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第11章
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それから地元に着くまでお互いになにも話さなかった。着いたのは昼過ぎだった。ジョニー・ウォーカーはムジカの前に停車した。メシでも食おうぜと言った。
店の中に入ると、カウンターにストライプのジャケットを着た男がコーヒーを飲みながら新聞を読んでいた。俺たちがドアを開けたときのベルの音で、新聞を置くとこちらを見た。余市だった。
「ここにいれば、あんたに会えると思ってね……ジョニー・ウォーカー……」
どうやら今日は余市ひとりのようだった。
「まあ、座りな。ここのコーヒーは最高だよ。このサイフォンで淹れた香りがなんとも言えない」
「うちはネルドリップですけど」
デブのウエイトレスが俺たちのお冷を持ってきた。俺たちがテーブルに着くと、余市もこちらに来てジョニー・ウォーカーの横に座った。俺たちはコーヒーを頼んだ。ウエイトレスは黙って去っていった。
「青年」
余市は俺に言った。
「先週だったかな……君に警告したはずだ……『このことは忘れろ』と。しかし君はそれを聞かなかった。そのことを君は、やがて後悔するだろう――いや、もうしているのか? ……どちらでもいい。どちらにしても、もう無事ではいられない……君の大切な仲間も」
「あんたがメンバーを……」
余市は頷いた。
「好きこのんでやったわけじゃない。ただ、あんまり君のように、我々をナメている輩を放っておくと、我々の沽券に関わるからね」
俺は立ち上がっていた。
「もう許してください! 今日は……今日は大事なライブがあるんです! あいつらがいないと……俺は……」
「遅すぎるよ……そんなに大切なら、はじめから大事にしておくべきだったんだっ」
余市の身体がピンと緊張した。この野郎、余市がジョニー・ウォーカーを睨みつける。
「あんたの言うことはもっともだ……だけどな、今回は俺の言うことに従ってもらおうか」
ジョニー・ウォーカーは余市の脇腹にスタンガンを構えていた。ぎりっと余市が歯を食いしばった。
「シーバスリーガル兄弟に、メンバーをここに連れてくるように言え。いますぐ」
ジョニー・ウォーカーは俺を見た。俺はどうしていいのかわからなかった。奴は空いてる手で余市のポケットから拳銃を取り上げると俺に渡した。余市はちっと舌打ちをしてゆっくりと携帯電話を出した。それを耳に当てる。短く指示を出して電話を切った。
「それでいい」
ジョニー・ウォーカーはそう言った。
俺は余市の拳銃をそのまま晒しておく気がせずポケットに入れた。出てきたコーヒーを飲む。苦すぎる。空腹にこの苦味は苦痛だった。俺とジョニー・ウォーカーはナポリタンを追加で頼んだ。余市はなにも言わずに煙草を吸っていた。
ナポリタンが来た。俺たちはコーヒーをおかわりした。余市も頼んだ。三人とも喋らなかった。余市は俺たちが食ってるのをお構いなしに煙草を吸っている。俺は妙な空気を感じてただでさえマズいナポリタンがさらに喉を通らなかった。ジョニー・ウォーカーはどうなのか。これでもうおしまいにする気なのか。そして俺はどうすればいいのか。もう首を突っ込む気はないが、なんだか妙な気持ちが拭えなかった。
どうにかナポリタンを平らげたころ入口のベルが鳴った。シーバスリーガル兄弟が入ってきた。そのあとにバンドのメンバーも続いて入ってきた。ジョニー・ウォーカー、と兄弟の片方が呟く。
「よし」ジョニー・ウォーカーが言った。「こいつらを解放しろ。そして、二度と関わるな」
シーバスリーガル兄弟は余市を見た。余市は黙ったまま目で促した。それを見て兄弟がメンバーに行けと言った。メンバーは逡巡して俺を見ていた。俺は黙って頷いた。メンバーはそのままなにも言わず店を出た。
店内は静まり返っていた。誰も話さない。重い空気がじいっと留まるように支配していた。ジョニー・ウォーカーは吸っていた煙草を消すと、俺に行くぞと言い、テーブルに金を置いて席を立った。
余市たちは俺たちが出ていくのを黙って見ていた。外に出て、ハイエースに乗ろうとしたときにジョニー・ウォーカーが畜生、と叫んだ。どうしたと俺は運転席側に回って、そう言ってから気づいた。タイヤがパンクしていた。
野郎、ジョニー・ウォーカーはドアを殴った。それからはっと顔を上げて俺に伏せろと言った。その瞬間、何発もの銃声が鳴り響いた。こっちだとジョニー・ウォーカーはハイエースの影からフェンスを超えた。俺もそれに続く。家の裏口に入ってそのまま表へと走った。上から叫び声がする。俺たちを見てか銃声のせいかはわからない。とにかく走った。
家の敷地から出ると入り組んだ住宅街だった。さらに走って大通りへ出る。辺りを見回すと追っ手はいないようだった。それでもジョニー・ウォーカーは止まることなく走っていった。あとへ続く。通り沿いのデパートに入る。食品売り場を抜けてエスカレーターを駆け登る。三階まで登り、紳士服売り場を抜けて男子トイレの中へ入るとようやく息をついた。
必死で呼吸を整えようとする。苦しい。息が上がっているうえに脇腹が痛い。
「やべえな」
ジョニー・ウォーカーが言った。
「なにが」
俺はどうにかそう返した。ジョニー・ウォーカーがふうと大きく息をつく。
「なにがってお前、もうライブどころじゃねえぞ。俺たちは完全にマークされてる。外に出れば周りは敵だと思えよ」
どうにか呼吸が落ち着いた。カナディアンクラブが俺たちを狙っている。メンバーはどうにか助かったが俺の身は保証されていない。それにおそらくいや絶対にゴールデンキャデラックも動く。
俺は自分の両頬を手で叩いた。
「どうした」ジョニー・ウォーカーが言った。
「決めた」俺は言った。「ライブはやる。アキも助ける」
「ガキみてえなこと言ってんじゃねえよ。さっきあれだけ命乞いしてたのをもう忘れたのか? ガキの喧嘩じゃねえんだぞこれは」
「わかってる。でも決めた」
俺がそう言うとジョニー・ウォーカーはため息をついた。
「ライブは何時からなんだ?」
「七時スタートで九時まで。ただ、その前にリハーサルがある」
ジョニー・ウォーカーは腕時計を見た。
「リハーサルは何時からだ?」
「四時」
そう言って俺は携帯電話で時間を確認した。あと二時間もない。
「場所は?」
俺はライブハウスの場所を言った。ここから普通に行けば、一時間で着く。しかしそう簡単にはいかないだろう。
「最悪、本番に間に合えばいいよな」
俺は頷いた。
「夕食には帰れそうだな」
ジョニー・ウォーカーはひとりで笑っていた。
店の中に入ると、カウンターにストライプのジャケットを着た男がコーヒーを飲みながら新聞を読んでいた。俺たちがドアを開けたときのベルの音で、新聞を置くとこちらを見た。余市だった。
「ここにいれば、あんたに会えると思ってね……ジョニー・ウォーカー……」
どうやら今日は余市ひとりのようだった。
「まあ、座りな。ここのコーヒーは最高だよ。このサイフォンで淹れた香りがなんとも言えない」
「うちはネルドリップですけど」
デブのウエイトレスが俺たちのお冷を持ってきた。俺たちがテーブルに着くと、余市もこちらに来てジョニー・ウォーカーの横に座った。俺たちはコーヒーを頼んだ。ウエイトレスは黙って去っていった。
「青年」
余市は俺に言った。
「先週だったかな……君に警告したはずだ……『このことは忘れろ』と。しかし君はそれを聞かなかった。そのことを君は、やがて後悔するだろう――いや、もうしているのか? ……どちらでもいい。どちらにしても、もう無事ではいられない……君の大切な仲間も」
「あんたがメンバーを……」
余市は頷いた。
「好きこのんでやったわけじゃない。ただ、あんまり君のように、我々をナメている輩を放っておくと、我々の沽券に関わるからね」
俺は立ち上がっていた。
「もう許してください! 今日は……今日は大事なライブがあるんです! あいつらがいないと……俺は……」
「遅すぎるよ……そんなに大切なら、はじめから大事にしておくべきだったんだっ」
余市の身体がピンと緊張した。この野郎、余市がジョニー・ウォーカーを睨みつける。
「あんたの言うことはもっともだ……だけどな、今回は俺の言うことに従ってもらおうか」
ジョニー・ウォーカーは余市の脇腹にスタンガンを構えていた。ぎりっと余市が歯を食いしばった。
「シーバスリーガル兄弟に、メンバーをここに連れてくるように言え。いますぐ」
ジョニー・ウォーカーは俺を見た。俺はどうしていいのかわからなかった。奴は空いてる手で余市のポケットから拳銃を取り上げると俺に渡した。余市はちっと舌打ちをしてゆっくりと携帯電話を出した。それを耳に当てる。短く指示を出して電話を切った。
「それでいい」
ジョニー・ウォーカーはそう言った。
俺は余市の拳銃をそのまま晒しておく気がせずポケットに入れた。出てきたコーヒーを飲む。苦すぎる。空腹にこの苦味は苦痛だった。俺とジョニー・ウォーカーはナポリタンを追加で頼んだ。余市はなにも言わずに煙草を吸っていた。
ナポリタンが来た。俺たちはコーヒーをおかわりした。余市も頼んだ。三人とも喋らなかった。余市は俺たちが食ってるのをお構いなしに煙草を吸っている。俺は妙な空気を感じてただでさえマズいナポリタンがさらに喉を通らなかった。ジョニー・ウォーカーはどうなのか。これでもうおしまいにする気なのか。そして俺はどうすればいいのか。もう首を突っ込む気はないが、なんだか妙な気持ちが拭えなかった。
どうにかナポリタンを平らげたころ入口のベルが鳴った。シーバスリーガル兄弟が入ってきた。そのあとにバンドのメンバーも続いて入ってきた。ジョニー・ウォーカー、と兄弟の片方が呟く。
「よし」ジョニー・ウォーカーが言った。「こいつらを解放しろ。そして、二度と関わるな」
シーバスリーガル兄弟は余市を見た。余市は黙ったまま目で促した。それを見て兄弟がメンバーに行けと言った。メンバーは逡巡して俺を見ていた。俺は黙って頷いた。メンバーはそのままなにも言わず店を出た。
店内は静まり返っていた。誰も話さない。重い空気がじいっと留まるように支配していた。ジョニー・ウォーカーは吸っていた煙草を消すと、俺に行くぞと言い、テーブルに金を置いて席を立った。
余市たちは俺たちが出ていくのを黙って見ていた。外に出て、ハイエースに乗ろうとしたときにジョニー・ウォーカーが畜生、と叫んだ。どうしたと俺は運転席側に回って、そう言ってから気づいた。タイヤがパンクしていた。
野郎、ジョニー・ウォーカーはドアを殴った。それからはっと顔を上げて俺に伏せろと言った。その瞬間、何発もの銃声が鳴り響いた。こっちだとジョニー・ウォーカーはハイエースの影からフェンスを超えた。俺もそれに続く。家の裏口に入ってそのまま表へと走った。上から叫び声がする。俺たちを見てか銃声のせいかはわからない。とにかく走った。
家の敷地から出ると入り組んだ住宅街だった。さらに走って大通りへ出る。辺りを見回すと追っ手はいないようだった。それでもジョニー・ウォーカーは止まることなく走っていった。あとへ続く。通り沿いのデパートに入る。食品売り場を抜けてエスカレーターを駆け登る。三階まで登り、紳士服売り場を抜けて男子トイレの中へ入るとようやく息をついた。
必死で呼吸を整えようとする。苦しい。息が上がっているうえに脇腹が痛い。
「やべえな」
ジョニー・ウォーカーが言った。
「なにが」
俺はどうにかそう返した。ジョニー・ウォーカーがふうと大きく息をつく。
「なにがってお前、もうライブどころじゃねえぞ。俺たちは完全にマークされてる。外に出れば周りは敵だと思えよ」
どうにか呼吸が落ち着いた。カナディアンクラブが俺たちを狙っている。メンバーはどうにか助かったが俺の身は保証されていない。それにおそらくいや絶対にゴールデンキャデラックも動く。
俺は自分の両頬を手で叩いた。
「どうした」ジョニー・ウォーカーが言った。
「決めた」俺は言った。「ライブはやる。アキも助ける」
「ガキみてえなこと言ってんじゃねえよ。さっきあれだけ命乞いしてたのをもう忘れたのか? ガキの喧嘩じゃねえんだぞこれは」
「わかってる。でも決めた」
俺がそう言うとジョニー・ウォーカーはため息をついた。
「ライブは何時からなんだ?」
「七時スタートで九時まで。ただ、その前にリハーサルがある」
ジョニー・ウォーカーは腕時計を見た。
「リハーサルは何時からだ?」
「四時」
そう言って俺は携帯電話で時間を確認した。あと二時間もない。
「場所は?」
俺はライブハウスの場所を言った。ここから普通に行けば、一時間で着く。しかしそう簡単にはいかないだろう。
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