おっさん探訪記

盾乃あに

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恋占い

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 昨日は盛り上がったみたいだな。
 俺に請求書が来たので払っておく。
 リシェルが言っていた大聖堂について聞くのを忘れていたので聞いに行くと、
「大聖堂はエルフの聖地になりますので、エルフ以外の立ち入りを禁止しています」
「入るとどうなるんだ?」
「まずは牢屋行きは確実ですね」
「…そうか。なら行かないようにしよう」
「ありがとうございます」
「リシェルは会えたのか?」
「え?」
「人に会いに行くんじゃなかったのか?」
「は、はい!行ってもよろしいんですか?」
「いいに決まってる」
「ケント様も行かれますか?」
「…邪魔にならなければな」
「やた!邪魔なんてとんでもないです!」
 と言ったところでパールが入って来て、
「まさか大婆様のところに?」
「そ、そうですよ!」
「あー!言ってないことがあるでしょ?」
「い、今から言うところです!」
「…?」
「大婆様に一緒に会いにいき認められると…その、一生を添い遂げることができると言われています」
(一生を添い遂げる?)
「結婚かなにかか?」
「け、けけ、結婚なんて!私はただケント様と一緒にいられればそれだけで」
「私も行くから!」
「は?」
「私もご主人様と添い遂げる!」
「何を言ってるの!私が先です!」
「さあ?大婆様の言う通りになるんだから!」
「…んじゃ2人とも一緒に行くか」
「ちょーっと待った!私を忘れてないか!」
「…ルビー?」
「わ。私たちも!」
「じゃー私も!」
(セイランまで何を言ってるんだ?ただの恋占いみたいなもんだろ?)
 結局はみんな行くことになった。
「ボン婆までくるとは」
「アヒャヒャ!看取ってくれよ?」
「ブッ!それ違う意味で怖いぞ」
「アヒャヒャ」
 大神殿から遠く離れた場所にあるその場所には行列ができていた。
「おおー、凄いっすね」
「だな」
 他の女達は緊張しているようだな。

 長いこと待たされてようやく中に通される。
「リシェルかい、久しぶりだね」
「はい、大婆様。こちらが私の」

「あ、あんたは…」
「…?」
「あんたは凄いね、こりゃたまげたよ」
「大婆様私とケント様は?」
「あははは!あんただけに収まる玉じゃないよ!」
「えっ!」
「こんな男は初めてだよ!私ももっと若ければねぇ」
「そ、それはどう言う」
「あんたは自分の思うままに行きな!そしてついてくる女は必死で離さないようにしな!ただそれだけじゃ」
「わ、分かりました!」
 横に引っ付いてるリシェルの力が強くなる。
 外に出るとリシェルが女達を呼んでヒソヒソと話すとみんな笑顔になっている。
(ちょ、ちょっと怖いな)
「よーし!がんばろっと!」
「私も頑張んなきゃ!」
 と口々にそう言うと俺の手を引っ張って買い物だぁ、と言って連れて行く。
「…?」
『俺はこのままでいいって言ってたよな?」
 と連れて行かれるまま一緒に行くしかなかった。

 もう一つ忘れていたのが異世界人のことだ。
「リシェル。牢屋にはどうやったらいけるんだ?」
「それは、大司教様に会ってお願いするしかないかと」
「では、大司教に会いたいのだが?」
「うーん、そうですね。行ってみましょう!」
 大聖堂を過ぎて、奥に向かうと白く大きな建物があった。
「こちらにいる方は冒険者ランクSのケント様です。お話ししたいことがあり大司教さまに御面会出来ないですか?」
 と門兵にいうとギルドカードを確認してから聞いて来てもらうと明日なら会えるとのことだったので明日来ることになった。

 帰り道、ギルドに立ち寄ると、少し依頼を見て回る。特にいいのがなかったので帰ろうとすると。
「待て!お前!ランクSとか言ってるらしいじゃねーか?」
「俺たちが化けの皮剥がしてやるよ」
「…はぁ、でどうするんだ?」
 ニヤリと笑った男達は闘技場に来いと言う。
「それで気が済むなら」


 闘技場には俺1人に対しての数が尋常じゃないな。
「おい!ビビってんじゃねーぞ!」
「あら行くぞ!」
「おおっ!」
「ライトニングソード」
 剣を二つ取り出して両方に雷魔法を付与するとアクセルで突っ込んでいき。当たると一瞬で意識が飛ぶようだ。俺はその場で剣を振り回すだけでどんどん倒れて行く。
「お、おい!や、やめてくれ!」
「ふざけるな」
「す、すまなかった!俺たちが悪かったよ」
「誰から依頼された?おおかたあの貴族だろうがな」
「そ、そうだ、俺たちは依頼されて!」
「だが俺には関係ない!寝とけ!」
「ウガッ!」
 立っているものは俺以外いなくなった。
「フンッ!おおかたどこかで見ているんだろう?」
「ば。バカな!あれだけいた冒険者を」
「何人かかってこようが変わらんぞ?」
「ら、ランクSとはこうも違うのか」

 と出て来た貴族は言うと逃げようとする。
 アクセルを使い目の前に出ると、
「お、俺が悪かった」
「これ以上は命を懸けろ」
「わ、わかった」
 逃げて行く後ろ姿を見てようやくパールの事が一段落したなと思った。
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