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繋がり
しおりを挟む「ありがとな」
「別に、俺は俺の思うようにしただけだ」
『tortie』の店でいつものように属性武器を卸している。
「まぁ、瀬戸は残念だったが、見る目を養うための失敗だな」
「そうだな。あいつは悪気もなく電話してきたからな」
と話をしている。
「店長、榊原店長」
「ん?なんだ?悪いな」
と席を立つツネに手を振りいいよと言う。
少しすると何やら騒いでいるようで俺も外に出てみると、瀬戸がツネに詰め寄っていた。
「口を出して俺たちに売らないようにするなんて、そんな権限あるのかよ!」
「は?俺はお前が引き抜かれたことしか言ってないぞ」
となにやら瀬戸は勘違いしてるようだな。
「あ!里見さん!今回は是非ともうちに売ってください!」
「あー、なんか勘違いしてるようだが、俺はツネだからここに売ってるだけだ。お前に売る義理はないな」
「な、なぜですか!私達はここより高く買い取ります!」
と瀬戸は俺に向かって叫ぶが、金なんかじゃないんだよな。
「繋がりを大切にしない奴に売るものはない」
俺は冷たくそう言うと、
「そんな!いまから繋がりを持とうと言うのにですか?新しい繋がりだって大事じゃないですか!」
それも正論だが、それは元の繋がりを頼って引き抜きに応じるような奴に言われたくない。
「それはお前との繋がりじゃない。俺とツネの繋がりだったからお前を知ってるだけだろ?お前は元の店の店長の繋がりに縋るのか?」
「クッ!そ、それは」
「お前の負けだ。分かったら帰れ」
とツネが言うと、
「社長は諦めない!里見さん、いずれまた!」
と言ってツネには何も言わずに帰って行った。
「はぁ、悪いな」
「別に、お前が悪いわけじゃないだろ?」
「元部下だしな」
「元な」
と少し瀬戸が出て行った後を見ていた。
その日、ツネは早上がりして二人で居酒屋に行く。
「乾杯」
「おう!」
やはり元気がないようだ。
「気にするな、有名な所なんだろ?」
「あぁ、一流ブランドだ。そこの店長にと言われれば普通のやつなら簡単に心が動くだろうな」
とビールに口をつける。
「お前でもか?」
「俺は拾ってくれた社長に恩があるし、『tortie』こそが一流になると思ってるからな」
「ならいいじゃないか!『tortie』が一流ブランドになれば、そんな引き抜きなんかなくなるだろ?」
今でも一目置かれてるんだ。
一流なんて誰が決める?
「俺はもう一流だと思ってるがな」
「ハハッ、ありがとな」
有名どころも『tortie』の製品を使っているんだ。
まぁ、大手はスポンサーになってるみたいだけどな。
「多分だが、あの社長は潰しにかかってくるだろうな」
「は!そんなもん跳ね除けろ!」
「そうもいかないだろ?ミスリル職人だって金を積まれりゃな?」
と指を輪っかにして言う。
「職人はそんな甘くないぞ?動くようならこっちから切ってやれ!」
「新しく探すのも大変なんだぞ?」
「あー、俺のクランは生産職クランだぞ?」
シオンもいるし、俺が作ってシオンに刻印して貰えばいいだろ?
「いや、ミスリル職人はあの人達がいいんだ。おっさん達の気合いが入ってるからな!」
そうか、長い付き合いなんだな。
「ならそう言えばいいと思うぞ?」
「だな!落ち込んでもしょうがないからな!」
「おし!飲もう!」
といつもの飲みになってしまった。
タクシーで帰らせると、代行を呼んでクランまで帰る。
「おう!ツネはどうだった?」
マンションに入るとマー坊が出て来て聞いてくる。
「まぁ、落ち込んでたかな」
「だよなー。まぁ、少しは元気になっただろ?」
「なってくれればいいんだけどな」
と二人で入って行く。
「ルカさん!見てください!」
とシオンが寄ってくると剣を見せてくる。
「ん?水属性のミスリルソード?属性だけ付けれるのか?」
「はい!なんとかなるかなぁってやってみたら出来ました!」
と嬉しそうに言う。
「そうだな、シオンの作る武器は名前も変わるから売れないからな。でも、これで売ることができるな!」
「はい!」
シオンは鍛冶をマスターしていってるな。
前に作ったフレイムソードだって世に出たら価値が十分あるからな。
本当は作りたいように作らせてやりたいが、使う人間がいないのは勿体無いから、飾っておくくらいしか出来ない。
これでシオンも『tortie』に連れていける。
「そうだ、シオンは高く売りたいか?」
「ん?なんでですか?」
「いや、俺のダチのところじゃなくても、評価してくれるところは沢山あるからな」
これはシオンが決めることだからな。
「え?ツネさんのところがいいですけど?」
「なんでだ?ツネより高く買ってくれるぞ?」
シオンは考えるが、
「やっぱり知り合いのとこがいいです!それに僕はルカさんの弟子ですから!」
「あはは、弟子ではないな。俺よりすごいんだからな」
「そんなことないですよー!」
と笑っている。
シオンは鍛冶職人だから俺の合成とは違うからな。
俺よりその分特化してるしな。
これからが楽しみだ。
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