おっさん探訪記

盾乃あに

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裏の顔

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「お前は置かれてる立場がわかってないみたいだな?」
「…お前らこそいいのか?」
「は?」
“トス”
「ウギャアァァァ」
 盗賊の腕に矢が刺さる。
「…こっちは殆どが冒険者と変わりないぞ?」
「な、なに!?」
“シュン”
「みんな殺さないでよ!」
「「おおー」」
「マジかよ」
「おおマジだ」

 すぐに制圧された盗賊は10人と多いな。
(まぁ、こっちの方が多いんだけどな)

「くそ!下手こいた!」
「アジトはどこだ?」
「く、誰がぎゃあ」
「言った方がいいぞ?」
「あっ、あっちにある獣道」
「あぁ、あそこか」
「お前分かってただろ!」
「まあな」
 獣道のようだが人が出入りしてるから草が生えてない。
(これでわかるなという方がバカだ)

 アジトに向かうと早くも据えた匂いがしている。
「はぁ、みんな待ってた方がよさそだぞ?」
「俺はいくっすよ」
「んじゃダウンだけついて来い」
「うっす!」
 扉を蹴破ると死臭が酷い。
「うっ!」
 と吐くダウンは何とかまたこちらを見る。
 酷いもんだ、人を何だと思ってる?
「あ?誰だテメェら?」
「デカいな、虎か?」
「おう!俺様は虎の獣人様よ!」
「そうか、殺さずに行こうか」
「何だと?」
 身体強化を使い相手の懐に入ると両腕を切り落とす。
「ウガァァァァ」
「ヒール」
「ウガァ!」
“ガキン”
 噛みついたのが悪かったな。これはアダマンタイト製だ。
「あがが!」
「そいじゃ。外に放り投げるぞ!」
「うっす!」
 5人いた盗賊は動けなくして外に放り投げる。

 そして、家探しするとマジックバックが一個見つかったので中身を見ると金貨やギルドカードなんかが入っていた。
 そして奥には捕まってる人が10人ほどいたので鍵を開けて出してやる。
 1人が走って盗賊を蹴っていた。
「おい、殺すなよ?」
「分かってる!こいつは姉さんの仇だ!」
 確かに女の死体やらが乱雑に捨てられている。
「仕方ない、集めて燃やしてやろう」
「うっす」
 手分けしてその辺に転がっている死体を集めて燃やしてやる。みんな明日は我が身だったのだろう。安心して泣いている。

 ルビーが女達に服を渡している。もちろんクリーンをかけてやるが。まぁ、上等な服だ、着慣れないのかもしれないな。
「早く着ろ、さっさとここを離れるぞ?」
「は、はい!」
「っとに、私のいうことは聞かずにケントの言うことを聞くなんてね!」
 とルビーは少し怒っていた。
 盗賊達は当たり前のように歩きだがそれでも定員オーバーだから多少歩きになるのはしょうがない。女達を乗せ、ダウンやミイ達が走っている。

 野営をしていると、
「な、なあ!それ食わせてくれよ」
「…殺すぞ?」
「は、はらへってんだよ」
「知らん」
 盗賊にやる飯なんてないな。

 11人の奴隷の中でまた1人借金奴隷がいたのでその子以外を解呪していく。
 借金奴隷なら仕方ないな。
 ルビーも渋々奴隷契約をしてくれる。
 よく見ると盗賊を蹴っていた子だ。
 姉さんと言っていたのでお姉さんも借金奴隷だったのだろう。

 次の日には盗賊にクリーンをかけてまた走らせる。クリーンをかけないと臭くてしょうがないからだ。

 ようやく次の街に着いた。
 盗賊を門兵に渡そうとし話をする。主にルビーがだが。
「はぁ、仕方ない、ケント、ギルドカード出して」
「…?」
 渡して聞きにいくと、
「だからこいつらは盗賊ではない」
「これでもそう言えるのね?」
「は?え、え、ランクS?」
「あんたの上司呼んで来い!」
「は、はい!」
 門兵は走って行くと小太りの兵士を連れてくる。
「なんだぁ!お前らが連れて来たこいつらは盗賊ではないと言って…ら、ランクS?」
「…お前もグルか?」
「い、いえ、これには!わけがありまして!」
「何だ言ってみろ?ふざけたこと抜かすと首斬るぞ」
「は、はひ!わわたしの一存ではこいつらを盗賊とはい、言えないのであります!」
「はぁ、わかった!次の街まで連れていく!」
「そ、それもちょっとお待ちいただいていいでしょうか!」
「…俺は気が長い方ではない」
「で、ですよねー!すぐに取り合って来ます!」
 小太りの兵士は走って行ってしまった。
「おい!どういうことだ?」
「へへっ!なにがだ?ゴベェェッ!」
「聞いたことに答えろ」
「こ、ここじゃ俺らは盗賊じゃないのさ!」
 ニヤついているやつからぶん殴ってやる。
 すると領主の乗った馬車が到着した。
「おい!お前がランクSか?」
「…そうだが?」
「報奨金を渡そう」
「こいつらは?」
「それはこちらに任せてもらう」
「ならいらん!次の街に連れていく」
「な!なぜだ!報奨金だぞ!金が…」
 首には剣が添えられている。
「こいつらは盗賊だ。それ以外の何者でもない」
「だ、だが、」
「お前らが通じ合ってるのも分かった。それじゃあ別の街に連れていく」
「そ、それは!」
「異論は認めん!」
「…私はこれでも貴族だぞ?」
「それがどうした?斬ってもいいなら斬るぞ?」
「なっ!な、ランクSだから何をしてもいいわけじゃないだろ!」
「そのまま、その言葉を返す」
「く…わ、わかった、犯罪奴隷にする」
「は、話が違うぞ!」
 盗賊の1人が叫ぶ。
「こいつは奴隷で儲けていたクソ貴族だ!」
「お、お前たち!連れていけ!」
“シュシュン!”
「あ!」
「誰が連れて行っていいと言った?俺は認めてないぞ?」
「だが」
「お前はすぐに自滅するだろう」
「や、やめてくれ」
「いや、俺は次の街まで行く!」
「はい決まりね!この街は腐ってる!さっさと行こう」
「待てと言っている!!」
「…なんだ?」
「わかった、そいつらを晒し首にィィィ!」
「お前がなるか?」
「…」
「なら裁きを待つんだな!いくぞ!」

「…あぁ、や、ヤバいぞ!」
 辺境伯の声が聞こえた。
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