王霞珠玉

あに

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第1章 異世界乱舞

巻物と解体と川での料理

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「しゃーねー、避けて木にぶつけたところを攻撃するぞ!」
「やるしか無いね」
霞月もやる気になった様だ。
「さぁ、来いよ!」
ブルルッ!ダダッ!!

はっや!二人とも木を背にしてたので避けるのは横、霞月が遅れてるので、霞月の肩を蹴って両側に跳ねると、
「ドオォォォォン!!」
と猪が木にぶつかり、木が折れてしまったが、
「霞月チャンス!斬れ!」

俺は腹を殴る、霞月が首に刀を降ろすと、半分程入って止まったので、
「霞月そのまま力いれとけよ!」

反対に出ている刀の峰に拳を振り下ろすと、ズドン!と猪の首が落ちる。

初戦闘は勝利したが、この猪どうするよ
なんか無いかバックを探る、二人はスキルスクロールを取り出す。

「これなんのスキル?」
「知らん、お前が先に開けろよ」
俺に聞くなよ、てか俺はお供なの!
霞月は渋々開くと、言語理解だったらしい、
「そーだよ、地球と違うなら言葉通じないじゃねーか!」
「でもこれで僕は通じるね!」

俺も開いてみると、
「何だよ解体って!あ、今使えるのか!解体」

何も起きない、自分でやるしか無い様だ、バックから解体用と思われる刃物を取り出し、解体していく、一応やり方が分かる様になってるが汚い、これもスキルレベルかよ。

「ほら!そこ!もーちょっと綺麗に出来ないの?」
「ざけんな!オメェがやってみろよ!」
「無理!解体のスキル持ってないしー!」
「くそっ!」
解体がようやく終わって、バッグに仕舞う、身体中血だらけだ。

「どっか川ねーのかよ」
「とりあえず歩くか・・・」
二人あてもなく歩くが、川は見つからず、血が乾いてポロポロと落ちていく。

最初からこれかよ、と思っているとなにかが流れる音が聞こえてきた。
「おい、なんか聞こえるよな?」
霞月は耳を澄ませて、
「水の音!あっちだね!」
と山の中を早歩きで向かって行く、と念願の川が!危ないので一人でづつ水浴びをする、とサッパリはしたが俺のポリシーはオールバックに・・・

「テンション下がるわー」
俺のポリシー、リーゼントには櫛・ポマード・スプレー・ドライヤーが必要。

バックを漁ってもない、タオルだけあったからちゃんと拭くことは出来て良かったが。
「キングはそっちの方が絶対いいって!でも長すぎだね、切る?」
こいつは怖いことを言い出す。

「誰が切るかよ!町くらいあんだろ、見つけるまで我慢すんだよ!」
本当に足は痛いし、まだ血生臭いし、
「っとまた来たみたいだよ、さっきと違うゴブリンかな?」
みると緑色の小鬼、こっちに気付いたみたいで、ギャーギャー騒いでる。

「言語理解でなに言ってるか分かんねーの?」
「分かるわけないでしょ!あんな奴ら」
使えないバカツキだ。

四、五体か、武器も棒だから大丈夫だろ、と構えると、霞月は後ろにいる。
「お前何してんの?」
「いや、せっかく綺麗になったしね、キングならやれるっしょ」
「ふざけるな!やるぞ!二体はやれよ」
不貞腐れて、
「はいはい、やりますよーだ」

こいつのせいでここにいるんだぞ!
こいつら足が遅いのか、かかってくるが遅すぎる。
すぐ終わったが臭いし汚い。
「キング、解体は?」
「やりたきゃお前がやれよ」
二人とも無言で森の奥に投げる。

ライターはあったので木を集めてきて火を点けると煙が!
「てめー、枯れ木集めろって言っただろ!」
ゲホゲホ言いながら、
「ないんだからしょーがないじゃんか!」
これからが心配になって来た。

なんとか生木を捨てて、火をもう一度点ける。

肉はさっきの猪の肉を焼いた、バックを探ると塩と胡椒があった、気の利くジジイだ!

「固いけどうまっ!臭みもそんなにないよこれ」
何先に食ってんだよ!拳骨して、
「いただきます」
きちんと両手を合わせて食べる。

「美味いな、焼いて塩胡椒だけでこんな美味いのか!また見つけたら狩らないとな」
さっきまで痛がってたが、ちゃんといただきますしてから食いだした。
分かって来たじゃねーか!
「てか普通なら川沿いに下っていけば、村なり町なり出るだろ」
「それ僕も考えてた!」
まだ俺の時計では12時を指しているが、ここがどんなとこか分からない状況では当てにならない。

「んじゃ食ったら行くぞ!」
「えー、もーちょっと休もうよ、足痛い!」
クソガキが!
「置いてくからな」
「分かったけどもうちょっとだけ!」
本当にガキだな。
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