ザキュウ!

ひさ

文字の大きさ
上 下
1 / 10
第1章 「ザキュウ」

ザキュウ

しおりを挟む
「はぁ……」

ため息から始まるこの物語。
肩下までのポニーテールをユラユラさせながら歩く彼女は、何故か袴を履いている。まるで、赤髪の頬に十字傷の男を慕う少女のようだ。
だが、その手に持っているのは竹刀ではなく……。

「今日も座弓希望者はゼロかなぁ……」

「座弓」……ザキュウ、と読むそれは、正直知らない人間の方が多いだろう。
あのWikip〇diaによると……というか、調べても出てこなかった。マジで出てこなかった。これには作者も軽く絶望するほどでしたよ。

大手有名ウェブ辞典で調べても出てこないのだから、知名度はもちろん低く、案の定人も集まることも無く……
袴姿にポニーテールをユラユラさせた少女は、一人静かに道場に入っていくのだった。
しおりを挟む

処理中です...