王霞珠玉

盾乃あに

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第1章 異世界乱舞

盗賊と人殺し

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俺らは川沿いの道なき道を下っていたが、急に普通の道のように、踏み固めてあるような所に出た。

「やっ・・・」
馬鹿の口を塞いで、森の方に隠れる。
口に指を当て、静かにしろのジェスチャーをすると頷くので、離すと小声で、
「どうしたのさ、道があるよ」
「なんでもかんでも考えなしに行動するな!もし盗賊なんかの住処だったらどうする?」
考えても無かったように驚くバカツキ。

「ここからは隠れながら行くぞ!」
ウンウンと頷く霞月を後ろに回し、並んで進む。

少し進むと大きな岩山の真ん中に扉が有り、
盗賊いますよー!って感じの場所が見える所に陣取る。

「まさに盗賊ですって感じ?山だから山賊かな?」
「んなこたどーでもいい、ここからどう動くかだ!」
辺りは薄暗くなってきた、時計を見ると17時、まだ分からないが多少は合ってるな。

ガヤガヤし出してきたと思ったら、男共が何かを運んで来ている、薄暗くてよく見えないが人もいるようだ。
「なんかうるさくなってきたね」
んなこた言わなくても分かるってんだ!

敵対しそうな男は今のところ六人、扉の中に何人いるのかも分かんないのに出て行くのは危険だな。

一人が大声で叫んでる。
「今日は大量だ!飲んで騒ぐぞ!だって」
霞月が通訳してくれている。
中から四人、あの一番デカイのがボスか?
違うな、あのヒョロイのがボスらしい。
一番前を歩いて物色してみたいだ。

どうする?俺!あんなん見てられないぞ!
「キング、僕たちはダチだろ?生きたいように行こうよ!」
バカツキの癖に言いやがる、ここで見捨てちゃ男が廃る!だが勝ち目のない事はしない、チャンスを待つ!

男達は宴会を始めた、火を点けたので見通しは良くなった、穴の中はそんなに広くないから外で酒盛りしてるんだろうが、先ずは捕まってる人の安全が第一、いまはまだ荷馬車のような、檻のような所にいれられている。

俺らは回り道をして檻の近くまでやってきた、
見張りが二人、酒飲みながら喋ってる。
「下らない話しやがって!」
通訳する事でもないようだな。
十人相手じゃキツイな、貴重だけど仕方ない、俺らは準備をし始め、酔って小便しに来た一人を倒すとそのまま暗闇に紛れて二手に別れる。

定位置に着くと、GOの合図で袋を投げる!
俺らは顔に布を巻いているから、そのまま突撃!

胡椒爆弾で怯んでいる奴らを倒して行くが、一番デカイやつが立ち塞がる!
こいつ効かないのか?
「おでだちになんのようだ」
鼻詰まりかよ!俺よりちょっとでかいけど何とかなるか?
「オラっ!」
ドスッ!と鳩尾に拳を突き入れる
「うごお!」
「おぼぁ!」
と多少は効いたみたいだが両腕を上から振り下ろして俺の背中に激痛が走り倒れる、がゲホゲホと相手にも効いてるようだ。
俺はすぐに立ち上がり脇腹にフック、顎にアッパーをかますと白目を向いて倒れる。
「しゃっ!」
と叫んだ瞬間に、横から腕に剣が刺さる。
「った!」
何言ってるか分からんが、馬鹿にしてるのは分かるな
「らあぁぁぁぁぁ!」
そいつの首が飛んでいって、噴水の様に血が吹き出す。
霞月が斬った様だ、
「僕のダチになにしてんだ!」
錯乱状態で斬りまくっている霞月。
「バカツキ!」
呼ばれて気づいたのか、血塗れで膝をつく。
肩を叩いて、
「ありがとう、霞月のおかげで助かった」
泣き出す霞月、人を殺したんだ。
五人をまとめて縄で縛り上げる。

肩を止血して、なんとかなるだろ。

結局十人中五人死んだ、いや殺した。
二人とも気分が悪くなり、川に吐いてだいぶ落ち着いてから、
捕まってた人を出してあげて、霞月が説明を聞くと、村を襲われて連れてこられたらしい。

一人が俺の腕の傷を見て魔法?をかけると治ってしまった。すげぇな魔法!

死んだ五人の首と後の五人を連れて行けば金になるらしいから、連れて行く。
穴の中にも人がいた為、縄などを外して出してあげると五人中二人が自害した。

気付かなかったし、止められなかった、それだけ酷いことをされていたのだろう。


穴蔵を探すと多少は金品があったので、この三人に渡して、その村の奴らとその村まで行くことにした。
霞月は俺に通訳しながら、この国の事を聞いている。

この国はウェルスと言う国で、この森はクトゥルフの森と言われ、未知の生物がいるとのこと、なんて森に連れて来てんだクソジジイ!
捕まっていた三人の女は痩せていて、顔に生気がない、俺たちがもっと早くってのは言えないが、元に戻れればいいんだが・・・

ようやく村に着いたが、村だった所だった。
死体がその辺に散乱していて酷い状態だ、まずは墓を作ってやりたいが、みんな呆然と立ち尽くしている。
「霞月、通訳して死んだ人達の墓を作るぞ!」
「いまから?」
「こんな状態で眠れるか?」
通訳しだすとみんな動き始めた。

墓が完成する頃には、日が昇り始め時計を見ると6時、結構時間が掛かったと思い、疲れもあったので、余り被害が無さそうな家で寝る、霞月も横になってすぐ寝始めた、初っ端から飛ばしすぎだ、この世界の命は軽いんだな。

目が覚め時計を見ると13時、外に出て見ると飯を作っている様だ。
霞月も起きてきて話してくる、と歩いて行ってしまった。
村は小さな村で家が10軒ほど、半分が畑になっていて、昨日墓を作った人数を合わせても三十人程だろう。
その内で生きてた者が七名+捕まっていた三名。
この人数では村の維持は無理だ、
まず全員が女、男は皆殺されていた。
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