にやって来た。
駐車場に駐めるとツネの姿が見えた。
「よぉ!」
「お、おっす、さ、寒いから早く中に」
「もう12月だしな、寒いのは当たり前だ」
と言いながら店の中に入る。
店の中には客が多いな。
「なんかセールでもやってるのか?」
「ん?お前の作った武器を見に来てんだよ」
と見てみると真ん中のケースに縦に飾られたミスリルソード(水属性)があった。
へぇ、海外で売るのかと思ったら、日本にも置いてくれたんだな。
「うちは3店舗、ロンドン本店、ニューヨーク支店、で東京支店があって社長はロンドンに今いるみたいだ。日本にも属性武器をって置いていってくれたんだよ」
「そうか、まぁ上手いこと売れればいいし、客寄せにはなるな」
「だな、どうぞ」
「おう」
とソファーに座ると鑑定のモノクルを取り出し、ベルベットの布を広げるツネ。
「準備がいいな。じゃあ出すぞ」
「お手柔らかにな」
俺はマジックバッグから取り出して行く。
「おぉ、それは」
「ミスリルソードの火属性、風属性だな」
「さすがだな。付いてるステータスアップも申し分ない、火属性が12億、風属性が13億だ」
と迷いなく価格を言うツネに驚く。
「ハハッ、これは社長から言われてた事で、ミスリルソードは売れ筋だから高めで買い取る、しかも風は欲しがっている探索者がいるらしいからな」
「そうか、単純にそれだけか?」
「いや、属性は風、火、水、土の順に人気があるらしくてな!」
そうか、土属性もいいと思うんだが、人気の問題か。
「じゃあ次だ」
と買取は進んでいく。
昨日作った属性武器は全て10億付近で買取が決まり、11個持ってきた武器全て『tortie』のブランドになる。
全ての武器が店の奥に持って行かれたその時、
「ほぅ、属性武器はここで売買されてたのか」
「ん?」
「……お客様、ここは商談スペースになっております。守秘義務もありますので勝手に入ってこられては困りますね」
ツネの言う通りだな。店の商談スペースに入ってくるなんて失礼な奴だ。
「悪いな、どうしてもここから運ばれていく物が気になってな。その感じだと当たりのようだな。俺は『閻魔』の愛内健人と言う者だ。俺の武器は特殊でデスサイズなんだ。属性武器が欲しいのにないんだよ。そこで作り手の人を紹介して欲しいのだが」
ん?名前は聞いた事あるな。『閻魔』か、ランカーなんだろうな。
「それは分かっておりますが、それでもここは」
「ツネ、いいよ。俺は里見だ。それにしてもデスサイズかぁ、そんな武器よく使ってるな」
ツネの話を遮って愛内と喋るとツネはソファーに座り直す。
「お、ありがとう。俺の話を聞いてくれて」
と白い歯を見せてくる身長は俺より低いがよく鍛えられた身体に長めの髪のイケメンだ。
「じゃあ鉄でもいいからデスサイズの武器をドロップするのはどこだ?」
「ドロップか、、、星3の30階層のボスモンスターが低確率でドロップしたはずだが」
星2の俺じゃ取りにいけないな。
「それじゃあ作る為にその鉄のデスサイズを8本用意出来るか?」
「それは買って揃えてもいいのか?」
「別に入手方法は問わないよ」
愛内は少し考え。
「分かった!必ず手に入れてくる。ここに持ち込めばいいか?」
俺はツネを見ると、ツネは頷き、
「お客様が刻印を許して頂ければこちらで預かり次第、こちらの里見様に連絡いたしますが?」
「おぉ、ブランド武器も初めてだ!よろしく頼む」
そりゃ、デスサイズ、大鎌なんてどこも取り扱ってないだろ。
「属性は?」
「おぉ!選べるのか?やっぱり風だな」
「それでは特殊な武器ですので、13億でどうでしょうか?」
ツネが価格を言うと、
「おう!それで買えるなら安いもんだ」
「ツネ?素材も調達してもらうんだが?」
「ん?本当は15億でも安いと思うが、これでも配慮してるんだぞ?」
と小声で俺に言う。
「そっか、なら俺は文句ないな」
と言うと、愛内は右手を差し出してくる。
「ありがとう、よろしく頼むよ」
俺はその手を握ると立ち上がり。
「あいよ、素材よろしくな?」
「あぁ、すぐに用意するよ」
そう言うと店から出て行く。
「はぁ、まさかバレるとはな。何か対策しないとな」
「よくここでこの時間にこの場所に現れたな」
「最近よく来てたんだよ。うちにデスサイズを探しているってね」
そうか、それでもこの時に現れるなんて運の良い奴だな。
「無いって言ってるのに諦めないなんてよっぽど新しい武器を探してたんだな」
「だな。ツネも根負けしたようだな」
「さすがに有名ランカーだし、『tortie』の宣伝にもなるしな!」
「さすが店長になった奴は違うな」
「まぁな!それより今夜どうだ?」
「おっ、良いね!予約は頼むぞ?俺はマー坊に連絡してみる」
久しぶりにマー坊にメールを送る。
店を出る時も人は多く、やはり属性武器は人気のようだな。
「それじゃあ家に一旦帰るからメールしてくれ」
「おう!じゃあ後でな」
「おう」
車を発進させてマンションまで帰る。
今日だけで100億以上の稼ぎだ。また税理士に何か言われそうだが、まぁ、いいか。
部屋に戻るとメールの返事が来ていて、マー坊も来れるようなので、ツネからのメールに添付された地図を添付して返事をする。
「時間もまだあるし、『合成』でもするかな」
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